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第一章 死者へ贈る愛
episode 1 膨らむ期待感
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街道を歩き詰めだったあたし達は日も落ちた頃、マグノリア王国の首都ロジエに着いた。
やっとのことで落ち着いて食事が取れると入った酒場で、近くの席から面白そうな話が耳に飛び込んで来る。
「ねぇねぇ、おじさん?
さっきから『闘技祭、闘技祭』って言ってるけど、それって何なの?」
いてもたってもいられなかったあたしは席を立つと、食事と酒で盛り上がりをみせている小太りのおじさんの傍まで足を運んでいた。
「ん?
嬢ちゃん知らねぇのか?
この国の剣闘技祭を」
「あたしはこの近くに住んでないから。
それに、あたしはアテナ!
嬢ちゃんじゃなく、アテナって名前よ!」
「あっはっはっは。
こりゃ失敬。
アテナちゃんは旅でもしてるのかい?」
一人の男が笑いながら言うと、一緒に居る男達も釣られても笑い出す。
こんなことは今に始まったことじゃない。
あたし自身ですら見た目が幼く見えるのを気にしているのに、ましてや旅をしているなんて大人から見たら笑い事だろう。
「何か悪いワケ!?
それよりも質問に答えなさいよ!」
あたしの勢いに気圧されたのか、笑い声はピタリと止まった。
「お、おぅ。
悪かった悪かった。
剣闘技祭ってのはこの国最大の祭りであって、尚且つ、国の行く末すら左右する重大な行事さ」
「ふぅ~ん。
で、剣闘技って言うくらいだから剣を使って闘うのに、何がそんなに重大なのよ」
お祭りと題しているのに、国の行く末を左右することなんてあるのだろうか。
「この国はな、騎士になったものが女王と結婚し王になる仕来たりが出来たんだがな、その資格を得られるのが剣闘技祭よ。
色々と条件はあるんだが、一介の剣士が王になることが出来るんだ。
それは国民にとっても重大なことだろうよ」
「要するに、祭りで騎士の資格を得て女王に気に入られたら王になれるかもって話なのね?」
これは面白い話を聞いた。
こんなあたしでも王になれるかも知れないのだ、これほどウマイ話はない。
しかもだ、女王と一緒になれるなんてまるで夢のようじゃないか。
「そういうこった。
詳細は近い内に張り出されるんじゃないか。
観てみる気にでもなったかい?」
「は?
何言ってんの?
そんな面白い祭りに出ないでどうするワケ!?」
そんな傍観者になっても面白さなんて半減どころではないだろう。
そういうのは当事者になってこそではないのか。
「あぁん?
だってよ、資格を得たって結婚は出来ないだろうよ。
女の騎士はいないワケじゃないが――騎士にでもなりたいのか?」
「は?
何で結婚出来ないって決めつけるワケ!?
これだから……。
愛ってのはね、何よりも強く何よりも美しいものなの!
それを性別だのなんだのって。
……まぁ、いいわ。
色々教えてくれてありがとね」
話の途中から口をパクパク、まるで魚のようだったのでその場を切り上げることにした。
「何か分かりましたか、お嬢様」
テーブルに戻るとミーニャ・ストラウトが待っていてくれた。
彼女は奴隷として働かされていたのをあたしが強引に助け出し、以後ずっと一緒に居てくれている大切な友達。
「特ダネよ、特ダネ。
条件さえ満たせば女王と結婚出来るそうよ!」
「それはそれは、何よりですね。
勿論、お祭りに参加なさるのですね?」
あたしのことを理解してくれるのは、やっぱりミーニャしかいない。
「当たり前よ!
だからミーニャは大好き!」
「勿体無いお言葉です、お嬢様」
「でねでね、女王ってくらいだからさ、美人なのかな?
それとも、すっごくキツそうなのかな?
どっちだと思う?」
「わたくしはキツそうなイメージを持っていますが、実際のところはどうなのでしょう」
「あたしは物腰柔らかそうだけど、威厳に満ちてる感じだなぁ」
女王なんてのは、その国に長く住んでいなければ滅多に見れることはない。
あたしとミーニャの持つイメージは真逆だが、それはそれで話していて楽しいし、ミーニャも笑顔でいてくれる。
「そしたらさ、少しこの国にいることになるから明日は買い物とか、近くの街とかにも行ってみない?」
「そうですね、お嬢様も少しのんびりとなさって下さい」
そうと決まれば今日は早い内に寝ようと思う。
このところ、ろくに羽を伸ばすことはなかったので少し気持ちも楽に感じていた。
「……様、お嬢様、朝ですよ。
起きてください」
耳元で優しくミーニャが囁いている。
この気持ち良さがたまらなく、毎朝起こされるまで寝ているのだ。
「ん、ん~。
おはよ、ミーニャ。
いつも早いわね」
「お嬢様より遅くなんて起きられませんので。
起こして差し上げるのも私の仕事ですし」
ミーニャはいつもあたしより下に構えているが、本当であれば友達や恋人のように接して欲しいと思っている。
「起こしてくれるのも嬉しいけど、自然に起きるまでミーニャの温もりも感じたいな」
「止めて下さい、恥ずかしいです。
一緒のベッドに入ることですらおこがましいのに」
頬を赤らめるミーニャはホント可愛らしく抱きしめてあげたくなるが、今回は止めておこう。
「もう、そんなことないんだから。
ま、少しずつ同じ立ち位置に、ね!」
元が奴隷の召し使いだけあって、中々抜けきれないのは仕方ないとは思っている。
「でね、今日は南街のブリエに行ってみない?
あそこには湖もあるみたいだしさ。
まあ、祭りの詳細を確かめてからだけどね」
地図に示された湖を指差しミーニャの顔色を窺う。
互いに過去の話をしないせいか、何がイヤなのかも分からないからだ。
「いいですわね、私も是非行きたいと思います」
「オッケー、決まりね。
そうと決まれば早速支度して街へ出てみましょ」
言葉通り寝衣を脱ぎ捨てると、きっちりと畳まれている服へと着替えた。
太股まで出る短パンと、お腹の出ている上着。
これはあたしのお気に入りだ。
羽を伸ばすことを前提に、ミーニャが気を利かせて準備してくれたのだろう。
「さて、と。
これで行けるわ。
ミーニャは準備出来た?」
「はい、私は大丈夫です。
お嬢様。
あとはこれを」
ミーニャから魔法剣を受け取りいつものように腰へとくくりつける。
旅立つ際、義親から渡されたそれは木の棒と同じ軽さのものだった。
魔法大戦まではよく使われていたらしいが、あたしにとっては軽くて護身用になればいいとしか思っていない。
「よし、それじゃあ城の近くまで行ってみましょ」
宿を離れ王城前まで足を運んだが祭りの開催日などは掲示されておらず、その足で『アグレットの厩舎』へと向かった。
「おじさん!
大羊を一頭貸して欲しいんだけど」
「おぉ、どれでも好きなの選んでくれ。
どっか行くのかい?」
「ちょっと南の街までね」
ふわふわモコモコの愛らしい大羊が並ぶ中でも、最も可愛らしい顔をしているのを選ぶと代価を渡し街を出た。
「大羊はやっぱりいいわね!
ミーニャ、初めて乗った感想は?」
あたしの腰に捕まりながら乗る彼女は少し緊張しているように思えた。
「少し怖いですが、大丈夫です。
お嬢様、ゆっくりお願いしますね」
「そんなんじゃ馬には乗れないわよ!
それっ!」
大羊に走るよう合図を出すと、あたし達が走るより早く風を切り出した。
「きゃっ!
お嬢様、お嬢様!!」
「なぁに!?
大丈夫よ!
しっかり掴まってなさい!」
走り出してからずっと叫び声が聞こえているが、楽しさのあまり止めることはない。
途中、二股に差し掛かったところで二人の少女とすれ違い何か気にはなったが勢いのまま通り過ぎてしまった。
「さぁ、もうすぐよ。
ミーニャ、頑張れっ‼️」
「もう無理ですぅ、お嬢様ぁぁぁ」
とか言いつつ結構大丈夫な感はあった。
そんなこんなで湖近くまで辿り着くと、何故か道の先は塞がれていた。
「この先、湖には近づくな?」
柵の隣に掲げられた看板にはそんなことが書いていた。
「どういうことでしょう?」
「なんだろうね。
行って確かめようか」
理由も分からずただ引き返すのも癪だったので、確かめてみる他ないだろう。
ミーニャは街へ行ってみようと言っているが、すぐさま大羊に帰るよう合図をした。
行ってしまう大羊を眺めるミーニャの背中はなんとも哀愁が漂っている。
「行っちゃったね、大羊。
ホント賢いわ。
ある程度の距離なら自分で帰れるんだもんね」
「は……はぁ」
溜め息とも取れる声に仕方ないよと声をかけ、柵をよじ登ったところでミーニャも来るよう促した。
やっとのことで落ち着いて食事が取れると入った酒場で、近くの席から面白そうな話が耳に飛び込んで来る。
「ねぇねぇ、おじさん?
さっきから『闘技祭、闘技祭』って言ってるけど、それって何なの?」
いてもたってもいられなかったあたしは席を立つと、食事と酒で盛り上がりをみせている小太りのおじさんの傍まで足を運んでいた。
「ん?
嬢ちゃん知らねぇのか?
この国の剣闘技祭を」
「あたしはこの近くに住んでないから。
それに、あたしはアテナ!
嬢ちゃんじゃなく、アテナって名前よ!」
「あっはっはっは。
こりゃ失敬。
アテナちゃんは旅でもしてるのかい?」
一人の男が笑いながら言うと、一緒に居る男達も釣られても笑い出す。
こんなことは今に始まったことじゃない。
あたし自身ですら見た目が幼く見えるのを気にしているのに、ましてや旅をしているなんて大人から見たら笑い事だろう。
「何か悪いワケ!?
それよりも質問に答えなさいよ!」
あたしの勢いに気圧されたのか、笑い声はピタリと止まった。
「お、おぅ。
悪かった悪かった。
剣闘技祭ってのはこの国最大の祭りであって、尚且つ、国の行く末すら左右する重大な行事さ」
「ふぅ~ん。
で、剣闘技って言うくらいだから剣を使って闘うのに、何がそんなに重大なのよ」
お祭りと題しているのに、国の行く末を左右することなんてあるのだろうか。
「この国はな、騎士になったものが女王と結婚し王になる仕来たりが出来たんだがな、その資格を得られるのが剣闘技祭よ。
色々と条件はあるんだが、一介の剣士が王になることが出来るんだ。
それは国民にとっても重大なことだろうよ」
「要するに、祭りで騎士の資格を得て女王に気に入られたら王になれるかもって話なのね?」
これは面白い話を聞いた。
こんなあたしでも王になれるかも知れないのだ、これほどウマイ話はない。
しかもだ、女王と一緒になれるなんてまるで夢のようじゃないか。
「そういうこった。
詳細は近い内に張り出されるんじゃないか。
観てみる気にでもなったかい?」
「は?
何言ってんの?
そんな面白い祭りに出ないでどうするワケ!?」
そんな傍観者になっても面白さなんて半減どころではないだろう。
そういうのは当事者になってこそではないのか。
「あぁん?
だってよ、資格を得たって結婚は出来ないだろうよ。
女の騎士はいないワケじゃないが――騎士にでもなりたいのか?」
「は?
何で結婚出来ないって決めつけるワケ!?
これだから……。
愛ってのはね、何よりも強く何よりも美しいものなの!
それを性別だのなんだのって。
……まぁ、いいわ。
色々教えてくれてありがとね」
話の途中から口をパクパク、まるで魚のようだったのでその場を切り上げることにした。
「何か分かりましたか、お嬢様」
テーブルに戻るとミーニャ・ストラウトが待っていてくれた。
彼女は奴隷として働かされていたのをあたしが強引に助け出し、以後ずっと一緒に居てくれている大切な友達。
「特ダネよ、特ダネ。
条件さえ満たせば女王と結婚出来るそうよ!」
「それはそれは、何よりですね。
勿論、お祭りに参加なさるのですね?」
あたしのことを理解してくれるのは、やっぱりミーニャしかいない。
「当たり前よ!
だからミーニャは大好き!」
「勿体無いお言葉です、お嬢様」
「でねでね、女王ってくらいだからさ、美人なのかな?
それとも、すっごくキツそうなのかな?
どっちだと思う?」
「わたくしはキツそうなイメージを持っていますが、実際のところはどうなのでしょう」
「あたしは物腰柔らかそうだけど、威厳に満ちてる感じだなぁ」
女王なんてのは、その国に長く住んでいなければ滅多に見れることはない。
あたしとミーニャの持つイメージは真逆だが、それはそれで話していて楽しいし、ミーニャも笑顔でいてくれる。
「そしたらさ、少しこの国にいることになるから明日は買い物とか、近くの街とかにも行ってみない?」
「そうですね、お嬢様も少しのんびりとなさって下さい」
そうと決まれば今日は早い内に寝ようと思う。
このところ、ろくに羽を伸ばすことはなかったので少し気持ちも楽に感じていた。
「……様、お嬢様、朝ですよ。
起きてください」
耳元で優しくミーニャが囁いている。
この気持ち良さがたまらなく、毎朝起こされるまで寝ているのだ。
「ん、ん~。
おはよ、ミーニャ。
いつも早いわね」
「お嬢様より遅くなんて起きられませんので。
起こして差し上げるのも私の仕事ですし」
ミーニャはいつもあたしより下に構えているが、本当であれば友達や恋人のように接して欲しいと思っている。
「起こしてくれるのも嬉しいけど、自然に起きるまでミーニャの温もりも感じたいな」
「止めて下さい、恥ずかしいです。
一緒のベッドに入ることですらおこがましいのに」
頬を赤らめるミーニャはホント可愛らしく抱きしめてあげたくなるが、今回は止めておこう。
「もう、そんなことないんだから。
ま、少しずつ同じ立ち位置に、ね!」
元が奴隷の召し使いだけあって、中々抜けきれないのは仕方ないとは思っている。
「でね、今日は南街のブリエに行ってみない?
あそこには湖もあるみたいだしさ。
まあ、祭りの詳細を確かめてからだけどね」
地図に示された湖を指差しミーニャの顔色を窺う。
互いに過去の話をしないせいか、何がイヤなのかも分からないからだ。
「いいですわね、私も是非行きたいと思います」
「オッケー、決まりね。
そうと決まれば早速支度して街へ出てみましょ」
言葉通り寝衣を脱ぎ捨てると、きっちりと畳まれている服へと着替えた。
太股まで出る短パンと、お腹の出ている上着。
これはあたしのお気に入りだ。
羽を伸ばすことを前提に、ミーニャが気を利かせて準備してくれたのだろう。
「さて、と。
これで行けるわ。
ミーニャは準備出来た?」
「はい、私は大丈夫です。
お嬢様。
あとはこれを」
ミーニャから魔法剣を受け取りいつものように腰へとくくりつける。
旅立つ際、義親から渡されたそれは木の棒と同じ軽さのものだった。
魔法大戦まではよく使われていたらしいが、あたしにとっては軽くて護身用になればいいとしか思っていない。
「よし、それじゃあ城の近くまで行ってみましょ」
宿を離れ王城前まで足を運んだが祭りの開催日などは掲示されておらず、その足で『アグレットの厩舎』へと向かった。
「おじさん!
大羊を一頭貸して欲しいんだけど」
「おぉ、どれでも好きなの選んでくれ。
どっか行くのかい?」
「ちょっと南の街までね」
ふわふわモコモコの愛らしい大羊が並ぶ中でも、最も可愛らしい顔をしているのを選ぶと代価を渡し街を出た。
「大羊はやっぱりいいわね!
ミーニャ、初めて乗った感想は?」
あたしの腰に捕まりながら乗る彼女は少し緊張しているように思えた。
「少し怖いですが、大丈夫です。
お嬢様、ゆっくりお願いしますね」
「そんなんじゃ馬には乗れないわよ!
それっ!」
大羊に走るよう合図を出すと、あたし達が走るより早く風を切り出した。
「きゃっ!
お嬢様、お嬢様!!」
「なぁに!?
大丈夫よ!
しっかり掴まってなさい!」
走り出してからずっと叫び声が聞こえているが、楽しさのあまり止めることはない。
途中、二股に差し掛かったところで二人の少女とすれ違い何か気にはなったが勢いのまま通り過ぎてしまった。
「さぁ、もうすぐよ。
ミーニャ、頑張れっ‼️」
「もう無理ですぅ、お嬢様ぁぁぁ」
とか言いつつ結構大丈夫な感はあった。
そんなこんなで湖近くまで辿り着くと、何故か道の先は塞がれていた。
「この先、湖には近づくな?」
柵の隣に掲げられた看板にはそんなことが書いていた。
「どういうことでしょう?」
「なんだろうね。
行って確かめようか」
理由も分からずただ引き返すのも癪だったので、確かめてみる他ないだろう。
ミーニャは街へ行ってみようと言っているが、すぐさま大羊に帰るよう合図をした。
行ってしまう大羊を眺めるミーニャの背中はなんとも哀愁が漂っている。
「行っちゃったね、大羊。
ホント賢いわ。
ある程度の距離なら自分で帰れるんだもんね」
「は……はぁ」
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