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32 イシダオオトリ ジム
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「じゃあ、またね」
爽やかにみんなと別れたものの俺は少し落ち込んでいた。里香ちゃんに会う口実はもう無くなってしまったからだ。
南田先生に事の顛末を教えるために俺はそのままアパートへは帰らずに南田屋敷へと向かった。
先生に植物園での出来事と喫茶店での話会いの結果を話した。
「先生、ありがとうございます。先生に教えていただいた業にいつも助けられています。今回も業がなければ死ぬところでした。本当に感謝しております」
俺は正座して素直に感謝の念を述べた。
「………うん、うん」
先生はただ顔を赤らめて俯いている。
俺はてっきり豪快な笑いと共に有頂天になって鼻高々に騒ぎ出すと予想したのだが。恥ずかしそうに返事をする先生を見て、何故かお礼を言っただけの俺も照れてしまった。
今後、桜井と鮫島のような場合が起こらないとも限らないと、稽古をつけてもらった。その後夕飯をご馳走になってアパートに帰った。
俺は最後に石田会長が言った一言がずっと気になっていた。
「彼女に気をつけなさい」の彼女の事は恐らく里香ちゃんの事を言ったはずだ。
今更気をつけろと言われても、事件の解決した今後、彼女が会ってくれるかどうかも分からないのだけれども。もう彼女に用心棒は必要なくなってしまった。
考えた末にやはり会長に電話することにした。
「やあ、よくかけてきてくれた」
俺が電話することを確信していたのだろう。会長はすぐに電話に出てくれた。こういった偉い人は忙しくてなかなか電話に直ぐ出ないもんだと勝手におもっていたのだが。
「あの、今日、最後に仰っていたことなんですが………」
「明日、午前十一時に渡した名刺の場所まで来てくれるかの? そこで詳しく話そう」
電話から聞こえる会長の声は柔らかく感じた。昨日は無理に演技していただけで、本来の石田会長は優しい人なのだろうと感じた。
ファミレスではやけにあっさりと引き下がったとは思っていたが、やはり何か裏があったのでは等と考えてもしかたがないので明日まで寝ることにする。今日は兎に角、疲れた。最近、英語の勉強していないなあ、と思いながら眠りについた。
次の日、俺は名刺に書かれた場所イシダオオトリ ビルディングに訪れた。想像したビルよりもずっと大きなビルだった事に驚いた。
天を貫く様にそびえ立つ大きなビル。俺など一生縁のないところだ。
会社の仕組みなど俺には分からないが、本社ビルとはいえ警備会社にこんな大きなビルなど必要なのか?
完全に場違いな俺は入ることに躊躇した。せめてスーツでも着てくるべきだっただろうかと後悔した。
緊張で最早どこから入れば良いのかも分からないくらいに視野が狭くなっている。
恐る恐るビルの入り口に入り、また恐る恐る警備員の横を通り何とかようやくビルの受付にたどり着いた。
受付には美人の女性二人が立っていた。これまた恐る恐る声をかけてみた。近くの警備員がピリつき身構えたように感じた。完全に俺の気のせいなのだろうが。
受付の女性二人は感じが良く、俺に満面の笑顔で対応してくれた。
お前みたいな者がここに何の用だという目つきはされなかったが、内心そう思っているのだろうなと卑屈な考えを持ってしまう。
「オはようごザいます。本日、十一時ニ石田会長とお約束ヲイたダイておりマす、ワたクシ、古川 晴一と申シまス」
完全に萎縮して変な紹介になってしまった。何故俺はこうも小心者なのだろうか。もっと堂々と行きたかったのだが。
受付嬢たちに話が通っていたようで、一人が内通電話を使い案内を呼んでくれた。
少し待つと、身長百七十センチ程ある背の高く手足の長いモデルのような女性が現れた。
彼女は黒のパンツスーツでショートヘア、顔が小さく美人だが能面のように冷たく無表情な顔で俺に挨拶をした。
「おはようございます、古川様。私、警護の歌川と申します。今から私が会長室まで案内させていただきます」
彼女は表情を少しも変えずに淡々と紹介した。
「古川 晴一です。宜しくお願いします」
「こちらです、ついて来て下さい」
俺の自己紹介を聞くと直ぐに彼女は踵を返した。少しトゲがあり感じ悪いなこの人と思った。
エレベーターに乗り込むと彼女は47階のボタンを押した。エレベーターの奥は全面ガラス張りで外の景色がよく見える。
「石田会長は元気ですか、ハハハ」
歌川さんと二人っきりの沈黙の続くエレベーターの中、あまりの緊張に俺は昨日会ったにも拘らず馬鹿なことを聞いてしまった。
「昨日、会われたんじゃないんですか? 」
彼女は俺のことなど全く見ずに正面ドアだけを見て冷静に答えた。
「ああ、そうだった、そうだった、ハハハハ」
俺は笑って誤魔化すしかなかった。
「いやあ爽快ですね、見晴らしが良くて、ハハハ」
俺は外の景色を眺めながら場を和まそうとした。
「このビルは47階全長205メートルあります」
愛想の良い返事を期待していたわけではないが、あまりにも、あんまりだ。
俺はもう喋るのは止めにしようと思った。
ビルの最上階、会長室に案内されるまでエレベーターの中、緊張でずっと耳鳴りが収まらなかった。いや地上からの高低差でそうなったのか、この歌川という人が冷たいからか、もうわけもわからない状態だ。
やっと47階に到着し、会長室に通され、石田会長の顔を見た俺は、この巨大なビルでやっと知っている人に会えた喜び、歌川さんと二人っきりだった緊張マックスのエレベーターから解放されたカタルシスからか、何年ぶりかの友人に出会った気持ちで会長に呼びかけた。
「いしだかいちょぉー」
俺は何年ぶりかの友に出会った気分で呼びかけ、ハグでもしそうな勢いで会長に向かった。
俺の勢いを感じ取った歌川さんは素早く俺の前に回り込み、会長と俺の間に入り両の手の平を俺に突き出し止まれというポーズをした。慌てて俺は両手を上に挙げ敵意のないポーズをとった。
「ああ、大丈夫ありがとう、歌川君。すまんね、古川くん。彼女、生真面目で」
会長は彼女を制し、俺を招き入れてくれた。
会長室の奥は全面大きな窓ガラスになっておりその前に大きなデスクがあり入って直ぐの場所に来客用のソファが二組ある。とても大きな部屋だ。俺なんかが一生入れない部屋だ。
会長室の中は豪華な絨毯が敷かれており壁一面に三つの壁画の写真がそのままの大きさで印刷されていた。
「会長、すごいですね! これ」
俺は太鼓持ちのように会長に擦り寄った。
「そうじゃろう、うん。そうじゃろう」
俺は壁画の写真を眺めながら奥へ進んで行くと、歌川さんがピクリと動いたので、俺はまた両手を挙げて止まった。
石田会長がソファに腰かけその横に歌川さんが立つ。彼女は能面のような美しい顔で俺の一挙一動を見張っているようだ。いったい何なんだよこの人! 俺はもう帰りたくなった。
さっさと話しを終わらせて帰ろうと思い、俺は会長の向かいのソファにゆっくり座った。素早く座るとまた彼女が俺を制止すべく動き出す恐れがあるからだ。
俺が座って直ぐ、部屋にコーヒーが運ばれて来た。俺は禁煙して以来、コーヒーを飲んでいなかったが、二か月ぶりにコーヒーを飲んだ。会長室で久しぶりに飲んだコーヒーの味は格別に美味しかった。
爽やかにみんなと別れたものの俺は少し落ち込んでいた。里香ちゃんに会う口実はもう無くなってしまったからだ。
南田先生に事の顛末を教えるために俺はそのままアパートへは帰らずに南田屋敷へと向かった。
先生に植物園での出来事と喫茶店での話会いの結果を話した。
「先生、ありがとうございます。先生に教えていただいた業にいつも助けられています。今回も業がなければ死ぬところでした。本当に感謝しております」
俺は正座して素直に感謝の念を述べた。
「………うん、うん」
先生はただ顔を赤らめて俯いている。
俺はてっきり豪快な笑いと共に有頂天になって鼻高々に騒ぎ出すと予想したのだが。恥ずかしそうに返事をする先生を見て、何故かお礼を言っただけの俺も照れてしまった。
今後、桜井と鮫島のような場合が起こらないとも限らないと、稽古をつけてもらった。その後夕飯をご馳走になってアパートに帰った。
俺は最後に石田会長が言った一言がずっと気になっていた。
「彼女に気をつけなさい」の彼女の事は恐らく里香ちゃんの事を言ったはずだ。
今更気をつけろと言われても、事件の解決した今後、彼女が会ってくれるかどうかも分からないのだけれども。もう彼女に用心棒は必要なくなってしまった。
考えた末にやはり会長に電話することにした。
「やあ、よくかけてきてくれた」
俺が電話することを確信していたのだろう。会長はすぐに電話に出てくれた。こういった偉い人は忙しくてなかなか電話に直ぐ出ないもんだと勝手におもっていたのだが。
「あの、今日、最後に仰っていたことなんですが………」
「明日、午前十一時に渡した名刺の場所まで来てくれるかの? そこで詳しく話そう」
電話から聞こえる会長の声は柔らかく感じた。昨日は無理に演技していただけで、本来の石田会長は優しい人なのだろうと感じた。
ファミレスではやけにあっさりと引き下がったとは思っていたが、やはり何か裏があったのでは等と考えてもしかたがないので明日まで寝ることにする。今日は兎に角、疲れた。最近、英語の勉強していないなあ、と思いながら眠りについた。
次の日、俺は名刺に書かれた場所イシダオオトリ ビルディングに訪れた。想像したビルよりもずっと大きなビルだった事に驚いた。
天を貫く様にそびえ立つ大きなビル。俺など一生縁のないところだ。
会社の仕組みなど俺には分からないが、本社ビルとはいえ警備会社にこんな大きなビルなど必要なのか?
完全に場違いな俺は入ることに躊躇した。せめてスーツでも着てくるべきだっただろうかと後悔した。
緊張で最早どこから入れば良いのかも分からないくらいに視野が狭くなっている。
恐る恐るビルの入り口に入り、また恐る恐る警備員の横を通り何とかようやくビルの受付にたどり着いた。
受付には美人の女性二人が立っていた。これまた恐る恐る声をかけてみた。近くの警備員がピリつき身構えたように感じた。完全に俺の気のせいなのだろうが。
受付の女性二人は感じが良く、俺に満面の笑顔で対応してくれた。
お前みたいな者がここに何の用だという目つきはされなかったが、内心そう思っているのだろうなと卑屈な考えを持ってしまう。
「オはようごザいます。本日、十一時ニ石田会長とお約束ヲイたダイておりマす、ワたクシ、古川 晴一と申シまス」
完全に萎縮して変な紹介になってしまった。何故俺はこうも小心者なのだろうか。もっと堂々と行きたかったのだが。
受付嬢たちに話が通っていたようで、一人が内通電話を使い案内を呼んでくれた。
少し待つと、身長百七十センチ程ある背の高く手足の長いモデルのような女性が現れた。
彼女は黒のパンツスーツでショートヘア、顔が小さく美人だが能面のように冷たく無表情な顔で俺に挨拶をした。
「おはようございます、古川様。私、警護の歌川と申します。今から私が会長室まで案内させていただきます」
彼女は表情を少しも変えずに淡々と紹介した。
「古川 晴一です。宜しくお願いします」
「こちらです、ついて来て下さい」
俺の自己紹介を聞くと直ぐに彼女は踵を返した。少しトゲがあり感じ悪いなこの人と思った。
エレベーターに乗り込むと彼女は47階のボタンを押した。エレベーターの奥は全面ガラス張りで外の景色がよく見える。
「石田会長は元気ですか、ハハハ」
歌川さんと二人っきりの沈黙の続くエレベーターの中、あまりの緊張に俺は昨日会ったにも拘らず馬鹿なことを聞いてしまった。
「昨日、会われたんじゃないんですか? 」
彼女は俺のことなど全く見ずに正面ドアだけを見て冷静に答えた。
「ああ、そうだった、そうだった、ハハハハ」
俺は笑って誤魔化すしかなかった。
「いやあ爽快ですね、見晴らしが良くて、ハハハ」
俺は外の景色を眺めながら場を和まそうとした。
「このビルは47階全長205メートルあります」
愛想の良い返事を期待していたわけではないが、あまりにも、あんまりだ。
俺はもう喋るのは止めにしようと思った。
ビルの最上階、会長室に案内されるまでエレベーターの中、緊張でずっと耳鳴りが収まらなかった。いや地上からの高低差でそうなったのか、この歌川という人が冷たいからか、もうわけもわからない状態だ。
やっと47階に到着し、会長室に通され、石田会長の顔を見た俺は、この巨大なビルでやっと知っている人に会えた喜び、歌川さんと二人っきりだった緊張マックスのエレベーターから解放されたカタルシスからか、何年ぶりかの友人に出会った気持ちで会長に呼びかけた。
「いしだかいちょぉー」
俺は何年ぶりかの友に出会った気分で呼びかけ、ハグでもしそうな勢いで会長に向かった。
俺の勢いを感じ取った歌川さんは素早く俺の前に回り込み、会長と俺の間に入り両の手の平を俺に突き出し止まれというポーズをした。慌てて俺は両手を上に挙げ敵意のないポーズをとった。
「ああ、大丈夫ありがとう、歌川君。すまんね、古川くん。彼女、生真面目で」
会長は彼女を制し、俺を招き入れてくれた。
会長室の奥は全面大きな窓ガラスになっておりその前に大きなデスクがあり入って直ぐの場所に来客用のソファが二組ある。とても大きな部屋だ。俺なんかが一生入れない部屋だ。
会長室の中は豪華な絨毯が敷かれており壁一面に三つの壁画の写真がそのままの大きさで印刷されていた。
「会長、すごいですね! これ」
俺は太鼓持ちのように会長に擦り寄った。
「そうじゃろう、うん。そうじゃろう」
俺は壁画の写真を眺めながら奥へ進んで行くと、歌川さんがピクリと動いたので、俺はまた両手を挙げて止まった。
石田会長がソファに腰かけその横に歌川さんが立つ。彼女は能面のような美しい顔で俺の一挙一動を見張っているようだ。いったい何なんだよこの人! 俺はもう帰りたくなった。
さっさと話しを終わらせて帰ろうと思い、俺は会長の向かいのソファにゆっくり座った。素早く座るとまた彼女が俺を制止すべく動き出す恐れがあるからだ。
俺が座って直ぐ、部屋にコーヒーが運ばれて来た。俺は禁煙して以来、コーヒーを飲んでいなかったが、二か月ぶりにコーヒーを飲んだ。会長室で久しぶりに飲んだコーヒーの味は格別に美味しかった。
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