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【第10部】東の島国・トヨノクニ開国(物理)編 ~悪役令嬢、黒船になる。鎖国? ならば「開国(物理)」して、美味しいお米と温泉をいただきます
第093話 オダ家のODA(政府開発援助):略奪に来たの? ならば貴方達の領地、「更地(農地)」にさせていただきますわ!
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黒鉄隊による開墾が進み、最初にタカニシキを植えた村が、オワリ家最大の食糧庫として黄金色に輝き始めた頃。
その豊かさを嗅ぎつけた隣国の領主が、数千の兵を率いて略奪にやってきた。
「ヒャッハー! 米だ! 米を出せぇ!」
「抵抗する農民は斬り捨てろ!」
飢えた狼のような軍勢が、あぜ道を踏み荒らしながら迫る。
農民たちが恐怖に震える中、その前に立ちはだかったのは、漆黒のドレスを纏った悪役令嬢と、魔導外骨格を装着した黒鉄隊だった。
「……人の家の庭に土足で踏み込むなんて。マナーがなっていなくてよ」
わたしは呆れたようにため息をつくと、鉄扇をバチンと鳴らした。
「ミリア、アリス。実験よ」
「はいッ! 観客席の準備は万端です!」
「結界強度よし! いつでもどうぞ!」
わたしの影が、波のように広がる。
今回の規模は、村一つを覆う程度。イメージするのは、前世で数々の名勝負が生まれた中規模会場。
「――影魔法・領域結界『アリーナ』!」
ズズズッ……!!
影が隆起し、敵軍を包囲する壁となる。
「――『リング』!」
さらに、その中央に四角いリングが出現する。
「アリーナ」と「リング」。二重の結界による、絶対隔離空間の完成だ。
「な、なんだこれは!? 進めない!?」
「影が……武器を!?」
地面から伸びた影の茨が、兵士たちの槍や刀を次々と絡め取り、わたしの「暗闇の間」へと没収していく。
丸腰になった兵士たちが狼狽える中、わたしはリングの上に立ち、敵の大将を見下ろした。
「ようこそ、わたしのリングへ」
わたしは魔力で構成したマイクを握り、高らかに宣言した。
「この結界は、わたしを倒さない限り解けません。……さあ、代表者! 上がってらっしゃい!」
「お、おのれ女狐! 舐めるなよ!」
敵将が、隠し持っていた太刀を抜いてリングに飛び込んでくる。
わたしは「漆黒の玉座」を構え、ニヤリと笑った。
「試合形式は『降参マッチ』。……わたしが勝ったら、条件を飲んでもらうわよ」
「条件だと!? 勝つのは俺だ! 貴様を捕らえて慰み者にしてくれる!」
「あら、威勢がいいこと。……でも、わたしの条件はもっと『強欲』よ」
わたしは玉座で太刀を受け止め、そのままへし折ると、敵将の腕を極めて地面にねじ伏せた。
「ぐああああッ!?」
ギリギリと関節を締め上げながら、わたしは彼の耳元で囁いた。
「わたくしが勝ったら、あなたがたの……」
わたしの瞳が、征服者の色に輝く。
「領地を――『耕させて』もらうわよ!!」
「は、はあ!? た、耕す……!?」
敵将は意味がわからず混乱したが、腕の激痛と圧倒的な殺気に屈し、悲鳴を上げた。
「ま、参った! 降参だ! 好きにしてくれぇぇ!」
カァン!
ゴングが鳴り、結界が解ける。
わたしは気絶した敵将を放り投げ、呆然とする敵兵たちに向かって宣言した。
「勝負あり! 本日より、あなた方の領地は『ヴィータヴェン農場・支部』として接収します!」
わたしは黒鉄隊に合図を送った。
「総員、突撃! 敵地へ乗り込み、更地にしなさい!」
「応ッ!!」
鍬と鋤を持った黒鉄隊が、敵兵を追いかけるように隣国へとなだれ込む。
彼らがやったのは、略奪ではない。
荒れ果てていた隣国の土地を、文字通り「好き勝手に耕し」、水路を引き、タカニシキの種を植えまくるという、強引すぎる農業支援(侵略)だった。
「ひぃぃ! 俺たちの荒地が……どんどん美田に変わっていく!?」
「あのおにぎり、美味すぎるぞ!?」
数日後。
隣国は、オワリ家の穀倉地帯の一部として、完全に(胃袋を)掌握されていた。
制圧が完了した隣国の領地を見下ろす高台で、わたしは満足げに頷いた。
眼下には、黒鉄隊によって整備された水路と、タカニシキの苗が植えられたばかりの整然とした水田が広がっている。
元・敵兵たちは、武器を鍬に持ち替え、嬉々として農作業に励んでいる。
「……見事な手腕じゃ、レヴィーネ」
視察に訪れたノブナガが、感心したように髭を撫でた。
「敵を殺さず、土地を奪わず、逆に豊かにして心を奪うとはな。……これまでの戦の常識が覆るわ」
「あら、人聞きの悪い。わたしはただ、困っている隣人の方々に、技術と食料を『支援』しただけですわよ?」
わたしは鉄扇を開き、口元を隠してニヤリと笑った。
「オダ家による、大規模な開発支援……そう、名付けて『ODA』ですわ」
「おー……でぃー……えー? 南蛮の言葉か?」
「ええ。『O(Oda:オダ家による)』『D(Development:土木・農業開発)』『A(Assistance:支援的侵略)』。……つまり、優しさによる領土拡大計画のことよ」
「なるほど! ODAか! 響きが良い! 気に入った!」
ノブナガが「ODA! ODA!」と嬉しそうに連呼する横で、アリスがジト目でツッコミを入れた。
「……レヴィちゃん。それ、絶対言いたかっただけでしょ? しかも『Assistance(支援)』の意味が『Aggression(侵略)』にすり替わってるよ?」
「あら、結果的にみんなお腹いっぱいなんだから、支援も侵略も紙一重よ」
「うわぁ、政治家の答弁みたい……」
こうして、「オダ家のODA」というふざけた名称の作戦は、トヨノクニ全土を(お腹いっぱいにする形で)席巻していくことになるのだった。
「これがオダ家のODAってね……フフッ」
わたしは夕日に向かって、完璧な悪役スマイルでほくそ笑んだ。
その豊かさを嗅ぎつけた隣国の領主が、数千の兵を率いて略奪にやってきた。
「ヒャッハー! 米だ! 米を出せぇ!」
「抵抗する農民は斬り捨てろ!」
飢えた狼のような軍勢が、あぜ道を踏み荒らしながら迫る。
農民たちが恐怖に震える中、その前に立ちはだかったのは、漆黒のドレスを纏った悪役令嬢と、魔導外骨格を装着した黒鉄隊だった。
「……人の家の庭に土足で踏み込むなんて。マナーがなっていなくてよ」
わたしは呆れたようにため息をつくと、鉄扇をバチンと鳴らした。
「ミリア、アリス。実験よ」
「はいッ! 観客席の準備は万端です!」
「結界強度よし! いつでもどうぞ!」
わたしの影が、波のように広がる。
今回の規模は、村一つを覆う程度。イメージするのは、前世で数々の名勝負が生まれた中規模会場。
「――影魔法・領域結界『アリーナ』!」
ズズズッ……!!
影が隆起し、敵軍を包囲する壁となる。
「――『リング』!」
さらに、その中央に四角いリングが出現する。
「アリーナ」と「リング」。二重の結界による、絶対隔離空間の完成だ。
「な、なんだこれは!? 進めない!?」
「影が……武器を!?」
地面から伸びた影の茨が、兵士たちの槍や刀を次々と絡め取り、わたしの「暗闇の間」へと没収していく。
丸腰になった兵士たちが狼狽える中、わたしはリングの上に立ち、敵の大将を見下ろした。
「ようこそ、わたしのリングへ」
わたしは魔力で構成したマイクを握り、高らかに宣言した。
「この結界は、わたしを倒さない限り解けません。……さあ、代表者! 上がってらっしゃい!」
「お、おのれ女狐! 舐めるなよ!」
敵将が、隠し持っていた太刀を抜いてリングに飛び込んでくる。
わたしは「漆黒の玉座」を構え、ニヤリと笑った。
「試合形式は『降参マッチ』。……わたしが勝ったら、条件を飲んでもらうわよ」
「条件だと!? 勝つのは俺だ! 貴様を捕らえて慰み者にしてくれる!」
「あら、威勢がいいこと。……でも、わたしの条件はもっと『強欲』よ」
わたしは玉座で太刀を受け止め、そのままへし折ると、敵将の腕を極めて地面にねじ伏せた。
「ぐああああッ!?」
ギリギリと関節を締め上げながら、わたしは彼の耳元で囁いた。
「わたくしが勝ったら、あなたがたの……」
わたしの瞳が、征服者の色に輝く。
「領地を――『耕させて』もらうわよ!!」
「は、はあ!? た、耕す……!?」
敵将は意味がわからず混乱したが、腕の激痛と圧倒的な殺気に屈し、悲鳴を上げた。
「ま、参った! 降参だ! 好きにしてくれぇぇ!」
カァン!
ゴングが鳴り、結界が解ける。
わたしは気絶した敵将を放り投げ、呆然とする敵兵たちに向かって宣言した。
「勝負あり! 本日より、あなた方の領地は『ヴィータヴェン農場・支部』として接収します!」
わたしは黒鉄隊に合図を送った。
「総員、突撃! 敵地へ乗り込み、更地にしなさい!」
「応ッ!!」
鍬と鋤を持った黒鉄隊が、敵兵を追いかけるように隣国へとなだれ込む。
彼らがやったのは、略奪ではない。
荒れ果てていた隣国の土地を、文字通り「好き勝手に耕し」、水路を引き、タカニシキの種を植えまくるという、強引すぎる農業支援(侵略)だった。
「ひぃぃ! 俺たちの荒地が……どんどん美田に変わっていく!?」
「あのおにぎり、美味すぎるぞ!?」
数日後。
隣国は、オワリ家の穀倉地帯の一部として、完全に(胃袋を)掌握されていた。
制圧が完了した隣国の領地を見下ろす高台で、わたしは満足げに頷いた。
眼下には、黒鉄隊によって整備された水路と、タカニシキの苗が植えられたばかりの整然とした水田が広がっている。
元・敵兵たちは、武器を鍬に持ち替え、嬉々として農作業に励んでいる。
「……見事な手腕じゃ、レヴィーネ」
視察に訪れたノブナガが、感心したように髭を撫でた。
「敵を殺さず、土地を奪わず、逆に豊かにして心を奪うとはな。……これまでの戦の常識が覆るわ」
「あら、人聞きの悪い。わたしはただ、困っている隣人の方々に、技術と食料を『支援』しただけですわよ?」
わたしは鉄扇を開き、口元を隠してニヤリと笑った。
「オダ家による、大規模な開発支援……そう、名付けて『ODA』ですわ」
「おー……でぃー……えー? 南蛮の言葉か?」
「ええ。『O(Oda:オダ家による)』『D(Development:土木・農業開発)』『A(Assistance:支援的侵略)』。……つまり、優しさによる領土拡大計画のことよ」
「なるほど! ODAか! 響きが良い! 気に入った!」
ノブナガが「ODA! ODA!」と嬉しそうに連呼する横で、アリスがジト目でツッコミを入れた。
「……レヴィちゃん。それ、絶対言いたかっただけでしょ? しかも『Assistance(支援)』の意味が『Aggression(侵略)』にすり替わってるよ?」
「あら、結果的にみんなお腹いっぱいなんだから、支援も侵略も紙一重よ」
「うわぁ、政治家の答弁みたい……」
こうして、「オダ家のODA」というふざけた名称の作戦は、トヨノクニ全土を(お腹いっぱいにする形で)席巻していくことになるのだった。
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