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第十一章
第七話 タマモの嫉妬
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~タマモ視点~
学園に戻ってからのシャカールとの関係は最悪だったわ。彼は何食わぬ顔で声をかけてくるのだけど、それが逆に腹立たしかった。
よくも、あたしをこれまで騙していたわね。スカーレット家の存続をかけた大切なことなのに、それをあたしに相談もしないなんて。兄さんもシャカールも嫌いよ!
彼の評価が下がった日々が過ぎ、登校日となった今日、あたしは学園に向かう準備をしていた。
みんなが同じ時間帯に出ると言う現象が起き、今日は珍しいなと思っていると、シャカールを取り囲むようにして、みんなが歩く。
そんな光景を、あたしは少し距離を開けた状態で歩いていた。
妹のナナミちゃんや、シャカールを狙っているマーヤ先輩が距離を近付けるのは良いわ。いや、恋人でもないのに、ベタベタしてくるマーヤ先輩もやっぱりダメよ。
そしてクリープ先輩やアイリンも、少しだけ距離が近いような気がする。
どうして、みんないつもと違うの?
疑問に思っていると、帰省した後に、兄さんから言われた言葉を思い出す。
もしかして、みんな親からシャカールを狙うように言われたのかしら? 確かに、彼はクラウン路線の三冠を達成して王様から正式に貴族となるように爵位を授けられたらしい。
彼に嫁ぐようなことになれば、将来安定な生活を送れるでしょうね。
でも、いくらなんでも露骨過ぎないかしら? シャカールも歩きにくそうな感じをしているし、ここは学級委員長として注意をした方が良いわね。みんな同じクラスではないし、2人は先輩だけど。言うべきことは言ったほうが良いわよ。
「み――」
「なぁ、タマモ?」
彼女たちに注意を促そうとした瞬間、いきなりシャカールが話しかけてきた。
「何よ、話しかけないでよ」
彼に声をかけられたことで、急に悪い感情が湧き上がって来てしまった。そのせいで、反射的に彼を拒絶する言葉を投げてしまった。
あたしの言葉に臆してしまったのか、彼は咄嗟に正面を向き直る。
はぁ、どうしてあたしは反射的に拒絶の言葉を言ってしまったのかしら。
自身でも驚く程の返しに少し嘆いてしまっていると、いつの間にか学生寮の前にたどり着いた。
「三冠王のシャカール様よ! 人族初の三冠で史上初の快挙を成し遂げた優良物件!」
学生寮に住んでいる女子生徒の声が耳に入ってくる。
何が優良物件よ! シャカールは建物じゃないのよ! 彼を物みたいに扱わないで!
あたしは咄嗟にヒソヒソ話をしている女子グループに視線を向けた。
「声をかけてお近づきになりたいけれど、取り巻きの連中が邪魔……ヒッ! 今こっちを睨まなかった? 怖い。取り巻きが近くにいる間は、話しかけられないわね」
あたしが視線を向けると、1人の女子生徒が萎縮してしまう。
誰が取り巻きよ! あたしをあんな奴らと一緒にしないで!
あー、もう! どうして朝っぱらからこんなにイライラしないといけないのよ! これも全てシャカールのせいなんだから!
イライラが治らないでいると、校舎に辿り着く。玄関で校舎用の靴に履き替え、それぞれが自分たちの教室へと向かうことになる。
「タマモちゃん! 教室でシャカールちゃんのことは頼んだからね!」
「タマモさん、教室が違うので、シャカールトレーナーのことはよろしくお願いしますね!」
「タマちゃんなら、安心してシャカール君を見張ってくれると思っています。休み時間などは様子を見に来ますので、それ以外の時間帯はお願いしますね」
「どうしてタマモお姉ちゃんに皆さんがお願いしているのかわからないですが、皆さんに習ってナナミも同じことを言います。ゼロナ兄のことをお願いします」
「え? え? あ、は、はい」
クリープ先輩たちにシャカールをお願いされ、彼女たちの圧に押されてしまったあたしは、戸惑いながらも了承してしまう。
あたしが了承すると、彼女たちは安堵の表情を浮かべた。
どれだけあたしのことを信頼しているのよ。それじゃ、がっかりされないために頑張るしかないじゃない!
疲れてしまいそうな気がするのだけど、ここは仕方がないわね。学級委員長として、みんなの友達として頑張るわよ!
半ばヤケクソになって教室へと向かっていると、女性グループが視界に入った。
「あ、シャカール様よ!」
「今朝の取り巻きの姿が見当たらないし、今なら話しかける絶好のチャンスかも! 私、行ってくる」
シャカールに話しかけようとする女子生徒の会話が耳に入り、1人の女子生徒がこちらに向かってくる。
そうはさせないわ!
あたしは女子生徒に向けて睨み付けようとした。すると、彼女は顔色を悪くして直ぐに引き返す。
あれ? まだ睨み付けていないのに、引き返して行ったわね。
彼女の行動に疑問を持っていると、あたしの掌に小さい火球が生み出されていることに気付く。
あれ? どうしてあたし、魔法なんて発動しているのかしら?
どうやら、無意識に魔法を発動してしまったみたいね。こんなこと初めてだわ。
火球を消し、あたしはシャカールと1メートルの距離を保った状態で廊下を歩き、教室に辿り着いた。
シャカールが教室内に入ると、クラス内にいる女子生徒が一斉に視線を向けた。
やっぱり、注目を集めてしまうわね。
教室内にいる女子のクラスメートは全員敵、そのように思えてくるのは何故かしら?
学園に戻ってからのシャカールとの関係は最悪だったわ。彼は何食わぬ顔で声をかけてくるのだけど、それが逆に腹立たしかった。
よくも、あたしをこれまで騙していたわね。スカーレット家の存続をかけた大切なことなのに、それをあたしに相談もしないなんて。兄さんもシャカールも嫌いよ!
彼の評価が下がった日々が過ぎ、登校日となった今日、あたしは学園に向かう準備をしていた。
みんなが同じ時間帯に出ると言う現象が起き、今日は珍しいなと思っていると、シャカールを取り囲むようにして、みんなが歩く。
そんな光景を、あたしは少し距離を開けた状態で歩いていた。
妹のナナミちゃんや、シャカールを狙っているマーヤ先輩が距離を近付けるのは良いわ。いや、恋人でもないのに、ベタベタしてくるマーヤ先輩もやっぱりダメよ。
そしてクリープ先輩やアイリンも、少しだけ距離が近いような気がする。
どうして、みんないつもと違うの?
疑問に思っていると、帰省した後に、兄さんから言われた言葉を思い出す。
もしかして、みんな親からシャカールを狙うように言われたのかしら? 確かに、彼はクラウン路線の三冠を達成して王様から正式に貴族となるように爵位を授けられたらしい。
彼に嫁ぐようなことになれば、将来安定な生活を送れるでしょうね。
でも、いくらなんでも露骨過ぎないかしら? シャカールも歩きにくそうな感じをしているし、ここは学級委員長として注意をした方が良いわね。みんな同じクラスではないし、2人は先輩だけど。言うべきことは言ったほうが良いわよ。
「み――」
「なぁ、タマモ?」
彼女たちに注意を促そうとした瞬間、いきなりシャカールが話しかけてきた。
「何よ、話しかけないでよ」
彼に声をかけられたことで、急に悪い感情が湧き上がって来てしまった。そのせいで、反射的に彼を拒絶する言葉を投げてしまった。
あたしの言葉に臆してしまったのか、彼は咄嗟に正面を向き直る。
はぁ、どうしてあたしは反射的に拒絶の言葉を言ってしまったのかしら。
自身でも驚く程の返しに少し嘆いてしまっていると、いつの間にか学生寮の前にたどり着いた。
「三冠王のシャカール様よ! 人族初の三冠で史上初の快挙を成し遂げた優良物件!」
学生寮に住んでいる女子生徒の声が耳に入ってくる。
何が優良物件よ! シャカールは建物じゃないのよ! 彼を物みたいに扱わないで!
あたしは咄嗟にヒソヒソ話をしている女子グループに視線を向けた。
「声をかけてお近づきになりたいけれど、取り巻きの連中が邪魔……ヒッ! 今こっちを睨まなかった? 怖い。取り巻きが近くにいる間は、話しかけられないわね」
あたしが視線を向けると、1人の女子生徒が萎縮してしまう。
誰が取り巻きよ! あたしをあんな奴らと一緒にしないで!
あー、もう! どうして朝っぱらからこんなにイライラしないといけないのよ! これも全てシャカールのせいなんだから!
イライラが治らないでいると、校舎に辿り着く。玄関で校舎用の靴に履き替え、それぞれが自分たちの教室へと向かうことになる。
「タマモちゃん! 教室でシャカールちゃんのことは頼んだからね!」
「タマモさん、教室が違うので、シャカールトレーナーのことはよろしくお願いしますね!」
「タマちゃんなら、安心してシャカール君を見張ってくれると思っています。休み時間などは様子を見に来ますので、それ以外の時間帯はお願いしますね」
「どうしてタマモお姉ちゃんに皆さんがお願いしているのかわからないですが、皆さんに習ってナナミも同じことを言います。ゼロナ兄のことをお願いします」
「え? え? あ、は、はい」
クリープ先輩たちにシャカールをお願いされ、彼女たちの圧に押されてしまったあたしは、戸惑いながらも了承してしまう。
あたしが了承すると、彼女たちは安堵の表情を浮かべた。
どれだけあたしのことを信頼しているのよ。それじゃ、がっかりされないために頑張るしかないじゃない!
疲れてしまいそうな気がするのだけど、ここは仕方がないわね。学級委員長として、みんなの友達として頑張るわよ!
半ばヤケクソになって教室へと向かっていると、女性グループが視界に入った。
「あ、シャカール様よ!」
「今朝の取り巻きの姿が見当たらないし、今なら話しかける絶好のチャンスかも! 私、行ってくる」
シャカールに話しかけようとする女子生徒の会話が耳に入り、1人の女子生徒がこちらに向かってくる。
そうはさせないわ!
あたしは女子生徒に向けて睨み付けようとした。すると、彼女は顔色を悪くして直ぐに引き返す。
あれ? まだ睨み付けていないのに、引き返して行ったわね。
彼女の行動に疑問を持っていると、あたしの掌に小さい火球が生み出されていることに気付く。
あれ? どうしてあたし、魔法なんて発動しているのかしら?
どうやら、無意識に魔法を発動してしまったみたいね。こんなこと初めてだわ。
火球を消し、あたしはシャカールと1メートルの距離を保った状態で廊下を歩き、教室に辿り着いた。
シャカールが教室内に入ると、クラス内にいる女子生徒が一斉に視線を向けた。
やっぱり、注目を集めてしまうわね。
教室内にいる女子のクラスメートは全員敵、そのように思えてくるのは何故かしら?
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