120 / 179
ep⑩ ごたつく部署
⑩
ここは睦月さんに寄り添って、話を聞いてみよう。
睦月さんの本心も、聞いてみたかったところだ。
元々睦月さんは恋愛をしている暇はないと言っていたし……それに私も知ることがない、重い過去があるはずだ。
きっと、睦月さんの答えは……。
「……何も思っていない。ただの部下だ」
やっぱりな……。
そうですよねと言いたいところだけど、塩原さんに悪い気がしたので、やめておいた。
まあそうだよな……睦月さんが誰かを好きになるなんて、考えにくい……。
誰かが気になっているなんて、そういう素振りは……私にも見せてこない。
「じゃあ、あえて告白されてみるのはどうでしょう」
「……どういうことだ?」
「のらりくらり躱すくらいなら、一度正式な告白を受けて……その上できっちりとお断りする。誠実に向き合った方が、後腐れなく進む気がするんです」
「そうか。変に気にして距離を取るくらいなら、一度受け止めた方が良いということだな」
「そういうことです。その方が、塩原さんも納得してくれる気がします」
睦月さんは目から鱗のような、ハッとした表情を見せた。
塩原さんを傷つけず、その上今の関係性を維持できるようにお断りする……睦月さんは優しいから、できる限り波風立てずに気持ちを伝えたいのだろう。
……本気で睦月さんに気持ちがある塩原さんには申し訳ないけど、睦月さんの方にアシストしてあげたい。
だって睦月さんには、実態の掴めない淡い過去があるはずだから。
……恋愛はできない。
だって過去が邪魔をしているから。
その密かな苦しみの存在を知っているからこそ、睦月さんには恋愛で心をすり減らしてほしくないんだ……。
睦月さんの本心も、聞いてみたかったところだ。
元々睦月さんは恋愛をしている暇はないと言っていたし……それに私も知ることがない、重い過去があるはずだ。
きっと、睦月さんの答えは……。
「……何も思っていない。ただの部下だ」
やっぱりな……。
そうですよねと言いたいところだけど、塩原さんに悪い気がしたので、やめておいた。
まあそうだよな……睦月さんが誰かを好きになるなんて、考えにくい……。
誰かが気になっているなんて、そういう素振りは……私にも見せてこない。
「じゃあ、あえて告白されてみるのはどうでしょう」
「……どういうことだ?」
「のらりくらり躱すくらいなら、一度正式な告白を受けて……その上できっちりとお断りする。誠実に向き合った方が、後腐れなく進む気がするんです」
「そうか。変に気にして距離を取るくらいなら、一度受け止めた方が良いということだな」
「そういうことです。その方が、塩原さんも納得してくれる気がします」
睦月さんは目から鱗のような、ハッとした表情を見せた。
塩原さんを傷つけず、その上今の関係性を維持できるようにお断りする……睦月さんは優しいから、できる限り波風立てずに気持ちを伝えたいのだろう。
……本気で睦月さんに気持ちがある塩原さんには申し訳ないけど、睦月さんの方にアシストしてあげたい。
だって睦月さんには、実態の掴めない淡い過去があるはずだから。
……恋愛はできない。
だって過去が邪魔をしているから。
その密かな苦しみの存在を知っているからこそ、睦月さんには恋愛で心をすり減らしてほしくないんだ……。
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~
泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の
元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳
×
敏腕だけど冷徹と噂されている
俺様部長 木沢彰吾34歳
ある朝、花梨が出社すると
異動の辞令が張り出されていた。
異動先は木沢部長率いる
〝ブランディング戦略部〟
なんでこんな時期に……
あまりの〝異例〟の辞令に
戸惑いを隠せない花梨。
しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!
花梨の前途多難な日々が、今始まる……
***
元気いっぱい、はりきりガール花梨と
ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。
【完結】あなた専属になります―借金OLは副社長の「専属」にされた―
七転び八起き
恋愛
『借金を返済する為に働いていたラウンジに現れたのは、勤務先の副社長だった。
彼から出された取引、それは『専属』になる事だった。』
実家の借金返済のため、昼は会社員、夜はラウンジ嬢として働く優美。
ある夜、一人でグラスを傾ける謎めいた男性客に指名される。
口数は少ないけれど、なぜか心に残る人だった。
「また来る」
そう言い残して去った彼。
しかし翌日、会社に現れたのは、なんと店に来た彼で、勤務先の副社長の河内だった。
「俺専属の嬢になって欲しい」
ラウンジで働いている事を秘密にする代わりに出された取引。
突然の取引提案に戸惑う優美。
しかし借金に追われる現状では、断る選択肢はなかった。
恋愛経験ゼロの優美と、完璧に見えて不器用な副社長。
立場も境遇も違う二人が紡ぐラブストーリー。
可愛がってあげたい、強がりなきみを。 ~国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます~
泉南佳那
恋愛
※『甘やかしてあげたい、傷ついたきみを』
のヒーロー、島内亮介の兄の話です!
(亮介も登場します(*^^*))
ただ、内容は独立していますので
この作品のみでもお楽しみいただけます。
******
橋本郁美 コンサルタント 29歳
✖️
榊原宗介 国民的イケメン俳優 29歳
芸能界に興味のなかった郁美の前に
突然現れた、ブレイク俳優の榊原宗介。
宗介は郁美に一目惚れをし、猛アタックを開始。
「絶対、からかわれている」
そう思っていたが郁美だったが、宗介の変わらない態度や飾らない人柄に惹かれていく。
でも、相手は人気絶頂の芸能人。
そう思って、二の足を踏む郁美だったけれど……
******
大人な、
でもピュアなふたりの恋の行方、
どうぞお楽しみください(*^o^*)
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……