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捕獲しました。<亀田視点>
18.気になります。
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「……ちょう……課長!」
阿部の呼び掛けで、やっと我に返る。
「大丈夫っすか?」
「あ、ああ……大丈夫だ」
眼鏡の位置を直して、顔を阿部の方へ向ける。
「すいません、データ送りましたんで確認お願いします」
「分かった」
そう言って阿部は、俺のPCを覗き込み作った資料データを入れたフォルダを示した。俺が緊急で頼んだ資料だと言うのに、何という事だ。俺はギュッと瞼を一度瞑って頭を軽く振った。すっかり頭が別の事で一杯になってしまっていたのだ。
「阿部、助かった」
礼を言うと、阿部が少し神妙な表情で俺の顔を暫し見つめて言った。
「あの……亀田課長、具合でも悪いんですか?」
「……いや?」
「顔色が悪いような気がします」
それは単純に寝不足だからだ。
ミミの事がどうも気がかりで眠れなかったのだ。今朝も見た感じ元気があるようには見えた。セロリとニンジンの葉を、ミミはリズム良くポリポリと食べていた。しかしやはりペレットに気が向かない様子に変化は無く、新しい袋を開封して餌箱の中身を入れ替えてみたのだがフンフンと鼻を近づけただけで……すぐに頭を引っ込めてしまった。
牧草を主食に据えている飼い主もいるくらいなので、牧草はタップリ置いて来たのだが―――ちゃんと食べているだろうか?急に体調を崩していないだろうか?ネットの情報は色々で、悪い物を見ればキリがない。『急変する場合もあるから要注意』と言う記事もあって、やはりこうしていても何か落ち着かない気持ちは拭えない。ミミの傍にいられないと言う状態をこれほど不安に感じるのは、俺にとって初めての経験だった。
ふと思う。ペットのウサギが体調を壊しただけでもこれほど不安なるのに、これが自分の子供だったら心労はいかばかりだろう、と。樋口さんの苦労の一端を身に染みるように想像してしまう。必ず定時に帰るし飲み会も出ない。子供に何かあれば休みも取る樋口さんが、人並以上に仕事をこなしている事を単純に「すげーな」と思った。
うーん、世の働くお父さんお母さんは常にこんな落ち着かない状態で仕事をしているのか。きっと今想像している以上に大変なのだろうな。それに比べたら―――俺の少々の寝不足くらい、物の数にも入らない。
「いや、少し寝不足なだけだ。何ともない」
「はあ……」
納得できない様子の阿部を尻目に、ファイルを開く。
ザッと目を通して、すぐに気づいた事を口にした。
「あ、これフォントサイズ小さ過ぎるぞ。爺様達は老眼だから12ポイント以上が必須だ!」
「あっ、ハイ」
「これも、これも誤字だ……うーん、ちょっと赤入れるから……後で直しな」
「うっ……了解っす!」
せっかく心配してくれた阿部に対して、容赦なく駄目出しをしてしまった。
阿部がサッサと逃げ出してくれて助かった。ミミの事で弱っている所は部下にはあまり見せたくない。仕事は仕事。割り切って取り掛からなければ周りに迷惑を掛けるし、効率が悪くなって結局帰宅が遅れ、ミミに寄り添う時間が減ってしまう。
俺は気持ちを切り替えて、阿部の作ってくれた資料のチェックに専念する事にした。
阿部の呼び掛けで、やっと我に返る。
「大丈夫っすか?」
「あ、ああ……大丈夫だ」
眼鏡の位置を直して、顔を阿部の方へ向ける。
「すいません、データ送りましたんで確認お願いします」
「分かった」
そう言って阿部は、俺のPCを覗き込み作った資料データを入れたフォルダを示した。俺が緊急で頼んだ資料だと言うのに、何という事だ。俺はギュッと瞼を一度瞑って頭を軽く振った。すっかり頭が別の事で一杯になってしまっていたのだ。
「阿部、助かった」
礼を言うと、阿部が少し神妙な表情で俺の顔を暫し見つめて言った。
「あの……亀田課長、具合でも悪いんですか?」
「……いや?」
「顔色が悪いような気がします」
それは単純に寝不足だからだ。
ミミの事がどうも気がかりで眠れなかったのだ。今朝も見た感じ元気があるようには見えた。セロリとニンジンの葉を、ミミはリズム良くポリポリと食べていた。しかしやはりペレットに気が向かない様子に変化は無く、新しい袋を開封して餌箱の中身を入れ替えてみたのだがフンフンと鼻を近づけただけで……すぐに頭を引っ込めてしまった。
牧草を主食に据えている飼い主もいるくらいなので、牧草はタップリ置いて来たのだが―――ちゃんと食べているだろうか?急に体調を崩していないだろうか?ネットの情報は色々で、悪い物を見ればキリがない。『急変する場合もあるから要注意』と言う記事もあって、やはりこうしていても何か落ち着かない気持ちは拭えない。ミミの傍にいられないと言う状態をこれほど不安に感じるのは、俺にとって初めての経験だった。
ふと思う。ペットのウサギが体調を壊しただけでもこれほど不安なるのに、これが自分の子供だったら心労はいかばかりだろう、と。樋口さんの苦労の一端を身に染みるように想像してしまう。必ず定時に帰るし飲み会も出ない。子供に何かあれば休みも取る樋口さんが、人並以上に仕事をこなしている事を単純に「すげーな」と思った。
うーん、世の働くお父さんお母さんは常にこんな落ち着かない状態で仕事をしているのか。きっと今想像している以上に大変なのだろうな。それに比べたら―――俺の少々の寝不足くらい、物の数にも入らない。
「いや、少し寝不足なだけだ。何ともない」
「はあ……」
納得できない様子の阿部を尻目に、ファイルを開く。
ザッと目を通して、すぐに気づいた事を口にした。
「あ、これフォントサイズ小さ過ぎるぞ。爺様達は老眼だから12ポイント以上が必須だ!」
「あっ、ハイ」
「これも、これも誤字だ……うーん、ちょっと赤入れるから……後で直しな」
「うっ……了解っす!」
せっかく心配してくれた阿部に対して、容赦なく駄目出しをしてしまった。
阿部がサッサと逃げ出してくれて助かった。ミミの事で弱っている所は部下にはあまり見せたくない。仕事は仕事。割り切って取り掛からなければ周りに迷惑を掛けるし、効率が悪くなって結局帰宅が遅れ、ミミに寄り添う時間が減ってしまう。
俺は気持ちを切り替えて、阿部の作ってくれた資料のチェックに専念する事にした。
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