配達の仕事から戻ると私の机が無かった

緋色萩

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1.配達から戻ると私の机が無かった

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以下、すべてがノンフィクションです。


この事件が起きたのは2018年2月17日の午後。
勤め先は、きいろとみどりのニャー、と言えばお判りでしょうか。


羽生君はオリンピックを2連覇、誠におめでとうございます。
羽生先生は素晴らしい戦いを経ての惜敗でした藤井君すごい。
そういった名字の非常にややこしい大ニュースが乱れ飛んでいましたね。



私はメール便を専属で配るドライバーです。
その日は吹雪の中で配達しておりました。結構な地吹雪です。
視界不良に負けずエンヤコラと軽自動車を駆り、ここで書くにあたり調べてみると杉並区ほどの範囲のお宅を一軒一軒回りました。

それほど多くの冊数ではありませんでしたが、終わった時には心からホッとしました。



そうして帰りついた事務所には、私の机が無かった。



人間、本当にわけが判らないと笑えてくるようです。
通用口から事務所に入ってすぐにあった私の机は、消えていました。
代わりに在ったのはドライバーの出発と帰宅時にそれぞれ書類確認をするカウンターです。

勤め先である事務所が入った支店には、地域ごとでセンターという括りがあります。
その責任者であるセンター長の一人が言いました。

「ああ、机? 事務所の外の二階にあるよ」

帰るまでに吹雪が止んだとはいえ、そこは極寒で吹きさらしの屋外です。

「嘘だよ。事務所の奥にある和室に運んだ」

私は思い出しました。出がけにやたらと事務所が慌ただしかった事を。
改装癖持ちとでも言う以外に無い、ここで一番立場がある相手がやらかしたのです。
犯人はこの事務所がある支店の長の、『I』でした。


机の運ばれた和室は、事務所から出て伸びる短い廊下の脇にあります。
上がりのあるだけで和室とは名ばかりのフローリング。
物置になっている誰も使わない休憩室です。
事務所の外でエアコンはありません。その代わりにちいさなストーブが置いてありました。
当然ながら部屋は極寒のまま。私ともう一人いるメール便担当の方とで使う、携帯端末の充電器などが散乱していました。

ちなみに天井からは裸電球が釣り下がっています。
壁にはかつての暖房器具の名残である穴が開いています。
机は古いスチール机なので、冷凍庫の氷のように冷えていました。


現代版小公女○ーラの舞台美術としてはピッタリでしょう。
もしくは成り上がり系なろうにおける最最初期ステージ。
どっちもごめんこうむります。


今までにも色々とパワハラ案件はありましたが、これは最大最強です。
メール便を扱う立場は、別に虐げても構わない。そういった暗黙の了解が上から下までしっかりと浸潤しています。


笑うしかない私に、先ほどのセンター長がついでと言いました。

「まだ動かしていないけど、メール便の返品を乗せている棚が邪魔だなあ」

メール便を配るメイトさんと呼ばれる方々がいます。
諸事情があって配る事が出来ない冊子をメイトさんから預かっての返品作業や、メイトさんの勤務表の作成。
配っていただいた冊数を確認しつつの明細表作りなど、私にはデスクワークも多々とあります。


どうやら私の仕事は「邪魔」の一言で済むようです。



私の住んでいる県にある、同じ会社の某センター。
上司のパワハラによって自殺者が出たのはつい最近です。
体質改善(笑)といった感じです。

素晴らしい事に、私がこの仕事を始めてから一周年を迎えたのがこの二日前です。
二年目は永劫に迎える事は無いでしょう。




以降続きます。私の受けたパワハラ案件を紹介していきたいと思います。
盛りません。全て事実です。
それではよろしくお願いします。
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