明日の空は君のもの

海埼有音

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アマイキオク。《ユウタside》

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「え・・・」


キスサレタ・・・?
キス・・・?
僕とレオ、が・・・?


頭の中がパニックで、言葉が出ない。



「・・・あー、まじかー。」




・・・え・・・
レオは、嫌だった?
じゃあ、どうしてこんな・・・?



僕の視界がだんだんと滲む。

「あ、違う違う!その、だから、そうじゃなくて、」

そんな僕を見て慌てるレオ。



レオが慌てるなんて珍しい・・・。
そういえば、レオはびっくりしたときとか焦ったときに両手を上げるのがクセだったっけ・・・


そんなしょうもないことを考えていると、



「あー・・・好き。」



「え?」

その言葉を、僕はすぐには受け止められなかった。



スキ・・・
すき?

「・・・あー、だから、俺は、ユウタのこと、そーゆー意味で好きみたいです。・・・や、好きです!///」


夜でもわかる、頬を染めた顔。
半ば怒鳴るようにして発された、普段の君からは考えられない、感情剥き出しの告白。



「・・・う、そだ・・・」
「嘘って、ひでーな。ほら。」


そう言って、レオは僕の手を優しく握った。

僕の手に広がる、レオの、人より少し冷たい体温。


「・・・ふっ、うぇっ」


「泣くなよ、」
「だ、だって、レオが・・・僕の恋、いつ、も叶わ、な、いから・・・」
「そうか・・・でも、俺がもうユウタにはそんな思いさせねーよ?」


「・・・っ!///」


いつもそうだ。
レオは、そういうとこはちゃんとキメてくる。





嬉しすぎて、その日は結局涙が止まらなかった。

それから、レオはほんとにその言葉を裏切らない、僕にとって最高の彼氏になってくれた。



記念日には僕がいつもプレゼントをして。

ちょっと重いかな?って思うけど、レオはいっつも笑顔で受け取ってくれた。



デートはいっつもレオがリードしてくれて。
なんだかんだでおごってもらったり。

さりげなくお揃いのストラップを買ったり。


レオのボーカル練習でカラオケに行けば、僕の歌にレオが笑ったり。
笑ったあと、拗ねる僕にラブソングを歌ってくれた。


クリスマスにはレオが美味しい手作りケーキをホールでくれて。



きっと、レオが将来のパートナーになる、そんなことすら考えていた。





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