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第一章 出会いと別れ
5 彼という存在。 ※
しおりを挟む「あの、ね……今、ふと思ったんだけど、ベルさんってイベリス教の人?」
イベリス教。世界の人口でたったの1%しか存在しないと言われている宗教。罪の償いをするには、常に誰かを助ける心を持つ事。無償の愛を与える事。
そして……、
「言い伝えで、魔気を感じる人は自分にとって、運命の人だって信じてる……とか」
そう呟くと、何だか言いづらそうだったベルが漸く口を開いた。
「よく知ってるな。運命の人は神からの贈り物なのさ」
神からの贈り物。そしてその贈り物を狙う奴等は絶対に許さない。だから殺して、神様への返礼として他人の命を返すと……ベルの行動はこれに繋がっていたんだ。
「昔、本で読んだことがあって」
「それさえ分かってれば、もう抵抗するまでもないよなぁ」
「あ、ありますよ! 私にだって人権はありますっ!」
互いに、じっと見つめ合って睨む。譲らない精神が燃え上がっているみたい。
「……」
「では続きを……」
「やだ」
つーん。
「なっ!? 納得してもらえないからって、子供みたいですよ!」
「じゃあもっとこっち来て」
とんとん、とベルは自分の膝を叩く。
「嫌です……」
「なら何も話すことは無い」
「も、もう! 分かりましたよ……! ちょっとだけ」
私はベルの膝にのし上がり、少し距離を保つ。はずだったのに、ぐっと腰を寄せられて胸の中に。
「ひっ……!?」
「グロキシニア城を出て、森の奥にカルミアの森があるのは知ってるか?」
この状況で話が進むの……!?
彼の鼓動が間近に感じる。一定の速さだったのが直ぐ様に高鳴ったのが分かる。
「っいえ……! 私はこの城から出たことがありませんので、分かりません……。でも、この城の入り口は木に囲まれていて、森に繋がってたのでしょうか?」
「その通り、この城は森に囲まれてるからな。ま、その森の奥に俺の住処があったんだ。……今はもう無いけど」
その話が本当であれば、ベルはグロキシニアの住民では無いということ?
私は健気に、彼の胸の中に埋まりながら話を聞いていた。離れなきゃという気持ちもあるけれど、何故か心地良く感じてしまっている自分が居た。
恥ずかしい。恥ずかしい、恥ずかしい!! でも、生暖かくて甘い肌の匂いがしてくる……。
「カルミア盗賊団、元代理団長は俺。んで、親父がトップだった。……少数でやってたけど……、はぁ、親父がシレネのせいで性狂いになって死んでから、数年後に盗賊団は崩壊した。俺もガキだったし……ん……今から十四年前なら……はぁ……まだ俺は十二だった……か?」
段々と、ベルの息が荒くなってきた。
どうしたんだろう? 体中の熱が上がっているように感じる。そして、私の股に何か硬いものが当たっているような。
「あの、大丈夫ですか――あっ!」
「やっぱりお前の体はおかしい。匂いを嗅いでるだけで狂いそうだ。ほんとにお前は、シレネの情報と当てはまってるところが多すぎる。話はまた後でで……いいかな?」
ごめん、と一言添えてからベルは私の唇を覆うように被せてくる。彼の舌がヌルヌルと差し込まれた。
「んっ……んんぅ……」
最初のキスよりも優しく包み込んでくれるような感触。ベルの舌が熱いような気がして、溶けそう……。駄目だと離れようとしても力が強くて離れられない。
唇が離れると、ベルはゆっくりと瞼を開けた。強気な表情もなくなり、トロンと眠そうな表情をしている。
ホントに、私で気持ち良くなってくれている……?
私は未だに、そのシレネの話がおとぎ話のように感じていて確信が持てていなかった。今までこんな体験を味わったことがなかったし、私の体はどうなっているんだろう?
「やっぱり、甘い」
「あの、無理されないほうが。本当に私が例の娘であるのなら、貴方が壊れてしまいます。ここで私と一緒に死んでしまうかも―――」
「それも本望かもしれない……」
ベルは私の髪を愛おしげに撫でた。
ここで私が暴れれば、兵士が来て助けてくれるだろうか? そうすれば、彼の為にもなれる?
「ねえ、兵士を呼びましょう……! このままじゃ危ないです」
「待って。……今は、俺の言うことを聞いてくれ」
「えっ」
私を押し倒し、ベッドに横たわった私の胸に触れる。彼の手に丁度良く収まった右胸は、指先でゆっくりと円をかくように弄ばれる。膨らみかけた真ん中を布上でツンっと弾いて、親指と人差し指で摘む。
――――変な感じ……。よく分からない。けど、嫌じゃない……。
私の服をたくし上げ、赤裸々になった胸を貪りつくように吸い付いてきた。胸の中心にピリピリとした電流のようなものが走る。
「あ……! はぁっ……」
甘噛み……。舌でコロコロと転がしてる。右胸は指で遊ばれている。
何故だろう。これがいけない事とは思えない自分がいる。
これで彼が満足してくれれば、無事に終われるのかもと期待しているところもあった。
「んっ……本当にいいのでしょうか……?」
頭が混乱してる。刺激のせいかワケが分からなくなってきた。
「あぅっ……! 痛い……」
「ん……強くし過ぎた? わり。すげえ可愛くて……」
甘噛みが強くて、つい。けれど刺激が強くても後に優しく扱ってくれるのなら、有りなのかも……。どこまでが許容範囲だろう。今はもう、気持ちよくてしょうがなくて。
子宮のあたりが、じんっと熱くなってきてる気がする。きゅん、きゅんって、呼吸をするように反応してる。息もしづらくて……。
「あの……熱いです……。下が、その……」
「……ここ?」
そうやって、余裕は無さそうだけれど見下すような笑みが、私の鼓動を更に加速させた。彼の頬から伝った一滴の汗が、私の胸に落ちる。
お互いの息が荒くなればなるほど、一定の時間しか来ない兵士が、もしかしたら声を聞いて駆けつけてくるんじゃないかと思ってしまう。
こんな姿を、見られてしまったら……。
「―――えっ!?」
私の胸から腹を伝い、ベルの指が陰部へと滑り込んできた。
つぷっ……と液の音が私の耳に……。
「あっ…あっあっ……!」
指が段々と奥へ奥へと入り込んでいく。最初は痛いと思っていたけれど、後はすんなりと入ってきてる。中をこじ開けられている感覚に脳が麻痺しそう。
「指が熱い……。お前ん中、すっげえ柔らかいのな……。よくこんな体して、誰も寄ってこなかったな」
言い終えた直後に、指をグッと奥へ押し込まれた。まるでスイッチを押されたかのように、子宮から腹にかけて電流が流れ込んでくるようだった。
足の付け根辺りに、ベルの硬いモノが押し当てられてる気がする。
もし、これが中に入ったら……? いやいや入らないはず……指だけでも十分きついもの!
でも、ズボン越しから見て分かるほどの形ができていて、ふっくらとしてる……。
「んっ、そういや名前は、キラで合ってるか……?」
「どうして、それを……?」
「はっ、やっぱりか」
上下に擦られると、くちゅ、くちゅ、と音が。
やっぱりか、って何? ベルはどこで私の名を知ったの……?
「この音、やだ……。もしも兵士に、バレたら、どうすれば」
「んっ……」
はぁ、はぁ、と呼吸を整えようにもうまくいかなくて。ベルに身を委ねてしまいたくなる。もう、気持ちよくて、ずっとこのままでいたくて。
「エッロ……すげえ、溢れてきた。何? もしかして見られたいとかある?」
「違っ……! あっ」
「そういう趣味なら手伝うけど?」
「違います! ベルさん……私、私……! ベルさんの指、気持ちよくて……変かも……あっ!!」
ビクンッと腰が浮く。止まらない。何度も何度も弾けて。おかしくなってくる。凄い……電流が漏れるかのように、
「あっあっあぁあっ! やぁ……! ごめん、なさ、んっ……好き、です……あっ、好きっ……」
抑えきれなかった。ビクッビクッと合わせて「好き」って漏れちゃって、私は一体何を言ってるんだろう……。こんなの、彼に見られたら流石に彼も……。
「もう、イッちゃったの? 可愛い。もっと好きになっちゃいそう……」
虚ろな視界に見えたのは、彼が私の中から指を出して、丁寧に舐め取ってから自分のズボンに手を付けたところだった。
彼の、先が赤く染まって、今にもはち切れそうな物が私の視界を覆うかのように現れた。
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