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一章 教皇の外患誘致
5 騎馬隊撤退のち反攻
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【教皇の外患誘致】によって、長年争っていたテューミア王国とアリベンス王国が和解。
今度はその南ラジェーニャ公国とテューミア王国の戦争が勃発した。
これは、アリベンスがハイドレインジアと戦うことによって消耗したところに、背後から急襲されぬよう、アリベンス王国がとった離間の計であった。
さらにその西では、元々敵対していた大陸最西端ヴェールス神国とその東に隣接するサンクォール帝国の戦争が激化。
この二つの国は、ハイドレインジアと領土面積は大して変わらない。
大国の危機を筆頭に、大陸中で戦禍が撒き散らされていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「フォリアス」
「? お呼びでしょうか、シュヴェルト様」
シュヴェルトの視線は北方軍とアリベンス王国軍のいるはずの方向に向けられている。
「おかしいと思わないか?」
「ええ、おかしいですね」
そう二人で頷きあう。
「ふむ……」
明らかにおかしいのだ。
半数以上は失ったはずのアリベンス王国軍が静かなのはまだいい。
だが。
「何故次の攻撃を開始しない……」
確かにここで総攻撃をするのは得策ではない。
毒を盛ったとはいえ敵の軍勢はまだこちらよりも少ないだけ。
ここで正面からぶつかれば、お互いに多大な損害を出すだろう。
ホールン領主軍のような、一人一人が一軍の将程度の精強さであればいいが、そうでなければ得策ではない。
かといって、カミネルが座して敵が飢えるのを待つとも考えられないのだ。
だとすると。
「カミネル将軍は、何かを待っている?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「シュヴェルト様!」
それからしばらくして、フォリアスが真っ青な顔で走ってきた。
「どうした? 慌てるとはお前らしくもない」
「斥候からの報告、約三日の距離、敵の援軍とのことです! その数およそ100万!」
「……そうか」
「? 冷静ですね。なにか策が?」
フォリアスは期待の眼差しを向けてくる。
「いや、ない」
そう言った瞬間、彼がガクッとズッコケた。
「だが、分かったことがある」
「?」
「それは、敵が本気で我が国を潰しに来ているということだ」
大方、犬猿の仲であったテューミア王国と和解したのだろう。
和睦の条件は、必ずハイドレインジアを滅ぼす、と言ったところか。
「それで、どうするのですか? このままでは我が軍は挟撃されます」
「ふむ……」
シュヴェルトはしばらく考えて、ある決断をした。
「陣を6里下げる」
「よろしいのですか? 敵との距離が半日ほどになってしまいますが」
歩兵で半日だが、馬なら全速で駆ければ一時間ほどだ。
そのくらいの距離で丁度いい。
「構わん。やれ」
「承知しました」
すぐに命令は伝達され、移動に移る。
その二日後。
背後から敵が近付いてきた。
その距離、約半日。
「出撃だ! 乗馬!」
ホールン領主軍は、既に臨戦態勢だった。
背後の敵に突っ込むのではない。
「これより、敵の第一軍に突っ込む! 斥候より速く敵に接近し、突き破って味方のもとへ帰陣するのだ!」
シュヴェルトの大声に、全軍が気勢を上げる。
「出撃ー!」
今度はフォリアスの声。
その声に従い、きっちりと列を組んで駆け足。
馬の質は最上のものを揃えており、同じ駆け足でも並みの騎馬隊より速い。
斥候の馬がこの速度で味方の陣に走っても、到着前に馬が潰れてしまうだろう。
約一時間後。
「前方半里! 敵の軍勢です!」
「全軍全速突撃! 敵を突き破れ!」
「「「「「オーーーーー!!!!!」」」」」
全軍が一気に速度をあげ、シュヴェルトを先頭に疾駆する。
縦列。敵の一番薄いところめがけて。
敵が二つに割れる。騎馬隊はその道に突っ込んでいく。
騎馬隊の突撃は長槍でない限り正面から受けてはならない。正面から受ければ最前列の兵は助からない。
戦の基本として、子供でも知っていること。
だが今はそれが、ホールン領主軍を助けることになる。
「速度を落とすなぁぁぁ!」
シュヴェルト、フォリアス、その麾下は、突き出される槍を払いながら。
落馬する者はいない。
槍で突かれ息絶える者もいない。
正確に、極めて正確に、自分と馬に傷をつけそうなものだけを払っていく。
突き抜けた。
敵を真っ二つ。
開けた穴が、後方から順に塞がっていく。
斥候からは知らされていない、予期せぬ奇襲にやっとこさ陣を組んだ弓兵達が矢の雨を射掛ける。
だが。
敵を突き抜けた直後に剣を仕舞い、全速力で戦場を離脱したホールン領主軍には、その矢は届かず。
虚しく、全ての矢が地に落ちる。
歩兵では、もう間に合わない。
当然、後方の援軍にいる騎馬隊も間に合わない。
少数に減った第一軍の騎馬隊では、各個撃破されるだけ。
アリベンスの将校の誰かが。
悔しそうに、みずからの獲物を地に叩き付けた。
しかし。
これで終わりでは、なかった。
両側面から、歩兵の突撃。
「シュヴェルト様! 右翼ホールン領主軍歩兵、フェルナ殿です! 左翼にはジェロム殿の旗!」
見えていた。
駆けながら。
両軍ともおよそ10万。
「反転する。楔、敵正面突っ込め」
小声でそう言い、手でその指示を出す。
その瞬間、全軍が反転。
最後尾が最前列。
楔形。最高の攻撃力を持つホールン領主軍騎馬隊の突撃陣。
馬にはまだまだ余力がある。
再度、敵に突っ込んだ。
今度は薄いところではない。
一番厚い、敵の多い場所。
敵は騎馬隊の攻撃を受け、たちまち陣を乱す。
そこから、大きく掻き回していった。
そうして乱れた陣に。
今度は、カミネルの旗。北方軍の全軍が、突っ込んだ。
完全に壊走した敵。
カミネルの下した命は、追撃だった。
ここで退くのが、敵に損害を与え味方の損害は最小限。
国元には最も褒められ、評価されるだろう。
ここで追撃し、余計な犠牲を出すと功績に泥が塗られる。
けれども。
「やはりカミネル将軍は素晴らしいお方だ……!」
功績なんて気にしていない。
ここで退いても、次は第一軍の残党と第二軍の100万。
ほぼ倍の敵を相手にしなければならない。
おそらく、カミネルは。
「我々がこの行動を起こすのを、待っていたのか――!」
第一軍の残党を、出来る限り討ち果たしていく。
追っていくと、その先には敵の第二軍。
必死で逃げる第一軍が、第二軍の中に流入した。
なりふり構わぬその行動によって、第二軍の陣も乱れる。
実はこの時、もう第一軍には、『指揮官がいなかった』のである。
そこに、北方軍の全軍がなだれ込む。
「縦列!」
たちまち混戦となり、ホールン領主軍が敵陣奥深くまで突っ込む。
縦列で向かう先は、敵の旗。
敵の第二軍指揮官。
シュヴェルトはその男だけを見ていた。
敵の指揮官は上から斬り下げ、シュヴェルト下から斬り上げる。
交錯。
シュヴェルトの手には、しっかりとした感触があった。
自らの首は繋がっている。
剣についた血は色々な敵の血がついて分からない。
だが、敵の崩れ方がそれを証明していた。
よほど求心力のある将軍だったのだろう。
それでも、しっかりと踏みとどまっている連中はいる。
おそらく、数々の死地を潜り抜けてきた部隊。
陣形を崩すことが死への近道だと分かっている部隊。
その軍は北方軍に任せた。
ホールン領主軍は私兵。
こんな勝ち戦で犠牲は出したくはない。
その代わり、先回りして退路を塞ぐ。
この戦、ハイドレインジア王国北方軍の勝利だ。
このときシュヴェルトは、ホールン領主軍の歩兵が完全に消えていることに、全く気が付いていなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
【近くの森】
「陛下。こちらです。ここを抜ければ第二軍に合流できます」
「そうか……負けたのだな、第一軍は」
「はい。ですが、第二軍はセルネイド将軍がおられます。兵数も第一軍の残りを含めれば2倍以上。簡単には負けますまい」
「そうか」
パティアとレルトラ・アリベンスは森の中を数名の供回りと共に脱出してきていた。
二人は馬蹄の響きが届いてきたことに一安心する。
「よかった。第二軍は無事のようだな」
「そうですね。また本腰入れて対峙すればよろしいかと」
第二軍も既に壊走し、森の奥にいるのはハイドレインジア軍とは夢にも思わない一行はそのまま森をでようとする。
風が眼前を切った。
木に突き刺さる、一本の矢。
「誰じゃ!」
すると、出てきたのは一人の男。
その周りには1万の兵。
囲まれていた。
「お初にお目にかかります。私はホールン領主軍歩兵指揮官モリアスと申します。ホールン領代官エルノ様の命で貴方様を賓客としてお迎えにあがりました」
「……これまでか。のう、パティア」
「申し訳ありません。陛下」
「我が主ボリアールの名において、決して粗略な扱いはしないと約束致します。どうか降伏のご英断を」
「そうか……そなた、ボリアール殿の……」
レルトラ・アリベンスはそっとパティアに目配せする。
「ボリアール殿なら安心できます。ここは……命を惜しむべきです」
「……分かった。降伏しよう。降将として栄誉ある扱いを望む」
「ええ。必ず」
こうしてパティア、レルトラ両名はホールン領主の捕虜となった。
だがこのことは王国には報告されず、しばらくアリベンス国王は行方不明とされた。
今度はその南ラジェーニャ公国とテューミア王国の戦争が勃発した。
これは、アリベンスがハイドレインジアと戦うことによって消耗したところに、背後から急襲されぬよう、アリベンス王国がとった離間の計であった。
さらにその西では、元々敵対していた大陸最西端ヴェールス神国とその東に隣接するサンクォール帝国の戦争が激化。
この二つの国は、ハイドレインジアと領土面積は大して変わらない。
大国の危機を筆頭に、大陸中で戦禍が撒き散らされていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「フォリアス」
「? お呼びでしょうか、シュヴェルト様」
シュヴェルトの視線は北方軍とアリベンス王国軍のいるはずの方向に向けられている。
「おかしいと思わないか?」
「ええ、おかしいですね」
そう二人で頷きあう。
「ふむ……」
明らかにおかしいのだ。
半数以上は失ったはずのアリベンス王国軍が静かなのはまだいい。
だが。
「何故次の攻撃を開始しない……」
確かにここで総攻撃をするのは得策ではない。
毒を盛ったとはいえ敵の軍勢はまだこちらよりも少ないだけ。
ここで正面からぶつかれば、お互いに多大な損害を出すだろう。
ホールン領主軍のような、一人一人が一軍の将程度の精強さであればいいが、そうでなければ得策ではない。
かといって、カミネルが座して敵が飢えるのを待つとも考えられないのだ。
だとすると。
「カミネル将軍は、何かを待っている?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「シュヴェルト様!」
それからしばらくして、フォリアスが真っ青な顔で走ってきた。
「どうした? 慌てるとはお前らしくもない」
「斥候からの報告、約三日の距離、敵の援軍とのことです! その数およそ100万!」
「……そうか」
「? 冷静ですね。なにか策が?」
フォリアスは期待の眼差しを向けてくる。
「いや、ない」
そう言った瞬間、彼がガクッとズッコケた。
「だが、分かったことがある」
「?」
「それは、敵が本気で我が国を潰しに来ているということだ」
大方、犬猿の仲であったテューミア王国と和解したのだろう。
和睦の条件は、必ずハイドレインジアを滅ぼす、と言ったところか。
「それで、どうするのですか? このままでは我が軍は挟撃されます」
「ふむ……」
シュヴェルトはしばらく考えて、ある決断をした。
「陣を6里下げる」
「よろしいのですか? 敵との距離が半日ほどになってしまいますが」
歩兵で半日だが、馬なら全速で駆ければ一時間ほどだ。
そのくらいの距離で丁度いい。
「構わん。やれ」
「承知しました」
すぐに命令は伝達され、移動に移る。
その二日後。
背後から敵が近付いてきた。
その距離、約半日。
「出撃だ! 乗馬!」
ホールン領主軍は、既に臨戦態勢だった。
背後の敵に突っ込むのではない。
「これより、敵の第一軍に突っ込む! 斥候より速く敵に接近し、突き破って味方のもとへ帰陣するのだ!」
シュヴェルトの大声に、全軍が気勢を上げる。
「出撃ー!」
今度はフォリアスの声。
その声に従い、きっちりと列を組んで駆け足。
馬の質は最上のものを揃えており、同じ駆け足でも並みの騎馬隊より速い。
斥候の馬がこの速度で味方の陣に走っても、到着前に馬が潰れてしまうだろう。
約一時間後。
「前方半里! 敵の軍勢です!」
「全軍全速突撃! 敵を突き破れ!」
「「「「「オーーーーー!!!!!」」」」」
全軍が一気に速度をあげ、シュヴェルトを先頭に疾駆する。
縦列。敵の一番薄いところめがけて。
敵が二つに割れる。騎馬隊はその道に突っ込んでいく。
騎馬隊の突撃は長槍でない限り正面から受けてはならない。正面から受ければ最前列の兵は助からない。
戦の基本として、子供でも知っていること。
だが今はそれが、ホールン領主軍を助けることになる。
「速度を落とすなぁぁぁ!」
シュヴェルト、フォリアス、その麾下は、突き出される槍を払いながら。
落馬する者はいない。
槍で突かれ息絶える者もいない。
正確に、極めて正確に、自分と馬に傷をつけそうなものだけを払っていく。
突き抜けた。
敵を真っ二つ。
開けた穴が、後方から順に塞がっていく。
斥候からは知らされていない、予期せぬ奇襲にやっとこさ陣を組んだ弓兵達が矢の雨を射掛ける。
だが。
敵を突き抜けた直後に剣を仕舞い、全速力で戦場を離脱したホールン領主軍には、その矢は届かず。
虚しく、全ての矢が地に落ちる。
歩兵では、もう間に合わない。
当然、後方の援軍にいる騎馬隊も間に合わない。
少数に減った第一軍の騎馬隊では、各個撃破されるだけ。
アリベンスの将校の誰かが。
悔しそうに、みずからの獲物を地に叩き付けた。
しかし。
これで終わりでは、なかった。
両側面から、歩兵の突撃。
「シュヴェルト様! 右翼ホールン領主軍歩兵、フェルナ殿です! 左翼にはジェロム殿の旗!」
見えていた。
駆けながら。
両軍ともおよそ10万。
「反転する。楔、敵正面突っ込め」
小声でそう言い、手でその指示を出す。
その瞬間、全軍が反転。
最後尾が最前列。
楔形。最高の攻撃力を持つホールン領主軍騎馬隊の突撃陣。
馬にはまだまだ余力がある。
再度、敵に突っ込んだ。
今度は薄いところではない。
一番厚い、敵の多い場所。
敵は騎馬隊の攻撃を受け、たちまち陣を乱す。
そこから、大きく掻き回していった。
そうして乱れた陣に。
今度は、カミネルの旗。北方軍の全軍が、突っ込んだ。
完全に壊走した敵。
カミネルの下した命は、追撃だった。
ここで退くのが、敵に損害を与え味方の損害は最小限。
国元には最も褒められ、評価されるだろう。
ここで追撃し、余計な犠牲を出すと功績に泥が塗られる。
けれども。
「やはりカミネル将軍は素晴らしいお方だ……!」
功績なんて気にしていない。
ここで退いても、次は第一軍の残党と第二軍の100万。
ほぼ倍の敵を相手にしなければならない。
おそらく、カミネルは。
「我々がこの行動を起こすのを、待っていたのか――!」
第一軍の残党を、出来る限り討ち果たしていく。
追っていくと、その先には敵の第二軍。
必死で逃げる第一軍が、第二軍の中に流入した。
なりふり構わぬその行動によって、第二軍の陣も乱れる。
実はこの時、もう第一軍には、『指揮官がいなかった』のである。
そこに、北方軍の全軍がなだれ込む。
「縦列!」
たちまち混戦となり、ホールン領主軍が敵陣奥深くまで突っ込む。
縦列で向かう先は、敵の旗。
敵の第二軍指揮官。
シュヴェルトはその男だけを見ていた。
敵の指揮官は上から斬り下げ、シュヴェルト下から斬り上げる。
交錯。
シュヴェルトの手には、しっかりとした感触があった。
自らの首は繋がっている。
剣についた血は色々な敵の血がついて分からない。
だが、敵の崩れ方がそれを証明していた。
よほど求心力のある将軍だったのだろう。
それでも、しっかりと踏みとどまっている連中はいる。
おそらく、数々の死地を潜り抜けてきた部隊。
陣形を崩すことが死への近道だと分かっている部隊。
その軍は北方軍に任せた。
ホールン領主軍は私兵。
こんな勝ち戦で犠牲は出したくはない。
その代わり、先回りして退路を塞ぐ。
この戦、ハイドレインジア王国北方軍の勝利だ。
このときシュヴェルトは、ホールン領主軍の歩兵が完全に消えていることに、全く気が付いていなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
【近くの森】
「陛下。こちらです。ここを抜ければ第二軍に合流できます」
「そうか……負けたのだな、第一軍は」
「はい。ですが、第二軍はセルネイド将軍がおられます。兵数も第一軍の残りを含めれば2倍以上。簡単には負けますまい」
「そうか」
パティアとレルトラ・アリベンスは森の中を数名の供回りと共に脱出してきていた。
二人は馬蹄の響きが届いてきたことに一安心する。
「よかった。第二軍は無事のようだな」
「そうですね。また本腰入れて対峙すればよろしいかと」
第二軍も既に壊走し、森の奥にいるのはハイドレインジア軍とは夢にも思わない一行はそのまま森をでようとする。
風が眼前を切った。
木に突き刺さる、一本の矢。
「誰じゃ!」
すると、出てきたのは一人の男。
その周りには1万の兵。
囲まれていた。
「お初にお目にかかります。私はホールン領主軍歩兵指揮官モリアスと申します。ホールン領代官エルノ様の命で貴方様を賓客としてお迎えにあがりました」
「……これまでか。のう、パティア」
「申し訳ありません。陛下」
「我が主ボリアールの名において、決して粗略な扱いはしないと約束致します。どうか降伏のご英断を」
「そうか……そなた、ボリアール殿の……」
レルトラ・アリベンスはそっとパティアに目配せする。
「ボリアール殿なら安心できます。ここは……命を惜しむべきです」
「……分かった。降伏しよう。降将として栄誉ある扱いを望む」
「ええ。必ず」
こうしてパティア、レルトラ両名はホールン領主の捕虜となった。
だがこのことは王国には報告されず、しばらくアリベンス国王は行方不明とされた。
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