伯爵令息になった第8王子は、魔族の次期領主に溺愛される/王太子殿下は、恋を知らない伯爵令息を溺愛する

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王太子殿下は、恋を知らない伯爵令息を溺愛する

王太子殿下の婚約者※※

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 ミハエル王太子殿下には、3歳年上の婚約者がいる。もちろん、神託の相手だ。

 神託が降りて、ミハエル王太子殿下の婚約者であることが確定した瞬間、お相手の男爵令息であるソルトレーク様は、ミハエル様以外に対して尊大な態度を取るようになった。

 服装は派手になり、金遣いは荒く、お金が無くなると王家に金をせびっては散財していた。高価な洋服はもちろん、宝石や靴にバッグと──これでもかと言うほど買い物をしては、憂さ晴らしをしている様だった。

 国の財政が傾きかけて、ミハエル様の父親である国王は悩みながらも、婚約を一時的に解消した。神託がなければ、とっくに婚約破棄されているところだろう。

 一方、ミハエル様は神託が降りなかった公爵令嬢や、私と同じで婚約者を流行病で亡くしてしまった侯爵令息に迫られて、媚薬を盛られたりしていた。そのせいかは分からないが、殿下はオメガ性や女性が苦手だった。

 私を気に入ってくれるのは構わないが──正直、意味が分からない。『素朴な感じに惹かれたのかもしれない』などと、訳が分からない事を、客人がいる目の前で考えていた。

「なぁ、茶も出してくれないのか?」

「王太子殿下は、今夜はお戻りになりません。ですので、お待ちいただいても……」

「本当は、別の部屋にいるんだろ? お前の部屋に上がり込んでるのか? お前が王太子殿下のお気に入りって事は、つかんでるんだぜ。本当は居るのに、しらを切るつもりだな?」

「ソルトレーク様。どうか、ご容赦ください。私は殿下から、『領地へ視察に行くから戻らない』としか、聞いておりません。それ以上の事を聞かれましても……」

 ミハエル様の婚約者である、男爵令息のソルトレーク様は、テーブルの上に置いていた小瓶を掴むと、手に持ったままの状態でテーブルの上を叩いていた。

「いい加減にしろ!! お前ら、できてるんだろ? 肩透かしを食らった婚約者を見て、『いい気味』とか言って、陰で笑うつもりだな。馬鹿にするのも大概にしろ!!」

 ソルトレーク様は、顔を真っ赤にして怒ると、瓶の蓋を開けて私の顎をつかんだ。瓶の中身を私の口の中へ流し込むように押し込むと、嚥下するように私の口を押さえていた。

「んっ……」

「全部、飲めよ」

「……げほっ、げほっ」

「即効性のある媚薬だよ。お前は、今日ここで朽ち果てるんだ。戻ってきたミハエル様が見たら、さぞかし驚くだろうな」

「なんで……」

 なぜ、そんな無意味なことをするのだろう──ミハエル様は、私が居なくても大丈夫なハズだ。私の変わり果てた姿を見たら、気に病むかもしれないが、それだけだ。私は一介の従者に過ぎない。

「そのままの状態で居続ければ、気が触れておかしくなるぞ。今夜が峠だろうな。あばよ、ミハエル様のお気に入り」

 ソルトレーク様は、小瓶をポケットへ入れると部屋から出ていった。

 ソルトレーク様が去って、扉が閉まると身体が燃えるように熱くなっていった。ソルトレーク様の言うとおり、私はこのまま死ぬのだろうか──私が死んだら、ミハエル様は少しは悲しんでくれるだろうか。

(私は、死ぬのか?)

 意識が朦朧としてきて床へ倒れ込むと、目の前がぼやけてきた。

 不意に胸元にあるペンダントが光っているのが見えた。侍従として働くようになって1年経った時に、王太子殿下から初めて貰ったプレゼントだった。

「これを、私の代わりだと思って大切にして欲しい」

 今、思えば不思議な言葉だった。けれど、その時の私は『殿下がいない日も、これを見て頑張ればいいのか』などと、考えていた。

 私はミハエル様を思い出しながら、ペンダントを握った。

(ミハエル様、助けて……)

 すると、握ったペンダントから光が溢れて、目の前にミハエル様が突如として現れた。

(もしかして、幻覚を見ているのか?)

「エリック、大丈夫か?」

「最期にミハエル様に会えて良かったです」

「何を言ってるんだ? ちっ、媚薬か──アイツめ、本当にエリックをるつもりだったな」

「……」

「もういい。エリック、何も考えるな。感じてろ」

 ミハエル様は、私を抱きしめると私の黒髪を撫でていた。しばらくして気がつくと、私はベッドの上にいた。いつの間にか裸になっていた私を、ミハエル様は青い瞳で見つめていた。

「みっ、はえ……」

「大丈夫だ。苦しくないよ」

 ミハエル様に再び頭を撫でられた私は、涙を流していた。何故、自分が泣いているのかは分からなかったが、ミハエル様は悔しそうな顔をすると、私にキスをした。

「はじめてが、これなんて……。今日のは、カウントしないからな」

 どうやら、ミハエル様は私と繋がるつもりでいるらしい。そんな事、させる訳にはいかない──そう思った私は、首を横に振った。

「今日の事も忘れないって事? 分かった。なるべく優しくするよ」

 ミハエル様は何に納得したのか、私の竿を掴むと、自身の竿と一緒に手のひらで包み込むように持って、上下に扱いていった。

「あ、ああああっ……」

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