落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

文字の大きさ
297 / 369

未知の召喚獣1

しおりを挟む
フィリスの霊廟の地下5階。

その中央に設置された召喚用の設備が、リリスの流した魔力に反応して異常な動作を起こし始めていた。

高速で回転する5個の特殊な魔石の効果で、回転する金属の輪は光の輪となっていた。

光の輪の上にバチバチバチッと火花が飛び、リリス達も不安に駆られてその様子を見つめている。

その光の輪の上に突然金色の光が現われ、それは一瞬カッと光を放ち、その位置から何かがピョンとリリスの目の前に飛び降りてきた。

それは一見、鹿のようだった。

だが鹿にしては体毛が長い。
頭には立派な角が二本生えている。
体長1mほどで、毛色は黄土色に近く、艶消しの金色のようにも見えるのだが・・・。

鹿はその身体をリリスに摺り寄せている。
せっかくなので魔力を流し込み、召喚を成立させようとしたのだが、鹿は嬉しそうに擦り寄るだけで、召喚獣となった気配を感じられない。
魔力で通じ合えないのだ。

魔力が足りないのかしら?

鹿も魔力をおねだりしているようなので、リリスはもう一度魔力を流し込んでみた。
鹿はその魔力を味わうように目を細め、リリスの手をペロッと舐めた。
リリスもその仕草が可愛いので、小鹿の背を優しく撫でようとした。

だがその瞬間に鹿の身体が光を放ち、その姿を変え始めた。

体長が2mほどに大きくなり、角もグンと伸びてきた。
それと共に顔つきがごつくなって、龍のような顔つきに変わってきた。
身体を覆う体毛は長く伸びて渦を巻き、短いたてがみのようなものまで生えてきている。

うっすらと金色の光を帯びているそのフォルムは、リリスの以前の記憶にあるものに極似している。

これって・・・これって麒麟じゃないの?
どうしてこんなものが・・・。

目の前に現れた麒麟は細胞励起のような波動を周囲に放ち、リリスをじっと見つめている。

「これって何なの? 普通の召喚獣じゃない事は分かるけど・・・」

メリンダ王女の言葉にフィリップ王子も首を傾げていた。
サラはポカンと口を開いたままだ。

その時、天井から声が聞こえてきた。

「ほう! これは聖獣ではないか! こんなものが出現するとは縁起が良い。」

その声の主は天井から降りてきたオルヴィスの使い魔のカラスだった。

「オルヴィス様。どうしてここに?」

リリスの言葉にカラスは麒麟から視線を外さずに口を開いた。

「儂の全身が震えるほどの異様な気配を感じたから、取りも直さず来てみたのだよ。そうしたらこの聖獣が居たわけだ。」

カラスはそう言うとリリスの肩に留まった。
そのカラスにフィリップ王子が話し掛けた。

「賢者オルヴィス様ですね。ここでお会い出来るとは思っていませんでした。」

フィリップ王子とメリンダ王女は自己紹介をして、その身分を明らかにした。

「そうでしたか。殿下がこのフィリスの街の復興を後押ししてくださるのは実に有り難い。儂はまだ仮想空間内の整理に取り掛かっているところなので、実体としてまだこちらに姿を現す事が出来ませんが、いずれ実体でお目に掛かりますぞ。」

「それは待ち遠しいですね。このフィリスの街を数百年前から知っておられ、その建設にも携わられた賢者様の助言を頂きたいものです。それとは別にこの召喚獣ですが、これは聖獣なのですか?」

フィリップ王子の言葉にカラスは強く頷いた。

「これは麒麟と言う名の聖獣ですな。そもそも聖獣は召喚獣でもなく、人間に従うような存在でもありません。儂も聖獣をこの目で見るのは初めてですが、儂の元にある文献の図説そのままの姿なのでね。」

そう言うとカラスはリリスの顔に目を向けた。

「リリス。お前がこれを呼び出したのか?」

カラスの言葉にリリスはハイと答えた。

「まあ、呼び出したという表現すら正確では無かろう。聖獣の出現頻度は1000年に一度だとも言う。複数の高位の精霊の合体した姿だと言う説もあるのだが、その正体は定かではない。精霊界から地上に降臨したものだという事は確かなようだ。」

「聖獣は吉兆だ。健康や富の象徴でもある。聖獣の棲み付く街は繁栄を約束されているようなものだからな。この麒麟が気に入るような棲み処があればよいのだが・・・」

カラスの言葉にフィリップ王子は前のめりになって口を開いた。

「それなら聖獣の棲む宮殿を造りましょう!」

「いやいや、そんなものには棲み付かないですよ。」

カラスはそう言うと麒麟の方に目を向けた。

「この聖獣は自分で気に入る場所を探すでしょうな。儂の推測では王宮跡地の大木の傍らが適しているようにも思える。」

う~ん。
桜の大木に麒麟ね。
何となく花札の図柄のように感じちゃうわ。

そう思いつつ、リリスは自分の身体に擦り寄ってくる麒麟の背を撫でた。
麒麟もリリスに懐いているような仕草を見せる。
鼻を摺り寄せてくるその仕草に、リリスは以前の世界での記憶を思い出した。

これって仕草がまるで奈良公園の鹿じゃないの。

小学校の修学旅行で訪れた京都・奈良の思い出が蘇ってくる。

そうよ!
桜の大木の周囲を公園化して、そこに棲み付いてもらったら良いわよね。
ついでに野生の鹿も数頭放っておけば良いわよ。

リリスはあれこれと思いを巡らせながら、聖獣の背を撫でようとした。
だがその瞬間に聖獣の姿がふっと消えてしまった。

「えっ? どこに行ったの?」

リリスは慌てて周囲を探知した。
麒麟らしき反応がフィリスの王宮跡地の付近に感じられる。

どうやらオルヴィスの予想通り、桜の巨木の傍に行ったようだ。
棲み処を探しているのだろう。

「オルヴィス様の予測がビンゴですね。」

リリスの言葉にカラスはうんうんと頷いた。

聖獣はそのまま放置していて構わないと言うので、リリス達は霊廟から出る事にした。
その途中で霊廟各階の大まかな修復をリリスが担当したのは言うまでもない。
霊廟から外に出ると、オルヴィスの使い魔のカラスはその場から上空へ飛び立った。
聖獣の行き先を追うつもりだそうだ。
リリス達は待機していた軍用馬車に乗り、フィリスの中心街に戻って行った。




宿舎に辿り着き、昼食を済ませてサラと部屋で寛いでいると、メイドがメリンダ王女からの呼び出しを告げた。
何だろうかと思ってサラと共に、メリンダ王女の部屋に向かうと、その広いリビングスペースでメリンダ王女がソファに座って待っていた。
その傍らには霊廟の地下5階で召喚した赤い鳥が留まっている。
その小鳥の長い尾羽を撫でながら、メリンダ王女はリリスを手招きした。

「ねえ、リリス。この鳥って何だか変なのよね。私が呼び出してもいないのに、こうして出て来ちゃったのよ。」

そんな事ってあるの?

リリスは首を傾げつつサラの方に視線を向けた。
だがサラも同じように首を傾げている。

「王女様の魔力を注いで召喚関係を結びましたよね。それなら勝手に出てくる事は無いはずですけど・・・・」

サラもその要因が分からない様子だ。

「まあ、可愛いから良いんだけどね。でも公式行事の最中に勝手に出てこられても困るんだけど。」

それはそうだ。
リリスはそう思って解析スキルを発動させた。


ねえ、この赤い鳥って召喚獣なの?

解析スキルからの反応が返ってくるのに、珍しく少し時間が掛かってしまった。

『実に不思議な現象ですね。召喚獣である事は間違いないのですが、意図的にその絆を弱めているようにも思えます。』

絆を弱めているって誰が?

『その赤い鳥ですよ。召喚獣にそのような意思は無いはずなのですが・・・』

『それと、その赤い鳥の周囲に精霊が集まりつつあるようですが、感知出来ますか? 魔装を発動させればその気配を感知出来ると思いますよ。』

リリスは解析スキルの言葉を受け、魔装を非表示で発動させた。

魔装の発動によって付随的に感知能力が高まり、感覚が鋭敏になってくる。
それによって赤い鳥の周囲に、薄っすらと小さな光点が見えてきた。
赤や緑の光点だ。

うっ!
確かに赤い鳥の周囲に精霊らしい反応があるわね。
それも複数で。
それに徐々に増えてくるわよ。
すでに10体以上出現しているわ。

精霊が集まりつつある影響で、リリスには赤い鳥の周囲の空気が少し歪んできているようにも見えた。
何となく拙い予感がする。

「メル。試しに召喚を解除してみて。」

「解除って召喚していないのに?」

「解除を念じてみれば良いわよ。」

リリスの言うままにメリンダ王女は召喚の解除を念じた。
その途端に赤い鳥はふっと消えてしまった。
赤い鳥の周囲に集まっていた精霊はふらふらと動きながら、徐々にその場から消えていく。

「あらっ! 消えちゃったわ。」

メリンダ王女も理由が分からず首を傾げた。

「まあ、勝手に出てきても解除を念じれば消えるという事なら、今のところそれで良いんじゃないの?」

「そう言われればそうなんだけど、何となく解せないわねえ。」

そう言いながらメリンダ王女はソファの背に深くもたれかかった。

その後しばらく3人で談笑していると、フィリップ王子が部屋に入ってきた。

「ああ、3人が揃っているなんて丁度良かったよ。」

「先ほどオルヴィス様の使い魔から連絡があったんだ。王城跡の巨木の傍で聖獣が棲み付き、それを一目見ようとして人が集まってきているそうだ。」

うん。
まあ、そうなるわよね。

「でも棲み付くか否か、まだ分からないのでは?」

リリスの問い掛けにフィリップ王子は首を横に振った。

「それがねえ。巨木の幹の一部が変形して、聖獣のねぐらに適した空洞になっているそうだ。」

ええっ?
そんな空洞って無かったわよ。
あの麒麟が造っちゃったの?

「既に王家にも連絡したので、当面は軍の管理下で整備を進め、聖獣の棲む公園として造成する予定だよ。」

聖獣の棲む公園って、それだけで観光名物になるわよね。

「造成が済んでから、また見に来ても良いかもね。」

「いや、ぜひ見に来させて下さい!」

リリスの言葉にメリンダ王女もサラも同意してうんうんと頷いた。



この日の午後は街で買い物を済ませ、リリス達は日が傾く頃に軍用馬車でフィリスを後にし、ミラ王国の魔法学院に戻って行ったのだった。




翌日。

授業を終えた放課後に、リリスは生徒会の部屋に向かった。

先に席に着き作業を始めているエリス達と挨拶を交わし、リリスはフィリスで買ってきたお土産をその場に居た全員に渡した。
小粒の魔石をあしらった小さなアクセサリーで、何処にでもありそうな普通のお土産だ。
それでも喜んでくれるので、リリスとしても笑みがこぼれる。
実際フィリスは衰亡していた都市なので、これと言った特産物やお土産も見当たらなかったのだ。
それでもリリスが手を加えた事で、フィリスも確実に反映していくだろう。
聖獣の存在も大きい。
リリスはそう思ってフィリスの反映した姿を思い浮かべた。

自分の席に着いたリリスは、数日振りに作業を始めようとした。
そのリリスにエリスがニヤッと笑いながら話し掛けた。

「リリス先輩。フィリスの街を大規模に修復されたそうですね。メリンダ王女様から聞きましたよ。」

メルったら、早速吹聴しているのね。

「修復と言っても土魔法を使っただけよ。」

「土魔法を持たない私達にとっては、その情景が容易に思い浮かばないんですよね。崩れかけた石壁が一瞬で建築直後の状態に変わってしまうとか、表面が化粧板を張り詰めたような状態に変化するとか、私達にとっては信じられないような魔法なんですけど・・・・・」

「だから、普通の土魔法だってば。」

そう答えたリリスにニーナがふっと呟いた。

「リリスの言う普通って賢者レベルじゃないの?」

「それは無いわよ。」

謙遜してリリスは作業に取り掛かろうとしたが、再びエリスが口を開いた。

「そう言えば今日の授業の時、メリンダ王女様が赤い鳥を連れてきていましたよ。召喚獣だと言っておられましたが、召喚を解除出来なくて困っているって。」

メルったら、またあの赤い鳥を連れてきたの?

「それでどうしたの?」

「しばらくそのままの状態で授業を受けておられました。でもそのうちに気が付くと、赤い鳥は姿を消していましたけどね。」

う~ん。
メルもかなり困っているようね。
簡単に解除出来なくなってきたのかしら?

そう思っているとドアがノックされ、ケイト先生が入室してきた。
リリスを見つけてその傍に近付くと、少し困ったような表情でリリスに話し掛けた。

「リリスさん。メリンダ王女様が学生寮の最上階に今直ぐに来て欲しいって言っているの。そちらに向かってもらって構わないかしら?」

う~ん。
これはおそらくあの赤い鳥の事が用件よね。
もしかして昨日よりも厄介な状況になってきたのかしら?

「分かりました。王女様からの要請なら直ぐに向かいます。」

リリスはそう言うと、速足で学生寮に向かったのだった。








しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~

けろ
ファンタジー
【完結済み】 仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!? 過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。 救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。 しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。 記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。 偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。 彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。 「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」 強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。 「菌?感染症?何の話だ?」 滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級! しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。 規格外の弟子と、人外の師匠。 二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。 これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

処理中です...