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廃教会編
5.茶会
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睦が机に突っ伏して、それを佚世が見下ろす。
そのうち脳之輔が起きてきて、そんな状態で微動だにしない二人に首を傾げた。
「おはよう。何やってるの?」
二人ともシャツにネクタイを締め、脳之輔のご飯を食べ始めた。
「朝から睦君が動かなかったんです。何してるのかなって」
「佚世さんかっこいい」
「よかったね」
「君もしや美男美女に目がない人?」
「イツ君が好きな証拠だよ。この子他の人には微塵も興味示さないから」
「やたー」
「先生もトワイライトにいた時は背広着てたんですか?」
「私は医者だからね。常これだよ?」
「先生の背広もかっこいいよー?」
「見たことあるんですか?」
「昔に何回かね」
駄弁る二人にさっさと食わせて、脳之輔は佚世の髪をあける。
この子素がいいから普段は髪いじらないけど、セットしたらもっとかっこよくなる。ほんとに、患者と睦に支障が出るくらいにはかっこよくなる。
「……ほら」
「先生写真撮りましょ」
「睦君やっぱ美男に目がないタイプでしょ? 鏡見といで?」
「先生写真!」
佚世が呼び付けた人が迎えに来てくれるそうで、車が通れる表通りまで出ると、一角に黒の高級車が止まっていた。大人数乗れるやつ。
「二人だけなのに」
「ねー。まぁ小さいからいいけど。睦君車乗ったことある?」
「二回だけ」
「表出てもバスとか乗らないよね」
「先生に襲われるところには行くなって」
「正しいね」
佚世が窓をノックすると扉が開いて、運転手が鏡越しに睦を見た。
「美少年……!」
「相変わらずだね雨々驟さん」
「お久しぶりです佚世様! 管理人と帝翔がとんでもないご迷惑をおかけしたようで……」
「いいよ気にしてない。行こう」
「はい」
前方に向かう運転席と助手席の後ろに入口があって、後部席は三面タイプ。
全席前方向きの五人乗りもあるが、これはもうちょっと乗れるやつ。
大人数になるにつれて後部席が後ろに伸びる。
「乗り物酔いとかする?」
「……しても治るんじゃないですか?」
「永遠にし続けるんよ」
「大丈夫だと思います。気持ち悪さとかもないですし」
「ならよかった。今日ねぇ、天使が睦君含め三人来るんだよ」
「俺他の天使に会ったことないです」
「今は皆幼いからねぇ、多くは睦君と同世代の子達だよ」
「佚世さんは天使の情報分かるんですか?」
「吸血鬼の本能だよ」
「本能欠落してるのに?」
「無欲じゃない」
強欲でもないけどねと言えば、睦はこてんと首を傾げた。
表門に車が停まって、窓辺に頬杖を突いていた佚世が顔をしかめた。
「反省の色なしじゃないの?」
「反省してなくてもその上がいます。少し待ってください」
雨々驟が降りていくと、同時に表門が開いた。
ライムも出てきて、ピステルとスイハの右腕女子二人が、門前に立っていた男二人を中に引きずり込む。
「……誰ですか?」
「運転してくれてたのは雨々驟さん、スイハの副管理人。白髪を引きずったのはピステルの社長秘書のライムさん。待ってたのは私のストーカー共。口効いちゃ駄目だよ、ストーカーに遭うから」
「は、はい」
睦に手を貸して車から降ろすと、雨々驟とライムが出てきた。男をどこに捨ててきたのか、二人だけ。
「お久しぶりでございます佚世様。案内致します」
「久しぶり。二人睦君に近付けないでね」
「もちろんです」
ライムは睦にも会釈をすると、二人を案内した。
大きなホテル、その最上階。
スイハのホテルなので、貸切だ。
特に緊張した様子もない睦を見下ろし、頭に手を置いた。
そこで、あっと思い出す。
「この前ボスと一緒に来た子覚えてる?」
「赤髪の?」
「そう。その子と仲良くしたらいいよ。優しい子だから頼りになる」
「……俺追い返したんですけど」
「大丈夫だよ、気にしない子。手袋付けて」
睦は言われた通り手袋を付け、佚世と共に会場に入った。
睦を壁際に置き、佚世は三組織のトップがいる席に向かった。
ふっと人が開け、三人は机のそばに立った佚世から顔を逸らす。
佚世が机をノックすると、三人も、周りの人間もビクッと震えた。
なんか、異様な存在感だなぁと佚世の後ろ姿を眺めていると、佚世の言っていた薄い赤髪の子が近付いてきた。そばに、緑の髪の小さい男の子も連れている。
「よう。お前佚世のとこのだろ」
「先日は失礼しました」
「別に、ほとんどボスの横暴だったし」
睦と同じ程の背丈の、睦より大人びているその人はそばの小さな子の頭を撫でた。
その子は睦を見ると後ろに隠れ、その人の腕を掴む。
「俺恋弥、トワイライトの二班指揮官」
「睦です」
「別に敬語じゃなくていい。タメだろ?」
「……歳下だと思う。俺十二歳」
「マジかよッ! じゃあ敬語使え!」
「よろしく恋弥」
「敬語ッ!」
二人の仲良さそうな会話が聞こえ、足音も聞こえたので、三人が座る席の周りを歩く。
「別に怒ってるわけじゃないんだよ。でもさぁ。子供たち利用しようとするなら黙って見過ごすつもりはないよね」
トワイライト現ボスの椅子の背もたれに手を置いて、三人を見下ろした。
「手網引けないって言うなら私もやることやるからね」
会場の扉が開いて、全体がざわめいた。
道が開け、二人が一直線に歩いてくる。
「いーっせ! 久しぶりぃ!」
「佚世ッ! ボスに近付くな!」
管理人とボスが顔面真っ青にして、立ち上がると早足でやってきた二人を止めた。
雨々驟がやってきて、管理人と交代する。
「帝翔やめなさいやめなさい貴方天使でも吸血鬼でもないのに死にますよてか殺しますよ迷惑かけるなら」
「野靄君も落ち着いて……!」
二人が二人を押さえている間に、少し遅れてやってきたライムが社長に耳打ちをした。
「……ここ任せたよ」
「はい」
「ちょっと外す」
社長は管理人に声をかけると一人で会場を出ていき、四人の押し問答はともかく、ちょっと佚世の気が落ち着いたので管理人は佚世を席に座らせた。
「久しぶりにちょっと話そう」
「たった数ヶ月では」
「久しぶりだよ。まさか一ヶ月で解雇になるとは私もびっくりしてたから」
「分かりきったことでしょう」
「まぁね」
ライムが雨々驟に指示を聞きながら二人に紅茶を出して、お菓子も用意した。
「見事に喧嘩ふっかけられたんだもの。誘拐とかの方がまだマシだったね」
「社長でしょうね」
「なんでそれはできるくせに廃教会に行くのは止めないんだろうね。シンプルな疑問」
「知りませんけど。いっそ今誘拐してくれとでも思ってるんじゃないですか」
「……私なら殺してでも止めるな」
「是非お願いします」
喧嘩する四人と談笑する二人を眺め、三人の間に流れる沈黙を破ったのは恋弥。
睦が飲む気配のないドリンクをずっと持っているので、気になったらしい。
「お前それ飲まんの?」
「……なんか入ってるんだもん。おおよそ媚薬か睡眠薬だけど」
「物騒。返せば?」
「そのうち誰か近付いてくるかなって」
「釣るなよ」
「うーん……」
これの匂いなのか、また別の匂いなのか。甘ったるい匂いがして鼻の奥の頭が痛くなる。
「……まいいや」
「恋弥さん、部屋出ましょう……?」
「どうした?」
恋弥のそばに隠れていた少年が恋弥の腕を掴んで、恋弥は首を傾げた。
「嫌な匂いがします……」
「匂い? するか?」
「その子天使?」
「あぁ」
それじゃ、仕方ないね。
「別室行くか我慢」
やっぱり、このグラスだけの匂いじゃないよなぁ。
この匂いは、美男を襲うには適さない薬の匂い。
「別室行った方がいい。……飲み物飲んだ?」
「飲んでないけど」
「飲まない方がいいよ」
「……毒か?」
「わりかし厄介な」
睦はグラスに口を付けると、それを少し煽った。風に見せかけて、口に入れず、唇をペロッと舐める。
うん、毒。効かないけどね。
まだ飲み物の残った、というか飲んでいないグラスをボーイに返すと、そのボーイにフルーツジュースもあるよと場所を教えられた。
喉が渇いたので水を持ってきてと言うと、へらへら笑って去っていく。
「……ここって役職持ちばっかりでしょ? 死んだら面倒な人ばっかり?」
「まぁな。死んだら困る重役はんなもんに口付けねぇけど」
「ふーん」
佚世も気付いてるよなぁと思いながら、声かけた方がいいのかなと思いながら、でも誰が死んでも興味なさそうだよなと思いながら。
絨毯を眺めているとボーイが水を持ってきてくれた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
貰った水を確認して、そのボーイがいなくなってから別のボーイに水を返しジュースを貰う。
それをボーイの人数分繰り返して、最後はジュースを返した。
二人はとても不可解そうな顔で見てくる。
「なにやってんの……?」
「何人グループかなって。個人的趣味の範疇の調査」
睦が二人に説明する前に数人が体調不良を訴え始め、倒れる者が現れた。
周囲の人間が倒れ始め、恋弥のそばにいる少年は恋弥にくっ付く。
「……マジか」
中央にいた喧嘩中の四人と、佚世と管理人とライムがバラけ、佚世とボスがこちらに歩いてきた。
「恋弥、なんか飲んだ?」
「なんも」
「睦君は?」
「大丈夫です」
「なんかやってたね」
「二つのグループがいるなって」
「ほう」
佚世が関心を示したところで管理人がやってきて、佚世を呼んだ。
「佚世君! 薬ってなんか作れる!?」
「えー面倒臭い……」
「背広代儲けましょ」
「君の給料についても聞いてみようか」
「俺の給料より先生のフルーツ代を決めましょう?」
「それはほんとにそう。帰って話そう」
「お願いします」
そのうち脳之輔が起きてきて、そんな状態で微動だにしない二人に首を傾げた。
「おはよう。何やってるの?」
二人ともシャツにネクタイを締め、脳之輔のご飯を食べ始めた。
「朝から睦君が動かなかったんです。何してるのかなって」
「佚世さんかっこいい」
「よかったね」
「君もしや美男美女に目がない人?」
「イツ君が好きな証拠だよ。この子他の人には微塵も興味示さないから」
「やたー」
「先生もトワイライトにいた時は背広着てたんですか?」
「私は医者だからね。常これだよ?」
「先生の背広もかっこいいよー?」
「見たことあるんですか?」
「昔に何回かね」
駄弁る二人にさっさと食わせて、脳之輔は佚世の髪をあける。
この子素がいいから普段は髪いじらないけど、セットしたらもっとかっこよくなる。ほんとに、患者と睦に支障が出るくらいにはかっこよくなる。
「……ほら」
「先生写真撮りましょ」
「睦君やっぱ美男に目がないタイプでしょ? 鏡見といで?」
「先生写真!」
佚世が呼び付けた人が迎えに来てくれるそうで、車が通れる表通りまで出ると、一角に黒の高級車が止まっていた。大人数乗れるやつ。
「二人だけなのに」
「ねー。まぁ小さいからいいけど。睦君車乗ったことある?」
「二回だけ」
「表出てもバスとか乗らないよね」
「先生に襲われるところには行くなって」
「正しいね」
佚世が窓をノックすると扉が開いて、運転手が鏡越しに睦を見た。
「美少年……!」
「相変わらずだね雨々驟さん」
「お久しぶりです佚世様! 管理人と帝翔がとんでもないご迷惑をおかけしたようで……」
「いいよ気にしてない。行こう」
「はい」
前方に向かう運転席と助手席の後ろに入口があって、後部席は三面タイプ。
全席前方向きの五人乗りもあるが、これはもうちょっと乗れるやつ。
大人数になるにつれて後部席が後ろに伸びる。
「乗り物酔いとかする?」
「……しても治るんじゃないですか?」
「永遠にし続けるんよ」
「大丈夫だと思います。気持ち悪さとかもないですし」
「ならよかった。今日ねぇ、天使が睦君含め三人来るんだよ」
「俺他の天使に会ったことないです」
「今は皆幼いからねぇ、多くは睦君と同世代の子達だよ」
「佚世さんは天使の情報分かるんですか?」
「吸血鬼の本能だよ」
「本能欠落してるのに?」
「無欲じゃない」
強欲でもないけどねと言えば、睦はこてんと首を傾げた。
表門に車が停まって、窓辺に頬杖を突いていた佚世が顔をしかめた。
「反省の色なしじゃないの?」
「反省してなくてもその上がいます。少し待ってください」
雨々驟が降りていくと、同時に表門が開いた。
ライムも出てきて、ピステルとスイハの右腕女子二人が、門前に立っていた男二人を中に引きずり込む。
「……誰ですか?」
「運転してくれてたのは雨々驟さん、スイハの副管理人。白髪を引きずったのはピステルの社長秘書のライムさん。待ってたのは私のストーカー共。口効いちゃ駄目だよ、ストーカーに遭うから」
「は、はい」
睦に手を貸して車から降ろすと、雨々驟とライムが出てきた。男をどこに捨ててきたのか、二人だけ。
「お久しぶりでございます佚世様。案内致します」
「久しぶり。二人睦君に近付けないでね」
「もちろんです」
ライムは睦にも会釈をすると、二人を案内した。
大きなホテル、その最上階。
スイハのホテルなので、貸切だ。
特に緊張した様子もない睦を見下ろし、頭に手を置いた。
そこで、あっと思い出す。
「この前ボスと一緒に来た子覚えてる?」
「赤髪の?」
「そう。その子と仲良くしたらいいよ。優しい子だから頼りになる」
「……俺追い返したんですけど」
「大丈夫だよ、気にしない子。手袋付けて」
睦は言われた通り手袋を付け、佚世と共に会場に入った。
睦を壁際に置き、佚世は三組織のトップがいる席に向かった。
ふっと人が開け、三人は机のそばに立った佚世から顔を逸らす。
佚世が机をノックすると、三人も、周りの人間もビクッと震えた。
なんか、異様な存在感だなぁと佚世の後ろ姿を眺めていると、佚世の言っていた薄い赤髪の子が近付いてきた。そばに、緑の髪の小さい男の子も連れている。
「よう。お前佚世のとこのだろ」
「先日は失礼しました」
「別に、ほとんどボスの横暴だったし」
睦と同じ程の背丈の、睦より大人びているその人はそばの小さな子の頭を撫でた。
その子は睦を見ると後ろに隠れ、その人の腕を掴む。
「俺恋弥、トワイライトの二班指揮官」
「睦です」
「別に敬語じゃなくていい。タメだろ?」
「……歳下だと思う。俺十二歳」
「マジかよッ! じゃあ敬語使え!」
「よろしく恋弥」
「敬語ッ!」
二人の仲良さそうな会話が聞こえ、足音も聞こえたので、三人が座る席の周りを歩く。
「別に怒ってるわけじゃないんだよ。でもさぁ。子供たち利用しようとするなら黙って見過ごすつもりはないよね」
トワイライト現ボスの椅子の背もたれに手を置いて、三人を見下ろした。
「手網引けないって言うなら私もやることやるからね」
会場の扉が開いて、全体がざわめいた。
道が開け、二人が一直線に歩いてくる。
「いーっせ! 久しぶりぃ!」
「佚世ッ! ボスに近付くな!」
管理人とボスが顔面真っ青にして、立ち上がると早足でやってきた二人を止めた。
雨々驟がやってきて、管理人と交代する。
「帝翔やめなさいやめなさい貴方天使でも吸血鬼でもないのに死にますよてか殺しますよ迷惑かけるなら」
「野靄君も落ち着いて……!」
二人が二人を押さえている間に、少し遅れてやってきたライムが社長に耳打ちをした。
「……ここ任せたよ」
「はい」
「ちょっと外す」
社長は管理人に声をかけると一人で会場を出ていき、四人の押し問答はともかく、ちょっと佚世の気が落ち着いたので管理人は佚世を席に座らせた。
「久しぶりにちょっと話そう」
「たった数ヶ月では」
「久しぶりだよ。まさか一ヶ月で解雇になるとは私もびっくりしてたから」
「分かりきったことでしょう」
「まぁね」
ライムが雨々驟に指示を聞きながら二人に紅茶を出して、お菓子も用意した。
「見事に喧嘩ふっかけられたんだもの。誘拐とかの方がまだマシだったね」
「社長でしょうね」
「なんでそれはできるくせに廃教会に行くのは止めないんだろうね。シンプルな疑問」
「知りませんけど。いっそ今誘拐してくれとでも思ってるんじゃないですか」
「……私なら殺してでも止めるな」
「是非お願いします」
喧嘩する四人と談笑する二人を眺め、三人の間に流れる沈黙を破ったのは恋弥。
睦が飲む気配のないドリンクをずっと持っているので、気になったらしい。
「お前それ飲まんの?」
「……なんか入ってるんだもん。おおよそ媚薬か睡眠薬だけど」
「物騒。返せば?」
「そのうち誰か近付いてくるかなって」
「釣るなよ」
「うーん……」
これの匂いなのか、また別の匂いなのか。甘ったるい匂いがして鼻の奥の頭が痛くなる。
「……まいいや」
「恋弥さん、部屋出ましょう……?」
「どうした?」
恋弥のそばに隠れていた少年が恋弥の腕を掴んで、恋弥は首を傾げた。
「嫌な匂いがします……」
「匂い? するか?」
「その子天使?」
「あぁ」
それじゃ、仕方ないね。
「別室行くか我慢」
やっぱり、このグラスだけの匂いじゃないよなぁ。
この匂いは、美男を襲うには適さない薬の匂い。
「別室行った方がいい。……飲み物飲んだ?」
「飲んでないけど」
「飲まない方がいいよ」
「……毒か?」
「わりかし厄介な」
睦はグラスに口を付けると、それを少し煽った。風に見せかけて、口に入れず、唇をペロッと舐める。
うん、毒。効かないけどね。
まだ飲み物の残った、というか飲んでいないグラスをボーイに返すと、そのボーイにフルーツジュースもあるよと場所を教えられた。
喉が渇いたので水を持ってきてと言うと、へらへら笑って去っていく。
「……ここって役職持ちばっかりでしょ? 死んだら面倒な人ばっかり?」
「まぁな。死んだら困る重役はんなもんに口付けねぇけど」
「ふーん」
佚世も気付いてるよなぁと思いながら、声かけた方がいいのかなと思いながら、でも誰が死んでも興味なさそうだよなと思いながら。
絨毯を眺めているとボーイが水を持ってきてくれた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
貰った水を確認して、そのボーイがいなくなってから別のボーイに水を返しジュースを貰う。
それをボーイの人数分繰り返して、最後はジュースを返した。
二人はとても不可解そうな顔で見てくる。
「なにやってんの……?」
「何人グループかなって。個人的趣味の範疇の調査」
睦が二人に説明する前に数人が体調不良を訴え始め、倒れる者が現れた。
周囲の人間が倒れ始め、恋弥のそばにいる少年は恋弥にくっ付く。
「……マジか」
中央にいた喧嘩中の四人と、佚世と管理人とライムがバラけ、佚世とボスがこちらに歩いてきた。
「恋弥、なんか飲んだ?」
「なんも」
「睦君は?」
「大丈夫です」
「なんかやってたね」
「二つのグループがいるなって」
「ほう」
佚世が関心を示したところで管理人がやってきて、佚世を呼んだ。
「佚世君! 薬ってなんか作れる!?」
「えー面倒臭い……」
「背広代儲けましょ」
「君の給料についても聞いてみようか」
「俺の給料より先生のフルーツ代を決めましょう?」
「それはほんとにそう。帰って話そう」
「お願いします」
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