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王女とダンジョン3
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第4階層の中央部付近。
リリス達に向かってケルベロスが近付いてくる。
「とりあえず僕はシールドの維持に努めるよ。相手は3属性の持ち主だ。属性に合わせたシールドを重ね掛けしないと君達を守り切れないからね。」
そう言ってジークは魔力を集中させてシールドを幾重にも重ね掛けした。それを終えると同時にまたファイヤーボールがシールドにぶつかり、その背後から太いアイスボルトが飛んできた。それがシールドにぶつかってガウンと衝撃音を立てると同時に、バリバリバリッと雷撃まで襲ってくる。
ケルベロスの属性は火と水と雷のようだ。
「こんな相手に勝ち目があるの?」
芋虫の声にリリスは、
「何とかするしかないわよ!」
そう叫びながら数本のファイヤーボルトを出現させ、ケルベロスに向けて放った。同時に前方に土壁を出現させると、ケルベロスは軽々とそれを飛び越えてくる。そこを狙ってのファイヤーボルトだ。投擲スキルの補正も効いて、極太のファイヤーボルトがケルベロスに着弾した。
爆炎が舞い上がりケルベロスの身体は後方に飛ばされた。だがケルベロスは空中で身体の向きを変え、ドドッと音を立ててこちら向きに着地した。
多少の傷は見えるものの効いていない様子だ。
火魔法に耐性を持っているのね。
3属性の持ち主だから、他の属性にも耐性を持っていると考えるのが妥当だ。
お返しとばかりにケルベロスの側面の顔から雷撃が放たれた。
バリバリバリッと激しい雷鳴が響き、シールドにぶつかってびりびりとシールドが震動している。
ケルベロスはその間にこちらに向かって疾走してきた。
足止めが必要だ!
だが土壁を容易に越える運動能力の持つ主だ。容易に立ち止まってはくれない。
「ニーナ! ケルベロスの足止めをしたいの! 何か罠でも仕掛けられない?」
咄嗟に叫んだリリスにニーナはうんと答えると、両手に魔力を集中させ、ケルベロスの向かってくる前方に魔力を放った。
ケルベロスが走ってくる足元に、低木の枝がまるで生き物のように絡みつき、一瞬ケルベロスの動きが止まった。勿論その巨体でその枝を引き千切ってしまうのは容易だが、それでも時間は稼げたのだ。
「今だ!」
叫びながらケルベロスに向かって走り出したリリスは、魔力を大きく投入してケルベロスの周囲の地面を土魔法で沼に変化させた。それは直径が10mほどで、ケルベロスの身体が肩まで使ってしまう程度だ。完全に沈ませるほどの沼ではない。深い沼を作ってしまうと魔力を使い切ってしまうかも知れないと考えて、リリスはその発動を制限させたのだ。勿論このままではケルベロスに逃げ出されてしまう。
即座にリリスはその沼の底からアースランスを発動させた。
硬化された土の槍が浅い沼の底からケルベロスの身体を貫く。グアアアアとケルベロスが悲鳴を上げた。
更に間髪を入れずリリスはその沼全体を硬化させ始めた。
身体に土槍が刺さったままで沼全体が石のように固まり、ケルベロスの動きを封じ込めていく。
ケルベロスも必死に抵抗して闇雲にファイヤーボールやアイスボルトを放つが、ケルベロスの後方に回り込んだリリスは死角に入っている。直撃される事は無い。
此処までですでに魔力の半量以上を費やした。リリスは魔力吸引をパッシブで発動させ、魔力が枯渇しないように手を打った。
だがそのリリスの動作の一瞬の隙に、ケルベロスは側面の顔から頭上に雷撃を放ち、身体の周囲を雷撃で覆い尽した。
その雷撃が後方に居たリリスの身体を直撃した。
「きゃあ!」
衝撃で後ろに飛ばされたリリスだが、ジークの張ってくれていたシールドのお陰で大きな傷は無い。
倒れて擦りむいた膝を摩りながら、リリスは次の手を考えた。
時折雷撃で周囲を覆い尽すケルベロスに如何に止めを刺すのか。
相当弱っているとはいえ、3属性の耐性を持っている相手だ。ファイヤーボルトで止めを刺せるのか?
リリスが決め手を欠いていると感じた肩の芋虫が、リリスに向かって話し掛けてきた。
「リリス。あいつって多分、闇魔法には耐性を持っていないわよ。」
そうよね。多分その通りだわ。
「でも黒炎がまた暴走してしまわないかしら?」
「それなら憑依のレベルを少し抑えて、発動だけを私がやる様にするわ。リリスはそれを操作して誘導すれば良いのよ。」
うんうん。それなら暴走しないかもね。
それにあの暴走の一因は魔力吸引スキルを発動していたからでしょうからね。
リリスの同意を得て芋虫が憑依のレベルを少し上げた。
リリスの両手が勝手に前に突き出され、その手の先に黒い塊が2個出現した。妖気を放ち時折赤く光りを放つ、直径1mほどの不気味な黒い球だ。
「任せたわよ、リリス!」
芋虫の檄にうんと応え、リリスはその黒炎をケルベロスに向けて放った。
だがそのスピードがそれほどに速くない。真っ直ぐにケルベロスに向かって行ったのだが、ケルベロスが自分の身体を覆うようにドーム状に放つ雷撃の一端に触れて、あらぬ方向に弾き飛ばされてしまった。
う~んと唸って落胆するリリス。その様子に芋虫もうなだれた。
「私の放つ黒炎って精々あの程度のスピードなのよね。」
まだまだ改良の余地ありと言う事だろう。
「でも威力はあるのよ。リリスもそれは見たでしょ?」
弁解する芋虫を宥めながら、もう一度黒炎の発動を促した。
リリスの両手の前に再び黒炎の不気味な球体が出現する。このままではあまり有効な武器にはならない。それなら自分が手を加えれば良いのだ。
リリスは魔力を両手に集中させ、その黒炎にイメージを植え付けていく。拘束に飛ばすならやはり矢や槍のイメージだ。それ程に大きくなくても良いから本数も欲しい。リリスのイメージが魔力として伝わり、黒炎が3分割され、それぞれが細長く鋭い形に変形していく。
「リリス! それってあんたが操作できるの?」
驚く芋虫をスルーしてリリスは両手に3本づつ、黒炎から黒く鋭い短槍を造り上げた。槍の全体が妖気を放ち、時折その鋭い先端が赤く光るのが不気味だ。
投擲スキルを全開させて、リリスはその6本の黒い短槍をケルベロスに向けて放った。
斜め上空に放たれた短槍は弧を描いてケルベロスに向かう。その速度も高速でキーンと言う金切り音をあげて目標に向かって行く。上昇から下降に向かい更に速度を上げた6本の短槍は、危険を感じてケルベロスが放ったドーム状の雷撃の網目をかいくぐり、ケルベロスの身体を直撃した。
ズンッと言う鈍い音を立てて黒炎の短槍がケルベロスの身体に突き刺さると、そこから静かにしかも確実にその身体の組織を焼失させていく。ケルベロスは悲鳴を上げる事さえも出来ない。
ケルベロスの身体に幾つもの深く大きな傷が見えた。もはやケルベロスは雷撃を放つ余力も無い。
おもむろにリリスは極太のファイヤーボルトを出現させ、ケルベロスの傷口に向けて全力で放った。いくらケルベロスが火魔法に対して耐性を持っていると言っても、体の中に撃ち込まれれば耐えられない筈だ。それに抵抗出来る余力も無いだろう。ファイヤーボルトはリリスの狙い通りケルベロスの身体の傷口に着弾し、爆炎をあげてその身体を内部から焼き尽くしてしまった。
ようやく倒せたわ。
そう思った途端にリリスの額に汗が滲み、めまいがしてその場に座り込んでしまった。すでに魔力の残量が10%になってしまっているようだ。
魔力吸引を再びパッシブで発動させて、暫く座り込んでいると、ようやく立ち上がれるだけの力が戻ってきた。
「リリス、お疲れ様!」
芋虫がリリスの健闘を讃えた。
「それに比べてジークってあまり役に立たないわね。」
「メル。そんな事を言っちゃ駄目よ。ジーク先生の多重構造のシールドが維持されて無ければ、勝ち目は無かったんだからね。」
そう言いながら振り返ると、ジークも辛そうな表情をしている。シールドの維持の為に相当魔力を使ったのだろう。
駆け寄ってくるニーナとハイタッチをしていると、たどたどしい足取りでジークが近付いてきた。
「あのケルベロスを倒すなんて、大したものだよ。」
そう言ってジークが頬を緩めたその時、異変が起きた。
ジークとニーナがその動きを止めて固まっている。
ええっ!と驚いて自分の肩を見ると、芋虫は固まっていない。
何事かと思っていると、目の前に形の定まらない小さな人影が3体現われた。こちらに近付くにつれてそれは徐々に人の形になっていく。
リリスは警戒感を露わにしてその人影を見つめていた。
リリス達に向かってケルベロスが近付いてくる。
「とりあえず僕はシールドの維持に努めるよ。相手は3属性の持ち主だ。属性に合わせたシールドを重ね掛けしないと君達を守り切れないからね。」
そう言ってジークは魔力を集中させてシールドを幾重にも重ね掛けした。それを終えると同時にまたファイヤーボールがシールドにぶつかり、その背後から太いアイスボルトが飛んできた。それがシールドにぶつかってガウンと衝撃音を立てると同時に、バリバリバリッと雷撃まで襲ってくる。
ケルベロスの属性は火と水と雷のようだ。
「こんな相手に勝ち目があるの?」
芋虫の声にリリスは、
「何とかするしかないわよ!」
そう叫びながら数本のファイヤーボルトを出現させ、ケルベロスに向けて放った。同時に前方に土壁を出現させると、ケルベロスは軽々とそれを飛び越えてくる。そこを狙ってのファイヤーボルトだ。投擲スキルの補正も効いて、極太のファイヤーボルトがケルベロスに着弾した。
爆炎が舞い上がりケルベロスの身体は後方に飛ばされた。だがケルベロスは空中で身体の向きを変え、ドドッと音を立ててこちら向きに着地した。
多少の傷は見えるものの効いていない様子だ。
火魔法に耐性を持っているのね。
3属性の持ち主だから、他の属性にも耐性を持っていると考えるのが妥当だ。
お返しとばかりにケルベロスの側面の顔から雷撃が放たれた。
バリバリバリッと激しい雷鳴が響き、シールドにぶつかってびりびりとシールドが震動している。
ケルベロスはその間にこちらに向かって疾走してきた。
足止めが必要だ!
だが土壁を容易に越える運動能力の持つ主だ。容易に立ち止まってはくれない。
「ニーナ! ケルベロスの足止めをしたいの! 何か罠でも仕掛けられない?」
咄嗟に叫んだリリスにニーナはうんと答えると、両手に魔力を集中させ、ケルベロスの向かってくる前方に魔力を放った。
ケルベロスが走ってくる足元に、低木の枝がまるで生き物のように絡みつき、一瞬ケルベロスの動きが止まった。勿論その巨体でその枝を引き千切ってしまうのは容易だが、それでも時間は稼げたのだ。
「今だ!」
叫びながらケルベロスに向かって走り出したリリスは、魔力を大きく投入してケルベロスの周囲の地面を土魔法で沼に変化させた。それは直径が10mほどで、ケルベロスの身体が肩まで使ってしまう程度だ。完全に沈ませるほどの沼ではない。深い沼を作ってしまうと魔力を使い切ってしまうかも知れないと考えて、リリスはその発動を制限させたのだ。勿論このままではケルベロスに逃げ出されてしまう。
即座にリリスはその沼の底からアースランスを発動させた。
硬化された土の槍が浅い沼の底からケルベロスの身体を貫く。グアアアアとケルベロスが悲鳴を上げた。
更に間髪を入れずリリスはその沼全体を硬化させ始めた。
身体に土槍が刺さったままで沼全体が石のように固まり、ケルベロスの動きを封じ込めていく。
ケルベロスも必死に抵抗して闇雲にファイヤーボールやアイスボルトを放つが、ケルベロスの後方に回り込んだリリスは死角に入っている。直撃される事は無い。
此処までですでに魔力の半量以上を費やした。リリスは魔力吸引をパッシブで発動させ、魔力が枯渇しないように手を打った。
だがそのリリスの動作の一瞬の隙に、ケルベロスは側面の顔から頭上に雷撃を放ち、身体の周囲を雷撃で覆い尽した。
その雷撃が後方に居たリリスの身体を直撃した。
「きゃあ!」
衝撃で後ろに飛ばされたリリスだが、ジークの張ってくれていたシールドのお陰で大きな傷は無い。
倒れて擦りむいた膝を摩りながら、リリスは次の手を考えた。
時折雷撃で周囲を覆い尽すケルベロスに如何に止めを刺すのか。
相当弱っているとはいえ、3属性の耐性を持っている相手だ。ファイヤーボルトで止めを刺せるのか?
リリスが決め手を欠いていると感じた肩の芋虫が、リリスに向かって話し掛けてきた。
「リリス。あいつって多分、闇魔法には耐性を持っていないわよ。」
そうよね。多分その通りだわ。
「でも黒炎がまた暴走してしまわないかしら?」
「それなら憑依のレベルを少し抑えて、発動だけを私がやる様にするわ。リリスはそれを操作して誘導すれば良いのよ。」
うんうん。それなら暴走しないかもね。
それにあの暴走の一因は魔力吸引スキルを発動していたからでしょうからね。
リリスの同意を得て芋虫が憑依のレベルを少し上げた。
リリスの両手が勝手に前に突き出され、その手の先に黒い塊が2個出現した。妖気を放ち時折赤く光りを放つ、直径1mほどの不気味な黒い球だ。
「任せたわよ、リリス!」
芋虫の檄にうんと応え、リリスはその黒炎をケルベロスに向けて放った。
だがそのスピードがそれほどに速くない。真っ直ぐにケルベロスに向かって行ったのだが、ケルベロスが自分の身体を覆うようにドーム状に放つ雷撃の一端に触れて、あらぬ方向に弾き飛ばされてしまった。
う~んと唸って落胆するリリス。その様子に芋虫もうなだれた。
「私の放つ黒炎って精々あの程度のスピードなのよね。」
まだまだ改良の余地ありと言う事だろう。
「でも威力はあるのよ。リリスもそれは見たでしょ?」
弁解する芋虫を宥めながら、もう一度黒炎の発動を促した。
リリスの両手の前に再び黒炎の不気味な球体が出現する。このままではあまり有効な武器にはならない。それなら自分が手を加えれば良いのだ。
リリスは魔力を両手に集中させ、その黒炎にイメージを植え付けていく。拘束に飛ばすならやはり矢や槍のイメージだ。それ程に大きくなくても良いから本数も欲しい。リリスのイメージが魔力として伝わり、黒炎が3分割され、それぞれが細長く鋭い形に変形していく。
「リリス! それってあんたが操作できるの?」
驚く芋虫をスルーしてリリスは両手に3本づつ、黒炎から黒く鋭い短槍を造り上げた。槍の全体が妖気を放ち、時折その鋭い先端が赤く光るのが不気味だ。
投擲スキルを全開させて、リリスはその6本の黒い短槍をケルベロスに向けて放った。
斜め上空に放たれた短槍は弧を描いてケルベロスに向かう。その速度も高速でキーンと言う金切り音をあげて目標に向かって行く。上昇から下降に向かい更に速度を上げた6本の短槍は、危険を感じてケルベロスが放ったドーム状の雷撃の網目をかいくぐり、ケルベロスの身体を直撃した。
ズンッと言う鈍い音を立てて黒炎の短槍がケルベロスの身体に突き刺さると、そこから静かにしかも確実にその身体の組織を焼失させていく。ケルベロスは悲鳴を上げる事さえも出来ない。
ケルベロスの身体に幾つもの深く大きな傷が見えた。もはやケルベロスは雷撃を放つ余力も無い。
おもむろにリリスは極太のファイヤーボルトを出現させ、ケルベロスの傷口に向けて全力で放った。いくらケルベロスが火魔法に対して耐性を持っていると言っても、体の中に撃ち込まれれば耐えられない筈だ。それに抵抗出来る余力も無いだろう。ファイヤーボルトはリリスの狙い通りケルベロスの身体の傷口に着弾し、爆炎をあげてその身体を内部から焼き尽くしてしまった。
ようやく倒せたわ。
そう思った途端にリリスの額に汗が滲み、めまいがしてその場に座り込んでしまった。すでに魔力の残量が10%になってしまっているようだ。
魔力吸引を再びパッシブで発動させて、暫く座り込んでいると、ようやく立ち上がれるだけの力が戻ってきた。
「リリス、お疲れ様!」
芋虫がリリスの健闘を讃えた。
「それに比べてジークってあまり役に立たないわね。」
「メル。そんな事を言っちゃ駄目よ。ジーク先生の多重構造のシールドが維持されて無ければ、勝ち目は無かったんだからね。」
そう言いながら振り返ると、ジークも辛そうな表情をしている。シールドの維持の為に相当魔力を使ったのだろう。
駆け寄ってくるニーナとハイタッチをしていると、たどたどしい足取りでジークが近付いてきた。
「あのケルベロスを倒すなんて、大したものだよ。」
そう言ってジークが頬を緩めたその時、異変が起きた。
ジークとニーナがその動きを止めて固まっている。
ええっ!と驚いて自分の肩を見ると、芋虫は固まっていない。
何事かと思っていると、目の前に形の定まらない小さな人影が3体現われた。こちらに近付くにつれてそれは徐々に人の形になっていく。
リリスは警戒感を露わにしてその人影を見つめていた。
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