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第九章 求める居場所
再会と戸惑い
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ティミーはギュッとマッドとウォックを抱きしめ、2人の胸の間に顔を埋める。
もう離さないとばかりに力強く抱き締められ、マッドとウォックは苦笑いしつつも、そのままティミーの事を受け入れた。
しかし、胸が使える感じをマッドは覚える。
本当に、嫌われていないのだろうかと。
マッドは不安げに、ティミーに視線を向けた。
「その、ティミー......。ごめんな、拒絶しちまって」
「ううん。私も頭がいっぱいいっぱいだったから。でももう大丈夫だよ。私の方こそ、色々ごめんね」
マッドとティミーは互いに見つめ合い、謝罪の言葉を交わす。
不安げなマッドの表情に、ティミーは両手でマッドの頬をペチンと叩いた。
「いてっ! 何すんだよ」
「これでおあいこ! もう気にしてないから大丈夫だよ。マッドに会えたんだもん。傍にいてくれればそれで充分だよ」
ティミーは嬉しそうに微笑んだ。
その表情を見て、マッドはフッと心が軽くなったのか、ティミーの腕を引っ張り自分の元へと抱き寄せた。
「ま、マッド?」
「本当にごめんな。もう二度と、ティミーを傷付けたりなんかしねぇ。絶対だ」
マッドはキツくティミーを抱きしめる。
ティミーは苦しいのか、モゾモゾとマッドの胸の中で身動きを取ろうとしていた。
「マッド、あの、その......」
「ん......?」
ティミーが顔を真っ赤にしてマッドを見上げた瞬間、マッドの背中に物凄い衝撃が走る。
「おわぁぁぁあ!!?」
マッドとティミーはそのまま地面に倒れてしまい、マッドの背中に何かがのしかかる衝撃が走る。
「マッド~!! やっと会えたーーー!! 元気元気??」
「元気ーーー!?」
そのまま背中に覆い被さっていたのはヴェノルのようで、更にシエンも同じように引っ付いている。
背中にスリスリするその姿はまるで猫のようだ。
マッドは思わずヴェノルを睨みつける。
「感動の再会を台無しにすんなよテメーは!! いいから降りろ!」
「やーだー! ウォックに抱き着いたら弾き飛ばされたからこっちに来たのにーーー!」
「毎度毎度引っ付くなって言ってるだろお前は!」
ウォックは既に被害を受けていたのか、服に着いた汚れを払いながら言葉を吐き捨てる。
マッドとヴェノルとシエンに潰されてしまっているティミーは苦しそうに身動きを取ろうとしていた。
「ちょ、3人共降りて、流石に重いよ~!」
「はいはい、そこまで」
見兼ねたヴェイトがヴェノルとシエンを引き剥がし、マッドは急いでティミーの上から退いた。
ティミーは埃を払うと、恥ずかしいのか俯いてしまう。
「全く。はしゃぎ過ぎたお前達」
「はぁ~い、ごめんなさいパパ」
ヴェノルとシエンは声を揃えてしょんぼりとしてしまう。
2人を抱き上げたまま、ヴェイトは小さく息を吐いた。
「感動の再開で賑やかなのは良いけど、暑いから家に入ろうか。今後の事も話したいし」
「そ、そうだな。なんか暑いし。行こうぜティミー」
マッドは気まずそうにティミーの肩を叩くと、ティミーは顔を真っ赤にしながらも立ち上がった。
「ティミー、大丈夫? お熱あるの?」
「な、無いから! 大丈夫だから!」
ヴェノルが心配そうにしていると、ティミーは慌てて玄関まで走って行った。
「あら、お帰りなさいみんな。揃うのを待っていたわよ」
玄関からリビングへ向かうと、エリシアがお昼の用意をして迎え入れてくれた。
様々な料理がテーブルの上に並べられて、ヴェノルは思わず涎を垂らす。
「わ~い! ママのご飯だ~!!」
「誰がお前のママだ」
ヴェイトは若干苛ついたのか、ヴェノルの頭を軽く小突いた。
すっかりシエンの呼び方が移ってしまったのか、名前で呼んでくれなかったらしいとエリシアから告げられる。
「ふふ、気にしていないから良いわよ。さぁみんな、ご飯を食べてから今後の事を相談しなさい。おかわりも沢山有るからね」
「す、すみません、ありがとうございます」
マッドは慣れない敬語でエリシアに感謝の言葉を告げる。
全員椅子に座り食事の挨拶を交わすと、賑やかに会話を交わしながら食事を楽しんだ。
「はーー、食った食った。ごちそうさん!」
「ご馳走様でした。やっぱりエリシアさんの料理って美味しいです」
「ふふ、ありがとう。ティミーちゃんのオムライスには敵わないわよ。あと、ウォック君もお料理上手なんですってね? 是非今度ケーキを作って欲しいわ」
「ありがとうございます。機会が有りましたら是非」
マッド達はエリシアの料理を堪能し、空腹も満たされた様だ。
食べてから直ぐにヴェノルとシエンは遊びに行ってしまい、煩いのが居なくなったとウォックとヴェイトは内心ホッとしている様だ。
「それで、これからどうするんだ?」
マッドは紅茶を貰いながら、ヴェイトに尋ねる。
「あぁ。大総統に今回の件を報告したら、ガーネの調査を許可して下さるそうだが、もう一度全員と謁見をしたいそうだ」
「謁見か......」
マッドはティーカップを置き、小さく息を吐く。
「......俺が暴走したからか」
「いや。その事で問い詰めるつもりは恐らく無い。ガーネが封じられている海底都市に行くにはとてつもない道程と困難が待ち受けている事は確実だ。だからこそ、お前達には分かって貰いたい事がある」
「分かってもらいたい事?」
ヴェイトは珈琲を一口飲むと、真剣な表情で3人を見据えた。
「ガーネの調査は俺達ベルトア軍に任せて、お前達はレンとか言う男を探したらどうだ? 元々お前達はその男を探す目的で旅に出たのだろう?」
ヴェイトの言葉に、マッドとティミーは顔を見合わせる。
そうだ、元々はレンを探す為に旅に出た。
そこでウォックの兄グルーにガーネの調査を依頼されたのだ。
「元々兄さんに頼まれてここまで来たからな。俺は半ば巻き込まれる形で強引にコイツらについて行けって言われたけど」
「うっ、悪かったって」
溜め息を吐きながら話すウォックに、マッドは申し訳なさそうに謝る。
ウォックは気にして無いと呟きながら、紅茶を一口飲んだ。
入れ替わるように、ヴェイトが口を開く。
「とにかくだ。元々、ガーネが封印されている海底都市はベルトアの監視下の場所だ。ましてガーネの調査なんて、一般人にさせる訳には」
「でも、海底都市に行く許可って出してくれたんだろ? それに、天変地異の原因がガーネってやつなのかもしれないんだろ? そんなの放置していたらまたルグート村みたいに、どこかの街や村が災害にやられちまうかもしれねぇんだぞ」
「その調査を俺達ベルトア軍に任せたらどうだと話しているんだ。お前達の一番の目的は何だ? 海底都市の調査か? レンを倒す事か?」
口調は穏やかではあるが、何処か力強さを感じるヴェイトに、マッドは負けじと視線を向ける。
「そんなん、どっちも大切に決まってるだろ! レンだっていつ襲ってくるか分からねぇし、このまま天変地異を見過ごしてなんかおけるかよ」
「危険な場所に子供が首を突っ込むなと言っているんだ!」
ヴェイトは強めにティーカップを置くと、食器が重なる音が響き渡る。
マッドとティミーはビクッと肩を振るわせ、ウォックは真剣な表情でヴェイトを見据えた。
「良いか。海底都市の海域には凶悪な魔物が沢山いるんだ。陽術が使えようが使えまいがとにかく危険な場所なんだ。それに、もしもの事があったら俺は......!」
ヴェイトは強めの口調で話すと、途中で我に返ったのか、口元を押さえて視線を横に逸らした。
マッドとティミーは不思議そうにしながら、ヴェイトの顔を覗き込む。
「な、何でそんなに怒ってんだよ」
「ご、ごめんなさい、ヴェイトさん......」
「......いや。こちらこそ取り乱してすまなかった」
ヴェイトは立ち上がり、軍服を着ると扉の方へと向かう。
「今日はゆっくり休むと良い。明日のお昼頃、軍本部の入り口に来なさい。門番には俺から話をつける」
「えっ、ちょ、ヴェイト......!」
ヴェイトはそう言い残すと、足早に部屋を出て行ってしまう。
取り残されたマッド、ティミー、ウォックはお互い顔を見合わせた。
「......そんなに、俺達に海底都市に行って欲しくないのかな」
その疑問に答えられる者はこの場に居なく、気不味い空気が流れた。
もう離さないとばかりに力強く抱き締められ、マッドとウォックは苦笑いしつつも、そのままティミーの事を受け入れた。
しかし、胸が使える感じをマッドは覚える。
本当に、嫌われていないのだろうかと。
マッドは不安げに、ティミーに視線を向けた。
「その、ティミー......。ごめんな、拒絶しちまって」
「ううん。私も頭がいっぱいいっぱいだったから。でももう大丈夫だよ。私の方こそ、色々ごめんね」
マッドとティミーは互いに見つめ合い、謝罪の言葉を交わす。
不安げなマッドの表情に、ティミーは両手でマッドの頬をペチンと叩いた。
「いてっ! 何すんだよ」
「これでおあいこ! もう気にしてないから大丈夫だよ。マッドに会えたんだもん。傍にいてくれればそれで充分だよ」
ティミーは嬉しそうに微笑んだ。
その表情を見て、マッドはフッと心が軽くなったのか、ティミーの腕を引っ張り自分の元へと抱き寄せた。
「ま、マッド?」
「本当にごめんな。もう二度と、ティミーを傷付けたりなんかしねぇ。絶対だ」
マッドはキツくティミーを抱きしめる。
ティミーは苦しいのか、モゾモゾとマッドの胸の中で身動きを取ろうとしていた。
「マッド、あの、その......」
「ん......?」
ティミーが顔を真っ赤にしてマッドを見上げた瞬間、マッドの背中に物凄い衝撃が走る。
「おわぁぁぁあ!!?」
マッドとティミーはそのまま地面に倒れてしまい、マッドの背中に何かがのしかかる衝撃が走る。
「マッド~!! やっと会えたーーー!! 元気元気??」
「元気ーーー!?」
そのまま背中に覆い被さっていたのはヴェノルのようで、更にシエンも同じように引っ付いている。
背中にスリスリするその姿はまるで猫のようだ。
マッドは思わずヴェノルを睨みつける。
「感動の再会を台無しにすんなよテメーは!! いいから降りろ!」
「やーだー! ウォックに抱き着いたら弾き飛ばされたからこっちに来たのにーーー!」
「毎度毎度引っ付くなって言ってるだろお前は!」
ウォックは既に被害を受けていたのか、服に着いた汚れを払いながら言葉を吐き捨てる。
マッドとヴェノルとシエンに潰されてしまっているティミーは苦しそうに身動きを取ろうとしていた。
「ちょ、3人共降りて、流石に重いよ~!」
「はいはい、そこまで」
見兼ねたヴェイトがヴェノルとシエンを引き剥がし、マッドは急いでティミーの上から退いた。
ティミーは埃を払うと、恥ずかしいのか俯いてしまう。
「全く。はしゃぎ過ぎたお前達」
「はぁ~い、ごめんなさいパパ」
ヴェノルとシエンは声を揃えてしょんぼりとしてしまう。
2人を抱き上げたまま、ヴェイトは小さく息を吐いた。
「感動の再開で賑やかなのは良いけど、暑いから家に入ろうか。今後の事も話したいし」
「そ、そうだな。なんか暑いし。行こうぜティミー」
マッドは気まずそうにティミーの肩を叩くと、ティミーは顔を真っ赤にしながらも立ち上がった。
「ティミー、大丈夫? お熱あるの?」
「な、無いから! 大丈夫だから!」
ヴェノルが心配そうにしていると、ティミーは慌てて玄関まで走って行った。
「あら、お帰りなさいみんな。揃うのを待っていたわよ」
玄関からリビングへ向かうと、エリシアがお昼の用意をして迎え入れてくれた。
様々な料理がテーブルの上に並べられて、ヴェノルは思わず涎を垂らす。
「わ~い! ママのご飯だ~!!」
「誰がお前のママだ」
ヴェイトは若干苛ついたのか、ヴェノルの頭を軽く小突いた。
すっかりシエンの呼び方が移ってしまったのか、名前で呼んでくれなかったらしいとエリシアから告げられる。
「ふふ、気にしていないから良いわよ。さぁみんな、ご飯を食べてから今後の事を相談しなさい。おかわりも沢山有るからね」
「す、すみません、ありがとうございます」
マッドは慣れない敬語でエリシアに感謝の言葉を告げる。
全員椅子に座り食事の挨拶を交わすと、賑やかに会話を交わしながら食事を楽しんだ。
「はーー、食った食った。ごちそうさん!」
「ご馳走様でした。やっぱりエリシアさんの料理って美味しいです」
「ふふ、ありがとう。ティミーちゃんのオムライスには敵わないわよ。あと、ウォック君もお料理上手なんですってね? 是非今度ケーキを作って欲しいわ」
「ありがとうございます。機会が有りましたら是非」
マッド達はエリシアの料理を堪能し、空腹も満たされた様だ。
食べてから直ぐにヴェノルとシエンは遊びに行ってしまい、煩いのが居なくなったとウォックとヴェイトは内心ホッとしている様だ。
「それで、これからどうするんだ?」
マッドは紅茶を貰いながら、ヴェイトに尋ねる。
「あぁ。大総統に今回の件を報告したら、ガーネの調査を許可して下さるそうだが、もう一度全員と謁見をしたいそうだ」
「謁見か......」
マッドはティーカップを置き、小さく息を吐く。
「......俺が暴走したからか」
「いや。その事で問い詰めるつもりは恐らく無い。ガーネが封じられている海底都市に行くにはとてつもない道程と困難が待ち受けている事は確実だ。だからこそ、お前達には分かって貰いたい事がある」
「分かってもらいたい事?」
ヴェイトは珈琲を一口飲むと、真剣な表情で3人を見据えた。
「ガーネの調査は俺達ベルトア軍に任せて、お前達はレンとか言う男を探したらどうだ? 元々お前達はその男を探す目的で旅に出たのだろう?」
ヴェイトの言葉に、マッドとティミーは顔を見合わせる。
そうだ、元々はレンを探す為に旅に出た。
そこでウォックの兄グルーにガーネの調査を依頼されたのだ。
「元々兄さんに頼まれてここまで来たからな。俺は半ば巻き込まれる形で強引にコイツらについて行けって言われたけど」
「うっ、悪かったって」
溜め息を吐きながら話すウォックに、マッドは申し訳なさそうに謝る。
ウォックは気にして無いと呟きながら、紅茶を一口飲んだ。
入れ替わるように、ヴェイトが口を開く。
「とにかくだ。元々、ガーネが封印されている海底都市はベルトアの監視下の場所だ。ましてガーネの調査なんて、一般人にさせる訳には」
「でも、海底都市に行く許可って出してくれたんだろ? それに、天変地異の原因がガーネってやつなのかもしれないんだろ? そんなの放置していたらまたルグート村みたいに、どこかの街や村が災害にやられちまうかもしれねぇんだぞ」
「その調査を俺達ベルトア軍に任せたらどうだと話しているんだ。お前達の一番の目的は何だ? 海底都市の調査か? レンを倒す事か?」
口調は穏やかではあるが、何処か力強さを感じるヴェイトに、マッドは負けじと視線を向ける。
「そんなん、どっちも大切に決まってるだろ! レンだっていつ襲ってくるか分からねぇし、このまま天変地異を見過ごしてなんかおけるかよ」
「危険な場所に子供が首を突っ込むなと言っているんだ!」
ヴェイトは強めにティーカップを置くと、食器が重なる音が響き渡る。
マッドとティミーはビクッと肩を振るわせ、ウォックは真剣な表情でヴェイトを見据えた。
「良いか。海底都市の海域には凶悪な魔物が沢山いるんだ。陽術が使えようが使えまいがとにかく危険な場所なんだ。それに、もしもの事があったら俺は......!」
ヴェイトは強めの口調で話すと、途中で我に返ったのか、口元を押さえて視線を横に逸らした。
マッドとティミーは不思議そうにしながら、ヴェイトの顔を覗き込む。
「な、何でそんなに怒ってんだよ」
「ご、ごめんなさい、ヴェイトさん......」
「......いや。こちらこそ取り乱してすまなかった」
ヴェイトは立ち上がり、軍服を着ると扉の方へと向かう。
「今日はゆっくり休むと良い。明日のお昼頃、軍本部の入り口に来なさい。門番には俺から話をつける」
「えっ、ちょ、ヴェイト......!」
ヴェイトはそう言い残すと、足早に部屋を出て行ってしまう。
取り残されたマッド、ティミー、ウォックはお互い顔を見合わせた。
「......そんなに、俺達に海底都市に行って欲しくないのかな」
その疑問に答えられる者はこの場に居なく、気不味い空気が流れた。
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こちらでも、Twitterの方でも今後とも宜しくお願いします♫