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1季節外れの転校生

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私は夢を見ていると思う
暗い、暗い所だ
そこに、ひとつのスポットライトがある
誰かがいる
踊っている
綺麗だ、とっても
それを見ている人がいる
誰もが見入ってしまいそうなくらい
きれいだ。
私は一歩、歩き出そうとした
その時気が付く、暗闇に一人立っていることを、そして目が覚めた
その日はなかなか寝つけなかった
今朝の朝は特別綺麗だ。
私は何もなかったように学校へと自転車をこぐ。「風が冷たい」そんなことを考えていた。すると、前から声が聞こえた。
「ふっうかー、おっはよー」
「おはよう」
 とっさに返事をした。よく見ると、葵だったた。葵は、お兄さんというよりお姉さんだ。そして「頼れるお姉さん系」という感じだ。葵は私の親友だ。小五の時に引っ越してきた葵は一人だった私に声をかけくれた。
当時、私の葵への第一印象は「変な人」だ。今でも、なぜあの時私に声をかけたのかは聞いていない。だけど、葵は自分の性格を受け入れてくれる人を探していたのかもしれないと私はその時考えていた。しかし、四年生まで一人だった私も他人から見ると十分変だったに違いない。そんなことを考えていると教室についた。ドアを開けて、自分の席に着く。あんな夢見た後だから何かあるかな。なんて考えていたら、案の定、それは起きた。私はその時、今からの出来事は自分に関係ある。そう本能か何かで感じた。
横から葵が話かけてきた。
「風花、今日転校生が来るって」
 こんな時期に転校性。今は中二の二学期だぞ、すごく季節外れな転校生だな。
「変な時期の転校生だね」
そう言って葵と何気ない会話をする。
「男の子、それとも女の子かな」
私が聞くと葵は少し残念そうな顔をして
「あぁ、男だって」
少し残念そうな顔をした。一応葵も男なんだな。男子か、どんな子だろう。
 朝の会が始まった。先生の話などが終わって先生の話になる。先生に呼ばれて、その季節外れの転校生は教室に入ってきた。
「えっと、青葉司です。よろしくお願いします。隣町から越してきました。」
教室中が騒がしくなる。それもそのはず、顔といい容姿といいその姿は『現代の王子』その言葉に尽きると思う。私はその「青葉司」という男子を見たとき、初めて会った気がしなった。何が起きるのかと、気を張ったまま一日を過ごしたが、今日一日何もなかった。
転校生と始まりの予感。 
今日も葵と登校した。私は昨日会ったばかりの青葉司という一人の人物について考えていた。何かあるとしたら絶対、昨夜の夢しかない。
朝のうちに聞くしかないと思いながら、町の歩道を歩いた。その横で葵は私を不思議そうに見ている。葵は
「なんか頑張ってるね、応援してるよ」
と、言ってくれた。しかし、私が話かけるぞと気合を机の前で気合を入れていると前から、「水咲さん、あのお話があるのですが今いいで
すか」
と言われた。先をこされてしまったのだ。それにしても、話方が随分大人っぽい。同年代でここまで綺麗な言葉を使われたのは久ぶりだ。
しかし、不思議だ。その夢は私の夢であって、青葉君の夢ではないはず。じゃあ、青葉君は私に何の用だろう。考えとぃると、階段のうら
に来ていた。青葉君は私に微笑んだ。さすがに私も動揺する。なんで微笑むのだろう。すっごく不気味だ。でも、変な話ではないみたいだ
、少しほっとした。
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