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ラグエリア大陸編~生動の章~
第1話『出会い』
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『起きてください。マスター』
ペチペチと顔を叩く感覚。
『このままでは、モンスターの恰好の獲物になります』
頬が引っ張られる。
「ぅん。ん……」
一気に意識が浮上する。
『マスター。気がつきましたか?』
「声…が……聞こえる?」
頭を振りながら身を起こす。
何だろう?声が聞こえたというより頭に直接響いたような……?
「あれ?体が痛くない?」
打ち身だけでなく体の怠さも無くなっている。
何がどうなっている?
『体の傷は癒しておきました。マスター』
「…あれ?直接頭に言葉が響いたような?ってか、いったい誰だ?」
周りを見渡すと、『光り輝くソレ』は頭上に居た。
「あの……君はいったい?」
『私はマスターをサポートする者です』
「俺のサポート?」
『はい。そうするように神々から言われております』
「え?神様?」
『そうです。それにしても、災難でしたね。別世界の勇者召喚に巻き込まれてこんな危険な世界に飛ばされて』
「どういうこと?」
俺は事の経緯を聞いた。
異世界の勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移することになった俺は何処で間違たのか弾かれる様に転移先が変わり『ミスティリア』という狂暴なモンスターが闊歩する世界に降り立ったらしい。
しかもだ。この世界を管理する四人の神様は経験のない状況に対処しきれず、とりあえず神の『恩恵』を与えるのが精いっぱいだったらしい。
しかも、その『恩恵』は神様も把握できていない物だったらしく『神の信託』と言う形をとることできない。
そこで、俺をサポートする者を作り寄こしたというのだ。
「で、君の名前は?」
『それはマスターがお決めください』
「俺が?」
『そうすることで名実ともに私はマスターだけのサポートができるようになります』
「名前、名前……」
声からして女の子であると思われるが、イマイチ姿がよく分からない。
光ってるからなー。
「光……『明かり』。『アカリ』でどうかな?」
『アカリ……素晴らしい名前をありがとうございます』
その瞬間、光が薄れていきその姿を現す。
「……『羽妖精』?」
「この姿はマスターが無意識にそうであってほしいと考えたものであります」
姿が見えたことで声が耳に聞こえる。
うん。違和感がないな。
「そうか……。まあ、可愛いしな。それで、これから俺はどうすればいいんだ?」
「まずは『恩恵』の1つ『ステータス管理』の確認をしましょう」
「ステータス管理?」
「普通は自分の実力など目に見える物ではありません。ですが、マスターはそれができるようなのです」
「まるでゲームみたいだな」
「ただし、『ステータス管理』がどのような能力を持っているのかは確認しなければわかりませんので……」
「分かった。で、どうすればいいの?」
「意識してステータスを開けて思ってみてください。それで見れると思われます」
「じゃあ……『ステータスオープン』」
言葉を発した瞬間、自分の目の前に画面生まれる。
まるで3D映像のようだ。
その画面にはこう表記されていた。
◆◆◇◆◆◇◆◆
<ステータス管理表>
ハルト タカハシ(高橋 大翔) 19歳 転移者
LV.6 <能力加算振り分けポイント:1600>
生命力:159/159
魔力量:103/103
<基本能力値>
腕力:12()
体力:21()
瞬発力:8()
器用さ:11()
魔力:9()
知識:∞()
洞察力:17()
発想力:14()
好感度:12()
絆力:5()
<恩恵>
ステータス管理
武装戦技
全知全能
イメージ魔法
◆◆◇◆◆◇◆◆
「なんか思ってたよりも現実的なステータスだな」
レベルが6なのに能力値が低いのは多分この『基本』と言うのが意味合いを持っているんだろう。
つまり、今の俺の肉体や知識や社交性などを示しているということだ。
まあ、知識の『∞』は恩恵の『全知全能』の影響だろう。
ただし、全知全能と言うがこの状況下で何かが思い浮かぶこともない。
多分、全知全能は何かしらの『制約』があるのかもしれない。
「それにしても、能力加算振り分けってチートだよなぁ」
「これは基本的なマスターの肉体に変化を与えずに能力値のみを引き上げることがでるようですね」
「分かるのか?」
「マスターの専属サポートとして認められたため認識できるようになりました」
「なるほど」
そう言うことならとりあえず100ポイントずつ加算してみるか……。
能力数値の横の『()』を押してみると、『(+0)』とと表記される。
『0』を長押しすると見る見る数字が上がっていく。
『(+100)』になったところで指を離す。
それを能力項目全部に施す。
まあ、知識はすでに無限なので増やさないが。
◆◆◇◆◆◇◆◆
<ステータス管理表>
ハルト タカハシ(高橋 大翔) 19歳 転移者
LV.6 <能力加算振り分けポイント:700>
生命力:1660/1660
魔力量:1120/1120
<基本能力値>
腕力:12(+100)
体力:21(+100)
瞬発力:8(+100)
器用さ:11(+100)
魔力:9(+100)
知識:∞()
洞察力:17(+100)
発想力:14(+100)
好感度:12(+100)
絆力:5(+100)
<恩恵>
ステータス管理
武装戦技
全知全能
イメージ魔法
◆◆◇◆◆◇◆◆
「何か変わったかな?」
ピョンと軽くジャンプするように跳ねてみる。
その瞬間。
「うおっああああああ―――っ!」
信じられないくらい上空に飛び上がる。
なにこれ?現実なのか?
地面に着地して凄いと思う以上に恐ろしくもなる。
これ、普段からこんなだと不味いんじゃないか?
「マスター。どうしましたか?」
「いや、普段からこんな能力は危険じゃないか?」
「それは大丈夫です」
「どういうこと?」
「マスターは今、自分の能力の向上を『意識』してジャンプしたんです。普段はそんなこと意識しませんから『基本能力』しか使えませんよ」
「え?そうなの?」
「だからこその『能力加算ポイント』なのです」
「何そのご都合能力」
「でなければマスターは化け物になってしまいますし」
「じゃあ、全知全能の能力が発動しないのは?」
「明確に『知識』を『意識』して使ってないからです」
「つまり『能力』を『意識』して『使用』したいと思わない限り使えないと?」
「そういうことです」
つまり俺が『必要』と感じない限りは俺はただの人ってわけだ。
まあ、元々『無い』ものなんだからしょうがない。
「とりあえずは残り2つの恩恵だけど……」
「武装戦技は武装した装備の持つ特性の技を出せるというもののようです」
「よくわからん」
「つまり、剣を装備すれば『剣技』を発動でき、槍を装備すれば『槍技』を発動できるということです」
「それも『意識』しないと発動できない……と?」
「そうです。あと、どういう技を出すかということも『意識』することで『技』の効果も変わるということですね」
「モンスターとの戦いのときに出せたのは無意識に技を出したいと思ったからか……危なかったな」
それにしても、どういう技を出したいか意識すればその通りの技が出せるってこれもチートだな。
「イメージ魔法は、言葉通りマスターが使いたいと思い描く魔法が使えるというものです」
「もう、どこから突っ込んでいいか分からないな」
「ただし、イメージを明確にしないと『魔法』としての威力が変わります。それに魔力量を把握しておかないと単純な威力のある魔法を何発も放てませんし」
「確かに……」
イメージ次第でとんでもない威力の魔法を放つことはできるがそれもそれだけの魔力量があればこそ。
魔法としては凄い能力はあるが、ちゃんと把握しておかないといざと言うとき使用不能になるだろう。
「どの恩恵も一朝一夕には使いこなせないってことか」
「ですね。ですが、まずはここから離れて人里に行くことをお薦めします」
「アカリの言う通りだな。まずはこの森から出よう」
ペチペチと顔を叩く感覚。
『このままでは、モンスターの恰好の獲物になります』
頬が引っ張られる。
「ぅん。ん……」
一気に意識が浮上する。
『マスター。気がつきましたか?』
「声…が……聞こえる?」
頭を振りながら身を起こす。
何だろう?声が聞こえたというより頭に直接響いたような……?
「あれ?体が痛くない?」
打ち身だけでなく体の怠さも無くなっている。
何がどうなっている?
『体の傷は癒しておきました。マスター』
「…あれ?直接頭に言葉が響いたような?ってか、いったい誰だ?」
周りを見渡すと、『光り輝くソレ』は頭上に居た。
「あの……君はいったい?」
『私はマスターをサポートする者です』
「俺のサポート?」
『はい。そうするように神々から言われております』
「え?神様?」
『そうです。それにしても、災難でしたね。別世界の勇者召喚に巻き込まれてこんな危険な世界に飛ばされて』
「どういうこと?」
俺は事の経緯を聞いた。
異世界の勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移することになった俺は何処で間違たのか弾かれる様に転移先が変わり『ミスティリア』という狂暴なモンスターが闊歩する世界に降り立ったらしい。
しかもだ。この世界を管理する四人の神様は経験のない状況に対処しきれず、とりあえず神の『恩恵』を与えるのが精いっぱいだったらしい。
しかも、その『恩恵』は神様も把握できていない物だったらしく『神の信託』と言う形をとることできない。
そこで、俺をサポートする者を作り寄こしたというのだ。
「で、君の名前は?」
『それはマスターがお決めください』
「俺が?」
『そうすることで名実ともに私はマスターだけのサポートができるようになります』
「名前、名前……」
声からして女の子であると思われるが、イマイチ姿がよく分からない。
光ってるからなー。
「光……『明かり』。『アカリ』でどうかな?」
『アカリ……素晴らしい名前をありがとうございます』
その瞬間、光が薄れていきその姿を現す。
「……『羽妖精』?」
「この姿はマスターが無意識にそうであってほしいと考えたものであります」
姿が見えたことで声が耳に聞こえる。
うん。違和感がないな。
「そうか……。まあ、可愛いしな。それで、これから俺はどうすればいいんだ?」
「まずは『恩恵』の1つ『ステータス管理』の確認をしましょう」
「ステータス管理?」
「普通は自分の実力など目に見える物ではありません。ですが、マスターはそれができるようなのです」
「まるでゲームみたいだな」
「ただし、『ステータス管理』がどのような能力を持っているのかは確認しなければわかりませんので……」
「分かった。で、どうすればいいの?」
「意識してステータスを開けて思ってみてください。それで見れると思われます」
「じゃあ……『ステータスオープン』」
言葉を発した瞬間、自分の目の前に画面生まれる。
まるで3D映像のようだ。
その画面にはこう表記されていた。
◆◆◇◆◆◇◆◆
<ステータス管理表>
ハルト タカハシ(高橋 大翔) 19歳 転移者
LV.6 <能力加算振り分けポイント:1600>
生命力:159/159
魔力量:103/103
<基本能力値>
腕力:12()
体力:21()
瞬発力:8()
器用さ:11()
魔力:9()
知識:∞()
洞察力:17()
発想力:14()
好感度:12()
絆力:5()
<恩恵>
ステータス管理
武装戦技
全知全能
イメージ魔法
◆◆◇◆◆◇◆◆
「なんか思ってたよりも現実的なステータスだな」
レベルが6なのに能力値が低いのは多分この『基本』と言うのが意味合いを持っているんだろう。
つまり、今の俺の肉体や知識や社交性などを示しているということだ。
まあ、知識の『∞』は恩恵の『全知全能』の影響だろう。
ただし、全知全能と言うがこの状況下で何かが思い浮かぶこともない。
多分、全知全能は何かしらの『制約』があるのかもしれない。
「それにしても、能力加算振り分けってチートだよなぁ」
「これは基本的なマスターの肉体に変化を与えずに能力値のみを引き上げることがでるようですね」
「分かるのか?」
「マスターの専属サポートとして認められたため認識できるようになりました」
「なるほど」
そう言うことならとりあえず100ポイントずつ加算してみるか……。
能力数値の横の『()』を押してみると、『(+0)』とと表記される。
『0』を長押しすると見る見る数字が上がっていく。
『(+100)』になったところで指を離す。
それを能力項目全部に施す。
まあ、知識はすでに無限なので増やさないが。
◆◆◇◆◆◇◆◆
<ステータス管理表>
ハルト タカハシ(高橋 大翔) 19歳 転移者
LV.6 <能力加算振り分けポイント:700>
生命力:1660/1660
魔力量:1120/1120
<基本能力値>
腕力:12(+100)
体力:21(+100)
瞬発力:8(+100)
器用さ:11(+100)
魔力:9(+100)
知識:∞()
洞察力:17(+100)
発想力:14(+100)
好感度:12(+100)
絆力:5(+100)
<恩恵>
ステータス管理
武装戦技
全知全能
イメージ魔法
◆◆◇◆◆◇◆◆
「何か変わったかな?」
ピョンと軽くジャンプするように跳ねてみる。
その瞬間。
「うおっああああああ―――っ!」
信じられないくらい上空に飛び上がる。
なにこれ?現実なのか?
地面に着地して凄いと思う以上に恐ろしくもなる。
これ、普段からこんなだと不味いんじゃないか?
「マスター。どうしましたか?」
「いや、普段からこんな能力は危険じゃないか?」
「それは大丈夫です」
「どういうこと?」
「マスターは今、自分の能力の向上を『意識』してジャンプしたんです。普段はそんなこと意識しませんから『基本能力』しか使えませんよ」
「え?そうなの?」
「だからこその『能力加算ポイント』なのです」
「何そのご都合能力」
「でなければマスターは化け物になってしまいますし」
「じゃあ、全知全能の能力が発動しないのは?」
「明確に『知識』を『意識』して使ってないからです」
「つまり『能力』を『意識』して『使用』したいと思わない限り使えないと?」
「そういうことです」
つまり俺が『必要』と感じない限りは俺はただの人ってわけだ。
まあ、元々『無い』ものなんだからしょうがない。
「とりあえずは残り2つの恩恵だけど……」
「武装戦技は武装した装備の持つ特性の技を出せるというもののようです」
「よくわからん」
「つまり、剣を装備すれば『剣技』を発動でき、槍を装備すれば『槍技』を発動できるということです」
「それも『意識』しないと発動できない……と?」
「そうです。あと、どういう技を出すかということも『意識』することで『技』の効果も変わるということですね」
「モンスターとの戦いのときに出せたのは無意識に技を出したいと思ったからか……危なかったな」
それにしても、どういう技を出したいか意識すればその通りの技が出せるってこれもチートだな。
「イメージ魔法は、言葉通りマスターが使いたいと思い描く魔法が使えるというものです」
「もう、どこから突っ込んでいいか分からないな」
「ただし、イメージを明確にしないと『魔法』としての威力が変わります。それに魔力量を把握しておかないと単純な威力のある魔法を何発も放てませんし」
「確かに……」
イメージ次第でとんでもない威力の魔法を放つことはできるがそれもそれだけの魔力量があればこそ。
魔法としては凄い能力はあるが、ちゃんと把握しておかないといざと言うとき使用不能になるだろう。
「どの恩恵も一朝一夕には使いこなせないってことか」
「ですね。ですが、まずはここから離れて人里に行くことをお薦めします」
「アカリの言う通りだな。まずはこの森から出よう」
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