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2章番外編 俺の支配者
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彼女の腕から唇を離すと、くっきりとしたキスマークが付いていた。それを指でなぞると、今度は彼女の首筋にキスをした。
そうすると、レイチェルが俺の下で動いた。また、無駄な抵抗を始めるのかと思ったのも、束の間、彼女は俺の頭を優しく撫で始めた。
思わぬ行動に、首筋から顔を離して彼女の顔を見る。
「信じられないのかもしれませんが、私はあなただけを愛しているのです」
じっと瞳を見つめて、愛を宣言する。その姿に胸が高鳴ったのは間違いない。けれど、駄目だった。
俺の胸の奥から湧き上がったドロドロとした黒い感情は、血管を通って全身に巡ってしまったらしい。この美しい女が俺のものだと証明しなければならない。そんな得体のしれない使命感と支配欲に駆られて、俺はまた、彼女の唇に口付けた。
そんな俺を、彼女は拒絶する事はなかった。まるで自らの言葉を証明するかのように俺を受け入れ、好きにさせていたのだ。
そうして、俺は彼女との約束を破り、全身にキスマークを付けると、ようやく薄暗い気持ちが晴れた。
だが、今度は、別の欲望が湧いてきた。神を信じ、毎日祈りを怠らない彼女が淫らな姿で横たわっているのだから、致し方ないだろう。
俺は彼女の豊満な胸を撫でた。
「あっ……」
甘やかな吐息。
ぷっくりと膨れた乳首が俺を誘っていた。
その誘いに乗り、乳首を軽くついばむと、彼女は嬌声を漏らした。それが嬉しくて、胸を吸い上げて、もう片方の乳房を揉んだ。
俺を撫でていた彼女の手が止まったかと思うと、ゆっくりと背に腕が回った。そして、縋るように背中にしがみついてくる。
その行動に彼女の愛を実感させられた。
━━それを言えば、レイチェルは怒るだろうか。
ふとそんな事を思って、彼女の胸から唇を離した。そうして、彼女の顔を窺い見れば、熱っぽい目で俺を見ていた。
品行方正で高潔な美しい人。
俺が愛したレイチェルはそういう人なのに、ベッドの上の彼女は、どうしてこうも妖艶なのだろう。
そんな事を考えていると、彼女の手が俺の頬を包んだ。チュッと口付けをしたかと思うと、目を見てにこりと笑う。
そんな彼女が堪らなく愛おしくて、深くキスをした。
情熱的なキスは、我慢の限界を迎えさせた。
早く彼女と一つになりたい。そう思って、サイドテーブルに仕舞っておいた避妊具を取り出すと、自らに装着させる。
準備を終えて、レイチェルに目をやると、彼女の目から一縷の涙がこぼれていた。
突然の事に戸惑う中、彼女は静かに涙を拭うと、何事もなかったかのように俺の腰を撫でて続きを促した。
━━愛する女の涙を無視してまで抱けない。
そう思えたのが、自分でも意外だった。
「どうしたの?」
恐る恐る尋ねると、彼女は静かに視線を外した。意固地で本音を隠したがる彼女から理由を聞くのは難しいだろう。
そう思っていたが、彼女はぽつりと言葉を漏らした。
「こんな時でも避妊はしっかりとするのかと思うと、寂しくなってしまったのです」
また、彼女の目から涙がこぼれた。
━━君の欲しがるものなら何でもあげたい。
高価な宝石でも、優秀な人材でも、隣国の豊かな大地だって構わない。
レイチェルが欲しいと言えば、金に糸目は付けないし、謀略を巡らせてでも手に入れるつもりだった。
けれど、子供は駄目だ。
君を傷付けて、俺から奪ってしまうかもしれない存在。それだけは、与える事はできなかった━━
「愛してる」
誤魔化しでもあり、本心でもある言葉。それを改めて口にすると、彼女は笑った。
「知っていますよ」
彼女は俺の頬を撫でると脚をゆっくりと開いた。
俺達は、何事もなかったかのように、続きを始めた。
子供を欲しいと願っている彼女の気持ちが変わるようにと。そして、いつまでも彼女と一緒にいられるように願いながら、俺達は朝まで愛し合ったのだ。
2章番外編「俺の支配者」了
そうすると、レイチェルが俺の下で動いた。また、無駄な抵抗を始めるのかと思ったのも、束の間、彼女は俺の頭を優しく撫で始めた。
思わぬ行動に、首筋から顔を離して彼女の顔を見る。
「信じられないのかもしれませんが、私はあなただけを愛しているのです」
じっと瞳を見つめて、愛を宣言する。その姿に胸が高鳴ったのは間違いない。けれど、駄目だった。
俺の胸の奥から湧き上がったドロドロとした黒い感情は、血管を通って全身に巡ってしまったらしい。この美しい女が俺のものだと証明しなければならない。そんな得体のしれない使命感と支配欲に駆られて、俺はまた、彼女の唇に口付けた。
そんな俺を、彼女は拒絶する事はなかった。まるで自らの言葉を証明するかのように俺を受け入れ、好きにさせていたのだ。
そうして、俺は彼女との約束を破り、全身にキスマークを付けると、ようやく薄暗い気持ちが晴れた。
だが、今度は、別の欲望が湧いてきた。神を信じ、毎日祈りを怠らない彼女が淫らな姿で横たわっているのだから、致し方ないだろう。
俺は彼女の豊満な胸を撫でた。
「あっ……」
甘やかな吐息。
ぷっくりと膨れた乳首が俺を誘っていた。
その誘いに乗り、乳首を軽くついばむと、彼女は嬌声を漏らした。それが嬉しくて、胸を吸い上げて、もう片方の乳房を揉んだ。
俺を撫でていた彼女の手が止まったかと思うと、ゆっくりと背に腕が回った。そして、縋るように背中にしがみついてくる。
その行動に彼女の愛を実感させられた。
━━それを言えば、レイチェルは怒るだろうか。
ふとそんな事を思って、彼女の胸から唇を離した。そうして、彼女の顔を窺い見れば、熱っぽい目で俺を見ていた。
品行方正で高潔な美しい人。
俺が愛したレイチェルはそういう人なのに、ベッドの上の彼女は、どうしてこうも妖艶なのだろう。
そんな事を考えていると、彼女の手が俺の頬を包んだ。チュッと口付けをしたかと思うと、目を見てにこりと笑う。
そんな彼女が堪らなく愛おしくて、深くキスをした。
情熱的なキスは、我慢の限界を迎えさせた。
早く彼女と一つになりたい。そう思って、サイドテーブルに仕舞っておいた避妊具を取り出すと、自らに装着させる。
準備を終えて、レイチェルに目をやると、彼女の目から一縷の涙がこぼれていた。
突然の事に戸惑う中、彼女は静かに涙を拭うと、何事もなかったかのように俺の腰を撫でて続きを促した。
━━愛する女の涙を無視してまで抱けない。
そう思えたのが、自分でも意外だった。
「どうしたの?」
恐る恐る尋ねると、彼女は静かに視線を外した。意固地で本音を隠したがる彼女から理由を聞くのは難しいだろう。
そう思っていたが、彼女はぽつりと言葉を漏らした。
「こんな時でも避妊はしっかりとするのかと思うと、寂しくなってしまったのです」
また、彼女の目から涙がこぼれた。
━━君の欲しがるものなら何でもあげたい。
高価な宝石でも、優秀な人材でも、隣国の豊かな大地だって構わない。
レイチェルが欲しいと言えば、金に糸目は付けないし、謀略を巡らせてでも手に入れるつもりだった。
けれど、子供は駄目だ。
君を傷付けて、俺から奪ってしまうかもしれない存在。それだけは、与える事はできなかった━━
「愛してる」
誤魔化しでもあり、本心でもある言葉。それを改めて口にすると、彼女は笑った。
「知っていますよ」
彼女は俺の頬を撫でると脚をゆっくりと開いた。
俺達は、何事もなかったかのように、続きを始めた。
子供を欲しいと願っている彼女の気持ちが変わるようにと。そして、いつまでも彼女と一緒にいられるように願いながら、俺達は朝まで愛し合ったのだ。
2章番外編「俺の支配者」了
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