俺のねーちゃんは人見知りがはげしい

ねがえり太郎

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・後日談・

■ 質疑応答2 <地崎>

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バスケ部員 地崎視点です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なあ、付き合ってどのくらいで、手ぇ繋いだ?」

隣の席に座る栗色の髪の外人モデルみたいなイケメンが、物憂い表情で机に突っ伏した腕の隙間から俺を見上げた。俺が女なら、キュンと胸を高鳴らせる場面シチュエーションだろうか。

「何?」
「彼女とさ、付き合ってから何週間くらいで手、繋いだのさ」

教室で恥ずかしい事を聞くなぁ。
まあ、隠すほどの事も無いので正直に言う。

「付き合ったその日だな」
「……えっ……!」

机から体を起こし、驚愕の表情で俺を見る森。
俺、何か変な事言ったかな?

「……は、早く無い……?」
「そう?幼馴染だったから、付き合う前が長かったしな。別に普通じゃない?」
「……」

フイッと視線を下げるイケメン。

暗い。

どうせあの小っちゃい先輩絡みだろうと思うが、敢えてこちらからは何も言わない。

「恥ずかしいからって、全然手、繋がせてくれないんだ」

深刻な表情で至極くだらない悩みを打ち明ける我が部のエース。

俺はげっそりした。

どうやら付き合う事になって2週間経つが、いまだに手を握らせてもらえないらしい。

「今更?……子供の時とか繋いだ事無かったのか?」
「付き合う前の週までは、繋がせてくれた」
「えぇ?」

それにはちょっと、引いた。
小学生と中学生ならまだしも、高3と高1の姉弟きょうだいが手を繋ぐのって―――微妙。
そしてそこ迄しておいて付き合ってから繋がせないなんて、森先輩の心境が理解できない。



「気の毒」



とりあえず、そうとしか言いようがない。
森は憂いを帯びた眼差しのまま、片手に頬を乗せて溜息を吐く。
クラスの女子の何人かが、その様子に息を呑んでいるのが目に入る。

全く。無自覚に女子を誑し込むのも大概にして欲しい。

「弟となら恥ずかしく無くて付き合った相手だと恥ずかしいって、何でだよ~。どっちも同じ人間だし。今まで何とも無かったのにさー。俺は女心が分かんねーよ……!」



確かに。



「もっと、凄い事されたのにな」



目を細めて、ポロリと俺が零すと、



ぼっ。



隣のイケメンは顔を真っ赤にした。



「そ、そうだよな……俺、口きいて貰えるだけでも有り難いのに、我儘言えないよな……」

あらら。
責めている訳じゃないのに、勝手に落ち込んじまった。

森はずっと義理の姉に片思いをしていて、最近やっとそれが成就したのだ。その時のコイツの浮かれっぷりといったら―――正直、本当にウザかった。

だから珍しく落ち込んでいると、静かになってちょうどいい。
―――というのは、勿論本心では無いけれど。

最近忙しくなった彼女と会えなくて苛々している所に、お花畑にいるような人間と接しているのは最高に面倒臭かったから……ちょっと意地悪くそう思ってしまう。

でも、ちょっと可哀想かな。
同じ男として先に進めないもどかしさには、共感できないでは無い。

「ま、大丈夫だって。そのうち、いろいろ出来るようになるさ」
「い、いろいろ……」

真っ赤になって、顔を手で押さえる森。

おい。何を考えてるんだ、何を。

「ばーか」

俺はペチンと森の頭を叩いた。



―――森先輩は、まだ当分コイツと距離を保った方が、良さそうだ。



俺は心の中でそう呟いた。


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地崎のお悩み相談室(?)でした。
地崎は清美よりあらゆる意味で大人です。

お読みいただき、有難うございました。
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