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ぶらり旅編
ライセンスカード
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次の日は夜が明けると同時に目が覚めた。
身体の節々が痛い。
「使ってみるか…『リフレッシュ』」
身体が淡く光る。
「おお。身体の痛みが無くなった。スゴイな、魔法」
この時は知らなかった。
『無詠唱』で魔法を使うことがどれだけ凄いのかを。
「ついでに身体もサッパリしておくか…『クリーン』――うおっ!」
魔法を口にすると身体全体を泡が包み込んでいく。
やがて泡は俺の『内側』にも浸透したように感じた。
泡が完全に消えると身も心も綺麗になったような感覚があった。
「身体だけじゃなく服も洗い上がりのようにきれいになっている。
ほのかに良い匂いもする。
それに…口の中もサッパリしているなぁ。
クリーン…この魔法は使えるな。
「だけど、服まで綺麗になっているってことはもしかして……」
俺はイメージする。
クリーンをこの部屋全体にかけるイメージだ。
「クリーン。おおっ!」
思った通り、今度は部屋全体が泡まみれになる。
そして泡が消えると部屋が新築のように綺麗になった。
「これは凄いな。魔法って本当に便利だ」
いざ使えるとなるとその便利さからは抜けられそうにないと思う俺だった。
「さあ、朝食を食べに行くか」
朝食は野菜スープに焼き魚とパンだ。
野菜スープには胡椒、焼き魚には醤油を垂らして食べる。
うん。普通に美味くなった。
少し食休みをして冒険者協会へと行く。
冒険者協会と言ってはいるが旅人全般を指している。
つまり、町を離れる者のための身分証として『ライセンスカード』を発行している。
これがあればどの町にもすんなり入れる。
ライセンスカードの偽造は出来ないので本人以外が使おうとするとカードが自動的に停止する仕様。
また、冒険者のために『依頼書』を張りだしたり、買取業務や魔物や動物の解体など行ってくれる。
その他にも商人が安全に商売できるように場所の提供や仕入れ先への紹介などもしてくれる。
さらに旅人用に金額によりけりだが乗合馬車や宿泊の手配などもしてくれる。
ライセンスカードは地球的な馴染みで言うとクレジットカードの役割もあるので、年間費としての銀貨10枚はそこから引き落とされるようになっている。
冒険者協会の有料物や買取、解体費、協会を通しての依頼などには徴収料が含まれていてそれによって冒険者協会の運営がなされているのだ。
「それではカード発行のためにこの水晶球に掌をお乗せください」
「こうですか?」
「はい。そのまま少しお待ちください」
暫くすると水晶が淡い青色に発光する。
「犯罪歴はありませんね。このままカード登録を行います」
「犯罪歴があるとどうなるんですか?」
「赤く発光するんですよ。犯罪行為をしているとカードの発行はできませんので」
「なるほど」
これも魔法の一種何だろう。やっぱり魔法は凄いな。
発光が消えると受付嬢がカードを差し出した。
◆◆◇◆◆◇◆◆
ライセンスカラー:ホワイト
タクマ・コウサカ ランク:G
カード預金額:0マエル
コレルエンド冒険者協会:発行
◆◆◇◆◆◇◆◆
簡素な内容のカードだな。
ライセンスが上がると色が変わるようになっていて、白から始まり紫、緑、黄色、青、赤、銀、金、黒となっている。
ライセンスが上がると受けられるサービスが増える。
ライセンスの上げ方は依頼達成率や商売の売り上げ達成率、新規商品の貢献率などで上げることができる。
ランクは決められた達成数をクリアすることで上げることができ、ランクを上げることで難しい依頼を受注できるようになる。
ランクがA以上になると指名依頼をされるようになり『冒険王』の称号を貰えるという。
カード預金額の『マエル』とは世界共通貨幣であり、1マエルは日本で言うところの1円である。
預金は『冒険者協会』でならどこでもでき、また預金から金貨などに両替してもらえる。
俺はライセンスカードの発行料を払い冒険者協会を後にする。
「それじゃあ、レベル上げも兼ねて戦闘練習と行きますか」
けっして避けては通れないモンスターとの戦いに覚悟を決めた俺だった。
身体の節々が痛い。
「使ってみるか…『リフレッシュ』」
身体が淡く光る。
「おお。身体の痛みが無くなった。スゴイな、魔法」
この時は知らなかった。
『無詠唱』で魔法を使うことがどれだけ凄いのかを。
「ついでに身体もサッパリしておくか…『クリーン』――うおっ!」
魔法を口にすると身体全体を泡が包み込んでいく。
やがて泡は俺の『内側』にも浸透したように感じた。
泡が完全に消えると身も心も綺麗になったような感覚があった。
「身体だけじゃなく服も洗い上がりのようにきれいになっている。
ほのかに良い匂いもする。
それに…口の中もサッパリしているなぁ。
クリーン…この魔法は使えるな。
「だけど、服まで綺麗になっているってことはもしかして……」
俺はイメージする。
クリーンをこの部屋全体にかけるイメージだ。
「クリーン。おおっ!」
思った通り、今度は部屋全体が泡まみれになる。
そして泡が消えると部屋が新築のように綺麗になった。
「これは凄いな。魔法って本当に便利だ」
いざ使えるとなるとその便利さからは抜けられそうにないと思う俺だった。
「さあ、朝食を食べに行くか」
朝食は野菜スープに焼き魚とパンだ。
野菜スープには胡椒、焼き魚には醤油を垂らして食べる。
うん。普通に美味くなった。
少し食休みをして冒険者協会へと行く。
冒険者協会と言ってはいるが旅人全般を指している。
つまり、町を離れる者のための身分証として『ライセンスカード』を発行している。
これがあればどの町にもすんなり入れる。
ライセンスカードの偽造は出来ないので本人以外が使おうとするとカードが自動的に停止する仕様。
また、冒険者のために『依頼書』を張りだしたり、買取業務や魔物や動物の解体など行ってくれる。
その他にも商人が安全に商売できるように場所の提供や仕入れ先への紹介などもしてくれる。
さらに旅人用に金額によりけりだが乗合馬車や宿泊の手配などもしてくれる。
ライセンスカードは地球的な馴染みで言うとクレジットカードの役割もあるので、年間費としての銀貨10枚はそこから引き落とされるようになっている。
冒険者協会の有料物や買取、解体費、協会を通しての依頼などには徴収料が含まれていてそれによって冒険者協会の運営がなされているのだ。
「それではカード発行のためにこの水晶球に掌をお乗せください」
「こうですか?」
「はい。そのまま少しお待ちください」
暫くすると水晶が淡い青色に発光する。
「犯罪歴はありませんね。このままカード登録を行います」
「犯罪歴があるとどうなるんですか?」
「赤く発光するんですよ。犯罪行為をしているとカードの発行はできませんので」
「なるほど」
これも魔法の一種何だろう。やっぱり魔法は凄いな。
発光が消えると受付嬢がカードを差し出した。
◆◆◇◆◆◇◆◆
ライセンスカラー:ホワイト
タクマ・コウサカ ランク:G
カード預金額:0マエル
コレルエンド冒険者協会:発行
◆◆◇◆◆◇◆◆
簡素な内容のカードだな。
ライセンスが上がると色が変わるようになっていて、白から始まり紫、緑、黄色、青、赤、銀、金、黒となっている。
ライセンスが上がると受けられるサービスが増える。
ライセンスの上げ方は依頼達成率や商売の売り上げ達成率、新規商品の貢献率などで上げることができる。
ランクは決められた達成数をクリアすることで上げることができ、ランクを上げることで難しい依頼を受注できるようになる。
ランクがA以上になると指名依頼をされるようになり『冒険王』の称号を貰えるという。
カード預金額の『マエル』とは世界共通貨幣であり、1マエルは日本で言うところの1円である。
預金は『冒険者協会』でならどこでもでき、また預金から金貨などに両替してもらえる。
俺はライセンスカードの発行料を払い冒険者協会を後にする。
「それじゃあ、レベル上げも兼ねて戦闘練習と行きますか」
けっして避けては通れないモンスターとの戦いに覚悟を決めた俺だった。
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