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【第四章 プレイボーイと噂された公爵令息は、年下の王子殿下に溺愛される】
完全敗北
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次の日。俺は陛下から追加で頼まれた仕事を執務室でこなしながら居留守を使い、昔の職場から人を借りて部屋の入口を見張らせていた。いけないことをしている自覚はあった。でも、そうでもしないと落ち着かなくて仕事にならなかったのだ。
「スミス様、フェイ殿下がお越しです」
「いないと言ってくれ」
「そんな……。いいんですか? たぶん、15回目ですよ?」
先日、穴に埋まった時に、たまたま側にいた文官はフランと言うらしく、困った顔でこちらを見ていた。
「騎士団に戻りたいんだろ?」
「うっ……」
フランは心を決めたかのようにうなずくと、ドアを開けた。
「フェイ殿下、申し訳ありません。スミス様は、ご不在……」
フランが全て言い終わる前に、ドアは押し開けられた。フェイ殿下は、息を切らしながら眉を吊り上げている。
「スミス様! なんで居留守を使うんです? 僕に残された時間は、あと1ヵ月も無いんですよ? 僕と真剣に向き合うって、約束してくれたのは──あれは、嘘だったんですか?」
「すまん。仕事に集中したくてな」
そう言いながらも、『フェイ殿下の怒った顔も可愛い』とか、いらない事を考えていた。どうやら、俺は完全に恋に落ちてしまったらしい。
「だったら、正直にそう言えばいいじゃないですか? 何で僕を避ける必要があるんです? そんなに僕のこと嫌いですか?」
「スミス様……」
「フラン、余計な事を喋るんじゃない! フェイ殿下。来ていただいて申し訳ないが、明日にしてくれないか? 仕事が溜まっているのは本当なんだ」
「……」
冷静に話したつもりだった。それなのにフェイ殿下は暗い表情をして俯いていた。どうやら、落ち込ませてしまったようだ──違う、そんな顔をさせたかったわけではない。
「本当にすまない。明日はフェイ殿下の行きたいところに行って、殿下のしたいことをしよう?」
フェイ殿下は、俯いていた顔を上げると微笑んだ。
「本当ですか?」
「本当だ。男に二言はない」
「嬉しいです! 僕、明日どこへ行くか考えてきます」
そう言うと、フェイ殿下は部屋を出ていった。どうやら機嫌は直ったようだ。
「スミス様も大変ですね」
「仕事しろ」
フェイ殿下の機嫌だけでなく、フェイ殿下の笑顔で俺の機嫌も直っていた──俺の完全敗北だった。
「スミス様、フェイ殿下がお越しです」
「いないと言ってくれ」
「そんな……。いいんですか? たぶん、15回目ですよ?」
先日、穴に埋まった時に、たまたま側にいた文官はフランと言うらしく、困った顔でこちらを見ていた。
「騎士団に戻りたいんだろ?」
「うっ……」
フランは心を決めたかのようにうなずくと、ドアを開けた。
「フェイ殿下、申し訳ありません。スミス様は、ご不在……」
フランが全て言い終わる前に、ドアは押し開けられた。フェイ殿下は、息を切らしながら眉を吊り上げている。
「スミス様! なんで居留守を使うんです? 僕に残された時間は、あと1ヵ月も無いんですよ? 僕と真剣に向き合うって、約束してくれたのは──あれは、嘘だったんですか?」
「すまん。仕事に集中したくてな」
そう言いながらも、『フェイ殿下の怒った顔も可愛い』とか、いらない事を考えていた。どうやら、俺は完全に恋に落ちてしまったらしい。
「だったら、正直にそう言えばいいじゃないですか? 何で僕を避ける必要があるんです? そんなに僕のこと嫌いですか?」
「スミス様……」
「フラン、余計な事を喋るんじゃない! フェイ殿下。来ていただいて申し訳ないが、明日にしてくれないか? 仕事が溜まっているのは本当なんだ」
「……」
冷静に話したつもりだった。それなのにフェイ殿下は暗い表情をして俯いていた。どうやら、落ち込ませてしまったようだ──違う、そんな顔をさせたかったわけではない。
「本当にすまない。明日はフェイ殿下の行きたいところに行って、殿下のしたいことをしよう?」
フェイ殿下は、俯いていた顔を上げると微笑んだ。
「本当ですか?」
「本当だ。男に二言はない」
「嬉しいです! 僕、明日どこへ行くか考えてきます」
そう言うと、フェイ殿下は部屋を出ていった。どうやら機嫌は直ったようだ。
「スミス様も大変ですね」
「仕事しろ」
フェイ殿下の機嫌だけでなく、フェイ殿下の笑顔で俺の機嫌も直っていた──俺の完全敗北だった。
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