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第3話 継続は力(か)なりめんどい
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俺が店を始めて2日が経った。昨日のお客さんはまぐれに近かったし、今日はしっかりお客さんが来るか心配だ。
「ねぇ、はやく邪念食べたいんだけど」
「なら、俺の邪念食べるか?こう見えて結構過去の鬱憤とか溜まってるんだ」
「でも、どうしても必要っていう時に食べたいし…じゃなくて、あ、主の邪念なんて要らないわよ!」
「まあそう我慢し過ぎずにな」
「我慢なんかしてないし。ただ、アタシは主と一緒に居れるだけで十分…き、聞き間違いよ聞き間違い!!今のは絶対そうよ!」
「まったく、素直じゃないなぁ」
「何よ、そんなニヤニヤして!?」
「ごめんください」
「あ、いらっしゃいませ。カウンター席をご利用ください。」
「おお、なかなか手の込んだコスプレでござるな。もしや、あなた方も同胞!?」
「何よ急に。アタシはコスプレ何かじゃない、本物の式神よ」
「おお、尊し。あなた方のような絶世の美女は3次元には滅多に居ないでござる」
「褒めたって無駄よ、アタシは主のモノ…じゃなーい!!私に何てこと言わせてんの!?」
「おお、ツンデレ具合も絶妙でござる」
「だから、主もそうだけど、そのツンデレってなんなの?」
「もしかしてお客さん、ヲタクですか?」
「まさか、ヲタク差別!?」
「いえ、俺の友達にも同じような口調の人がいてですね。もしかしてですが、一人称は『拙者』ですか?」
「おお、当たりでござる。もしや、本当に式神使い!?」
「そうですけど、それとは関係無いですよ。それで、どんなものが食べたいですか?」
「何か元気の出るものが食べたいでござる」
「それなら豚の生姜焼き定食がおススメですが、隠し味や材料、調理法などにごだわりはありますか?」
「なら、隠し味にハチミツを入れて欲しいでござる」
「分かりました。少々お待ちください。」
*
「どうぞ、豚の生姜焼き定食です。」
「では、いただきますでござる。…ん!?これはおふくろの味!?懐かしい」
「ご満足いただけましたか?ではお客さん、今って何か悩みはありますか?」
「悩み?あるでござるが、それがどうかしたでござるか?」
「実は、この店はお客さんに好きなものを食べてもらったあとにその時の悩みやイライラについて話してもらってそれを解消するっていうことをやってるんですよ」
「ほぅ、それは興味深いでござる」
「それで、何かありますか?」
「ほら、時期的にそろそろ冬コミの季節でござるが、まだ拙者は原稿が書ききれていないでござる。それを片付ける為に徹夜で考えてみるもなかなかいいものが思い浮かばず、昼間は寝不足が祟っていいものが書けないという悪循環を繰り返しているでござる」
「それはキツイですよね」
「でも、ここで愚痴を聞いてもらえただけまだ救われた方なので、解消なんかしなくていいでござるよ」
「朱雀、食べてあげてくれ」
「人間の邪念、いただき魔す!」
そして朱雀はお客さんに手を突っ込むと紫色の禍々しい塊をだした。
「んん~!?なかなかおいしい!そりゃあの堅物そうな修司の旦那が美味しいって言うだけはあるわ」
「朱雀、美味しいか。美味しいならよかった」
「い、今何したでござるか!?」
「朱雀が邪念を食べただけですよ」
「なぜかとても体が楽で活力が沸いてくるでござる!!」
「ならよかったです。また何かあればお越しください」
「代金はいくらでござるか?」
「今回は…、840円くらいですね」
「安っ!?そんな値段でいいでござるか!?」
「何も問題はありません。では、またどうぞ」
「ごちそうさまでしたでござる」
こうして、2人目の客は帰っていった。
「もっと邪念食べたいな」
「だったら、明日からも頑張ろう」
「うん!」
こうして後に噂が広まり、ヲタクの溜まり場にもなったのであった。
続く
「ねぇ、はやく邪念食べたいんだけど」
「なら、俺の邪念食べるか?こう見えて結構過去の鬱憤とか溜まってるんだ」
「でも、どうしても必要っていう時に食べたいし…じゃなくて、あ、主の邪念なんて要らないわよ!」
「まあそう我慢し過ぎずにな」
「我慢なんかしてないし。ただ、アタシは主と一緒に居れるだけで十分…き、聞き間違いよ聞き間違い!!今のは絶対そうよ!」
「まったく、素直じゃないなぁ」
「何よ、そんなニヤニヤして!?」
「ごめんください」
「あ、いらっしゃいませ。カウンター席をご利用ください。」
「おお、なかなか手の込んだコスプレでござるな。もしや、あなた方も同胞!?」
「何よ急に。アタシはコスプレ何かじゃない、本物の式神よ」
「おお、尊し。あなた方のような絶世の美女は3次元には滅多に居ないでござる」
「褒めたって無駄よ、アタシは主のモノ…じゃなーい!!私に何てこと言わせてんの!?」
「おお、ツンデレ具合も絶妙でござる」
「だから、主もそうだけど、そのツンデレってなんなの?」
「もしかしてお客さん、ヲタクですか?」
「まさか、ヲタク差別!?」
「いえ、俺の友達にも同じような口調の人がいてですね。もしかしてですが、一人称は『拙者』ですか?」
「おお、当たりでござる。もしや、本当に式神使い!?」
「そうですけど、それとは関係無いですよ。それで、どんなものが食べたいですか?」
「何か元気の出るものが食べたいでござる」
「それなら豚の生姜焼き定食がおススメですが、隠し味や材料、調理法などにごだわりはありますか?」
「なら、隠し味にハチミツを入れて欲しいでござる」
「分かりました。少々お待ちください。」
*
「どうぞ、豚の生姜焼き定食です。」
「では、いただきますでござる。…ん!?これはおふくろの味!?懐かしい」
「ご満足いただけましたか?ではお客さん、今って何か悩みはありますか?」
「悩み?あるでござるが、それがどうかしたでござるか?」
「実は、この店はお客さんに好きなものを食べてもらったあとにその時の悩みやイライラについて話してもらってそれを解消するっていうことをやってるんですよ」
「ほぅ、それは興味深いでござる」
「それで、何かありますか?」
「ほら、時期的にそろそろ冬コミの季節でござるが、まだ拙者は原稿が書ききれていないでござる。それを片付ける為に徹夜で考えてみるもなかなかいいものが思い浮かばず、昼間は寝不足が祟っていいものが書けないという悪循環を繰り返しているでござる」
「それはキツイですよね」
「でも、ここで愚痴を聞いてもらえただけまだ救われた方なので、解消なんかしなくていいでござるよ」
「朱雀、食べてあげてくれ」
「人間の邪念、いただき魔す!」
そして朱雀はお客さんに手を突っ込むと紫色の禍々しい塊をだした。
「んん~!?なかなかおいしい!そりゃあの堅物そうな修司の旦那が美味しいって言うだけはあるわ」
「朱雀、美味しいか。美味しいならよかった」
「い、今何したでござるか!?」
「朱雀が邪念を食べただけですよ」
「なぜかとても体が楽で活力が沸いてくるでござる!!」
「ならよかったです。また何かあればお越しください」
「代金はいくらでござるか?」
「今回は…、840円くらいですね」
「安っ!?そんな値段でいいでござるか!?」
「何も問題はありません。では、またどうぞ」
「ごちそうさまでしたでござる」
こうして、2人目の客は帰っていった。
「もっと邪念食べたいな」
「だったら、明日からも頑張ろう」
「うん!」
こうして後に噂が広まり、ヲタクの溜まり場にもなったのであった。
続く
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