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捕まった後のお話
45.真相を知りました。 <大谷>
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衝撃の真相を知ってしまった。
これまさかの……恋愛小説でよくある……『王道すれ違いパターン』ってヤツじゃないですか?!
み、水野君……私の事好きだったのか……マジか……。
でも私の方は水野君の想像を超えて遙かにチョロ過ぎて。既に付き合っているって思い込んでいたから……だからお互い、微妙に噛み合っていなかったんだ。
私はゴクリと唾を飲み込み―――一旦止めた会話を再開する決意をした。
うん、これはもう……私の盛大な勘違いを彼に明かすしかない。自分の黒歴史を、その歴史そのものの当人に対して暴露するなんて物凄く恥ずかしい行為だけど……こうなったら私が如何にチョロかったかと言う事実を今、彼に伝えなければならないだろう。
だって水野君の認識以上に、彼のアピールはバッチリ成功していたのだから。水野君は自分が駄目だったなんて落ち込んだり凹んだりする必要はないんだ。……ただちょっと、想像以上に上手く行き過ぎていて、本人がその事に気が付いていなかったってだけで。
「あのね、あの……私実は……その、すごく言い辛いのだけど……あの当時、自分としては水野君と付き会っていたって、思い込んでいたの」
「え……」
「だけど水野君に本命が別にいるって飲み会で知って、ああそっか、私は水野君にとってただの女友達だったのに勝手に勘違いして彼女気取りしちゃったんだって……分かって……勘違いしていた自分が恥ずかしくなって」
「え、ちょっと待って」
今度は水野君が私を制止した。
視線を彷徨わせながら、口元に手を当てて必死で記憶を探っているような仕草を見せる。私はちょっとだけ間を置いて、再び口を開いた。
「私にはそう言う、男女で一対一の友達付き合いがあるって認識が無かったから、あの時は……本命の彼女のいる水野君と二人でお出掛けするのは、私には無理だなぁって思って」
「だから……もしかして連絡しても会ってくれなくなったのは、そう言う事?……やっぱり避けられてたの?俺」
「うん、ごめんなさい。実際用事があった日もあったけど、ほとんど理由は後付けでした……」
全く面目ない。
「でも『付き合ってた』って……何も言ってないし、していないのに」
「……」
全くお恥ずかしい限りで。
丈さんと付き合っている今なら、分かる。水野君と私のあの時の付き合い方は―――彼氏と彼女以前のものだった。水野君が『何もしていない』って言う意味が分かり過ぎるのが非常にイタイ……私の恋愛認識というか……お付き合いしている男女はどういうものかって言う認識が、きっと通常の社会人と大きくかけ離れていたんだ。
「あのね、私そのー……恋愛小説とか漫画はよく読むんだけど……あの時まで男の子と親しく話す事も、二人切りで出掛けるって経験も無かったから……もう、それだけで『付き合っているんだ』って浮かれてしまっていて」
祖父母と暮らしていたからか、それとも遠方の父親の過保護光線を受けて育ったからか、はたまた元々の引っ込み思案な性格の所為か……とにかく大学生までの私は、とんでもないお子ちゃま恋愛脳だったのだ。あ、でも若い男性じゃなくて、おじいちゃんやおばあちゃんの知合いの超高齢男子達とは物凄く気軽にお話ししていたけどね。でも年の近い男の子って周りにほとんどいなかったし、居ても恥ずかしくて話しかけられなかったんだ。
「スキー部のOB会みたいな、ああいう男女混合で遊ぶって経験もほとんどなくて」
「うん、そんな感じはした。慣れてないんだなって」
はい、即レス返って来ました。
バレバレでしたか。
「実は最初しぶしぶ連れて来られてたのかなって、場に乗り切れていないと言うか」
『場に乗り切れていない』―――ですよね!
「いや、あのね?しぶしぶではないよ?ワイワイやってる雰囲気が好きで―――端っこにいるだけでも楽しかったの。そりゃ話題も提供できなかったし、話を振られても上手く返せはしなかったけど……」
すると少しだけ落ち着きを取り戻したように、フーッと溜息をついて。僅かに乗り出していた身を背もたれに戻した水野君は、記憶を探るように目を細めて表情を緩めた。
「うん、相変わらず言葉は少なかったけど……暫く経った頃は馴染んで楽しそうだったよね。」
「それは―――皆優しかったからだよ。男の子も女の子も、ノリの悪い私に嫌な顔する人がいなかったから。それに水野君と話す機会が出来て、男性陣に対する苦手感がかなり減ったし」
「皆でいると大人しいのに、一対一だと結構しゃべるんだよね、大谷さんって」
「アハハ、だってねぇ?私の話で会話を止めちゃったら、盛り下がっちゃうような気がして口を挟めなかったの」
「うん。口調がおっとりしているくせに、たまに突拍子もない事言うからね」
「どうせ『トロい』って言いたいんでしょう?分かっているから黙っているのに」
心の中は合の手とかツッコミとか色々と忙しかったけどね……それは今もか。社交レベルが低過ぎて、社交レベルの高い人達がポンポンタイミング良く会話のキャッチボールをしているのを、眺めているしか出来なかったんだ。バレーボールで言えば、コートにいるけどお客さん状態って言う……人数合わせの運動音痴な人みたいに。でも見ているだけでも、皆の華麗なプレイを見ているだけで楽しかったんだよな。
「あー……やっぱ大谷さん、好きだな」
細められた瞳とカチリと視線が交わった。
ドキリとする。『好きだ』なんて、例え冗談だとしても……水野君の口から初めて聞いたからかもしれない。
「また偶然会えたのはきっと縁があるって事なんだよ。大谷さん、前は面と向かってハッキリ言えずに終わったけど……俺と付き合って下さい」
これまさかの……恋愛小説でよくある……『王道すれ違いパターン』ってヤツじゃないですか?!
み、水野君……私の事好きだったのか……マジか……。
でも私の方は水野君の想像を超えて遙かにチョロ過ぎて。既に付き合っているって思い込んでいたから……だからお互い、微妙に噛み合っていなかったんだ。
私はゴクリと唾を飲み込み―――一旦止めた会話を再開する決意をした。
うん、これはもう……私の盛大な勘違いを彼に明かすしかない。自分の黒歴史を、その歴史そのものの当人に対して暴露するなんて物凄く恥ずかしい行為だけど……こうなったら私が如何にチョロかったかと言う事実を今、彼に伝えなければならないだろう。
だって水野君の認識以上に、彼のアピールはバッチリ成功していたのだから。水野君は自分が駄目だったなんて落ち込んだり凹んだりする必要はないんだ。……ただちょっと、想像以上に上手く行き過ぎていて、本人がその事に気が付いていなかったってだけで。
「あのね、あの……私実は……その、すごく言い辛いのだけど……あの当時、自分としては水野君と付き会っていたって、思い込んでいたの」
「え……」
「だけど水野君に本命が別にいるって飲み会で知って、ああそっか、私は水野君にとってただの女友達だったのに勝手に勘違いして彼女気取りしちゃったんだって……分かって……勘違いしていた自分が恥ずかしくなって」
「え、ちょっと待って」
今度は水野君が私を制止した。
視線を彷徨わせながら、口元に手を当てて必死で記憶を探っているような仕草を見せる。私はちょっとだけ間を置いて、再び口を開いた。
「私にはそう言う、男女で一対一の友達付き合いがあるって認識が無かったから、あの時は……本命の彼女のいる水野君と二人でお出掛けするのは、私には無理だなぁって思って」
「だから……もしかして連絡しても会ってくれなくなったのは、そう言う事?……やっぱり避けられてたの?俺」
「うん、ごめんなさい。実際用事があった日もあったけど、ほとんど理由は後付けでした……」
全く面目ない。
「でも『付き合ってた』って……何も言ってないし、していないのに」
「……」
全くお恥ずかしい限りで。
丈さんと付き合っている今なら、分かる。水野君と私のあの時の付き合い方は―――彼氏と彼女以前のものだった。水野君が『何もしていない』って言う意味が分かり過ぎるのが非常にイタイ……私の恋愛認識というか……お付き合いしている男女はどういうものかって言う認識が、きっと通常の社会人と大きくかけ離れていたんだ。
「あのね、私そのー……恋愛小説とか漫画はよく読むんだけど……あの時まで男の子と親しく話す事も、二人切りで出掛けるって経験も無かったから……もう、それだけで『付き合っているんだ』って浮かれてしまっていて」
祖父母と暮らしていたからか、それとも遠方の父親の過保護光線を受けて育ったからか、はたまた元々の引っ込み思案な性格の所為か……とにかく大学生までの私は、とんでもないお子ちゃま恋愛脳だったのだ。あ、でも若い男性じゃなくて、おじいちゃんやおばあちゃんの知合いの超高齢男子達とは物凄く気軽にお話ししていたけどね。でも年の近い男の子って周りにほとんどいなかったし、居ても恥ずかしくて話しかけられなかったんだ。
「スキー部のOB会みたいな、ああいう男女混合で遊ぶって経験もほとんどなくて」
「うん、そんな感じはした。慣れてないんだなって」
はい、即レス返って来ました。
バレバレでしたか。
「実は最初しぶしぶ連れて来られてたのかなって、場に乗り切れていないと言うか」
『場に乗り切れていない』―――ですよね!
「いや、あのね?しぶしぶではないよ?ワイワイやってる雰囲気が好きで―――端っこにいるだけでも楽しかったの。そりゃ話題も提供できなかったし、話を振られても上手く返せはしなかったけど……」
すると少しだけ落ち着きを取り戻したように、フーッと溜息をついて。僅かに乗り出していた身を背もたれに戻した水野君は、記憶を探るように目を細めて表情を緩めた。
「うん、相変わらず言葉は少なかったけど……暫く経った頃は馴染んで楽しそうだったよね。」
「それは―――皆優しかったからだよ。男の子も女の子も、ノリの悪い私に嫌な顔する人がいなかったから。それに水野君と話す機会が出来て、男性陣に対する苦手感がかなり減ったし」
「皆でいると大人しいのに、一対一だと結構しゃべるんだよね、大谷さんって」
「アハハ、だってねぇ?私の話で会話を止めちゃったら、盛り下がっちゃうような気がして口を挟めなかったの」
「うん。口調がおっとりしているくせに、たまに突拍子もない事言うからね」
「どうせ『トロい』って言いたいんでしょう?分かっているから黙っているのに」
心の中は合の手とかツッコミとか色々と忙しかったけどね……それは今もか。社交レベルが低過ぎて、社交レベルの高い人達がポンポンタイミング良く会話のキャッチボールをしているのを、眺めているしか出来なかったんだ。バレーボールで言えば、コートにいるけどお客さん状態って言う……人数合わせの運動音痴な人みたいに。でも見ているだけでも、皆の華麗なプレイを見ているだけで楽しかったんだよな。
「あー……やっぱ大谷さん、好きだな」
細められた瞳とカチリと視線が交わった。
ドキリとする。『好きだ』なんて、例え冗談だとしても……水野君の口から初めて聞いたからかもしれない。
「また偶然会えたのはきっと縁があるって事なんだよ。大谷さん、前は面と向かってハッキリ言えずに終わったけど……俺と付き合って下さい」
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