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break time ~睦月士郎side~
①
昼間までの怪しげな曇り空は、数時間を経て雨を含んだ薄墨色の空に変わっている。
詩乃と行為に及んでから、しばらく眠ってしまっていた。
「もう……六時か……」
そろそろ夕食の準備をしないといけない。
今日は何を作ろうか……。
裸のまま目を擦り、仰向けのまま上半身を伸ばす。
さあ、体を起こして、床に脱ぎ捨ててあるルームウェアを着ないとな。
「……睦月さん」
起き上がろうとした瞬間、俺の膝を詩乃の手が掴んだ。
詩乃、起きていたのか。
「どうした?」
……俺の問いかけに、詩乃は反応しなかった。
しっかりと、寝息を立てている。
何だ、寝ぼけていただけか。
それにしても、よく眠る子だ……。
「……睦月さん、私がいますからね……」
「え?」
またしても、反応はない。
今度は寝言か……。
私がいますからねって……。
最近、詩乃の発言は俺を気にかける言葉ばかりな気がする。
そんなに俺、疲れているように見えるのか……。
「とりあえず、お茶でも飲もう」
詩乃にタオルケットをかけてあげてから、キッチンに向かった。
今日は何を飲もうか……。
「眠気覚ましに、ペパーミントでも飲むか」
いつものように小瓶から茶葉を取り出し、スプーン一杯分を急須に入れた。
ペパーミントは気分を入れ替えたい時に最適な、清涼感の強いハーブティーだ。
外のどんよりさも、ペパーミントの爽やかさで吹き飛ばそう。
きちんと蒸らしてから、カップに移した。
両手で温度を感じてから、ひと口啜る。
「ふぅ、温まるな……」
胃がじわじわと温まっていく感覚。
すっきりとしたミント感が堪らない。
これで一旦、落ち着こう。
詩乃と行為に及んでから、しばらく眠ってしまっていた。
「もう……六時か……」
そろそろ夕食の準備をしないといけない。
今日は何を作ろうか……。
裸のまま目を擦り、仰向けのまま上半身を伸ばす。
さあ、体を起こして、床に脱ぎ捨ててあるルームウェアを着ないとな。
「……睦月さん」
起き上がろうとした瞬間、俺の膝を詩乃の手が掴んだ。
詩乃、起きていたのか。
「どうした?」
……俺の問いかけに、詩乃は反応しなかった。
しっかりと、寝息を立てている。
何だ、寝ぼけていただけか。
それにしても、よく眠る子だ……。
「……睦月さん、私がいますからね……」
「え?」
またしても、反応はない。
今度は寝言か……。
私がいますからねって……。
最近、詩乃の発言は俺を気にかける言葉ばかりな気がする。
そんなに俺、疲れているように見えるのか……。
「とりあえず、お茶でも飲もう」
詩乃にタオルケットをかけてあげてから、キッチンに向かった。
今日は何を飲もうか……。
「眠気覚ましに、ペパーミントでも飲むか」
いつものように小瓶から茶葉を取り出し、スプーン一杯分を急須に入れた。
ペパーミントは気分を入れ替えたい時に最適な、清涼感の強いハーブティーだ。
外のどんよりさも、ペパーミントの爽やかさで吹き飛ばそう。
きちんと蒸らしてから、カップに移した。
両手で温度を感じてから、ひと口啜る。
「ふぅ、温まるな……」
胃がじわじわと温まっていく感覚。
すっきりとしたミント感が堪らない。
これで一旦、落ち着こう。
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