婚約破棄したくない王子様は護衛騎士を溺愛する

Matcha45

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訓練

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 次の日の朝。騎士団の朝練に顔を出すと、しばらくして団長が笑顔でこちらへやって来るのが見えた。

「よぉ、ジョゼフ。お前、朝練に毎日来てるのか。偉いな」

「‥‥‥」

 私は何でこちらに来たのか察すると、相手にせずトレーニングに没頭した。

「昨日、殿下とデートしたんだってな。楽しかったか?」

「ええ、まあ‥‥‥。それなりに」

「どうだ? 婚約はうまく行きそうか?」

「まだ分かりません。あまり話す機会もなくて‥‥‥。いい人だっていうのは分かるのですが、恋愛対象となると──弟のような気もしてくるし、よく分からないのです」

 それに王族としての責務とか考えると、余計に分からなくなってくる。今のところ、仕事が忙しすぎて臣籍降下の話は出ていないらしいし、もし仮に結婚しても、しばらくは王族として城で過ごさなければならないだろう。

「そんなこと言ってると、1ヶ月なんてあっという間なんだから、気づいたら外堀埋められて結婚してました──なんてことになりかねないぞ?」

「うっ‥‥‥」

(ぐうの音も出ません。団長、その通りです。今、まさに──そうなりそうなんです)

 そうは言っても、今の状況はどうしようもないなと思っていた。

「ジョゼフ、お前の気持ちはどうなんだ? 殿下は、お前の気持ちを優先するって言ったんだろ? 自分で考えなきゃ、殿下に失礼だぞ」

 そうだ。殿下は私に好意を寄せてくれている‥‥‥。それを、私が断れないからって受け入れたって殿下は喜ばないに違いない。じゃなきゃ、「断ってもいい」なんて言うはずないんだから。

「団長、ありがとうございます。もっと、自分の気持ちを考えてみます。自分を大切にするって事は、相手を大切にするって事にもなりますよね、きっと」

「おうよ」

 私は訓練メニューをひと通りこなすと、護衛チームに合流するために、再び城へ向かったのだった。


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