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一章 教皇の外患誘致
4 賢い敵将は冷や汗をかく
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ホールン領代官の二人は、略奪を終え去っていくアリベンス王国軍を見送る。
「結局、したのは略奪だけでしたね……」
エルノは誰に言うでもなく呟く。
敵領に侵攻した場合、通常盗るわ犯すわの大騒ぎになるのだが、アリベンス軍はきちんと統制が取れているようだ。
「摘み食いをする輩はいたようですがね……おかげで、そうして死んだ者達の始末に苦労しました」
摘み食いをした輩が死んでしまっては、毒が入っていることがばれてしまう。
そうなれば全ての策が水の泡だ。
「王都には不穏な動きがあるようですし、この戦、さっさと終わらせないと大変なことになるかもしれませんね」
それはシュヴェルトも知らない、ボリアールの残した言葉。
『王都では教皇が政権掌握に向けて着々と地盤を固めている。私にあればシュヴェルトを頼む』
それが、エルノの城壁建築の理由だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アリベンス王国軍を率いるパティアは、部下の略奪報告をまとめた紙を見て格闘していた。
そこには、『敵の軍はおらず、略奪は極めて順調』『どこの家にもそれなりの穀物があり、略奪は大成功』『つまみ食いした者が軍規違反で処断』『軍規違反者が毒によって何者かに処断』と書かれている。
どうにも引っかかるのだ。
まず一つ。
何故敵の軍はいなかったのか。
補給線を断ったのなら、略奪は警戒して当然だ。
それがまず不自然。
二つ。
どの家にもそれなりの穀物があったこと。
富裕層もいれば、極貧層もいる。
どこの家も同じだけの穀物というのがおかしい。
これが食糧不足なら説明はつくが、どこの家もそれなりの貯蓄があった。
これに警戒せざるを得ない。
三つ。
軍規違反で処刑された者がいるのは分かる。
これは想定内だ。
だが、何故毒によって処刑する必要があったのか。
そのまま切り捨てれば良い話だ。
さらに、毒によって処刑した者が誰かも分かっていない。
この三つから分かることは――
「まさか、敵の穀物に毒が!?」
「将軍。本日の夕餉にございます」
パティアは蒼い顔で訪ねる。
「これはなにを使っている?」
「今日は敵に補給線を断たれたことにより、少々量は少ないですが干し肉を塩でまぶし――」
「そうではない! 敵から奪った穀物か、味方から運ばれ貯蓄してきた穀物かと聞いている!」
「て、敵のものを使っている者と使っていない者がおりますが――」
「そこをどけ!」
それを聞いて、すぐさま立ち上がる。
ここには、決して死なせることのできない高貴なお方がいるのだ。
「しょ、将軍! どちらへ?」
「陛下の下だ! 至急伝えなければならないことがある!」
「は、はっ」
パティアは陣中を脱兎のごとく走り抜ける。
己の主のいる天幕に向かって。
その額には、汗か冷や汗か分からぬものが浮かんでいた。
「あ、あれはパティア様じゃないか? あんなに慌ててどうされたのだろう」
「さぁ? でも、敵の策にかかったとかなら嫌だなあ」
「そんなわけないだろう。パティア様が直接指揮した戦で負けたものは数少ない。それは北西のテューミア王国との戦で証明されているだろう」
「そ、そうだな……」
指揮官というのは、総じて慌てたところをみせてはならない。
それは、兵に恐怖、不安を与えるからだ。
だがそんなことは、あの方を失うことに比べてなんの比でもない。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
やっと、辿り着く。
自らの主、レルトラ・アリベンスの天幕へ。
「陛下!」
声を目一杯張り上げた。
「ん? なんじゃ、パティアか」
「その食事を食べてはなりませぬ!」
「……」
レルトラ・アリベンスは、既に半分ほどに減った自らの夕餉を見つめる。
その食事は、兵と同じものだ。
「理由を言え。我に物を食うなとでも言うつもりか」
「その食事に、敵の毒が使われている可能性があります」
「……」
国王は、もう一度自分の食事をまじまじと見つめた。
「ミシェル」
「……お呼びでしょうか、陛下」
王は連れて来た側室を呼ぶ。
「そなた、体は?」
「……? なんともございませんが」
「というわけじゃ。朕はミシェルに毒味をさせてから食べておる。これには毒など入っておらぬ」
王は高々と言い放った。
「そう、ですか……」
それを聞いて、パティアは脱力した。
だが安心したのも束の間、パティアはすぐに正気に戻ることになる。
「パティア様! 夕餉を食べた者で、倒れる者が続出しております! どうやら夕餉に毒が入っていたようです! 陣中の解毒剤を使い切る勢いで使っておりますが、倒れたものはあまりに多く……」
「そうか……」
「シェフに敵の間者がいたのか? ならシェフを皆殺しにすることになるが」
レルトラ・アリベンスは問う。
誰にではない。だがここにいる指揮権を持つ者は、パティアしかいない。
すると、この質問は必然的にパティアに向けられたものとなる。
「いえ、これは敵の策略です。責任は全て気付かなかった私にあります」
「だが、大急ぎで私に食うでないと止めにきたということは、そちは気付いたということだろう?」
「ですが……」
それでも、兵をみすみす殺したのは他の誰でもなくパティアの責任だ。
言い訳のしようもない。
「そのような者を殺すなど惜しい。この失策は武功で補え。それよりも、今は次の行動だ。この後どうする? どれほどの被害か分からないが、兵数の有利は失うだろう。後ろには少数とはいえ同数では最強といわれるホールン領主軍。前にはほぼ同数と思われるハイドレインジア北方軍。ホールン領主軍を全軍で叩きに行ってもいいが、下手をすると挟撃もあり得る」
「はい」
責任を深く追及せず、今何が一番大事なのかを分かっている。
このような国王が、パティアは好きだった。
「このまま何もしなくても勝ちます。ただし、兵糧だけは確保しておかなければなりません。そろそろ我が国北西のテューミアと和解し南下してきた第二軍が到着する頃でしょう。いずれ無くなるということを考えて略奪を決行しましたが、兵糧はあと三日は持ちます。彼らと共にホールン領主軍を叩き、補給線を確保します」
「ふむ……だがそう上手くいくかな。敵は騎馬隊だろう。さらに奥にいって補給路を食い止められないか?」
「そうされれば両軍共に死者が出て厄介ですが、おそらくそれはないでしょう。さらに奥に行くということは、我が領に近付き、北方軍から離れる――つまりどんどん孤立していきます。敵の指揮官はかの有名な三英雄ボリアール殿のご子息と聞きます。我らと心中などとてもする気はないでしょうな」
「ボリアールか……懐かしいな。あやつは先代の最高司令官の好敵手で、丸腰の男を決して襲わぬ誇り高き武人だった」
「ふふっ、その分厄介でしたが」
「まあ、三英雄は王都にいると聞く。おそらく、三人とも生きては帰れまい」
「……そうですね。少し惜しくはありますが」
「仕方あるまい」
その後、この後について話し合う二人。
彼らの目には、滅び行く大国の姿が浮かんでいた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
この策によってアリベンス王国が出した死者はおよそ85万。この日は敵から大量の食糧を奪ったことで、毒の入った食糧をふんだんに使い、豪華な食事にしたことがこれだけの損害の原因と言われる。
これにより、150万いたはずのアリベンス王国軍は、シュヴェルトに撃滅された騎馬隊含め一気に60万まで減少した。
だが、これはアリベンス王国の最大戦力ではなかった。
アリベンス西方テューミア王国と和睦を結んだ第二軍100万が急速南下。
さらにアリベンス東方ジギル王国が彼らの東方グラシース・ニエヴェ公国と和睦。200万の大軍を率いて南下。
ハイドレインジア王国東方軍は彼らと衝突。
東方軍100万は2倍の敵軍を相手にし、約半数を失い後退したとの報がまもなく北方軍にも届く。
中央軍は魔物との戦いにより援軍は不可能。
北方軍の士気は教皇の護衛騎士であるカミネルへの絶大なる信頼と、三英雄の息子であるシュヴェルトの大きな期待、最強と言われるホールン領主軍がいることへの安心により保たれていたが、“ハイドレインジア”という大国の劣勢は誰の目から見ても明らかだった。
それを見計らってか、南国諸国も止めの一撃にと攻撃に参加する。
だが、南方軍はこれを撃滅。
南方の脅威はなくなった。
後世の歴史家はこれを、【教皇の外患誘致】と呼ぶ。
この事件は、古き英雄が一掃され、新たな英雄が台頭してくるものとして、知らねば恥をかくというほど多くの者に知られることとなる――。
「結局、したのは略奪だけでしたね……」
エルノは誰に言うでもなく呟く。
敵領に侵攻した場合、通常盗るわ犯すわの大騒ぎになるのだが、アリベンス軍はきちんと統制が取れているようだ。
「摘み食いをする輩はいたようですがね……おかげで、そうして死んだ者達の始末に苦労しました」
摘み食いをした輩が死んでしまっては、毒が入っていることがばれてしまう。
そうなれば全ての策が水の泡だ。
「王都には不穏な動きがあるようですし、この戦、さっさと終わらせないと大変なことになるかもしれませんね」
それはシュヴェルトも知らない、ボリアールの残した言葉。
『王都では教皇が政権掌握に向けて着々と地盤を固めている。私にあればシュヴェルトを頼む』
それが、エルノの城壁建築の理由だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アリベンス王国軍を率いるパティアは、部下の略奪報告をまとめた紙を見て格闘していた。
そこには、『敵の軍はおらず、略奪は極めて順調』『どこの家にもそれなりの穀物があり、略奪は大成功』『つまみ食いした者が軍規違反で処断』『軍規違反者が毒によって何者かに処断』と書かれている。
どうにも引っかかるのだ。
まず一つ。
何故敵の軍はいなかったのか。
補給線を断ったのなら、略奪は警戒して当然だ。
それがまず不自然。
二つ。
どの家にもそれなりの穀物があったこと。
富裕層もいれば、極貧層もいる。
どこの家も同じだけの穀物というのがおかしい。
これが食糧不足なら説明はつくが、どこの家もそれなりの貯蓄があった。
これに警戒せざるを得ない。
三つ。
軍規違反で処刑された者がいるのは分かる。
これは想定内だ。
だが、何故毒によって処刑する必要があったのか。
そのまま切り捨てれば良い話だ。
さらに、毒によって処刑した者が誰かも分かっていない。
この三つから分かることは――
「まさか、敵の穀物に毒が!?」
「将軍。本日の夕餉にございます」
パティアは蒼い顔で訪ねる。
「これはなにを使っている?」
「今日は敵に補給線を断たれたことにより、少々量は少ないですが干し肉を塩でまぶし――」
「そうではない! 敵から奪った穀物か、味方から運ばれ貯蓄してきた穀物かと聞いている!」
「て、敵のものを使っている者と使っていない者がおりますが――」
「そこをどけ!」
それを聞いて、すぐさま立ち上がる。
ここには、決して死なせることのできない高貴なお方がいるのだ。
「しょ、将軍! どちらへ?」
「陛下の下だ! 至急伝えなければならないことがある!」
「は、はっ」
パティアは陣中を脱兎のごとく走り抜ける。
己の主のいる天幕に向かって。
その額には、汗か冷や汗か分からぬものが浮かんでいた。
「あ、あれはパティア様じゃないか? あんなに慌ててどうされたのだろう」
「さぁ? でも、敵の策にかかったとかなら嫌だなあ」
「そんなわけないだろう。パティア様が直接指揮した戦で負けたものは数少ない。それは北西のテューミア王国との戦で証明されているだろう」
「そ、そうだな……」
指揮官というのは、総じて慌てたところをみせてはならない。
それは、兵に恐怖、不安を与えるからだ。
だがそんなことは、あの方を失うことに比べてなんの比でもない。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
やっと、辿り着く。
自らの主、レルトラ・アリベンスの天幕へ。
「陛下!」
声を目一杯張り上げた。
「ん? なんじゃ、パティアか」
「その食事を食べてはなりませぬ!」
「……」
レルトラ・アリベンスは、既に半分ほどに減った自らの夕餉を見つめる。
その食事は、兵と同じものだ。
「理由を言え。我に物を食うなとでも言うつもりか」
「その食事に、敵の毒が使われている可能性があります」
「……」
国王は、もう一度自分の食事をまじまじと見つめた。
「ミシェル」
「……お呼びでしょうか、陛下」
王は連れて来た側室を呼ぶ。
「そなた、体は?」
「……? なんともございませんが」
「というわけじゃ。朕はミシェルに毒味をさせてから食べておる。これには毒など入っておらぬ」
王は高々と言い放った。
「そう、ですか……」
それを聞いて、パティアは脱力した。
だが安心したのも束の間、パティアはすぐに正気に戻ることになる。
「パティア様! 夕餉を食べた者で、倒れる者が続出しております! どうやら夕餉に毒が入っていたようです! 陣中の解毒剤を使い切る勢いで使っておりますが、倒れたものはあまりに多く……」
「そうか……」
「シェフに敵の間者がいたのか? ならシェフを皆殺しにすることになるが」
レルトラ・アリベンスは問う。
誰にではない。だがここにいる指揮権を持つ者は、パティアしかいない。
すると、この質問は必然的にパティアに向けられたものとなる。
「いえ、これは敵の策略です。責任は全て気付かなかった私にあります」
「だが、大急ぎで私に食うでないと止めにきたということは、そちは気付いたということだろう?」
「ですが……」
それでも、兵をみすみす殺したのは他の誰でもなくパティアの責任だ。
言い訳のしようもない。
「そのような者を殺すなど惜しい。この失策は武功で補え。それよりも、今は次の行動だ。この後どうする? どれほどの被害か分からないが、兵数の有利は失うだろう。後ろには少数とはいえ同数では最強といわれるホールン領主軍。前にはほぼ同数と思われるハイドレインジア北方軍。ホールン領主軍を全軍で叩きに行ってもいいが、下手をすると挟撃もあり得る」
「はい」
責任を深く追及せず、今何が一番大事なのかを分かっている。
このような国王が、パティアは好きだった。
「このまま何もしなくても勝ちます。ただし、兵糧だけは確保しておかなければなりません。そろそろ我が国北西のテューミアと和解し南下してきた第二軍が到着する頃でしょう。いずれ無くなるということを考えて略奪を決行しましたが、兵糧はあと三日は持ちます。彼らと共にホールン領主軍を叩き、補給線を確保します」
「ふむ……だがそう上手くいくかな。敵は騎馬隊だろう。さらに奥にいって補給路を食い止められないか?」
「そうされれば両軍共に死者が出て厄介ですが、おそらくそれはないでしょう。さらに奥に行くということは、我が領に近付き、北方軍から離れる――つまりどんどん孤立していきます。敵の指揮官はかの有名な三英雄ボリアール殿のご子息と聞きます。我らと心中などとてもする気はないでしょうな」
「ボリアールか……懐かしいな。あやつは先代の最高司令官の好敵手で、丸腰の男を決して襲わぬ誇り高き武人だった」
「ふふっ、その分厄介でしたが」
「まあ、三英雄は王都にいると聞く。おそらく、三人とも生きては帰れまい」
「……そうですね。少し惜しくはありますが」
「仕方あるまい」
その後、この後について話し合う二人。
彼らの目には、滅び行く大国の姿が浮かんでいた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
この策によってアリベンス王国が出した死者はおよそ85万。この日は敵から大量の食糧を奪ったことで、毒の入った食糧をふんだんに使い、豪華な食事にしたことがこれだけの損害の原因と言われる。
これにより、150万いたはずのアリベンス王国軍は、シュヴェルトに撃滅された騎馬隊含め一気に60万まで減少した。
だが、これはアリベンス王国の最大戦力ではなかった。
アリベンス西方テューミア王国と和睦を結んだ第二軍100万が急速南下。
さらにアリベンス東方ジギル王国が彼らの東方グラシース・ニエヴェ公国と和睦。200万の大軍を率いて南下。
ハイドレインジア王国東方軍は彼らと衝突。
東方軍100万は2倍の敵軍を相手にし、約半数を失い後退したとの報がまもなく北方軍にも届く。
中央軍は魔物との戦いにより援軍は不可能。
北方軍の士気は教皇の護衛騎士であるカミネルへの絶大なる信頼と、三英雄の息子であるシュヴェルトの大きな期待、最強と言われるホールン領主軍がいることへの安心により保たれていたが、“ハイドレインジア”という大国の劣勢は誰の目から見ても明らかだった。
それを見計らってか、南国諸国も止めの一撃にと攻撃に参加する。
だが、南方軍はこれを撃滅。
南方の脅威はなくなった。
後世の歴史家はこれを、【教皇の外患誘致】と呼ぶ。
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