転生したエルフは現代人でした。

如月イチカ

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12.火力主義

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 ドラゴンに向けて飛翔中の私、どうもハンスです。

 滑空時間が長い関係上、かなりブレますが私自身で軌道修正をして取り付くほか無いです。
 ドラゴンも生物ですので動き、なんなら私目掛けて攻撃もしますが、頑張って取り付いて羽根を切り落とします。
 バランスが取れないドラゴンをキルゾーンに落ちるように誘導すれば、私のお仕事は終了です。着地は減速の魔法を何度か重ね落ちる。

 その間にドカンドカン聞こえる大砲の音は、まあ、砲弾恐怖症なら失神してしまいそうなほど、過剰に撃ちこんでいますね。
 何かトラブルでも起きたのでしょうか?


「怯むな!撃てー!」

 ヘラー君の号令が聞こえる距離まで帰ってきました。どうやらあのドラゴンかなり鱗が硬かったみたいです、砲弾が刺さりはするも貫通まで至っていません。地竜の鱗も貫通する力はあるはずですし、現に私はあれの羽を切り落としています。
 よくよく観察すればあのドラゴンの鱗はかなり弾性があるみたいで、弾の衝撃を受け止めているようです。要は打撃に強く斬撃に弱い刺撃は普通ですかね?こんどは対飛竜用に対空砲でも、いや先に連射できる機関銃、いえ小さい弾を使う小銃から、貫通力のある弾の開発に工場の機械を設計して、動力源は、材料は、それを作る職人は、その為に必要な経費は、作ったら売り上げはどうなるのか、そこまで行くのに何年かかるか。ちょっと見積もりに時間がかかりますよ、そんなことより榴弾作った方が金になるのでは?

「ふむ」

「どうかされました?」

 私が考え事にふけっていると近場の兵士が私を気遣って声をかけてくれた。

「いや、やりたいことを思いついたのでね。先に工房に戻っているからヘラー君によろしく」

 とりあえず徹甲弾の中身をくり抜いて火薬を積めて発射してみよう。今の対竜砲のラインを少しいじれば同じ砲でも発射できるだろうし、上手い形になればそのまま量産して新型砲弾として売れる。何より榴弾は対人火力としてかなり優秀だから砲も売れる!まあ今んとこドラゴンガード周辺にしか出回ってないから帝都の方に売り込みで、軍部の偉い人には首長経由でつないでもらおう。

「ふふ、っふ」

 そうなると今から楽しみだな、私の火砲が量産された暁にはこの国は超大国になるでしょうね。


 その日の夜、私はいくつかの砲弾を作った。中に火薬を入れた物、先端を雷管に変えた物、他にもそれぞれ外皮の厚さを変えた物を用意して、首長から郊外演習場を借りて試射。一発チャンバー内で起爆したもののいくつか安定して起爆するものがあったため成功。ラインを組んで製造する。効率化は売り出してからでいいでしょう、なんなら代わりにやってほしい。
 怪我に関しては一名、名をハンス。私だ。破裂した砲の破片が直撃して全治一週間。製造と販売は弟子に任せ私は寝た。
 

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