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第72話 お客様、大当たりです!
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―― 夜 ――
虎一郎たちは遊び疲れて部屋で眠ていると、虎一郎たちの部屋をノックする音が聞こえた。
コンコン
「……」
部屋にいた虎一郎と茜衣と菜七海はノックに気づかずに寝ていた。
コンコン
「サービスのフルーツをお持ちしました」
バッ!
茜衣と菜七海はその言葉に飛び起きると、ドアに走っていってドアを開けた。
ガチャ
「あ、こんばんは。こちらがサービスのフルーツ盛り合わせになります」
「あ、すごい!」
「すごぃ」
茜衣と菜七海は豪勢なフルーツ盛り合わせに驚くと、ホテルのスタッフは穴の空いた紙の箱を茜衣たちの前に差し出した。
「こちらはクジ引きになります。もし当たればホテルの前に来ているキッチンカーのクレープが食べ放題です!!」
「まじで!?」
「すごぃ」
「ですが、申し訳ございませんがクジを引けるのがお1人だけなのですが……」
「じゃあ、あたしが引く!」
「ぅん」
茜衣は自信満々に腕をグルグル回すと、勢いよく腕を紙の箱に突っ込んだ。
ズボッ! ガサガサガサガサ……
「これだ!」
茜衣は紙を1つ引っ張り出すと、紙には「当たり」と書いてあった。
「おっしゃー!!」
「すごぃ」
「お客様、大当たりです! では外のキッチンカーへ行きましょう!」
「やった、クレープだ!」
「ぅん」
茜衣たちが部屋から出ると、オートロックのドアが閉まる前に何者かが現れて足を挟んだ。
ガッ
「……よし」
そして足を挟んだ人物は静かに部屋の中に入ると、部屋に置いてあった「培養肉マシーン」を見つけた。
すると少し棒読みのように呟いた。
「培養肉マシーンはもらっていくぜ。ホテルは戦闘できないから安心だぜ。こいつが起きないように逃げるぜ」
そして風呂敷で培養肉マシーンを包むと、部屋の外へ運び出した。
ガチャ
部屋のドアが閉まると、虎一郎はスッと起き上がった。
「物取りか」
虎一郎は刀を腰に差すと部屋を出て、培養肉マシーンを持ち逃げした人物を静かに追いかけた。
虎一郎が部屋から出てしばらくすると、何者かがドア認証キーのコピーを使って部屋に入った。
ガチャ
「本当はこんな事したくなかったが……。あっ!」
その人物は伏せて寝ているララ太郎とララ助、そしてツバキとアルマジロに驚くと思わず声を漏らした。
「あ、ああ良かった。動物か……。ホテルの支配人だとバレたら大変なことになるからな」
支配人はそう呟くと部屋の隅に「肉の元LV5」を見つけた。
「あった、これだな」
支配人は麻の袋を出現させて「肉の元LV5」を入れた。
「これでよし……」
支配人は麻の袋を抱えると静かに部屋を出ていった。
パチッ!
すると寝たふりをしていたララ太郎とララ助はドアのほうへ走り出してドアが閉まるのを止めた。
ガッ
すると同じく寝たふりをしていたアルマジロとツバキも目を開けてララ太郎とララ助のところへ集まった。
ララ太郎はみんなの前に出るとアニマル語で話し始めた。
「みんな、ぼくたちの出番だ!」
ウンウン
みんなは頷いた。
「あの人はホテルの支配人だって言ってた」
ウンウン
「今から、あのお肉の元を取り戻しに行こう!」
ウンウン
すると一番の年長者のアルマジロがララ太郎に言った。
「ぼく、ナミ呼べる」
「!!!」
すると、ララ太郎とララ次郎は驚き、ツバキは「?」になった。
「菜七海のお母さんのナミを?」
「すごい認定英雄のナミ!」
「なみ?」
「うん。いま呼ぶね」
「おねがい!」
「すごい!」
「なみ?」
アルマジロは「うぅ~ん!」と唸ると、現実世界でナミのスマホが鳴った。
―― 現実世界 ――
ピロリン ピロリン
「ぇ?」
夕飯の支度をしていたナミはスマホを見て驚いた。
「ぁ、アルマジロ!」
スマホの画面には、
『ナミさんのアル・マジロンが助けを呼んでいます』
と表示されていた。
「ぃかないと!」
それを見たナミは慌てて引き出しからVRグラスを引っ張り出すと、急いでゲーム機のある2階へ上がった。
―― ワイハー島 ホテルの廊下 ――
トトトトトトトト……
ララ太郎たちはホテルの支配人の後を隠れながら付いていっていた。
ホテルの支配人は普段は誰も使わない階段を使って1階に降りると、厨房に入っていった。
そして「肉の元LV5」をロッカーに隠すと、鍵をかけてどこかへ消えていった。
ララ太郎はそれを確認すると、みんなに指示を出した。
「よし、行こう! あのロッカーを噛みちぎるぞ!」
ウン!
ララ太郎たちは一斉に飛び出すとアルマジロはロッカーに飛び込み、ララ次郎とツバキはロッカーの扉の下の部分に噛み付いた。
ガゥゥゥウウウ!
ガン! ガリガリガリ
「そこまでだ」
ララ太郎たちは人間の声に振り向くと、なんとサルサルが腕を組んで立っていた。
ララ太郎たちは姿勢を低くして戦闘態勢を整えると、サルサルは笑いながらララ太郎たちに言った。
「なんだ、お前らか。この間はやってくれたな」
それを聞いたララ太郎は口から火の粉を吐こうとしたが、できなかった。
「おいおい、ここはホテルだ。戦闘は出来ねぇぜ」
「クルル……」
ララ太郎は警戒しながら後ろに下がると、突然アルマジロが体を丸めて力いっぱいロッカーに飛び込んだ。
「きゅきゅきゅきゅきゅ!」
バギャン!
すると、その勢いでローカーは歪み、ロッカーの扉の下に隙間ができた。
ガッ! ガゥゥウウ!
ララ太郎は急いで隙間から見えた麻の袋に噛み付いて引っ張り出すと、勢いよく走り出した。
タタタタタタタタタタタ……
バッ! ガチャ
そしてララ次郎が裏口の扉のドアノブにしがみついて回すと、ララ太郎が突っ込んでドアを開け、みんなは一斉に外へ走り出た。
タタタタタタタタタタタ……
「あっ! てめぇら!」
それを見たサルサルは慌ててララ太郎たちを追いかけると、一際足が短いアルマジロが遅れていった。
それを見たララ次郎はアルマジロに叫んだ。
「アルマジロさん! 急いで!」
「ごめんね、ぼく足が短いから遅いんだ」
「大丈夫! アルマジロさん頑張って!」
するとアルマジロは立ち止まってララ次郎に言った。
「ぼく大丈夫。みんな逃げて。ぼく戦う」
「えっ!?」
アルマジロは足を止めると、サルサルの前に立ちふさがるように立ち止まった。
虎一郎たちは遊び疲れて部屋で眠ていると、虎一郎たちの部屋をノックする音が聞こえた。
コンコン
「……」
部屋にいた虎一郎と茜衣と菜七海はノックに気づかずに寝ていた。
コンコン
「サービスのフルーツをお持ちしました」
バッ!
茜衣と菜七海はその言葉に飛び起きると、ドアに走っていってドアを開けた。
ガチャ
「あ、こんばんは。こちらがサービスのフルーツ盛り合わせになります」
「あ、すごい!」
「すごぃ」
茜衣と菜七海は豪勢なフルーツ盛り合わせに驚くと、ホテルのスタッフは穴の空いた紙の箱を茜衣たちの前に差し出した。
「こちらはクジ引きになります。もし当たればホテルの前に来ているキッチンカーのクレープが食べ放題です!!」
「まじで!?」
「すごぃ」
「ですが、申し訳ございませんがクジを引けるのがお1人だけなのですが……」
「じゃあ、あたしが引く!」
「ぅん」
茜衣は自信満々に腕をグルグル回すと、勢いよく腕を紙の箱に突っ込んだ。
ズボッ! ガサガサガサガサ……
「これだ!」
茜衣は紙を1つ引っ張り出すと、紙には「当たり」と書いてあった。
「おっしゃー!!」
「すごぃ」
「お客様、大当たりです! では外のキッチンカーへ行きましょう!」
「やった、クレープだ!」
「ぅん」
茜衣たちが部屋から出ると、オートロックのドアが閉まる前に何者かが現れて足を挟んだ。
ガッ
「……よし」
そして足を挟んだ人物は静かに部屋の中に入ると、部屋に置いてあった「培養肉マシーン」を見つけた。
すると少し棒読みのように呟いた。
「培養肉マシーンはもらっていくぜ。ホテルは戦闘できないから安心だぜ。こいつが起きないように逃げるぜ」
そして風呂敷で培養肉マシーンを包むと、部屋の外へ運び出した。
ガチャ
部屋のドアが閉まると、虎一郎はスッと起き上がった。
「物取りか」
虎一郎は刀を腰に差すと部屋を出て、培養肉マシーンを持ち逃げした人物を静かに追いかけた。
虎一郎が部屋から出てしばらくすると、何者かがドア認証キーのコピーを使って部屋に入った。
ガチャ
「本当はこんな事したくなかったが……。あっ!」
その人物は伏せて寝ているララ太郎とララ助、そしてツバキとアルマジロに驚くと思わず声を漏らした。
「あ、ああ良かった。動物か……。ホテルの支配人だとバレたら大変なことになるからな」
支配人はそう呟くと部屋の隅に「肉の元LV5」を見つけた。
「あった、これだな」
支配人は麻の袋を出現させて「肉の元LV5」を入れた。
「これでよし……」
支配人は麻の袋を抱えると静かに部屋を出ていった。
パチッ!
すると寝たふりをしていたララ太郎とララ助はドアのほうへ走り出してドアが閉まるのを止めた。
ガッ
すると同じく寝たふりをしていたアルマジロとツバキも目を開けてララ太郎とララ助のところへ集まった。
ララ太郎はみんなの前に出るとアニマル語で話し始めた。
「みんな、ぼくたちの出番だ!」
ウンウン
みんなは頷いた。
「あの人はホテルの支配人だって言ってた」
ウンウン
「今から、あのお肉の元を取り戻しに行こう!」
ウンウン
すると一番の年長者のアルマジロがララ太郎に言った。
「ぼく、ナミ呼べる」
「!!!」
すると、ララ太郎とララ次郎は驚き、ツバキは「?」になった。
「菜七海のお母さんのナミを?」
「すごい認定英雄のナミ!」
「なみ?」
「うん。いま呼ぶね」
「おねがい!」
「すごい!」
「なみ?」
アルマジロは「うぅ~ん!」と唸ると、現実世界でナミのスマホが鳴った。
―― 現実世界 ――
ピロリン ピロリン
「ぇ?」
夕飯の支度をしていたナミはスマホを見て驚いた。
「ぁ、アルマジロ!」
スマホの画面には、
『ナミさんのアル・マジロンが助けを呼んでいます』
と表示されていた。
「ぃかないと!」
それを見たナミは慌てて引き出しからVRグラスを引っ張り出すと、急いでゲーム機のある2階へ上がった。
―― ワイハー島 ホテルの廊下 ――
トトトトトトトト……
ララ太郎たちはホテルの支配人の後を隠れながら付いていっていた。
ホテルの支配人は普段は誰も使わない階段を使って1階に降りると、厨房に入っていった。
そして「肉の元LV5」をロッカーに隠すと、鍵をかけてどこかへ消えていった。
ララ太郎はそれを確認すると、みんなに指示を出した。
「よし、行こう! あのロッカーを噛みちぎるぞ!」
ウン!
ララ太郎たちは一斉に飛び出すとアルマジロはロッカーに飛び込み、ララ次郎とツバキはロッカーの扉の下の部分に噛み付いた。
ガゥゥゥウウウ!
ガン! ガリガリガリ
「そこまでだ」
ララ太郎たちは人間の声に振り向くと、なんとサルサルが腕を組んで立っていた。
ララ太郎たちは姿勢を低くして戦闘態勢を整えると、サルサルは笑いながらララ太郎たちに言った。
「なんだ、お前らか。この間はやってくれたな」
それを聞いたララ太郎は口から火の粉を吐こうとしたが、できなかった。
「おいおい、ここはホテルだ。戦闘は出来ねぇぜ」
「クルル……」
ララ太郎は警戒しながら後ろに下がると、突然アルマジロが体を丸めて力いっぱいロッカーに飛び込んだ。
「きゅきゅきゅきゅきゅ!」
バギャン!
すると、その勢いでローカーは歪み、ロッカーの扉の下に隙間ができた。
ガッ! ガゥゥウウ!
ララ太郎は急いで隙間から見えた麻の袋に噛み付いて引っ張り出すと、勢いよく走り出した。
タタタタタタタタタタタ……
バッ! ガチャ
そしてララ次郎が裏口の扉のドアノブにしがみついて回すと、ララ太郎が突っ込んでドアを開け、みんなは一斉に外へ走り出た。
タタタタタタタタタタタ……
「あっ! てめぇら!」
それを見たサルサルは慌ててララ太郎たちを追いかけると、一際足が短いアルマジロが遅れていった。
それを見たララ次郎はアルマジロに叫んだ。
「アルマジロさん! 急いで!」
「ごめんね、ぼく足が短いから遅いんだ」
「大丈夫! アルマジロさん頑張って!」
するとアルマジロは立ち止まってララ次郎に言った。
「ぼく大丈夫。みんな逃げて。ぼく戦う」
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