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人生の変え方
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「人生ってどうしたら変えられると思う?」
ある夏の放課後、いつも通り友人と教室で喋っていると、その友人のなかでも特に仲のいい1人が急に言い出した。
「急に何言い出すんだよ」
僕が苦笑しながら返答をすると、
「いやふと気になってさ」と、その友達は照れたように笑った。
「まぁ、宝くじを当てるとか、ものすごい美人と結婚するとかじゃないかな」
僕はパッと頭に出てきた誰にでも思い浮かびそうな無難な答えを返した。しかし、
「そんなの現実味がないからだめだよ」
と言われてしまった。
お前が聞いてきたから答えてやったのにと、心の中で悪態を吐きつつ、
「じゃあお前は何か現実味があるのを知っているんだろうな」
「いや特に思い浮かぶのはないな…」
「なんだよそれ、人の意見には文句言うくせに」
自分から話を振っておいて何もないなんてと、少し苛立っていると、
「悪い悪い、でも、他人の人生の変え方なら知ってる」
友人は自慢げにそう答えた。
「例えばどんな?」
「うーん、口で説明するのは難しいからちょっと付いてきてくれる?」
友人はおもむろに教室の外に出て行った。
放課後でする事もなかったし、それがどんな物かも気になったので僕は黙ってついて行くことにした。
友人の向かう先はどうやら屋上であるらしい。
しかし屋上で何をするのだろうか。
この学校の屋上には不良がたむろっていたり、誰かが告白で使ったりもしない。
鍵はかけられていないが、特に何もないので昼休みに誰かが弁当を食べているぐらいだろう。
今の時間は放課後から少し時間が経っているので人はいないはずだ。
そんな事を考えているとある事を思い出した。
そう言えばもうすぐ僕の誕生日じゃないか
すっかり忘れていた。
さてはこの友人は、屋上で僕に何かサプライズを用意しているに違いない。
バレたくないからあんな話までして回りくどい事をしていたんだな。
確かにサプライズなんて滅多にされることはないので、僕の人生も少し変わるかもしれない。
しょうがない、もう分かってしまったが驚くフリをしてやろう。
そんな風に思っているといつの間にか屋上についていた。
「こんなところで何をするんだよ」
頭の中で驚く準備をしながら友人に知らないフリをして聞いてみる。
「いや少し話があってさ」
先程までとは違う、少し真面目な雰囲気でそう返してきた。
そんな友人を見て、勝手にサプライズだと思っていたが、まさか告白されるんじゃないだろうなと、少し怖い事を考えてしまった。
「心配しなくてもお前に告白なんてしないよ」
僕の心を読んだかのように友人は笑った。
僕は相当顔に出ていたに違いない。
じゃあサプライズの方かと安堵しつつ、
「それじゃあ話ってなんだよ」
そう聞くと
「さっき人生の変え方の話なんだけど、宝くじを当てたり、美人と結婚したりって言うのは、可能性が低いと思うんだ。でも、俺でもできる事でお前の人生を変えれる方法を見つけたんだよ」
「だからそれは何なんだよ」
さっきからずっと勿体ぶったような態度の友人に少し強めに聞く。
「まぁそんな焦るなよ、まずお前にずっと黙っていたことがあったんだ」
深刻そうな顔で友人は続ける。
「お前って凄いよな、勉強もできて、スポーツもできて、おまけに顔までいいときてる。本当に羨ましいぐらい、嫉妬しちゃうよ。」
「そんな褒めても何もでないぞ」
と冗談混じりに返すと
「いいから少し聞いてくれって、そんなお前に比べて俺は勉強もスポーツもできないし、顔も良いわけじゃない。そんな俺と友達になってくれて、凄く感謝してる」
そう言って握手をしてきた。
「結局お前は何が言いたいわけ?」
結局友人が何をしたいか分からない僕は、友人の話の続きを聞く。
「順風満帆なお前の人生を壊してみたいと思ったんだ」
急にそんな事を言われて頭が真っ白になった。
「俺にみたいに何もない奴がどうしたら誰かの記憶に残るのかを考えてたら一つ思いついたんだ」
「お前は俺と仲良いつもりだったと思うけど、俺は人生勝ち組のお前がずっと嫌いだったよ」
「これでお前一生俺を忘れられないな」
そう言うと友人はゆっくりと屋上から飛び降りた。
数秒後に嫌な音が耳に響く。
高校最後の夏、
一生忘れられない思い出が出来た。
ある夏の放課後、いつも通り友人と教室で喋っていると、その友人のなかでも特に仲のいい1人が急に言い出した。
「急に何言い出すんだよ」
僕が苦笑しながら返答をすると、
「いやふと気になってさ」と、その友達は照れたように笑った。
「まぁ、宝くじを当てるとか、ものすごい美人と結婚するとかじゃないかな」
僕はパッと頭に出てきた誰にでも思い浮かびそうな無難な答えを返した。しかし、
「そんなの現実味がないからだめだよ」
と言われてしまった。
お前が聞いてきたから答えてやったのにと、心の中で悪態を吐きつつ、
「じゃあお前は何か現実味があるのを知っているんだろうな」
「いや特に思い浮かぶのはないな…」
「なんだよそれ、人の意見には文句言うくせに」
自分から話を振っておいて何もないなんてと、少し苛立っていると、
「悪い悪い、でも、他人の人生の変え方なら知ってる」
友人は自慢げにそう答えた。
「例えばどんな?」
「うーん、口で説明するのは難しいからちょっと付いてきてくれる?」
友人はおもむろに教室の外に出て行った。
放課後でする事もなかったし、それがどんな物かも気になったので僕は黙ってついて行くことにした。
友人の向かう先はどうやら屋上であるらしい。
しかし屋上で何をするのだろうか。
この学校の屋上には不良がたむろっていたり、誰かが告白で使ったりもしない。
鍵はかけられていないが、特に何もないので昼休みに誰かが弁当を食べているぐらいだろう。
今の時間は放課後から少し時間が経っているので人はいないはずだ。
そんな事を考えているとある事を思い出した。
そう言えばもうすぐ僕の誕生日じゃないか
すっかり忘れていた。
さてはこの友人は、屋上で僕に何かサプライズを用意しているに違いない。
バレたくないからあんな話までして回りくどい事をしていたんだな。
確かにサプライズなんて滅多にされることはないので、僕の人生も少し変わるかもしれない。
しょうがない、もう分かってしまったが驚くフリをしてやろう。
そんな風に思っているといつの間にか屋上についていた。
「こんなところで何をするんだよ」
頭の中で驚く準備をしながら友人に知らないフリをして聞いてみる。
「いや少し話があってさ」
先程までとは違う、少し真面目な雰囲気でそう返してきた。
そんな友人を見て、勝手にサプライズだと思っていたが、まさか告白されるんじゃないだろうなと、少し怖い事を考えてしまった。
「心配しなくてもお前に告白なんてしないよ」
僕の心を読んだかのように友人は笑った。
僕は相当顔に出ていたに違いない。
じゃあサプライズの方かと安堵しつつ、
「それじゃあ話ってなんだよ」
そう聞くと
「さっき人生の変え方の話なんだけど、宝くじを当てたり、美人と結婚したりって言うのは、可能性が低いと思うんだ。でも、俺でもできる事でお前の人生を変えれる方法を見つけたんだよ」
「だからそれは何なんだよ」
さっきからずっと勿体ぶったような態度の友人に少し強めに聞く。
「まぁそんな焦るなよ、まずお前にずっと黙っていたことがあったんだ」
深刻そうな顔で友人は続ける。
「お前って凄いよな、勉強もできて、スポーツもできて、おまけに顔までいいときてる。本当に羨ましいぐらい、嫉妬しちゃうよ。」
「そんな褒めても何もでないぞ」
と冗談混じりに返すと
「いいから少し聞いてくれって、そんなお前に比べて俺は勉強もスポーツもできないし、顔も良いわけじゃない。そんな俺と友達になってくれて、凄く感謝してる」
そう言って握手をしてきた。
「結局お前は何が言いたいわけ?」
結局友人が何をしたいか分からない僕は、友人の話の続きを聞く。
「順風満帆なお前の人生を壊してみたいと思ったんだ」
急にそんな事を言われて頭が真っ白になった。
「俺にみたいに何もない奴がどうしたら誰かの記憶に残るのかを考えてたら一つ思いついたんだ」
「お前は俺と仲良いつもりだったと思うけど、俺は人生勝ち組のお前がずっと嫌いだったよ」
「これでお前一生俺を忘れられないな」
そう言うと友人はゆっくりと屋上から飛び降りた。
数秒後に嫌な音が耳に響く。
高校最後の夏、
一生忘れられない思い出が出来た。
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