悪役令嬢にざまぁされるヒロインに転生したので断罪返しを回避したい!〜でもこのヒロインラスボスですよね?!〜

五城楼スケ(デコスケ)

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転生2

 ミシュリーヌは、母一人子一人の平民として育ったが母親の死後、父方の祖父に迎え入れられ貴族としての教育を受けることになる。
 そして彼女は貴族の子女達が通うラグランジュ学院に入学し、その明るく天真爛漫な性格と美しく愛らしい容姿で、各属性のイケメン達を次々と魅了していく──。……って、ホントに魅了を使っているのだが。

 原作では<魅了>は<災厄の魔女>が持つ魔眼の一種で、世界中の国々で使用を禁止されているという設定だ。
 それは、大昔に魔眼で魅了された時の権力者達が<災厄の魔女>に唆され、戦争を引き起こして人類が滅亡しかけたから、ということらしい。
 だからそれ以来、リュフィエ聖王国が各国に働きかけ、魅了を禁止する法案を作らせたという。

 そして魅了を使うことは大罪となり、使用した者は<災厄の魔女>として処刑、もしくは聖王国の地下牢に一生幽閉されることになる。

「いやぁああああ!! 処刑されるぅうううう!!」

 ──その<魅了>を使い、<災厄の魔女>として処刑されるのが、ミシュリーヌ・ランベールなのだ──!!

「……っ! なんで……! なんでよりにも寄ってミシュリーヌ……! ベアトリスに転生させて欲しかった……っ!!」

 ミシュリーヌの企みに巻き込まれるのはまっぴらごめんだけど、ベアトリスとオーレリアンのカップルは是非とも近くで眺めたかった。
 ちなみにオーレリアンは聖王国の王子で、<災厄の魔女>を見つけるために学院へ留学に来た真のヒーローだ。
 神秘的な美貌の持ち主の彼は、全女生徒憧れの王子様だ。だけど余りに美しすぎて、皆んな遠巻き囲むことしか出来なかった。正に鑑賞物扱いだったと思う。

「……あれ? ……もしかしてモブの方が遠慮なく推しキャラを拝めたんじゃ……?」

 もしベアトリスに転生していたら……と考えた私は、はたと気がついた。

(私がオーレリアンと恋に……? いや、ないわー。無理だわー)

 ベアトリスとオーレリアンは協力し、<災厄の魔女>が誰かを調べている内にお互いを意識し合って恋に落ちる。本当はオーレリアンがベアトリスに一目惚れしていたのだけれど。
 オーレリアンも超美形だけど、ベアトリスに一途なところが私のツボに刺さっていた。

 言わずもがな、二人は私の推しカプだ。じれじれな二人を見るのが至福なのであって、自分がそうなりたいわけじゃないのだ。
 ……っていうか、オーレリアンの顔を身近で見るなんて耐えられる気がしない。遠くから眺めるだけで十分だ。

「そうだよね、自分が推しキャラになったらダメだよね。推しは温かく見守らないと」

 そういう意味では悪役令嬢のベアトリスに転生しなくて良かったと思う。
 それに流行りの悪役令嬢は全然悪役じゃなくて、むしろとても常識がある良い子なのだ。
 そんな悪役令嬢に憧れた私だけれど、本当の悪役令嬢に転生した……ということは、ある意味希望通りに転生させて貰えたのかもしれないと、前向きに考えを改める。

 ──ならば、ここは断罪返しのザマァをされないためにも、定番のモブキャラに転身するしかない!!
 そして願わくば、この世界の悪役令嬢であるベアトリスとお友達になりたい!!

 とにかく絶対<魅了>を使わないようにして、大人しくひっそりと生きて行けば、最悪の結末は免れるはず。

 私は前世で読んだ悪役令嬢達の物語を見習って、目立たない人生を送る決意をした。
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