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28 作戦会議
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大和相国寺駅近くのファミレスに入ると夕飯時より早い時間帯なので店内は空いていた。
四人席で夏目と里香さんが隣同士に、向かいの席に俺が座った。メニューを見て注文をする前に待ちきれないとばかりに夏目が話しだした。
「ねえねえ、明日俺の彼女も植物園に連れて行ってもいいかな? ハルイチくんに紹介するよ。
それに明日のこと何か手伝ってもらえる事もあると思うし、リカちゃんとも仲がいいから、いいよね? リカちゃん」
夏目は少し興奮気味に嬉しそうに早口で言った。
俺はこいつの彼女に別に会いたくなどないが………
「私は勿論ありがたいけど………」
里香さんは気を遣ってか俺の方をチラリと見た。
「明日二時間くらい前に集合しようよ。みんなで下見しておいた方が良いだろうし、下見がてら俺も、彼女と植物園の中を散歩したいし」
夏目は俺の返事を待たずに明日の予定を決めだした。
まったくコイツは相変わらず自分の考えをそのまま口に出して………そういうところだぞ、お前が人をイラつかせるのは、と言ってやろうかと思った。本当にやれやれという感じだ。
明日、こいつが彼女と園内を散歩デートしている間、俺と里香さんはどうしておけばいいんだよ!
いや、待てよ、俺と里香さんは二人っきりになるってことか。流石の夏目名人! かつてこれほどのナイスなアイデアをこいつから聞いたことがあっただろうか? 何という閃き! ありがとう夏目、ありがとう夏目大名人。
「みんな時間が大丈夫なら、その方がいいかも知れないな」
と俺は喜びを悟られない様に澄ました顔をして言った。あとは里香さんの返答しだいなのだが、望みを込めて俺は彼女の顔を見た。彼女は少し迷っている風に見えた。
俺の予想では明日で事件は解決するだろうが、まだ終わったわけではない。里香さんの気持ちを考えれば、植物園を楽しむなんてできないのだろう。
だが折角の夏目チャンスを必ずモノにしないと、と俺はもう一押しする事にした。
「そう言えばあそこの温室は有料だけど、ラフレシアの標本が見れるんだよ。
カカオやパパイヤも見れるし、色々な種類のサボテンも見れるし、奇想天外もあるんだよ。奇想天外って植物知ってる? 千年も生きる植物で葉は生涯一対だけなんだよ。あれ? あんまり興味ないかな、ハハハ。
ああ、あとそれから園内のくすのき並木が凄くきれいだよ、ホントに、瞬くんの彼女も是非連れてくるといいよ、ハハハ。
それから警備会社の会長の件は明日で必ず解決するから心配しなくて大丈夫だよ。
それに植物園の中歩くのは気分転換にもなるから」
気が付くと、俺は、俺なりにありったけの浅い知識で、里香さんが植物園に行きたくなるようなプレゼンテーションを必死にしていた。まず彼女が植物に興味があるかどうかなんて知らないのだけれども。
何としても彼女と園内散歩デートをしたいのだという気持ちが溢れだしてしまった。
俺の一心不乱のアピールに夏目と里香さんは引いてしまったのか呆気に取られた顔をしている。
「いや、まあ、うん。でも時間が無ければ………」
「ううん、そうじゃなくて、ハルくんの話を聞いていたら、凄く楽しそうだなと思って。明日が楽しみになっちゃった。明日、私も時間は大丈夫だから」
里香さんは満面の笑みを浮かべた。里香さんが言うのと同時に俺は心の中で万歳三唱をした。
俺の情熱が伝わったのか、必死の誘いに断りずらくなったのか、兎に角、明日彼女と植物園散歩が決まった。
ちょっと早めの夕飯を終えて、里香さんをアパートまで送って行き、俺たちは解散した。今日はこの後、夏目の彼女が里香さんのアパートに泊まりに来るそうで俺はもう必要ない。
流石に石田会長も明日の決戦に備え今日は何も仕掛けてくることはないだろう。
もっとも、もし、今何か起こっても今日はもう業は使えない。業の使えない俺は何の役にも立たない。
俺と夏目は男二人で黄昏時の桜並木道を歩き大和相国寺駅まで一緒に帰った。夏目は駅で彼女を待って里香さんのアパートまで送るそうだ。
アパートに着きシャワーを浴びた。今日一日、いや昨日からの緊張の連続で精神的に疲れ、色々な出来事で身体はヘトヘトになったていたが熱いシャワーで回復した。
冷蔵庫からコーラを取り出して、明日の植物園で、せっかくの夏目タイムを如何《いか》に有効に使おうか飲みながら考えた。今日は明日のことを想像し、興奮して中々寝付けそうにない。石田会長の件、気を緩めてはいけないのだが明日が楽しみでしょうがない 。
明日の石田会長がどの様にやって来るのか、どの様な作戦で来るのか想像も出来ないので、考えるのを止めて、寝ることにした。
四人席で夏目と里香さんが隣同士に、向かいの席に俺が座った。メニューを見て注文をする前に待ちきれないとばかりに夏目が話しだした。
「ねえねえ、明日俺の彼女も植物園に連れて行ってもいいかな? ハルイチくんに紹介するよ。
それに明日のこと何か手伝ってもらえる事もあると思うし、リカちゃんとも仲がいいから、いいよね? リカちゃん」
夏目は少し興奮気味に嬉しそうに早口で言った。
俺はこいつの彼女に別に会いたくなどないが………
「私は勿論ありがたいけど………」
里香さんは気を遣ってか俺の方をチラリと見た。
「明日二時間くらい前に集合しようよ。みんなで下見しておいた方が良いだろうし、下見がてら俺も、彼女と植物園の中を散歩したいし」
夏目は俺の返事を待たずに明日の予定を決めだした。
まったくコイツは相変わらず自分の考えをそのまま口に出して………そういうところだぞ、お前が人をイラつかせるのは、と言ってやろうかと思った。本当にやれやれという感じだ。
明日、こいつが彼女と園内を散歩デートしている間、俺と里香さんはどうしておけばいいんだよ!
いや、待てよ、俺と里香さんは二人っきりになるってことか。流石の夏目名人! かつてこれほどのナイスなアイデアをこいつから聞いたことがあっただろうか? 何という閃き! ありがとう夏目、ありがとう夏目大名人。
「みんな時間が大丈夫なら、その方がいいかも知れないな」
と俺は喜びを悟られない様に澄ました顔をして言った。あとは里香さんの返答しだいなのだが、望みを込めて俺は彼女の顔を見た。彼女は少し迷っている風に見えた。
俺の予想では明日で事件は解決するだろうが、まだ終わったわけではない。里香さんの気持ちを考えれば、植物園を楽しむなんてできないのだろう。
だが折角の夏目チャンスを必ずモノにしないと、と俺はもう一押しする事にした。
「そう言えばあそこの温室は有料だけど、ラフレシアの標本が見れるんだよ。
カカオやパパイヤも見れるし、色々な種類のサボテンも見れるし、奇想天外もあるんだよ。奇想天外って植物知ってる? 千年も生きる植物で葉は生涯一対だけなんだよ。あれ? あんまり興味ないかな、ハハハ。
ああ、あとそれから園内のくすのき並木が凄くきれいだよ、ホントに、瞬くんの彼女も是非連れてくるといいよ、ハハハ。
それから警備会社の会長の件は明日で必ず解決するから心配しなくて大丈夫だよ。
それに植物園の中歩くのは気分転換にもなるから」
気が付くと、俺は、俺なりにありったけの浅い知識で、里香さんが植物園に行きたくなるようなプレゼンテーションを必死にしていた。まず彼女が植物に興味があるかどうかなんて知らないのだけれども。
何としても彼女と園内散歩デートをしたいのだという気持ちが溢れだしてしまった。
俺の一心不乱のアピールに夏目と里香さんは引いてしまったのか呆気に取られた顔をしている。
「いや、まあ、うん。でも時間が無ければ………」
「ううん、そうじゃなくて、ハルくんの話を聞いていたら、凄く楽しそうだなと思って。明日が楽しみになっちゃった。明日、私も時間は大丈夫だから」
里香さんは満面の笑みを浮かべた。里香さんが言うのと同時に俺は心の中で万歳三唱をした。
俺の情熱が伝わったのか、必死の誘いに断りずらくなったのか、兎に角、明日彼女と植物園散歩が決まった。
ちょっと早めの夕飯を終えて、里香さんをアパートまで送って行き、俺たちは解散した。今日はこの後、夏目の彼女が里香さんのアパートに泊まりに来るそうで俺はもう必要ない。
流石に石田会長も明日の決戦に備え今日は何も仕掛けてくることはないだろう。
もっとも、もし、今何か起こっても今日はもう業は使えない。業の使えない俺は何の役にも立たない。
俺と夏目は男二人で黄昏時の桜並木道を歩き大和相国寺駅まで一緒に帰った。夏目は駅で彼女を待って里香さんのアパートまで送るそうだ。
アパートに着きシャワーを浴びた。今日一日、いや昨日からの緊張の連続で精神的に疲れ、色々な出来事で身体はヘトヘトになったていたが熱いシャワーで回復した。
冷蔵庫からコーラを取り出して、明日の植物園で、せっかくの夏目タイムを如何《いか》に有効に使おうか飲みながら考えた。今日は明日のことを想像し、興奮して中々寝付けそうにない。石田会長の件、気を緩めてはいけないのだが明日が楽しみでしょうがない 。
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