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2章 スミレの花は咲いて
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※
小鳥のさえずりと窓を揺らす風の音。それが、私の意識を覚醒させた。
目が覚めて、一番に目に映ったのは、栗色の髪。サラサラとした絹のような質感のそれは、青白い肌を隠すように広がっていた。
私の隣でラルフ殿下が眠っている。
いや、隣なんてものじゃない。私は彼の肩にぴたりと頬をくっつけていたのだから。
昨日は話し合いの中で涙が止まらなくなり、目が腫れ上がるほど泣いてしまった。泣き過ぎて具合が悪くなった私は、彼のベッドで介抱され、そのまま眠ってしまったらしい。時計を見れば、朝の5時だった。
昨日の自分の痴態を思い出して、消えてしまいたい程、恥ずかしくなった。私は横になったまま身を動かし、彼から距離を取った。そして、ベッドの端で眠る彼の姿をじっと見つめた。殿下が勘違いをしていないことを祈りながら。
昨日は、感情の高ぶるあまり、彼に「好きです」と何度も言ってしまった。私の好きは、あくまで、“家族愛”的な好意なのだけれど、言葉足らずの上、しつこく言ってしまった。これでは、誤解されても文句は言えない。
一先ず、昨日のことを謝って言葉の真意を伝えないといけないけれど、改めて口にするのは、恥ずかしい上、気まずい。でも、何も言わないのは良くないから━━
考えがまとまらないうちに、彼は目を覚ました。長い睫毛がぴくりと動いたかと思うと、灰色の瞳が姿を現し、私を映したのだ。
彼は半身を起こすと、私に腕を伸ばしてきた。彼の冷たい手が頬に触れたかと思うと、目の下をそっと撫でた。
「気分はどう?」
「……大丈夫です」
「それは良かった。……でも、目が腫れてるね。もう少し、ここにいた方がいい」
彼はそういうとベッドから出て、部屋に備え付けられた紐を引っ張った。ベルを鳴らして侍女を呼んだのだ。
それから、テーブルに置いてあった水差しから二つのグラスに水を注ぐと、片方を私に差し出してきた。
「ありがとうございます」
お礼を言ってグラスを受け取ると、彼は静かに頷いた。
私が水を飲む間、彼はベッドの脇に置かれたサイドテーブルから粉薬を取り出した。それを口に含むと、水で一気に飲み干した。
「うん……。いつも通り苦いね。今日も最悪な朝の始まりだ」
彼は笑っておどけてみせる。いつまでも暗い雰囲気で話をするのを望んでいないのだろう。
だから、私も彼に調子を合わせた。
「私も。目の周りがパンパンで」
笑って言えば、彼はベッドの縁に腰を掛けた。私の手からグラスを取ると、サイドテーブルに置いた。
「あの、殿下……」
「うん?」
「昨日、好きと言ったのは、その……」
ふっと彼の吐息が漏れた。
「君の言う『好き』は、友人や家族に向けられるものだろう? 分かっているよ」
ほっと胸を撫でおろしたところで、ドアがノックされた。呼び出しのベルを聞いた侍女がやって来たのだろう。
彼は返事をすることなく、扉に向かった。そして、扉をほんの少しだけ開けて顔を覗かせると、侍女に向かって指示を出した。
「冷たい濡れタオルを持ってきて」
「かしこまりました」
侍女が返事をすると、彼は即座に扉を閉めた。
それから数分後もしないうちにドアがノックされると、彼はまた、自分から扉を開けた。
侍女からタオルを受け取ると、彼はベッドにいる私のもとに帰ってきた。
「冷やすといい」
「ありがとうございます」
目にぴたりと押し当てると、彼は「寝転んでタオルを目に当てた方が楽じゃない?」と言ってきた。
私は、その提案をありがたく受け入れて、横になった。ひんやりとしたタオルを目の上に乗せて目を閉じると、腫れたまぶたに気持ちが良かった。
私が横になり、目の周りを癒している間、ラルフ殿下は何も言わなかった。
聞こえるのは、外から聞こえる鳥の声と、風の通る音、そして、彼が時折する咳の音だけ。
「殿下」
コンコンと咳を一通り吐いた彼に声をかけると、彼は「ん?」と返事をした。
「私、『お飾り妻』は、もうやめます」
「そうしてくれるなら嬉しいけど……。どうしたの、急に?」
私はタオルをずらして彼を見た。ベッドの脇に座って私を見下ろしていた彼。目が合うと、遠慮がちに頭を撫でてきた。
姉である私が、妹や弟の頭を撫でるのが当たり前だったのに。こんな風に人に撫でられるのは何時ぶりだろう。
くすぐったい気持ちを胸の奥にそっと忍ばせたまま、話を続けていく。
「寝て起きて、こうして冷静になってみて思ったんです。殿下は私を妻として尊重してくれているのに、私がそれを認めないだなんて、不誠実だなって」
彼は、私を誠実な人間だと思って愛してくれている。本当はそんなことはないのだけれど、それでも彼がそう思うのなら、私は彼の理想の姿になるべく近づこうと思う。
それが彼に対する、私なりの誠意の見せ方だった。
殿下は顔をあげて、遠くを見た。その視線の先には、例の港町の絵があった。
「そんなに難しく考えなくてもいいんだ」
殿下は絵から目を逸らさずに言った。
「私、変なことを言いましたか」
「全然。自分を大切にすることは良い心がけだから、お飾り妻をおしまいにすることに何の異論もないよ。……でも、僕の想いはきっと伝わっていないんだろうなとは感じた」
私が上体を起こすと、彼は再び私に顔を向けた。
「僕はただ、残り少ない人生を、好きなことをして、穏やかに過ごしたいと思っているだけなんだ」
ラルフ殿下が、穏やかな余生を過ごそうとしていたのは、傍目から見ていても分かった。
私が彼の立場だったとしても、きっと同じことをしただろう。限られた時間を精一杯生きて、満足感と幸せの中で終わりを遂げたいと考えるのは、普通のことだ。
私にも彼が穏やかに過ごせるように手伝わせてもらいたい━━
それを伝えようと口を開いた時、彼は言った。
「だから、君には僕の隣にいてもらって、穏やかに過ごして欲しいとは思う。けれど、何かをして欲しいわけじゃないんだ」
そう言って優しく彼は微笑んだ。
それは、優しさでありながら、突き放す言葉であることに、彼は気付いているのだろうか。
「もう少し、休んだ方がいい」
彼はそう言って、横になるように促した。再び寝転んだ私の目の上に、彼はタオルを置いた。
視界が真っ暗になると、寂しさが胸の内でじわじわと広がっていく。
それは、やがて「不満」に変わり、いつの日か、自分勝手な愛情へと変化してしまうのではないか。そして、嫉妬の怪物にまた心を蝕まれるのかもしれない。
不安が募っていく中、一つの疑問が浮かんだ。
━━私が殿下のために、何かをしたいと思うのは、本当に迷惑なことなのかしら。
最初こそ、殿下は「虫除け」の役割を嫌がっていたけれど、私達の仲が深まったきっかけはそれだった。
彼の誘いを断らずに一緒に過ごしていたのだって、お節介な気持ちがあったからだ。ベッドでほとんどの時間を過ごしている彼の退屈を、私は紛らわせたかった。結果、彼は私と過ごす時間を気に入ってくれた。
だから、今回も、大丈夫。
根拠のない自信が込み上げてきて、私は思わず苦笑いをした。
クリフの時から、何も成長していない。私は結局、人に好意を押し付けることしかできないのだ。恋慕からくる想いでなくてもこれなのだから、私は人を好きにならない方が良いのかもしれない。
でも、なぜだろう。ラルフ殿下なら、そんな私を嫌わないでいてくれるような気がした。私の押し付けがましい性格を彼なら、「奥ゆかしい」と笑って受け入れてくれる。そんな妄想をしながら、私はいつの間にか、眠りに落ちていた。
小鳥のさえずりと窓を揺らす風の音。それが、私の意識を覚醒させた。
目が覚めて、一番に目に映ったのは、栗色の髪。サラサラとした絹のような質感のそれは、青白い肌を隠すように広がっていた。
私の隣でラルフ殿下が眠っている。
いや、隣なんてものじゃない。私は彼の肩にぴたりと頬をくっつけていたのだから。
昨日は話し合いの中で涙が止まらなくなり、目が腫れ上がるほど泣いてしまった。泣き過ぎて具合が悪くなった私は、彼のベッドで介抱され、そのまま眠ってしまったらしい。時計を見れば、朝の5時だった。
昨日の自分の痴態を思い出して、消えてしまいたい程、恥ずかしくなった。私は横になったまま身を動かし、彼から距離を取った。そして、ベッドの端で眠る彼の姿をじっと見つめた。殿下が勘違いをしていないことを祈りながら。
昨日は、感情の高ぶるあまり、彼に「好きです」と何度も言ってしまった。私の好きは、あくまで、“家族愛”的な好意なのだけれど、言葉足らずの上、しつこく言ってしまった。これでは、誤解されても文句は言えない。
一先ず、昨日のことを謝って言葉の真意を伝えないといけないけれど、改めて口にするのは、恥ずかしい上、気まずい。でも、何も言わないのは良くないから━━
考えがまとまらないうちに、彼は目を覚ました。長い睫毛がぴくりと動いたかと思うと、灰色の瞳が姿を現し、私を映したのだ。
彼は半身を起こすと、私に腕を伸ばしてきた。彼の冷たい手が頬に触れたかと思うと、目の下をそっと撫でた。
「気分はどう?」
「……大丈夫です」
「それは良かった。……でも、目が腫れてるね。もう少し、ここにいた方がいい」
彼はそういうとベッドから出て、部屋に備え付けられた紐を引っ張った。ベルを鳴らして侍女を呼んだのだ。
それから、テーブルに置いてあった水差しから二つのグラスに水を注ぐと、片方を私に差し出してきた。
「ありがとうございます」
お礼を言ってグラスを受け取ると、彼は静かに頷いた。
私が水を飲む間、彼はベッドの脇に置かれたサイドテーブルから粉薬を取り出した。それを口に含むと、水で一気に飲み干した。
「うん……。いつも通り苦いね。今日も最悪な朝の始まりだ」
彼は笑っておどけてみせる。いつまでも暗い雰囲気で話をするのを望んでいないのだろう。
だから、私も彼に調子を合わせた。
「私も。目の周りがパンパンで」
笑って言えば、彼はベッドの縁に腰を掛けた。私の手からグラスを取ると、サイドテーブルに置いた。
「あの、殿下……」
「うん?」
「昨日、好きと言ったのは、その……」
ふっと彼の吐息が漏れた。
「君の言う『好き』は、友人や家族に向けられるものだろう? 分かっているよ」
ほっと胸を撫でおろしたところで、ドアがノックされた。呼び出しのベルを聞いた侍女がやって来たのだろう。
彼は返事をすることなく、扉に向かった。そして、扉をほんの少しだけ開けて顔を覗かせると、侍女に向かって指示を出した。
「冷たい濡れタオルを持ってきて」
「かしこまりました」
侍女が返事をすると、彼は即座に扉を閉めた。
それから数分後もしないうちにドアがノックされると、彼はまた、自分から扉を開けた。
侍女からタオルを受け取ると、彼はベッドにいる私のもとに帰ってきた。
「冷やすといい」
「ありがとうございます」
目にぴたりと押し当てると、彼は「寝転んでタオルを目に当てた方が楽じゃない?」と言ってきた。
私は、その提案をありがたく受け入れて、横になった。ひんやりとしたタオルを目の上に乗せて目を閉じると、腫れたまぶたに気持ちが良かった。
私が横になり、目の周りを癒している間、ラルフ殿下は何も言わなかった。
聞こえるのは、外から聞こえる鳥の声と、風の通る音、そして、彼が時折する咳の音だけ。
「殿下」
コンコンと咳を一通り吐いた彼に声をかけると、彼は「ん?」と返事をした。
「私、『お飾り妻』は、もうやめます」
「そうしてくれるなら嬉しいけど……。どうしたの、急に?」
私はタオルをずらして彼を見た。ベッドの脇に座って私を見下ろしていた彼。目が合うと、遠慮がちに頭を撫でてきた。
姉である私が、妹や弟の頭を撫でるのが当たり前だったのに。こんな風に人に撫でられるのは何時ぶりだろう。
くすぐったい気持ちを胸の奥にそっと忍ばせたまま、話を続けていく。
「寝て起きて、こうして冷静になってみて思ったんです。殿下は私を妻として尊重してくれているのに、私がそれを認めないだなんて、不誠実だなって」
彼は、私を誠実な人間だと思って愛してくれている。本当はそんなことはないのだけれど、それでも彼がそう思うのなら、私は彼の理想の姿になるべく近づこうと思う。
それが彼に対する、私なりの誠意の見せ方だった。
殿下は顔をあげて、遠くを見た。その視線の先には、例の港町の絵があった。
「そんなに難しく考えなくてもいいんだ」
殿下は絵から目を逸らさずに言った。
「私、変なことを言いましたか」
「全然。自分を大切にすることは良い心がけだから、お飾り妻をおしまいにすることに何の異論もないよ。……でも、僕の想いはきっと伝わっていないんだろうなとは感じた」
私が上体を起こすと、彼は再び私に顔を向けた。
「僕はただ、残り少ない人生を、好きなことをして、穏やかに過ごしたいと思っているだけなんだ」
ラルフ殿下が、穏やかな余生を過ごそうとしていたのは、傍目から見ていても分かった。
私が彼の立場だったとしても、きっと同じことをしただろう。限られた時間を精一杯生きて、満足感と幸せの中で終わりを遂げたいと考えるのは、普通のことだ。
私にも彼が穏やかに過ごせるように手伝わせてもらいたい━━
それを伝えようと口を開いた時、彼は言った。
「だから、君には僕の隣にいてもらって、穏やかに過ごして欲しいとは思う。けれど、何かをして欲しいわけじゃないんだ」
そう言って優しく彼は微笑んだ。
それは、優しさでありながら、突き放す言葉であることに、彼は気付いているのだろうか。
「もう少し、休んだ方がいい」
彼はそう言って、横になるように促した。再び寝転んだ私の目の上に、彼はタオルを置いた。
視界が真っ暗になると、寂しさが胸の内でじわじわと広がっていく。
それは、やがて「不満」に変わり、いつの日か、自分勝手な愛情へと変化してしまうのではないか。そして、嫉妬の怪物にまた心を蝕まれるのかもしれない。
不安が募っていく中、一つの疑問が浮かんだ。
━━私が殿下のために、何かをしたいと思うのは、本当に迷惑なことなのかしら。
最初こそ、殿下は「虫除け」の役割を嫌がっていたけれど、私達の仲が深まったきっかけはそれだった。
彼の誘いを断らずに一緒に過ごしていたのだって、お節介な気持ちがあったからだ。ベッドでほとんどの時間を過ごしている彼の退屈を、私は紛らわせたかった。結果、彼は私と過ごす時間を気に入ってくれた。
だから、今回も、大丈夫。
根拠のない自信が込み上げてきて、私は思わず苦笑いをした。
クリフの時から、何も成長していない。私は結局、人に好意を押し付けることしかできないのだ。恋慕からくる想いでなくてもこれなのだから、私は人を好きにならない方が良いのかもしれない。
でも、なぜだろう。ラルフ殿下なら、そんな私を嫌わないでいてくれるような気がした。私の押し付けがましい性格を彼なら、「奥ゆかしい」と笑って受け入れてくれる。そんな妄想をしながら、私はいつの間にか、眠りに落ちていた。
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