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36触れないで② ※
くすぐったい。ハヤセは敏感にアルベールの吐息を受けて、上手く意識を集中させることはできなかった。
肌と髪を撫でつけながらぎこちなく触れ合いがなされる。初めこそ力加減もいい加減だったが、徐々に余裕が出てきた。
「後ろを向いて。そこに手をつけるんだ」
言われるままにハヤセは寝台に四つん這いになった。下着越しに、アルベールの熱い息が当たる。這うように背中を指でなぞられると、ゾクゾクと背筋が震えた。
「我慢、しないからな」
ガチャガチャと装具の音が聞こえてから、ハヤセはじっと目を閉じた。この状況をあまり深く憂いてはいない。恥辱で死にそうだが、それもハヤセの展望した未来の内にあった。
アルベールが暇になった片手を使って、丹念にハヤセに触れていく。脚の先から、下腹部。臀部からじっくりと生殖器にかけてまで。
「あ……アルベール」
下着の膨らみは小ぶりで、アルベールの手では握り潰してしまえるほど。そこを目掛けて軽く擦ってやる。そこはダメ、とハヤセが目で合図を送っても止まることはない。
「ぐっ……うぅっ…………だめ」
ハヤセの生殖器への弄りは特に時間をかけて行われた。下着には淫靡な染みができ、あられもない姿からさらに情けない声まで加わることになる。
自慰の仕方もまともに知らないハヤセにとっては我慢いかないものだったらしい。顔は紅潮して、未知の快感に耽っている。
「悪いがこっちの相手も……してくれ」
アルベールは己の猛々しい肉棒を、ハヤセの手に握らせた。「ひっ……」と前から小さな悲鳴があがるのもお構いなし。相手よりも何倍もある大それたそれを、ぐいぐいと下着越しに押し当てていく。
黒いレース柄の下着をめくると、尻穴は粘り気のある液体で浸されていた。
周到なものである。準備の良いことにハヤセはそれもこれも想定済みであったらしい。アルベールはしばし呆気に取られながらも、処理の済んでいるそちらに手を伸ばした。
「俺が誘いに乗ることは……はじめから織り込み済みだったわけか」
「ふ……ううぅ」
「答えろよ。お前は俺が色仕掛けに負けるだろうと、そう思っていたんだろ?」
「いっ……つぅ……いた……い」
細い脚を震わすハヤセが、苦し気に呻く。ぐちゅぐちゅと淫らな音に身を任せながら、容赦なく指が穴に入っていく。
「俺がどれだけ恋慕に囚われたか。劣情に負けそうになったことか」
中をかき回す。「なぁハヤセ」とため息交じりに言い捨てた後、アルベールは中指を穴の先に突き立てた。
「は……あ…………ぐっ」
「昔には戻れないぞ。もう」
痛い。尻に何をされているか判然としない。身体が強引に開かれるようで、ハヤセは苦悶に身をよじった。
身体の内に尖った刺激が注がれていく。尻穴も生殖器も、どちらも訳が分からないままに攻めを受ける。その中でハヤセは何かが爆ぜる予感のような、前兆のようなものを感じ始めた。
「あぁ……んぁアルベール!!な、なにかっ」
強く情けのないアルベールの指圧。ハヤセの股間をぐりぐりと捏ねるように弄り続けている。
身が爆ぜる。ハヤセは未知のことに戸惑う視線を送った。薄目を開くと、寝台の枕と赤レンガの内壁がはっきりと見えるだけ。あとは動きを止めてほしい張本人の影しか追えなかった。
「とめ、てっ!!いま……んあっ」
「達するようにしているからな。もうすぐだろ」
溢れかえるほどの血脈を集め、怒張した肉棒はもはやハヤセの片手に収まらない。堪らずハヤセは手を離し、自分の顔を覆うように両手を被せた。
「だめっ……もう!!うっ、ぐぅ……!!」
首をめいいっぱい振り、ハヤセは意識の混濁を紛らわせた。
頭が熱にのぼせていくようで、視界が霞んでいく。それとは別にはらはらと、下着の内側で己の熱が放出されていくのがわかる。
長い放心。壁から崩れ落ちたような背の感覚が、美しい容貌を歪めさせる。
「気持ちいいか?」
「はぁ……ああ、あぁ…………んんぅ」
「激しくイクのも悪くないだろう。ハヤセ」
「ぇあ……ぃひ……い……イク……?」
口を引き結んでハヤセは余韻に浸っていた。肌が触れて、痩身が打ち震える。
終わるはずがない。アルベールの剛腕が掴みかかって来れば、それもわかることだった。
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