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風の女神 後日談1
しおりを挟む風の神殿に宝玉が戻った後。
翌日からのリリスは、昼は神殿でマキによる聖魔法の指導に立ち会い、夜は連日イシュタルト公国の諸侯や要人から晩餐会に招待された。
リリスは未成年でもあり、酒宴に駆り出されてもジュースを飲んでいるだけである。
マキも元聖女の大祭司と言う事もあり、あえて飲酒を控えていた。
それでも連日招待される理由が、風魔法の宝玉を見つけ出した功績を称えての事なので、二人共無下に断るわけにもいかない。
リリスも不承不承ながら参席し、賛辞の言葉に謙遜しつつ、造り笑顔で時間を過ごしていた。
そしてようやく、イシュタルト公国での一週間の日程が終わる。
当初の日程を終えてミラ王国の神殿前に戻った二人は、精神的にも肉体的にも疲労が濃く、神殿のゲストルームでしばらく爆睡していた。
数時間後、目覚めたリリスはまだ微睡んでいたマキと別れを告げ、用意されていた神殿の馬車で魔法学院に戻った。
これで普段の日常生活に戻れるのね。
安堵のため息を深くついたリリスであったが、学生寮に戻った途端にメリンダ王女に呼び出されてしまった。
イシュタルト公国での出来事を説明せよと言う事らしい。
面倒臭いわね。
明日の授業の準備をさせてよね。
そう思いながらもリリスは学生寮の最上階に向かった。
メイド長のセラのチェックを受け、メリンダ王女の部屋に向かう途中、リリスは思いがけず念話を受けた。
『念話で失礼します、リリス様。リノです。』
あらっ?
どうしたの?
『突然呼び止めて申し訳ありません。私の部下がリリス様の魔力の波動に違和感を感じたものですから・・・』
違和感?
それって私じゃないとでも言うの?
私は私、リリス本人よ。
『そうですよね。でも・・・』
『部下の言うにはリリス様の魔力の厚みが増しているとの事です。』
『それと・・・リリス様の魔力とは別な波動を微かに感じると言うのですが・・・』
厚みが増したと感じられたのは、ステータスの可視領域に風属性を載せたからかも知れない。
だがその後に続く言葉が気になる。
私とは別な魔力の波動?
そんなはずは無いわよ。
そう思ってリリスは自分の胸を軽くトンと叩いた。
その途端に小さな光の球がすっと離れていった。
それは色合いも薄く、リリスでなければ気が付かないような存在だ。
うん?
これって精霊かしら?
もしかしてイシュタルト公国から付いて来たの?
でも気配も感じなかったけど・・・。
『精霊ですか? それって何処に?』
ああ、リノは精霊を見れないのね。
『いえいえ。普通は見えませんよ。』
『逆にお聞きしますが、リリス様は精霊を見る事が出来るんですか?』
うん。
まあ、微かに見えたり感じたりするんだけどね。
でもその色合いは分かるわよ。
色合いによってその精霊の持つ属性も分かるわ。
『う~ん。返す言葉がありませんね。流石リリス様だとしか言えないです。』
リノはしばらく黙り込んでしまった。
その後程なく念話が入って来た。
『あっ、失礼しました。どうぞ王女様の部屋にお進みください。』
うん。
分かったわ。
それじゃあね。
リリスはそう答えるとメリンダ王女の部屋の重厚な扉をノックし、中に居るメイドが開けてくれるのを待った。
部屋の中ではメリンダ王女とフィリップ王子がソファに座り、リリスを待ち受けていた。
相変わらず仲の良い二人である。
互いに挨拶を交わしてリリスがソファに座ると、メリンダ王女が身を乗り出してきた。
「リリス。あんたってどうして不思議な事ばかり引き起こすのよ。」
「そんなの、私にも分からないわよ。」
その様に答える以外に思いつく事も無い。
少し憮然とした表情のリリスにメリンダ王女は満面の笑みを見せた。
「気を悪くしないでよ。あんたには感謝しているんだから。」
メリンダ王女の言葉を補足するようにフィリップ王子が笑顔で口を開いた。
「君が風魔法の宝玉をイシュタルト公国で見つけ出してくれた事で、ミラ王国とイシュタルト公国との友好関係が更に深まった事は事実だね。」
「お陰でミラ王国の王宮宛てにたくさんの褒賞や宝物が届いているよ。大半は君への感謝を込めた献上品だ。」
メリンダ王女はフィリップ王子の言葉にうんうんと頷いた。
「そうなのよ。イシュタルト公国の大公様も上機嫌でね。数日内に国を挙げてのお祝いをする予定だそうよ。」
そうなのね。
ここまでの大騒ぎになるとは思ってもみなかったけどね。
リリスはそう思いながら、目の前のテーブルに運ばれてきた紅茶に口を付けた。
上品で馥郁とした香りがリリスの心を穏やかにしてくれる。
メリンダ王女も紅茶をすすりながら、リリスの様子を見て口を開いた。
「それでね。リリス宛に色々な褒賞が届いているので、あんたの実家に送ってあげようと思うのよ。」
「ただ、その中に一つだけ、良く価値の分からない物が含まれていてね・・・・・」
そう言いながらメリンダ王女は手元から、黒い小さな箱を取り出してテーブルの上に置いた。
縦横10cmほどの小さな箱で、印刷されたような装飾が施してあるので、見た目には高級感もある。
「開けてみてよ。」
メリンダ王女の言葉に促され、リリスはその小箱を開けてみた。
その中にはクッション用の綿が詰められていて、中央には薄い絹に包まれたガラスのようなものが入っている。
それを取り出してリリスは首を傾げた。
風鈴だ。
透明のガラスで造られた風鈴である。
大きさは5cmほどで特に装飾は無い。
形もまさに鈴の形で、ガラスの縁にブルーの色付けがされているので、それが映り込んで全体的には薄いブルーに見えている。
どう見ても普通の風鈴にしか見えないのだが、これが褒賞に値するような物品なのだろうか?
「どうみても、普通の風鈴よね。リリス。その風鈴について、何か思い当たる事でもあったの?」
「いいえ。特に思い当たる事も無いわよ。」
そう答えてリリスはその風鈴を箱から取り出した。
上部に取っ手が付いているので、それを持ち軽く風鈴を揺らすと、チリンチリンと軽快な音が部屋の中に響いた。
普通の風鈴の音だ。
だがリリスはこの時、若干の違和感を感じた。
微弱ながら背筋にぞわっとする感覚。
これは何だろうか?
呪いや精神攻撃のようなものではない。
悪意の込められたものでもない。
だが何か普通ではない要素が込められているように感じられる。
後で調べてみよう。
リリスは風鈴を箱に戻すと、メリンダ王女の許可を得て、それを自分のカバンに仕舞い込んだ。
「気に入ってくれたのなら、好きにして良いわよ。その風鈴もリリスへの褒賞だからね。」
風鈴を仕舞い込むリリスの様子を見ながら、メリンダ王女は失笑していた。
子供に駄賃を与えたような気持ちになっていたのだろう。
リリスはそれ以上は風鈴に言及せず、イシュタルト公国での出来事を簡略に説明した。
勿論、アリサがリリスやマキ同様に転移者であった事などは秘密である。
その後しばらく歓談してリリスはメリンダ王女の部屋から退出した。
翌日の昼休み。
急いで昼食を済ませた後に、リリスは薬草園に足を運んだ。
ここなら人目に付かないと判断しての事である。
懐から昨夜手に入れた風鈴を取り出すと、チリンチリンと軽く音を奏でた後、リリスはおもむろに解析スキルを発動させた。
この風鈴って何となく違和感を感じるんだけど、呪いが掛かっているのかしら?
『いいえ。呪いは掛けられていません。ですがその風鈴の音色に何らかの仕掛けがありそうですね。』
『明確には分かりませんが、可聴域を超えた幾つもの波動が巧みに絡み合いながら、音色と共に放たれているようです。』
それって何の為に?
『分かりません。』
『でも・・・・・風鈴を鳴らし続ければ何かが分かるかも知れません。』
う~ん。
結局何だか分からないわね。
リリスはそう思って、改めて風鈴をまじまじと見つめた。
何処からどう見ても普通の風鈴である。
ここには誰も居ないから、少し鳴らし続けてみよう。
リリスは念のために周囲を見渡し、誰も居ない事を確認した上で風鈴を鳴らし続けた。
チリンチリンと鳴り響く風鈴の音色は心地良い。
だが直ぐに違和感が訪れた。
鳴らし続けているうちに、やはり背筋にぞわっとする感覚がある。
それでもリリスは風鈴を鳴らし続けてみた。
数分後。
リリスの周りに薄いブルーの光の球が数個現われた。
それは風鈴の周囲をぐるぐると回っている。
ええっ!
これって・・・精霊なの?
その気配は明らかに精霊だ。
色合いから考えて風属性の精霊なのだろう。
この風鈴って・・・精霊を呼び集めるの?
そんな疑問を抱きつつもリリスは風鈴を鳴らし続けた。
それに伴い、風鈴の周囲を回る光の球が徐々に増えて来た
既に光の球の数は30個を超えている。
それでも風鈴を鳴らし続けると、その光の球に変化が現われた。
光の球が徐々に消えていくと、それと交代するように、直径30cmほどの大きな光の球が幾つも現れた。
それらはやはり風鈴の周囲をぐるぐると回っている。
その比較的大きな光の球からは、かなり強い風属性の魔力の波動が放たれ、時折強い光を放ちながら点滅を始めた。
それと共にリリスの身体全体にも大きな魔力の波動が押し寄せてくる。
その魔力の波動の強さに身体が震えるほどだ。
不安を感じたリリスは風鈴を鳴らすのを止めようとした。
だが身体が言う事を効かない。
何かに操られるようにリリスの手が左右に揺れ、風鈴の音が鳴り響く。
これって何なのよ!
驚くリリスの目の前で、比較的大きな光の球が一点に集まり始め、徐々に人型になっていった。
伝わってくる魔力の波動はやはり風の精霊だ。
あくまでも人のような形になっているだけなのだが、その顔に口だけが存在しているので実に気味が悪い。
ううっと呻いて後ずさりするリリスに向けて、その人型の口が開いた。
『呼び出したのはお前か?』
リリスの脳内に念話が伝わって来た。
口はあるが言葉は発せないようだ。
呼び出すつもりじゃなかったのよ。この風鈴を振っていたらあなた達が現われて・・・・。
ありのままに様子を伝えるリリスの言葉に、その人型の口角が少し上がったのは笑ったからなのだろうか。
『間違いない。お前の魔力の波動がその風鈴に大きく干渉したのだろう。』
敵意は無さそうだ。
リリスは少し落ち着いて尋ねてみた。
あなたは・・・風の精霊なの?
『そうだ。私は大精霊の傍に仕える立場の精霊だ。』
それってそれなりのポジションの精霊って事ね。
さっきも言った通り、この風鈴があなた達を呼び出すって知らなかったのよ。迷惑だったかしら?
『ああ、迷惑だ。大迷惑だよ。』
うっ!
激おこなの?
『そもそもその風鈴は持つ者の魔力の波動によって反応が変わる。普通の者が振っても小さな精霊が現われる事すら滅多に無い。』
『だが、お前の魔力の波動はその風鈴に大きく干渉してしまったようだ。下手をすると大精霊すら呼び出されかねないほどだからな。』
人型の精霊はふうっとため息を吐いた。
その様に見えただけなのかも知れないが。
『お前は何者なのだ? 本当に人族なのか? 6属性を持つ上に、複数の亜神や複数の大精霊の接触痕もあるではないか。』
『大精霊とは幾度接触したのだ?』
う~ん。
意味が良く分からないわね。
接触とか言っても・・・・・アリサさんとの会話がそれに当たるの? アリサさんは風の大精霊の構成要素の一つだと言っていたけど。
『この場合の接触とは相手と関りを持った事だと思えば良い。』
『だが、風の大精霊以外にも接触した痕跡があるぞ。』
ええっ?
そんな事があったっけ?
リリスは思いを巡らせてしばらく考え込んだ。
そして程なく、二人の王女を使い魔の形で憑依させて取り組んだ、ダンジョンチャレンジでの出来事を思い出した。
サラマンダーのブレスを回避出来ない状態に追い詰められた時、エリスのくれたミサンガと、精霊との親和性の高いエミリア王女のお陰で火の大精霊を呼び出した事があったのだった。
あっ、そうだ。火の大精霊に助けてもらった事があったわ。
『ふむ。火の大精霊の痕跡だったのだな。』
人型の精霊はうんうんと頷きながら、リリスが手に持つ風鈴に顔を近づけた。
『お前の魔力の波動がその風鈴に与えた影響は甚大だ。もはや取り返しがつかないレベルだ。』
そんな事って・・・・・。
私は何もしていないわよ。
そもそもこの風鈴って何なの?
『それは見た目は風鈴だが、どちらかと言えば呪具に近い。時空のはざまに根を持ち、自律性と成長性を持つ特殊な魔素が構成しているのだ。しかも永続性のある復元力を持つので、その風鈴を破壊しても数年後には何処からともなく復活してしまう。実に厄介なのだ。』
『しかもお前の特殊な魔力の波動を受けて、大精霊を呼び出しかねないほどに、一気に成長してしまった。』
う~ん。
そうだとして私にどうしろって言うの?
『お前が責任をもって管理してくれ。それが一番の得策だ。』
管理ってどうしたら・・・・・。
『お前の魔力の中に取り込むのだ。そうすればお前が生きている間、つまり少なくとも100年近くは安泰だ。』
そんな事が出来るの?
『お前はたびたび時空のはざまを行き来しているではないか。そんなお前の魔力なら可能なはずだ。』
うん?
時空のはざまを行き来?
身の覚えが無いけど・・・。
『何を言っておるのだ? お前の魔力には、深夜にたびたび時空のはざまを行き来している痕跡が残っているぞ。』
深夜?
ああ、分かったわ。
キングドレイクさんやシューサックさんに呼び出されるあの空間の事なのね。
『その風鈴を取り込む事については心配しなくて良い。おそらくお前の魔力の中では加護の形で存在する事になるだろう。』
そうなの?
まあ、変な現象が起きないなら良いわよ。
イビキがエアカッターになっちゃうとか・・・・・。
『お前は風の精霊を馬鹿にしているのか?』
いえいえ。
そんな事はありませんよ。
失礼しました。
『まあ良い。そうとなったら早速取り込んでもらおう。』
人型の精霊はおもむろに風鈴を持つリリスの手を掴み、魔力で包み込んだ。
その途端にリリスの手に熱い炎が流れ込んでくるように感じられた。
うっ!と叫んで手を引くと、既に風鈴の姿は消え去っていた。
どうやらリリスの手の中に取り込まれてしまったようだ。
『魔力の形で取り込んだ風鈴が定着し適正化されるためには時間が掛かる。そのうちにステータス上に現れるだろう。』
『これでしばらくは精霊界が荒らされなくて済む。よろしく頼むぞ。』
そう念を送って人型の精霊は消えていった。リリスの目の前には見慣れた薬草園が広がっているだけだ。
これって何だったのかしら?
首を傾げながらも時間を確認すると、午後の授業まであまり時間が残っていない。
拙いわね。
急がなくっちゃ。
リリスは急いで薬草園を出て、学舎に戻っていったのだった。
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