推しが必ず死ぬゲームのモブに転生した俺は、彼女を救うためにシナリオブレークします〜俺の推し活は彼女を生かすための活動です〜

仁徳

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第三章

第一話 今度こそ推しとのデート

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「「デ、デート!」」

 俺のデート宣言に、カレンとアリサは驚きの声を上げる。

 まぁ、そうだよな。いきなり理由もなくデートをしようと言えば、驚きもする。

「あなた、何急に変なことを言っているのよ! どうしてあの女の対策として、カレンがデートしなければいけないのよ! おかしいでしょう」

 案の定、アリサが椅子から立ち上がり、凄い剣幕で言葉を捲し立てる。

「まぁ、待てよ。ちゃんと説明するから落ち着いてくれ」

 アリサに落ち着くように促すも、彼女は興奮を冷めやらない様子だ。

 とにかく彼女が協力的になってくれないと、コワイを倒すことができない。

 どうにか落ち着きを取り戻して、しっかり話しを聞いてもらわないと。

 興奮した金髪ツインアップの女の子を宥める方法を思案していると、カレンが俺の額に触れたときのことを思い出す。

 そうだ。アリサも俺と似た様なものだ。なら、カレンが特効薬となってくれるはず。

「カレン、悪いけどアリサを宥めてくれないか」

「うん、分かった。ほら、ユウリの話しを最後まで聞こうよ。やましいことを考えていそうなときは、断ればいいのだから」

 カレンがアリサの頭を撫でる。すると彼女の頬が緩み、ニヤついた笑みを浮かべる。

 彼女のご機嫌を取るためとは言え、正直羨ましい。

「まぁ、カレンの言うとおりね。何かあれば、アタシが守ってあげれば済むことだもの」

 推しが幼馴染の頭から手を退けると、アリサは表情を引き締める。

「ゴホン。では、どうしてカレンとあなたがデートをする必要があるのか、説明をしていただけるかしら?」

 アリサが理由を話す様に促したことで、ようやく話題を進めることができた。

「分かった。カレンには一度説明しているのだが、俺のユニークスキルは【推し愛】なんだ」

「押し合い? 相撲でもするの?」

「押し合いではなく推し愛だ! 言葉は一緒でもニュアンスが違う。ようは異性と一緒にいることで幸せを感じたり、ドキドキしたりすることで、俺に新たな力が宿る。それが【推し愛】」

 さすがに『カレンへの愛』とは言えなかった。正直に詳細を話すと、またアリサが暴れる可能性がある。

「なら、カレンじゃなくてもアタシで良いじゃないのよ。その……デートの相手は」

 金髪ツインアップの女の子の言葉を聞き、内心ため息をつきたくなる。

「お前、俺の話しを聞いていたのか? 異性への幸せやドキドキが必要なんだ。アリサとデートしたところで意味がないだろう。それとも何か? アリサは俺とデートがしたいのか?」

「え! そうなの?」

 アリサを揶揄からかってみると、彼女の顔が次第に赤くなる。そして鋭い視線で俺を睨みつけてきた。

「そ、そん訳がないでしょうが! アタシはあんたを揶揄うために言っただけよ! どうしてアタシの狙いどおりにびっくりしないのよ! びっくりしなさいよ!」

「そんな無茶な。と、とにかく、コワイを倒すために必要なユニークスキルを獲得するには、カレンとデートして俺が幸せな気持ちになったり、ドキドキしたりする必要があるんだ」

 まったく、この女はこんな大事ときに何を考えているんだよ。今はふざけている雰囲気ではないだろうに。

「それで、デートのことだけどどうかな? カレンが嫌なら、他の方法を考える必要が出てくるけど」

 平静を保つ振りをしてカレンに訊ねる。

 正直、俺の心臓の鼓動は早鐘を打っていた。もし、彼女が断れば、俺はしばらく立ち直れないかもしれない。

 天運に身を任せるしかない状況の中、俺は心の中で神様にお願いする。その瞬間、脳裏にカーマの姿が映った。

 またこの件で揶揄ってくるかもしれないな。

 ジッと彼女を見つめ、返答が来るのを待つ。

「分かった。良いよ」

 カレンの口からデートを了承してもらった瞬間、俺はその場で飛び跳ねたい気持ちになった。

 だって、これが初デートなんだぜ。前回はなんやかんやで、デートもどきになってしまったけど、今回は正真正銘のデートだ。ファンとして喜ばずにはいられるかよ。

「分かったわ。カレンがそう言うのなら、アタシも特別に許可します。だけど、アタシも二人を邪魔しない様に、後ろから付いて行くわ。何が起きたとき対処できる人が必要だから」

 アリサが俺に指を向け、俺たちを尾行することを宣言する。

 正直に言ってくれるのはありがたいけど、尾行は気付かれない様にするものではないのか? それだと尾行の意味がないような?

 いや、それが彼女の作戦なのかもしれないな。敢えてつけていることを開示することで、俺が心から楽しめない様にしているのかもしれない。

 アリサ、本当に協力するつもりがあるのか?

 まぁ、最終的には俺次第だ。彼女はいないものだと思って、心から楽しむ様に心がければ、愛が溜まって行くはず。

「分かった。それじゃあ、明日の十時に中央公園の噴水前で待ち合わせをしよう」

「どうしてわざわざそんな回りくどいことをするのよ。一緒にこの屋敷を出れば良いじゃない」

 待ち合わせの場所と時間を告げると、アリサがいちゃもんを付けてくる。

 何を言っているんだよ。同時に出たらデートじゃないじゃないか。いや、待てよ。逆に一緒に屋敷を出ることで、同棲の雰囲気を醸し出すことができるな。

 いやいや、それも捨て難いがまずはデートだ。同棲は何かとすっ飛ばしている感じがする。

「これも敵を倒すためだと思ってくれ。このとおり!」

 両手を合わせて彼女たちに頼み込む。

「私は別にそれで良いよ。ユウリが楽しんでくれないと意味がないからね」

「分かったわよ。二人が家から出た後に監視した方が、何かと都合がいいのだけどね。今回は言うことを聞いてあげる」

 どうにか初デートの憧れである待ち合わせを承諾してもらい、安堵する。

「ぼっちゃま、お部屋の準備が整いました」

「ありがとう。二人を案内してくれ」

「畏まりました。お二人共、どうぞこちらにお越しくださいませ」

 カレンたちがメイドに部屋まで案内されると、俺も自分の部屋に戻る。

 ベッドに倒れる様にして横になると、明日に備えて早めに就寝することにした。

 今日は一日色々なことがありすぎて疲れた。今日はぐっすりと眠れそうだ。

 部屋の明かりを消して瞼を閉じると知らない間に眠りに就く。





 翌朝、俺はメイドが起こしに来るよりも早く目が覚めた。

 夢の中でカーマが現れるかと思ったが、そんな心配は杞憂に終わった。

「さて、今日はカレンとのデートだ。気合いを入れないとな」

 そうは言うものの、特にオシャレをするアイテムは何も持っていない。昨日と同じ格好で同じ髪型という、何も面白味のない格好だ。

 まぁ、俺にオシャレを求められても困ると言うのが正直なところだ。

 部屋の中で適当に時間を潰すが、居ても立っても居られない状況に陥る。まだ九時になったばかりにも関わらず、屋敷を出ると中央広場の噴水へと歩みを進める。

 あー、緊張するなぁ。だって、カレンとデートなんだぜ。緊張しない方が可笑しいって。

 中央広場の噴水前に辿り着き、手持ちぶさたでいる中、カレンが来るのを待つ。

 仕方がないので、噴水に移る自分の顔を見て前髪を弄った。

「お待たせ!」

 背後から声が聞こえ、振り返る。すると、そこにはカレンではない女の子が立っていた。

 どうしてお前がここにいる!










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