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9.行きはよいよい帰りは恐い
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ホワイトウッドの宿屋、3畳ほどのスペースに置かれたベッドに、ぱっと見少女なエルフの男が寝ている。
吸血鬼の集団を討伐し、疲労困憊で気絶してしまったこの街の英雄は、街の首長が思っていたよりはるかに重症で、街総出で看病されていた。
「いや、少し仰々し過ぎません?」
「何言ってんだいハンス、屈強なドワーフの戦士でも気絶するような怪我だぞ?もう少し寝てても罰は当たらんだろ」
宿屋の主人は、そう言ってハンスの看病を行っていた。
エルフ、それも50歳未満の体はまだ子供と言ってよく生命力があるおかげで傷の治り早い。だけど背中の傷は跡が残るだろうと薬師のおばあちゃんが言っていた。かなり申し訳なさそうだったけど私男なので気にしないで下さい。
「じゃない!もう痛みとかは良いんですよ!さすがに2日もここに居たら体がなまるじゃないですか」
そういって私は寝かせようとしてくる主人を押しのけて部屋を出る。まあ包帯は体に巻いてあるから上は着なくていいでしょ、ズボンと包帯だけというワイルドなスタイルで首長の家に突撃した。
「首長居る?報酬受け取りに来たんだけど」
開口一番そう言うと、首長は困った顔をする。
「あんた、なんてかっこでうろつくんだい!乙女なら恥じらいを持ちな!」
「いや、金が無いから服が無いんですよ!私の衣服は穴だらけで血まみれです。そもそもこんな子供の裸見て誰が喜ぶって言うんですか!さあ報酬を」
と、言う訳で私は首長からお金をもらって街を出た。あの幽霊のおっちゃんには悪いけどもう帰る。そもそも手紙を渡しに来たのに吸血鬼退治とかおかいしいよ。とりあえずもう死んだことは手紙で伝わってるだろうし、もうここに居る理由は無くなった。またいつか来るかもしれないし来ないかもしれない。
一刻も早く帰りたかった私はドラゴンガードまで最短で向かう。道を使わずに森の中や川をそのまま通り抜ける。なんで道なき道を選ぶのか?もちろんちゃんとした理由がある。道だと山賊が堂々と待ち伏せしていたり、通りすがりのドラゴンに襲われたりする。
まあたまに巨人のキャンプ地に出たり、カニバル族の集落にぶち当たったりするけど、まあ、ナオキです。その時は運が無かったと諦めましょう。
「おっちゃんーおひさー」
ドラゴンガードの門番のおっちゃんに顔パスで入れてもらったら、お土産話を置いて家にゴーじゃ。
家、と言っても宿屋の安い部屋に住まわせてもらってるだけだけど。
自分の匂いのするベッドに飛び込んでうずくまる。
「あー疲れた、まじで疲れた、痛いしきついし、貧乏くじ引いちまったな。はあ」
翌朝、私は起きて先ず武器屋に足を運ぶ。ねらい目は前よりもいい弓だけど...んにゃぴ
みんな質が良くないんよねぇ、仕方ないから妥協でロングボウを買って、何でも屋を再開する。
田起こしから暗殺まで、報酬があれば何でもしますよっと。
吸血鬼の集団を討伐し、疲労困憊で気絶してしまったこの街の英雄は、街の首長が思っていたよりはるかに重症で、街総出で看病されていた。
「いや、少し仰々し過ぎません?」
「何言ってんだいハンス、屈強なドワーフの戦士でも気絶するような怪我だぞ?もう少し寝てても罰は当たらんだろ」
宿屋の主人は、そう言ってハンスの看病を行っていた。
エルフ、それも50歳未満の体はまだ子供と言ってよく生命力があるおかげで傷の治り早い。だけど背中の傷は跡が残るだろうと薬師のおばあちゃんが言っていた。かなり申し訳なさそうだったけど私男なので気にしないで下さい。
「じゃない!もう痛みとかは良いんですよ!さすがに2日もここに居たら体がなまるじゃないですか」
そういって私は寝かせようとしてくる主人を押しのけて部屋を出る。まあ包帯は体に巻いてあるから上は着なくていいでしょ、ズボンと包帯だけというワイルドなスタイルで首長の家に突撃した。
「首長居る?報酬受け取りに来たんだけど」
開口一番そう言うと、首長は困った顔をする。
「あんた、なんてかっこでうろつくんだい!乙女なら恥じらいを持ちな!」
「いや、金が無いから服が無いんですよ!私の衣服は穴だらけで血まみれです。そもそもこんな子供の裸見て誰が喜ぶって言うんですか!さあ報酬を」
と、言う訳で私は首長からお金をもらって街を出た。あの幽霊のおっちゃんには悪いけどもう帰る。そもそも手紙を渡しに来たのに吸血鬼退治とかおかいしいよ。とりあえずもう死んだことは手紙で伝わってるだろうし、もうここに居る理由は無くなった。またいつか来るかもしれないし来ないかもしれない。
一刻も早く帰りたかった私はドラゴンガードまで最短で向かう。道を使わずに森の中や川をそのまま通り抜ける。なんで道なき道を選ぶのか?もちろんちゃんとした理由がある。道だと山賊が堂々と待ち伏せしていたり、通りすがりのドラゴンに襲われたりする。
まあたまに巨人のキャンプ地に出たり、カニバル族の集落にぶち当たったりするけど、まあ、ナオキです。その時は運が無かったと諦めましょう。
「おっちゃんーおひさー」
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家、と言っても宿屋の安い部屋に住まわせてもらってるだけだけど。
自分の匂いのするベッドに飛び込んでうずくまる。
「あー疲れた、まじで疲れた、痛いしきついし、貧乏くじ引いちまったな。はあ」
翌朝、私は起きて先ず武器屋に足を運ぶ。ねらい目は前よりもいい弓だけど...んにゃぴ
みんな質が良くないんよねぇ、仕方ないから妥協でロングボウを買って、何でも屋を再開する。
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