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第三章 希望を胸に
episode 23 レイブン
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あたしが魔者の来るであろう方に顔を向けていると、ミューが肩を二回ほど叩いた。
「何かあったようです。
行ってみましょう」
「えっ?
ほんと、誰か捜してるみたいね」
人羊の女性が一人、おろおろしながら家々を覗いてはおろおろと繰り返していた。
「どうしたの?
何があったの?」
「あっ!
友達がいないの!
どこを捜してもいないのよ!
捜して、お願い!!」
もの凄く慌てながらあたしの両肩を掴みながら捲し立てる。
そこにミューがそっと手を乗せ、穏やかな笑みを浮かべて見せた。
「落ち着いて下さい、大丈夫ですから。
誰一人として、この地に残してはいきませんから」
「ミュー!?
……うん。
分かったわ。
あなたが言うなら……そう、大丈夫よね」
ミューの対応に落ち着きを見せると、安心したのか僅かながら涙がこぼれあたしの肩からゆっくりと手を離す。
「ミューも一緒に行ってあげて。
レイブンが必ず連れてくるわ」
「いえ、私も待たせて貰います。
彼女なら大丈夫、まだ追いつける距離ですし。
何より、アテナ達だけでは向かう先は分からないでしょう?」
そうだった。
逃げろ逃げろと言ってはみたものの、あの断崖しか知らないあたしに道標は絶対的に必要だった。
ミューの言葉に女性は頷き、うっすら見える人羊達の背中を追いかけ走り出した。
「そう言えばさ、どこに逃げるの?
まさか、あの滝の断崖を降りるとか言わないわよね?」
「さあ、どうでしょう。
降りれるならば一番安全だとは思いますよ。
うふふ」
こんな状況でも冗談が言えるほど強い心を持っているのか。
ただ単に長の娘だから信頼されているというわけではなく、どうやらミュー個人として信頼されているのだと何となく感じとることが出来た。
「言ってくれるわね。
あたしならいいのよ、別に。
ただ、放ってはおけないから一緒に行ってあげるだけよ」
「まあ!!
それは有り難いことですね。
きっと皆も喜びますわ」
中々に出来たお嬢さんだと苦笑いを浮かべていると、レイブンが人羊の子の手を引いて来たのが見えた。
「あの子ね、ミュー。
行くわよ」
泣きながら引かれる手を必死に振りほどこうとしている男の子を、これまた必死に連れて来ようとしているレイブンの姿はあまりに滑稽だった。
「何を嫌がられてんのよ」
「そんなこと言ったって、人間だ魔者だって嫌だ嫌だの連発でよ。
この子以外はもう居ないぜ」
「大丈夫ですよ、リューラ。
もう心配いりません。
お姉ちゃんがいる限り、怖いことなんてないのですから」
頭を撫で優しく胸に抱き寄せると、次第に泣き声は小さくなっていく。
「この子は怖がりな子で。
いつも隠れながら遊んでいるのです。
それで、唯一心を許しているのが先程の女性なのですよ。
ほら、もう大丈夫。
お姉ちゃんと一緒にみんなの所へ行きましょ」
「オレが何しても泣き止まなかったのによ、この人スゲーじゃねぇか」
「そりゃあ、この豊かな――大きい……じゃないか、全てを包み込む胸を持ってしたらってとこよ」
「姉御……言い直した意味が全く分からないぜ……」
どいつもこいつもこの胸を見て何も思わないのか?
男も女も魅了するほど素晴らしいものだというのが何故分からない、とミューの谷間に目をやると、強張った表情が視野に入った。
「えっ!?
ダメだった?」
「ダメです、そのままでは!」
まさか自分でさらけ出しておいてダメとか言っちゃうのかと思ったが、視線はレイブンに向いていた。
「オ、オレが!?」
「あんたも見てたのね!」
「胸の話ではありません!
その方の腕のことです!!」
腕の……?
ああ、怪我をしていたのをすっかり忘れていた。
レイブンの腕をよく見ると、袖は鮮血で染まり服が新たな色合いを見せていた。
「大丈夫なの?
血が止まってないじゃないの。
そりゃあダメだわね」
「そうです。
それがいけませんでした。
その血に誘われて魔者が追ってきたのでしょう」
「なんですって!?」
魔者は来るべくして来てしまったようだ。
「あんた、何で手当てして来なかったのよ!」
「それどころじゃなかったんだって。
それによ、痛くて動かせないっての」
追いつつも追われる身で、止血すらままならなかったとの言い訳か。
知能が低い醜悪魔だからこそ、人間の血を匂いを頼りにしてきたのだろう。
「そこに座って私に腕を見せて下さい。
簡単にではありますが治しましょう。
リューラ、少し待っててね」
その場に膝をついたミューは、リューラの頭を撫でながらレイブンを目で追っていた。
「治せる、のか?
すまない」
レイブンが痛めた腕をミューに向け腰を下ろすと、興味深く次の行動を見守っている。
「では。
始めますので、動かないで下さいね」
レイブンの腕に触れるか触れないかの所へ両手を持っていくと、静かに目を閉じ滑らかに言葉を紡いでいる。
すると、ミューの手のひらから光が発せられレイブンの腕に絡みつき、吸収されるように消えていった。
「おお~!」
レイブンから驚愕の声が上がり、ミューが詠唱を止め手を下ろすとニコリと微笑んだ。
「これで止血と、痛みは和らいだと思います。
どうですか?」
「お、おう」
肘を曲げたり腕を上げてみせると、驚きつつも嬉しそうな顔を見せた。
「大丈夫なの、レイブン」
「スゲーよ!
痛みもないし。
うん、血も止まってるぜ。
ありがとな、あんたスゲーよ!」
「いえ、私ではなく神の力ですし、何より私達人羊の為ですから」
言葉こそキツめだが、穏やかな優しさに溢れた表情であたし達に目を向けた。
「そうね、今一番大事なのはそこだものね。
さあ、ミュー達は先に行って。
あたしは蓮を待つ――っ!」
と目を向けた先には土煙と悪しき者の姿、そして、待ち人の姿が見てとれた。
「早く行って!
どうにか後を追うから、早く!」
「そういうことならオレも残るぜ。
あんたには借りが出来ちまったしな」
「ですが……。
いえ、お願いしました。
必ず来て下さいね!」
「約束よ、大丈夫!
さぁ行って!」
ミューは険しい顔をしつつも大きく頷き、リューラの手を引き走り始めた。
それを見届けたあたし達は蓮の背中を求めると、レイブンが短刀を手渡してくれた。
「姉御はそいつを使ってくれたらいい」
「ありがと。
これは貸しには入らないからね!」
「あぁ、そいつは無償でいいさ。
一つしかない命はオレだって粗末にしたくない。
今は戦力が必要だろ」
「あら?
分かってるじゃないの。
自分中心だと思っていたけど少し見直したわ」
レイブンから聞けるとも思っていなかった言葉に嬉しく感じると、こんな状況でもなんとかなりそうな気持ちになってきた。
「そいつは光栄だね。
ただ、一番の得策が姉御達と逃げることだと踏んだまで。
あまり買いかぶらないでくれよな」
「ふふ、頼りにしてるわよ」
貸し借りを気にする辺り情には厚い男なのかも知れないと思っていると、どうやら醜悪魔があたし達に気づいたらしい。
「れーーーーん!!
みんな逃げたわよ!
……来るわよ、レイブン!」
走りながらの大声に息が切れ、あたしは足を止めた。
このまま行くよりもこの場で待っていた方がいいだろうと判断し、あたしは深呼吸をし心を落ち着かせた。
「蓮の助けに行ってくる」
それだけ言い残すと今まで以上の速さで走り、蓮の背中へとレイブンが寄り添った。
「何かあったようです。
行ってみましょう」
「えっ?
ほんと、誰か捜してるみたいね」
人羊の女性が一人、おろおろしながら家々を覗いてはおろおろと繰り返していた。
「どうしたの?
何があったの?」
「あっ!
友達がいないの!
どこを捜してもいないのよ!
捜して、お願い!!」
もの凄く慌てながらあたしの両肩を掴みながら捲し立てる。
そこにミューがそっと手を乗せ、穏やかな笑みを浮かべて見せた。
「落ち着いて下さい、大丈夫ですから。
誰一人として、この地に残してはいきませんから」
「ミュー!?
……うん。
分かったわ。
あなたが言うなら……そう、大丈夫よね」
ミューの対応に落ち着きを見せると、安心したのか僅かながら涙がこぼれあたしの肩からゆっくりと手を離す。
「ミューも一緒に行ってあげて。
レイブンが必ず連れてくるわ」
「いえ、私も待たせて貰います。
彼女なら大丈夫、まだ追いつける距離ですし。
何より、アテナ達だけでは向かう先は分からないでしょう?」
そうだった。
逃げろ逃げろと言ってはみたものの、あの断崖しか知らないあたしに道標は絶対的に必要だった。
ミューの言葉に女性は頷き、うっすら見える人羊達の背中を追いかけ走り出した。
「そう言えばさ、どこに逃げるの?
まさか、あの滝の断崖を降りるとか言わないわよね?」
「さあ、どうでしょう。
降りれるならば一番安全だとは思いますよ。
うふふ」
こんな状況でも冗談が言えるほど強い心を持っているのか。
ただ単に長の娘だから信頼されているというわけではなく、どうやらミュー個人として信頼されているのだと何となく感じとることが出来た。
「言ってくれるわね。
あたしならいいのよ、別に。
ただ、放ってはおけないから一緒に行ってあげるだけよ」
「まあ!!
それは有り難いことですね。
きっと皆も喜びますわ」
中々に出来たお嬢さんだと苦笑いを浮かべていると、レイブンが人羊の子の手を引いて来たのが見えた。
「あの子ね、ミュー。
行くわよ」
泣きながら引かれる手を必死に振りほどこうとしている男の子を、これまた必死に連れて来ようとしているレイブンの姿はあまりに滑稽だった。
「何を嫌がられてんのよ」
「そんなこと言ったって、人間だ魔者だって嫌だ嫌だの連発でよ。
この子以外はもう居ないぜ」
「大丈夫ですよ、リューラ。
もう心配いりません。
お姉ちゃんがいる限り、怖いことなんてないのですから」
頭を撫で優しく胸に抱き寄せると、次第に泣き声は小さくなっていく。
「この子は怖がりな子で。
いつも隠れながら遊んでいるのです。
それで、唯一心を許しているのが先程の女性なのですよ。
ほら、もう大丈夫。
お姉ちゃんと一緒にみんなの所へ行きましょ」
「オレが何しても泣き止まなかったのによ、この人スゲーじゃねぇか」
「そりゃあ、この豊かな――大きい……じゃないか、全てを包み込む胸を持ってしたらってとこよ」
「姉御……言い直した意味が全く分からないぜ……」
どいつもこいつもこの胸を見て何も思わないのか?
男も女も魅了するほど素晴らしいものだというのが何故分からない、とミューの谷間に目をやると、強張った表情が視野に入った。
「えっ!?
ダメだった?」
「ダメです、そのままでは!」
まさか自分でさらけ出しておいてダメとか言っちゃうのかと思ったが、視線はレイブンに向いていた。
「オ、オレが!?」
「あんたも見てたのね!」
「胸の話ではありません!
その方の腕のことです!!」
腕の……?
ああ、怪我をしていたのをすっかり忘れていた。
レイブンの腕をよく見ると、袖は鮮血で染まり服が新たな色合いを見せていた。
「大丈夫なの?
血が止まってないじゃないの。
そりゃあダメだわね」
「そうです。
それがいけませんでした。
その血に誘われて魔者が追ってきたのでしょう」
「なんですって!?」
魔者は来るべくして来てしまったようだ。
「あんた、何で手当てして来なかったのよ!」
「それどころじゃなかったんだって。
それによ、痛くて動かせないっての」
追いつつも追われる身で、止血すらままならなかったとの言い訳か。
知能が低い醜悪魔だからこそ、人間の血を匂いを頼りにしてきたのだろう。
「そこに座って私に腕を見せて下さい。
簡単にではありますが治しましょう。
リューラ、少し待っててね」
その場に膝をついたミューは、リューラの頭を撫でながらレイブンを目で追っていた。
「治せる、のか?
すまない」
レイブンが痛めた腕をミューに向け腰を下ろすと、興味深く次の行動を見守っている。
「では。
始めますので、動かないで下さいね」
レイブンの腕に触れるか触れないかの所へ両手を持っていくと、静かに目を閉じ滑らかに言葉を紡いでいる。
すると、ミューの手のひらから光が発せられレイブンの腕に絡みつき、吸収されるように消えていった。
「おお~!」
レイブンから驚愕の声が上がり、ミューが詠唱を止め手を下ろすとニコリと微笑んだ。
「これで止血と、痛みは和らいだと思います。
どうですか?」
「お、おう」
肘を曲げたり腕を上げてみせると、驚きつつも嬉しそうな顔を見せた。
「大丈夫なの、レイブン」
「スゲーよ!
痛みもないし。
うん、血も止まってるぜ。
ありがとな、あんたスゲーよ!」
「いえ、私ではなく神の力ですし、何より私達人羊の為ですから」
言葉こそキツめだが、穏やかな優しさに溢れた表情であたし達に目を向けた。
「そうね、今一番大事なのはそこだものね。
さあ、ミュー達は先に行って。
あたしは蓮を待つ――っ!」
と目を向けた先には土煙と悪しき者の姿、そして、待ち人の姿が見てとれた。
「早く行って!
どうにか後を追うから、早く!」
「そういうことならオレも残るぜ。
あんたには借りが出来ちまったしな」
「ですが……。
いえ、お願いしました。
必ず来て下さいね!」
「約束よ、大丈夫!
さぁ行って!」
ミューは険しい顔をしつつも大きく頷き、リューラの手を引き走り始めた。
それを見届けたあたし達は蓮の背中を求めると、レイブンが短刀を手渡してくれた。
「姉御はそいつを使ってくれたらいい」
「ありがと。
これは貸しには入らないからね!」
「あぁ、そいつは無償でいいさ。
一つしかない命はオレだって粗末にしたくない。
今は戦力が必要だろ」
「あら?
分かってるじゃないの。
自分中心だと思っていたけど少し見直したわ」
レイブンから聞けるとも思っていなかった言葉に嬉しく感じると、こんな状況でもなんとかなりそうな気持ちになってきた。
「そいつは光栄だね。
ただ、一番の得策が姉御達と逃げることだと踏んだまで。
あまり買いかぶらないでくれよな」
「ふふ、頼りにしてるわよ」
貸し借りを気にする辺り情には厚い男なのかも知れないと思っていると、どうやら醜悪魔があたし達に気づいたらしい。
「れーーーーん!!
みんな逃げたわよ!
……来るわよ、レイブン!」
走りながらの大声に息が切れ、あたしは足を止めた。
このまま行くよりもこの場で待っていた方がいいだろうと判断し、あたしは深呼吸をし心を落ち着かせた。
「蓮の助けに行ってくる」
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