【R18】蜜を求める牢獄

ロマネスコ葵

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第一章 出会いと別れ

13 浮気セックスなんかじゃない。 ※

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「ふ。駄目じゃないか。下級は下級らしく人に従わなきゃ」
「る、ルーツ様、でも、でも……私……あっ!!」

 ずぷり……と奥に当たったその時、ガクンと腰が浮かび上がった。その反動でまたしても、奥へと突き当たる。

「はぁ……あっ……! たす、けて……やだぁ……!」
「いつの間にそんなワガママ娘になっちゃったの? ほら、ちゃんと腰動かして」

 ルーツが指を上下に軽く動かすと、私はその通りに腰を動かした。
 視界がぼやけて、涙がこみ上げてくる。ベルさん、ごめんなさい、ごめんなさい。そんな気持ちとは裏腹に、私は気持ちよさで溺れそうになっている。

「ぐす、ぐすっ……ひくっ……ごめんなさい……うっ」

 ベルとルーツは違う。こんなの別人だ。彼からは優しさも感じられないし、ずっと私を自分の魔力で操ってる。ベルは、違う。こんな事、しない、はず……。
 ベルは本気で私を求めてくれたから、愛してくれるから私はベルに体を許したんだ。今はそう信じることだけしか、精神を保てそうにない。

「もう……兄さんのことばっかり考えてそう。頂けないなぁ。
「あっ……!」

 ルーツ様は、青髪だしヒョロっとしてるけれど、どこか頭がキレそうな感じで、ベルと少し似――

「あっ、あっあっ! んっ……ルーツ様……」

 膣がキュンキュン反応する度に、鼓動も早くなっていって。
 ベルとは――あれ? 今、何を考えてた……?
 ルーツの右手が私の胸に。左手は私の腰を擦るように押さえている。
 彼の余裕な表情は誰かを思い出させるよう。

「ルーツ様……っごめんなさっ……ワガママになって、ごめんなさいっ! ひっ! んっ」
「反省してるならいいよ。そしたら、これからは
「はっ…、ひっ! 約束、あっ、しまっ――あっ、待っ……! イッく、イッちゃうう……!」
「なーんてね、僕の魔力は一時的なんだよなぁ。ああ、もうイッちゃうの? しょうがないなぁ……僕も少しは働くかぁ」

 挿入したまま、私を抱きかかえてテーブルへと押し倒す。すると勢いよく、肉棒を入り口から奥へと何度も打ち付けてきた。
 ぱちゅ、ぱちゅん……と部屋に響き渡る。そしてキスを落とし、舌を絡めることで更に絶頂の波が押し寄せてきた。

「はうっ! あっイクっイクイクイクっ……!! んっんううっ! ふあっ……!!」
「ぷはっ……あーーこりゃ兄さんも癖になっちゃうよなぁ。麻薬に包まれながら、締めつけられるなんて。んっ……ねえ、浮気セックス気持ちいい?」

 腰が弾けば、ルーツのが奥へキュンキュン当たる。すると、グッと更に奥へこじ開けるように差し込んできた。

「ひゃっあっ……!」
「……うっ……出すよ? いっぱい受け止めて?」
「あっあっ……! ルーツ様のでいっぱいに……んっううっ」

 ドク、ドク……膣内なかで何かが飛び散って垂れ流された感覚。そして濃厚なキスが暫く続いた。
 

***

 ぐったり……。

 ふらつきながらも、なんとか自分の居場所へ帰してもらった。
 また、内緒でエッチしようね。と、満足気だったルーツの表情が記憶に貼りついている。

 帰る前にも念の為シャワーを借りた。まだその時は頭がぼーっとしてて、ずっと『ルーツ様……ルーツ様………』脳内再生を繰り返しつつ汗を流しながら、ハッとなって自分が今どういう状況にいるのか正気に戻れた。急いで膣をできる範囲で洗浄した。
 それから部屋に戻り、ベッドに横たわって背を向けながら、落ち着きを取り戻すように目を瞑っている。
 ベルはまだ帰ってきていない。

 今は、昼? もう、夕方?
 扉前に、確か朝食と昼食が床に置かれたままだった。

 ぐす……鼻呼吸ができないくらい溜まってる。
 私、もしもベルと結婚できたらアレもついて来ちゃうのかな……。
 
「おーーい。寝てんの?」
「わっ!」

 後ろを振り向くと、そこにはベルが肘をついて両頬に手を添えていた。
 きょとんとした表情で、私の事をじっと見ている。

「ベル、さ、ん。いつの間に……。兵士は……?」
「とっくに出てったけど?」
「そんな。全く、聞こえなかったです……」

 耳でも治療してもらうか? と、ヘラヘラした問いに何も返すことができなかった。
 ただ、ただ、彼が異常なく元気そうにしている姿を見て安堵していた。
 けれど、胸の辺りがムズムズしていて、手で覆うにも効果がなく……。

「あの……ベルさん。その、ぎゅってしてもらえませんか?」

 起き上がり、腕を開く。

「……どうした?」

 ベルは何の抵抗もなく、抱きしめてくれた。
 罪悪感が残りつつも、私のモヤモヤが浄化されていくようだった。
 嗚呼、私が今、求めていたのは紛れもなくこれだ。
 ルーツの所為で不信感を残しつつも、今はただこの時間ときをかみ締めていたい。

「ベル、さん……少しお伺いしたい事が……」
「何を急に」
「兵士が、仰ってました。貴方は大山猫リンクスの血が流れているって」
「なっ……!」

 ベルの力強い腕が、次第に弱くなっていった。
 ああ、やはり。こればかりは察すことができた。

「やっぱり、そうだったんですね。……もしかして……リンクスの魔力を補強する為に、私は利用されているという事なのでしょうか?」

 数秒の沈黙。
 すると、ベルは溜息をついてから、

「仮に、そうだとしたら?」

 と、あっさりとした口調で答えた。
 
「……っそしたら! その呪いを強化して、何に利用するのでしょう? 他の女性を操ったり、それこそリベラさんとか。リベラさんは綺麗だし、ベルさんの元に置いときたくなりますよね……」

 はっ……私とした事が。自分がルーツにやられた事を、ベルもするんじゃないかって疑ってる。……恥ずかしい。なのにベルは余裕そう、私の首筋に鼻を当ててるし……。

「うーーーーん……」

 胸が高鳴る。うーん、の次に、何を言われるのか怖くて。

「有り得ないな。キラは俺の運命の人、それ以外の何者でもない。つーか、最後の何だよ? 嫉妬?」

「あっ……」
「嫉妬するなんて良いご身分になったな」

 可愛い可愛い、と頭を撫でられる。複雑な気分……。

「つーか、兵士って、誰? 誰が、俺はリンクスの血を持ってるって言ったの?」

 こればっかりは答えてもらおうか、と、私の肩を押し距離を空けて、ベルは赤い目を見開かせた。魔力のせいか、ベルの髪がゆっくりと重力に逆らうように、毛先の内側だけがゆっくりと浮かび上がっていった。
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