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ここにいるよ
しおりを挟むふと目を開けると。
よく知っている場所の外にいた。
そこは私が住んでいる自宅近くの店の外。
次いで、足は地面に着いている感覚はなく、…どうやら浮いているらしい。
周囲を見渡し、記憶の断片が呼び起こされていくのに時間はそうかからなかった。
そうだ。
私はこの店のすぐ横に伸びる歩道で事故にあった。
車との事故が多発する場所でもあった。
すぐに、家族に会いにいかねばとふり返るように体の向きを変える。
今、どれだけの時間が経っている?
今の状態の私に、どれだけの時間が残されているかわからない。
だから一番に伝えようと思った。
「自分はここにいる。」存在を。
「自分は、今、苦しくない。痛くもないんだ。」不安を。
だから、安心してほしい。
家には母がいた。そのことが長く時間が経過していないことを知る。
幸いなことに、近くにいる私の存在をなんとなく感じているようだ。
言葉は届いたかわからない。それでも、どれだけか安心した。
伝えられることは幸運だ。
本来であるなら、いや、多くの人は死んだ人との意思疎通は難しい。
それが生きる為の人の機能とも言えるのかもしれないが。
…
もし、今の私が現世に残り続けるとしたら。
あの場所で、あそこを通る人達位は見守ろうかな。
時間がある限り。私はここにいる。
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