水曜日の彼女

揣 仁希

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花火大会の日曜日

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「え~っと?なにこの状況?」
「皐月・・・むしろ俺が聞きたい・・・」
「お兄ちゃん!チーレムのひと?」
ぐはっ。リョータは崩れ落ちた。

「あら、やっぱりこうなったのね?2人共」
「九条先輩!こんばんは。う~ん、そうですね。梓ちゃんがついてくるって言うから」
「え~ついてきたのは杏奈ちゃんだよ~」

訳を聞くところ、リョータをお祭りに誘った杏奈ちゃんと梓ちゃんがどちらも譲らず結果3人で来ることになったらしい。

「よかったじゃん、リョータ。両手に花だよね」
「皐月~周りの視線が痛いんだ。お前の気持ちがちょっとわかった気がする」
「あはは、だろう?」
「てゆうか、この子は?」
「ああ、紹介してなかったね。僕の妹で緋莉。緋莉、こっちはお兄ちゃんの友達でリョータ。こちらの2人は鈴羽の友達で杏奈ちゃんに梓ちゃん」
「こんばんは!立花緋莉です!お兄ちゃんがお世話になってます!」
「「きゃ~可愛い!!」」
「皐月・・・彼女は美人で妹が美少女って、お前・・・どこのチーレム野郎だよ?」
リョータお前説得力が全くないからな、それ。

「あっ!ほら、そろそろ花火が上がるみたいよ!」
河川敷では準備の人たちが打ち上げの用意を終えていた。

ヒュルルルルル~~


ドォ~~~~ン

「「ワアァァァァ~~」」

次々と打ち上げられる色とりどりの花火。

「これは・・すごいね」
「ええ・・」
僕達は、夜空に咲く花火を時間も忘れて見上げていた。
いつのまにか僕の右手は緋莉が、左手は鈴羽がしっかりと握っていた。

30分程で全ての花火が上がりやがて最後の花火が夜空に散っていく。

「綺麗でした」
「ほんと、会社の屋上からとは違うわね」
「確かに、来たかいがあったな」
リョータと2人は夜空を見上げて感嘆をもらす。

「お兄ちゃん!すごかったね!どーんがひゅるるーでばーん!だったね!」
「擬音ばっかでイマイチだけど、言いたいことはわかる」
「あはは、緋莉ちゃん、来年も一緒に来ようね?」
「うん!お姉ちゃん!」
「皐月・・家族感がハンパないな?」

「それじゃ、九条先輩!私達はこれで」
「あら?そうなの?」
「はい、まだみて回りたいところもありますし~」
「屋台もあまり回れてないので」
「じゃあ、2人共頑張ってね」
「「はい!」」
「皐月君もまたね」
「はい、リョータのことよろしくお願いします」

2人に連れられて去っていくリョータがこちらを振り向いたがそっと知らん顔をしておいた。

何故なら僕の頭の中ではド○ド○が流れていたから。
荷馬車に揺られていく感じのやつね。

「ふふっ、リョータ君も大変ね」
「鈴羽、リョータが○ナ○ナに見えたよ」
「あはは、あら?」
鈴羽に言われて横を見ると緋莉がうとうとしている。

「ずいぶんとはしゃいでいたからなぁ」
「緋莉ちゃん楽しかったかしら?」
鈴羽が緋莉の頭を撫でながら言う。

「もちろん、楽しかったと思うよ。あんなはしゃいでるのは見たことないしね」
「そう、良かった」

すっかり寝てしまった緋莉をおんぶして僕達は帰路についた。

緋莉にとっていい思い出になったかな?






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