初恋の先へ

咲 カヲル

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プロローグ

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名も無い時代。
決して交わることのない平行線上の世界で、二人は出会った。
偶然だったのだろうか。
それとも必然だったのだろうか。
どうやって出会ったのかさえ、もう思い出すことも出来ない程、遠い記憶の中で、互いの姿だけは、決して忘れることはない。

『君と共に生きたい』

『貴方と一緒に居たい』

光さえも、飲み込んでしまいそうな暗闇。
影さえも、消してしまいそうな白銀。
見えない壁で隔たれた二つの世界。
その境で、二人は、ゆっくりと、互いに手を伸ばす。

『何度生まれ変わったとしても、君だけを想うよ』

『何度結ばれなくても、貴方だけを想うわ』

抱き合うように、二人の体が触れ合うと、その体は、氷が溶けるように崩れ始めた。

『例え、幾千の時を越えても』

『例え、幾億の星を去っても』

『いつか君と』

『いつか貴方と』

『『生きれるように』』

溶けた体は、サラサラと砂のように舞い上がった。

ーこのココロを繋いでー

光を携えて、戯れ合うように、クルクルと回りながら、赤い糸で繋がれた二つの球は、空に向かって静かに消えた。
そこから、二人の長い旅路が始まった。
心を繋げた二人は、どんな形であれ、必ず出会うことが出来たが、願いは叶わずにいた。
ある時は、種族の違いで、すぐに離れ離れになり、またある時は、身分の差で、手を伸ばすことさえ出来なかった。
二人は、それでも互いを想い続け、いつか共に生きれるようにと願い続けて、多くの時代を生きた。
触れ合うことも、見つめ合うことも許されない時でさえ、必死に耐え続け、また、いつか会う日までと、互いを想い合った。
だが、何度も時代を越え、出会いと別れを繰り返すと、互いの願いは薄れた。
また同じように出会い、強く惹かれ合ったとしても、互いの幸せを願って、それぞれの道を歩まなければならない。
叶わない願いは、いつしか苦痛となった。
幾重の時を超えて、星が煌めく月の夜。
ヒラリヒラリと蝶が舞い、星と星を繋ぐキズナ
その先にあるのは、幸福か絶望か。
二人は、微かな期待と希望を胸に秘め、また新たな時代へと生まれ変わった。
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