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第ニ章 もう一人のヒーロー。
28 尽くしてくれる人。 ※
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ルーツの望み……。
考えられるのは何だろう……。
私にこれ以上、出来ることがあるのかな。
どうしよう。私はさっきから意のままに発言して、ルーツの気を悪くさせている。でもこうするしかなかったと私自身は思ってる。だって、このままベルがいなくなったら嫌だから。
ルーツは扉を閉めて、私を手放し赤いソファの方へと向かった。
「急な話だけど、上官からの司令で明日にグロキシニア城と西方領土に挟まれている、封印の門を解きに行く予定なんだ」
ソファに向かいながら話を止めずに、淡々と語る。
私はその場から離れず扉に背を向けながら、口を開く。
「封印の門?」
「それが解ければ領土に入り放題になるのさ。君にはそれを解いてもらおうと思う」
得意気な顔でソファに腰掛けながらルーツはそう告げた。
「っえ……!? 私が!?」
「これで証明にもなるでしょ? 今は亡きグロキシニア城の大魔導師、ゼノン・オーガスティンの血を引くシレネの娘が君であるのならば、封印は必ず解けるはず」
「ゼノ――で、でも、魔力なんて使った事もないし。ましてや生まれてこの方、私自身に魔力がある事すら知らなかったのです。そんな私に封印を解けるとは……」
「それは問題ない。封印を解く詠唱法があるから君はそれを詠めばいいだけだ。門の封印を解くには魔量がある人物である事が第一なんだから」
ゼノン・オーガスティン。初めて大魔導師の名を聞いた。
そう簡単にいくものなのかな……。不安が入り交じるばかり。
でも、ここで肯定しないと、ベルが死んでしまうかもしれない。その門を解いたら今後、国はどうなっていくんだろう。大事になるだろうというのは目に見えてる。
国を選ぶか、ベルを選ぶか……。
「その門を解いたら、ベルと会わせてくれる……?」
「……約束するよ」
ルーツは肩をすくめる。これでも不服そう。一体、何に対して不平を感じているのか。私には分からない……。
とにかくその門を解けられれば、真相も全部分かる。リベラの事も、私に対する気持ちの事も。
本人に少しでも会わせてくれれば。
「分かりました。私、やります! でも、もし封印が解けなかったら?」
「そしたら、別の方法を探すしかないけど……」
「どんな事でも、私ができる事であればやります……! だから、教えてください……!!」
私がルーツの足元の床に両膝をついて跪く。祈るように、両手で願いを込めながら。
「というか、なんでそこまでして、兄さんに執着するんだ? アイツだって目的は君の魔力でしょ」
ルーツは気に入らないような目つきのまま頬杖をしながら足組みをし始め、私を見下ろしている。
「えと……きっとそれだけじゃないって、期待してる自分がいるんです。だって……私の人生で初めて私の為に動いて、尽くしてくれた人だから」
黒髪で、赤目で、第一印象は怖いでしかなかったけれど。
下級である私を必要としてくれていて、特別のように扱ってくれる……それだけで、今までの人生なんてひっくり返るくらい嬉しい。
そして、何より出会う前から私に思いを寄せてくれていた事。
でも、あの映像を見てから、それも全部利用する為かもしれない。けれど、そう思えない自分がどこかに居て……。
「ふーーん」
「……ルーツ?」
そんな事で納得なんてするわけがない、表情さえ一切変わることはなかった。分かっていた話ではある。
この問いにルーツの理想の答えなんて、無いと思う……。
どうしたら、少しでも気を良くしてくれるかな。
腫れ物を扱うように、私は足を組んでいるルーツの膝に恐る恐る両手を添えた。
「あ、ごめんなさい……! やっぱり、怒ってる? もし私の態度で気を悪くさせてしまったら許し」
「……何故そこで謝る?」
「えっ……何故って」
「僕の気を悪くさせたら、兄さんの件が前言撤回されると思ったから? ははっ! 下心が見えみえなんだよなぁ」
私、なんて事を言ってしまったんだろう。嘲笑するルーツに恐怖を感じる。
「あ……! 違う……そういうわけじゃ」
「そういう事でしょ? はぁ……心が痛むな。ねえねえ、一番は誰なの?」
「いち、一番、は……」
一、一番、一番、一番は、ベル……べ……? ル? ルーツ、ルーツ様。
アタ、頭が頭が、まわ、回る、回る。ルーツ様が一番、ルーツ様が一番。
彼しかいない。彼しか彼しか彼だけしかいないいないイナイイナイ
***
「ごめ、あんっ! ごめんなさい、ごめんなさい。ルーツ様、んっ……ごめんなさいぃ……!」
ベッドで二人きり。もう何度と達したか……? ルーツ様は横になって私はその上を跨いで何度も彼のを自分の奥に押し付けてる。
「んっ……はっ……ちゃんと、動いて? 止まるの禁止」
「んぅ、意地悪です……!! また、イッちゃうぅ……イッちゃう」
頭が真っ白。髪も顔もグチャグチャで、汗、涙どころか鼻から粘液まで垂れてる気がする。
そんな中でも、まだ余裕がありそうな平然としたルーツ様が、好きで好きで堪らなかった。
「ルーツ様、好き、好き……イッ、く……んっ」
ぐちゅ、ぐちゅ。ルーツ様の真っ白な蜜が私のと入り交ざってる。私ばっかり気持ちよくなって、このままじゃルーツ様に申し訳なくて……!
「あああっ!! あっ……あっ……!!」
膝が崩れて、もっともっと奥まで挿し込まれてしまっている気がする。子宮から、頭まで、震え、が、治まらない。
「止めちゃ駄目だって」
「む……りっ……無理ぃ……!」
「だからぁ、駄目だってば」
「んあっっ!!」
「僕が動けって言うのかい? ねえ……生意気な、君の為に!」
一言、二言、言い終える度に下から上へと突き上げられる。それと共に中にたっぷり詰まった溢れ出そうな蜜の音が響く。
「ごめ……ごめんなひゃ……あっあっあぁ……!!」
「ごめんなさいって何が?」
「悪い子で、あっ……ああっ……!! ごめ、ほへんなひゃ……」
「悪い事したのに、こんなご褒美貰えちゃうなんて贅沢だよねぇ」
「ひゃ……っい……ルーツ様、世界で、んっ、一番、やさし……優しい……こんな、私の為にっんっ……私の為にぃ、ありがと、ございま、すっ……!!」
ルーツ様、私の為に……動いて、尽くしてくれる人……。
下級である私なんかに、こんなにも特別に扱ってくれる。
腕も脚も力が入らなくて、ずっとルーツ様の胸にしがみついてる。
首筋から香る、石鹸と汗が混じった甘い香り。そして生ぬるい温もり。
何もかも、全てを忘れさせてくれる人……。
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