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カラダの恋人【第一部】
15.好きだと言って
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紺野の首にしっかり腕を回して、しがみついて、お互いの唾液が口腔を行き来するのも気にならないくらい夢中になって貪っている。
唇を離すと紺野はぎゅっとオレを抱きしめた。
「オレ、本気だから」
オレの肩口に額を押し付けて、念を押すようにそう言った。
「本気で、トモのこと抱きたい」
「紺野…オレたち、こういうの、違うだろ?」
「なにが違うの」
オレたちの間には今まで恋愛感情はなかった。
少なくとも、オレは必死で自分に、そう言い聞かせていた。
だって。
「男同士でマジになってどうすんだよ。未来がなさすぎる、そんなの」
言いたいことは、本当はそういうことじゃないような気がする。
オレはただ、自分たちの関係の変化を、怖がっているだけなんだ。
「わかるよ。でも、止められないんだもん。おまえが好きだって気持ち、何年立っても、止められなかった」
痛いようなその声は、その何年分かの紺野の辛さを含んでいるようだった。
いつも、いつでもおまえは誰かに恋をしていた。
それが嘘だったとしても、あの瞳は確かに恋をしてる瞳だったと思う。
それは、全部オレのことを想って、だったのか?
「卑怯者…。一人で勝手に悩んで、一人で結論出すなよ」
「だから、おまえの気持ちも聞かせてよ」
でもその前に、と言って紺野は肩口にあった唇をズラして首筋を舐める。
「カラダでオレの気持ち、聞いて」
言うや否や、紺野はぱっぱと自分の着ている服を脱いで、オレのトレーナーを脱がし、その下のシャツのボタンを外しにかかる。
「寒いよ」
「すぐ熱くなるって。熱くなろ、トモ」
開いた胸元にキスが降りる。
乳首を舐められて、甘く噛まれ、背中が仰け反る。
そうしながら紺野は右手でオレの股間を撫でる。
時々、揉むように強く握られて、ジーンズの中でオレのが暴れる。
窮屈だって、文句言ってる。
紺野はオレのジーンズと下着をとっぱらって、すっかり硬くなってるオレのを思う存分手の中で転がして愉しんでいる。
あー、気持ち、いい。
息が熱くなる。
だけど、乾いた指で扱かれるだけじゃ物足りなくなってる。
乳首を舐めていた紺野の舌が、腹や臍を辿ってどんどん下に降りていき、やっとオレのそれに到達して舌先が先端に触れたとき、待ちきれなかった感触に、とうとうオレは声を漏らしてしまった。
「………あっ」
脚を開かされて、勃ちきったオレのそれはもっと温かいものに包まれたくてウズウズしている。
「紺野……」
ねだるような声も、今日はなんだかいつもと違う。
カラダの快感だけを求めているんじゃなくて、もっと違うものを欲しがっているような気がした。
そう、わからせて欲しい。
どんなにおまえがオレを求めているのかを。
身代わりじゃなくて、このオレを求めているんだってことを。
そんなオレの気持ちを見透かしたように、紺野はいつにない強引な愛撫でオレを煽り立てる。
すっぱりと口の中に包まれて、強く吸われ、オレの腰は前後に動いた。
「ああ、もうダメ…出そう…こん、の」
出るって言っても、紺野はオレのを口に含んだまま離そうとしない。
「やだ、紺野、離せって…」
言った途端に、さらに強く吸われて、とうとうオレは紺野の口の中に出してしまった。
はぁはぁと荒い呼吸をして、弛緩した身体を丸めてオレは恥ずかしくて顔を隠す。
「トモ、恥ずかしがるなよ。オレがしたくてしたことなんだから」
そういう言葉が余計恥ずかしいんだよ。
「それにまだ終わりじゃないよ」
そう言って今度は背中にキスしてくる。
一度イッた身体は感じやすくなってるんだから、そんなとこ吸うなって!
背骨のラインをきつく吸われて、オレは身体を震わせた。
裏返された身体はいつのまにか四つん這いという恥ずかしい格好をさせられていて、紺野は背後から首の後ろを舐めながらオレの気を散らせておいて、指を入れてきた。
体内で、紺野の指がうごめく。
「トモ…好きだ」
紺野の声は耳の中から脳髄に響いて、腰を甘く溶かしていく。
言葉がこんなにクルもんだとは思わなかった。
囁かれるたびに紺野の指を締め付けるのが自分でもわかる。
なんで、だろう。
どうして。
紺野の「好きだ」って言葉に、カラダが、そうまるで悦んでるように、戦慄く。
「トモ。トモの中に挿っても、いい?」
オレは唇を噛んで、頷いた。
本当は早く来て欲しかった。
今、どうしても、紺野を熱く感じたい。
こんなにも欲しいと思っている自分が、信じられない。
繋がりながら、腕を紺野の背中に回して自分の方に引き寄せた。
抱きしめあう、きつく。
「トモ……すげえ、いい。蕩けそう」
オレの中に入って、腰を動かしながら喘ぐように紺野は言う。
「おまえが欲しかった。ずっとこんなふうに抱きたいって思ってた」
唇がまた重なる。
一秒も離れていたくない、そんなふうに、離れてもまたすぐに重なる。
「トモ…好きだって言って。オレのこと、好きだって」
夜に溶け込むように、その晩オレたちはずっと抱き合っていた。
朦朧とした意識の中で、自分が紺野に答えたのかどうかは、オレは覚えてなかったけれども。
唇を離すと紺野はぎゅっとオレを抱きしめた。
「オレ、本気だから」
オレの肩口に額を押し付けて、念を押すようにそう言った。
「本気で、トモのこと抱きたい」
「紺野…オレたち、こういうの、違うだろ?」
「なにが違うの」
オレたちの間には今まで恋愛感情はなかった。
少なくとも、オレは必死で自分に、そう言い聞かせていた。
だって。
「男同士でマジになってどうすんだよ。未来がなさすぎる、そんなの」
言いたいことは、本当はそういうことじゃないような気がする。
オレはただ、自分たちの関係の変化を、怖がっているだけなんだ。
「わかるよ。でも、止められないんだもん。おまえが好きだって気持ち、何年立っても、止められなかった」
痛いようなその声は、その何年分かの紺野の辛さを含んでいるようだった。
いつも、いつでもおまえは誰かに恋をしていた。
それが嘘だったとしても、あの瞳は確かに恋をしてる瞳だったと思う。
それは、全部オレのことを想って、だったのか?
「卑怯者…。一人で勝手に悩んで、一人で結論出すなよ」
「だから、おまえの気持ちも聞かせてよ」
でもその前に、と言って紺野は肩口にあった唇をズラして首筋を舐める。
「カラダでオレの気持ち、聞いて」
言うや否や、紺野はぱっぱと自分の着ている服を脱いで、オレのトレーナーを脱がし、その下のシャツのボタンを外しにかかる。
「寒いよ」
「すぐ熱くなるって。熱くなろ、トモ」
開いた胸元にキスが降りる。
乳首を舐められて、甘く噛まれ、背中が仰け反る。
そうしながら紺野は右手でオレの股間を撫でる。
時々、揉むように強く握られて、ジーンズの中でオレのが暴れる。
窮屈だって、文句言ってる。
紺野はオレのジーンズと下着をとっぱらって、すっかり硬くなってるオレのを思う存分手の中で転がして愉しんでいる。
あー、気持ち、いい。
息が熱くなる。
だけど、乾いた指で扱かれるだけじゃ物足りなくなってる。
乳首を舐めていた紺野の舌が、腹や臍を辿ってどんどん下に降りていき、やっとオレのそれに到達して舌先が先端に触れたとき、待ちきれなかった感触に、とうとうオレは声を漏らしてしまった。
「………あっ」
脚を開かされて、勃ちきったオレのそれはもっと温かいものに包まれたくてウズウズしている。
「紺野……」
ねだるような声も、今日はなんだかいつもと違う。
カラダの快感だけを求めているんじゃなくて、もっと違うものを欲しがっているような気がした。
そう、わからせて欲しい。
どんなにおまえがオレを求めているのかを。
身代わりじゃなくて、このオレを求めているんだってことを。
そんなオレの気持ちを見透かしたように、紺野はいつにない強引な愛撫でオレを煽り立てる。
すっぱりと口の中に包まれて、強く吸われ、オレの腰は前後に動いた。
「ああ、もうダメ…出そう…こん、の」
出るって言っても、紺野はオレのを口に含んだまま離そうとしない。
「やだ、紺野、離せって…」
言った途端に、さらに強く吸われて、とうとうオレは紺野の口の中に出してしまった。
はぁはぁと荒い呼吸をして、弛緩した身体を丸めてオレは恥ずかしくて顔を隠す。
「トモ、恥ずかしがるなよ。オレがしたくてしたことなんだから」
そういう言葉が余計恥ずかしいんだよ。
「それにまだ終わりじゃないよ」
そう言って今度は背中にキスしてくる。
一度イッた身体は感じやすくなってるんだから、そんなとこ吸うなって!
背骨のラインをきつく吸われて、オレは身体を震わせた。
裏返された身体はいつのまにか四つん這いという恥ずかしい格好をさせられていて、紺野は背後から首の後ろを舐めながらオレの気を散らせておいて、指を入れてきた。
体内で、紺野の指がうごめく。
「トモ…好きだ」
紺野の声は耳の中から脳髄に響いて、腰を甘く溶かしていく。
言葉がこんなにクルもんだとは思わなかった。
囁かれるたびに紺野の指を締め付けるのが自分でもわかる。
なんで、だろう。
どうして。
紺野の「好きだ」って言葉に、カラダが、そうまるで悦んでるように、戦慄く。
「トモ。トモの中に挿っても、いい?」
オレは唇を噛んで、頷いた。
本当は早く来て欲しかった。
今、どうしても、紺野を熱く感じたい。
こんなにも欲しいと思っている自分が、信じられない。
繋がりながら、腕を紺野の背中に回して自分の方に引き寄せた。
抱きしめあう、きつく。
「トモ……すげえ、いい。蕩けそう」
オレの中に入って、腰を動かしながら喘ぐように紺野は言う。
「おまえが欲しかった。ずっとこんなふうに抱きたいって思ってた」
唇がまた重なる。
一秒も離れていたくない、そんなふうに、離れてもまたすぐに重なる。
「トモ…好きだって言って。オレのこと、好きだって」
夜に溶け込むように、その晩オレたちはずっと抱き合っていた。
朦朧とした意識の中で、自分が紺野に答えたのかどうかは、オレは覚えてなかったけれども。
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