ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第三章

第十二話 アントニオが死んでもブラックは終わらない

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~フェルディナン視点~



 俺ことフェルディナンは、ようやく憎きアントニオを倒し、復習を果たした。

「あばよアントニオ! お前をモンスターの餌にでもしてやろうかと最初は考えたが、死んでもなお、屈辱を味わいたくはないだろう? だから今すぐに燃やしてやる」

 薄暗い小屋の扉を叩く。

 トントン、トン、トントトン。

 リズムよく扉をノックすると、外側から鍵が開けられ、俺は外に出る。

「今直ぐ燃やして証拠を隠滅しろ。俺はギルドに戻り、他のハンターや依頼主に事情を話してくる」

 手伝ってもらった二人に山小屋を燃やすように言うと、俺は町へと戻って行く。





「おい! いつまで隠れているんだ!」

「さっさと姿を現して説明しろ!」

「でないと、また扉をぶっ壊してやるからな!」

 もしかしたらと思っていたが案の定、こいつらは気付いていなかったみたいだな。まぁ、あれだけ大声を出していたら、ギルド内で暴れても聞こえないよな。

「依頼主の皆さん、これ以上の暴動は困ります。どうか怒りを納めください」

 近づきながら声をかけると、依頼主たちは一斉に俺の方を向いた。そして敵意剥き出しにしながら、俺のことを睨んでくる。

「お前、ここに所属しているハンターだな!」

「ギルドマスターはいつになったら姿を見せに来るんだ!」

「さっさと引き摺って来てくれ!」

 本当に頭に血が昇っているようだな。殺気立っている。

「待ってください。アントニオはこの町から逃げました」

「何だって!」

「どうしてそれを早く言わない!」

「早く追いかけるぞ!」

 やばいな。まだ火をつけて消化作業は終わっていないはずだ。そんな中、こいつらを山に向かわせる訳にはいかない。

「落ち着いてください。あの男はもう、この世にはいません。自殺をしました」

「何だと!」

「自殺とな」

 俺の説明を聞いた依頼主たちは、互いに顔を見合わせる。

「アントニオがこの町から出て行くのを見て追いかけたのですが、森の中で見失ってしまいました。ですが、煙が上がっているのが見えて現場に向かったら、山小屋が燃えていたのです。直ぐに消化作業に入ったのですが、山小屋は全焼。そして中から亡くなっているアントニオを見つけました」

「そうだったのか」

「俺たちはちゃんとギルドマスターとしての責任と取ってもらい、謝罪してくれればそれでよかったのに」

 依頼主たちは先ほどの殺気が嘘のように消え去り、顔を俯かせる。

 良いぞ良いぞ。俺の嘘を信じている。まぁ、嘘と言っても一部だけだけどな。

 男は嘘が苦手だと言うが、それは百パーセント嘘を言ってしまうからだ。逆に女性は嘘を吐くのが上手い。それは嘘の中に真実を混ぜているからこそ、バレにくいのだ。

 俺はそれを利用させてもらった。

「ですが、このままギルドがなくなってしまうのは皆さんもお困りでしょう。なので、俺が新たにギルドマスターとなり、明日から運営を再開させます。明日こそは依頼の受付、そしてハンターの派遣をしますので、今日のところは帰ってもらえないでしょうか」

「そうだな。何だか変な幕引きになって、どうでも良くなってきた」

「フェルディナンはこのギルドのナンバーワンハンターだ。きっと今以上によくしてくれるはずだ」

「それじゃあ明日依頼を持って来る。それまでに営業再開の準備をしてくれ」

 明日から営業を再開することを伝えると、依頼者はこの場から離れて行った。

 依頼者たちを見送り、俺はギルドの中に入る。

「くく、あはは、だははははは!」

 依頼者の前では我慢していたが、ギルド内に入ったことで緊張の糸が切れた。俺は大声で笑う。

「あははは! まさかここまで上手く行くとは、さすがの俺も思ってもいなかったぜ! このギルドは俺の物だ! あーはははは!」

 さてと、それじゃギルドマスター室に入らせてもらうとするか。

 俺はギルドマスター室に入ると、ギルドマスターだけが座ることを許されるイスに座る。

 良い素材を使っているじゃないか。ふかふかで尻の負担も少なく、座り心地は抜群だ。

「さて、今度はあのデブがどれくらい俺たちから金を搾取して溜め込んでいたのか、そのチェックをするか」

 イスから立ち上がると、引き出しなどを片っ端から開ける。すると鍵を見つけた。

「この鍵はまさか」

 部屋の隅に置かれた宝箱に顔を向ける。

 鍵穴に鍵をぶっ挿し、回してみるとビンゴだった。

 読みどおり、ロックが解除されて開けることができる。

「さて、中身はいったい何が入っているんだ? いい年してエッチな本とかが出てきたら笑えるが」

 宝箱の上蓋に手を置き、ゆっくりと開ける。

 中には金や銀の延べ棒、そしてたくさんの札束が入っていた。

「あのくそデブ。こんなに資産を隠し持っていたのかよ。まぁ、いい。ここにある金は全て俺のものだ」

 宝箱の中に手を突っ込み、両手で札束を握りしめる。

 きっと今の俺は、下卑た笑みを浮かべているだろう。だけど、これだけの金を目の前にして、真顔でいろと言うのが難しい。

「今夜はこの金を使ってパーっと遊ぶとするか。今まで頑張ってきた俺へのご褒美だからな」

 とにかく出払ったハンターたちも、明日にはほぼ全員が戻ってくるだろう。あいつらに事情を話し、俺が運営するギルドでこき使ってやる。

 俺はギルドマスターだ。このギルドで一番偉い。俺に逆らえるものなど、ここに所属するハンターはいないからな。

 とりあえず、俺の復讐に手伝ってくれたあの二人には、それなりの金をやるとしよう。だけど、俺が気に入らないあの男は減給だな。いちいち俺の癇に障ることを言ってくるからな。

 まぁ、俺に媚を売るようになったら考えてやるとするか。俺を持ち上げ、俺をいい気分にしてくれるハンターにだけ優遇し、それ以外のクソは道具のように扱ってやる。

 俺はこれまで酷い仕打ちをされてきたんだ。同じことをしても、誰も咎めることはできないだろうよ。

「さぁ、明日から新しくなった真ハンターギルド! フェルディナンズ営業開始だ! ハンターたちよ! 馬車馬のように働きやがれ! あーはははは!」










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