21 / 375
捕獲しました。<亀田視点>
20.当社比1.5倍です。
しおりを挟む
一応病院で処方されたパパイヤ酵素を与えてはみたものの、相変わらずミミはペレットに興味は無いようだ。後ろ髪を引かれつつ午後、会社へ出勤する。心なしか糞が小さくなっているような気がするし、相変わらずペレットは食べないし……何だか食欲も落ちて来ている気がする。
病院では特に何も言われなかったものの気持ちはあまりスッキリせず、通勤途中の電車の中で急に不安になっていつの間にかスマホでウサギに詳しそうな病院を探してしまっていた。
今日掛かった病院も、ネットの口コミでは評判は良かったしウサギや小動物の診察もやっていると書いてあった。が、やはりいまいち診察結果に納得が行かないのだ。物凄く悪い、という訳では無いのだが、しっくり来ないと言うか……ただ相性が悪いだけなのかもしれない、考え過ぎなのかもしれないが。
実際行ってみると比較的大きな病院で、待合室には沢山の診察を待つペットと飼い主がひしめいていたのだが―――何となく対応に違和感があって掛かった傍から落ち着かない気持ちになってしまったのだ。
人気はあるようなので、やはり完全に相性の問題なのかもしれない。だけどもし、あの病院がウサギにはそれほど詳しく無いけれど一応看板にウサギも対象と掲示しているだけだとしたら?
あと一件だけ、金曜日我慢して様子を見て―――もう少し小さな病院に行っても良いのではないか。ウサギだって人間と同じように診察に納得が行かなければ、セカンドオピニオンに掛かっても良いのではないかと、俺は考え始めていた。
休んでしまった分、仕事は山積みになっていてミミの事を心配している暇が無いほど忙しく働いた。
俺は契約社員にはそれほど厳しく接しないよう自分を律しているつもりなのだが、正社員に対する態度を見るだけで彼等はビビりまくってしまうらしい。
少し張り詰め過ぎたと気が付いて自販機にコーヒーを買いに行こうとした途中、給湯室の中から営業課に所属している派遣の女子社員のこんな話し声が聞こえて来たのだ。
「今日の課長、スッゴく怖く無い?」
「うん、当社比1.5倍くらいコワモテ度アップしてるわ~」
「あれは無いよね、三好さんに対する態度。もっと優しく言えないのかなぁ」
「正社員だと女も男も関係ないんじゃない? あれ見たら課長、私達にはまだ優しくしてるんだって思ったもの」
「ホントにね!私契約社員で良かったと初めて思ったよ~。仕事ばっかりしてないで、やっぱ結婚相手探さないと……!」
「じゃあ……課長独身だから、狙っちゃえば?」
「無理!ビジュアルが良くてもあれは無いわ~。ちょっと女性の扱い方、学んだ方が良いんじゃない?」
「確かに……!」
キャハハ……! と笑い声が響いた。
それにしても女性の会話の応酬のスピードが半端無い。課内で話す時はおっとり大人しい彼女達の口が、給湯室では五倍速くらいの速さで回っている。立ち去ろうとした瞬間に、もうこれだけの遣り取りが一瞬で終わってしまった。……お陰で聞きたくない結論まで耳に入ってしまったではないか。
確かに今日は仕事に没頭するあまり、いつもより鬼気迫る雰囲気が出てしまったかもしれない。そう言えば応対する部下達の態度にも、若干いつもより緊張が漲っていた気がする。
昔ならこんな場面でグッサリと傷ついていた所だが―――今はあまり気にならない。コワモテ度が何倍になろうと、仕事はザクザク片付けないと行けないからだ。それにもう俺はミミに出会って、女性と上手くやって行けない事についてアレコレ悩まなくなった。一生独身だろうがどうでも良い。ミミさえ健康でいてくれたならそれでいいんだ。
病院では特に何も言われなかったものの気持ちはあまりスッキリせず、通勤途中の電車の中で急に不安になっていつの間にかスマホでウサギに詳しそうな病院を探してしまっていた。
今日掛かった病院も、ネットの口コミでは評判は良かったしウサギや小動物の診察もやっていると書いてあった。が、やはりいまいち診察結果に納得が行かないのだ。物凄く悪い、という訳では無いのだが、しっくり来ないと言うか……ただ相性が悪いだけなのかもしれない、考え過ぎなのかもしれないが。
実際行ってみると比較的大きな病院で、待合室には沢山の診察を待つペットと飼い主がひしめいていたのだが―――何となく対応に違和感があって掛かった傍から落ち着かない気持ちになってしまったのだ。
人気はあるようなので、やはり完全に相性の問題なのかもしれない。だけどもし、あの病院がウサギにはそれほど詳しく無いけれど一応看板にウサギも対象と掲示しているだけだとしたら?
あと一件だけ、金曜日我慢して様子を見て―――もう少し小さな病院に行っても良いのではないか。ウサギだって人間と同じように診察に納得が行かなければ、セカンドオピニオンに掛かっても良いのではないかと、俺は考え始めていた。
休んでしまった分、仕事は山積みになっていてミミの事を心配している暇が無いほど忙しく働いた。
俺は契約社員にはそれほど厳しく接しないよう自分を律しているつもりなのだが、正社員に対する態度を見るだけで彼等はビビりまくってしまうらしい。
少し張り詰め過ぎたと気が付いて自販機にコーヒーを買いに行こうとした途中、給湯室の中から営業課に所属している派遣の女子社員のこんな話し声が聞こえて来たのだ。
「今日の課長、スッゴく怖く無い?」
「うん、当社比1.5倍くらいコワモテ度アップしてるわ~」
「あれは無いよね、三好さんに対する態度。もっと優しく言えないのかなぁ」
「正社員だと女も男も関係ないんじゃない? あれ見たら課長、私達にはまだ優しくしてるんだって思ったもの」
「ホントにね!私契約社員で良かったと初めて思ったよ~。仕事ばっかりしてないで、やっぱ結婚相手探さないと……!」
「じゃあ……課長独身だから、狙っちゃえば?」
「無理!ビジュアルが良くてもあれは無いわ~。ちょっと女性の扱い方、学んだ方が良いんじゃない?」
「確かに……!」
キャハハ……! と笑い声が響いた。
それにしても女性の会話の応酬のスピードが半端無い。課内で話す時はおっとり大人しい彼女達の口が、給湯室では五倍速くらいの速さで回っている。立ち去ろうとした瞬間に、もうこれだけの遣り取りが一瞬で終わってしまった。……お陰で聞きたくない結論まで耳に入ってしまったではないか。
確かに今日は仕事に没頭するあまり、いつもより鬼気迫る雰囲気が出てしまったかもしれない。そう言えば応対する部下達の態度にも、若干いつもより緊張が漲っていた気がする。
昔ならこんな場面でグッサリと傷ついていた所だが―――今はあまり気にならない。コワモテ度が何倍になろうと、仕事はザクザク片付けないと行けないからだ。それにもう俺はミミに出会って、女性と上手くやって行けない事についてアレコレ悩まなくなった。一生独身だろうがどうでも良い。ミミさえ健康でいてくれたならそれでいいんだ。
0
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
みんなと同じようにプレーできなくてもいいんじゃないですか? 先輩には、先輩だけの武器があるんですから——。
後輩マネージャーのその言葉が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
そのため、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると錯覚していたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。そこに現れたのが、香奈だった。
香奈に励まされてサッカーを続ける決意をした巧は、彼女のアドバイスのおかげもあり、だんだんとその才能を開花させていく。
一方、巧が成り行きで香奈を家に招いたのをきっかけに、二人の距離も縮み始める。
しかし、退部するどころか活躍し出した巧にフラストレーションを溜めていた武岡が、それを静観するはずもなく——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
先輩×後輩のじれったくも甘い関係が好きな方、スカッとする展開が好きな方は、ぜひこの物語をお楽しみください!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
王弟が愛した娘 —音に響く運命—
Aster22
恋愛
弟を探す旅の途中、身分を隠して村で薬師として生きていたセラは、
ハープの音に宿る才を、名も知らぬ貴族の青年――王弟レオに見初められる。
互いの立場を知らぬまま距離を縮めていく二人。
だが、ある事件をきっかけに、セラは彼の屋敷で侍女として働くことになり、
知らず知らずのうちに国を巻き込む陰謀へと引き寄せられていく。
人の生まれは変えられない。
それでも、何を望み、何を選ぶのかは、自分で決められる。
セラが守ろうとするものは、弟か、才か、それとも――
キャラ設定・世界観などはこちら
↓
https://kakuyomu.jp/my/news/822139840619212578
悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?
いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー
これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。
「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」
「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」
冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。
あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。
ショックで熱をだし寝込むこと1週間。
目覚めると夫がなぜか豹変していて…!?
「君から話し掛けてくれないのか?」
「もう君が隣にいないのは考えられない」
無口不器用夫×優しい鈍感妻
すれ違いから始まる両片思いストーリー
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる