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ヤンデレ盾に愛された結果
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自分語りをしよう。
私はかれこれ6度、転生している。最初の転生は勇者の幼馴染として盾を執り、勇者が魔王を封印する最中、勇者を庇って命尽きた。2度目は国の騎士として勇者パーティーに入りタンク役をこなしていたが、魔王の刃で盾ごと胴体をぶった切られた。3度目は前回の教訓を生かして盾を強化しまくった、ただその人生では魔王は居らず、邪竜をぶっ殺して寿命で死んだ。4度目はまた勇者パーティーでタンク役をやってたら、前世の盾がすっ飛んできて殺された、どうやら別の盾に浮気したのが原因らしい。5度目の転生ではもうすでに盾が目の前にいた、盾に呪われた子供として迫害されたが、邪竜と魔王を勇者と一緒に倒したら勇者の盾として英雄になった。
そして6度目、つまり今世。私は女として生を受けた。名前はリナーシャ・ビンセント、小さな開拓村のしがない村娘である。
「おはよー」
「おはようリーシャ」
私の一日は朝の挨拶から、自室からリビングへ行き適当にパンをかじって井戸へ、少し冷たいが我慢して体を洗い、目を覚ます。それから畑の様子を確認し牛と馬の世話をする、世話の仕方は必要だったから1回目で覚えた。
世話が終わったら森に入り薬草やらキノコやらを拾いに行くか、薬草で薬を作る。ただ混ぜるだけの簡単な作業だが、品種を間違えるとお金がゴミに変わるので気を付ける。
昼はご飯を食べた後にまた牛と馬の世話、暇ならまなら教会で子供たちと遊んだり字を教えたりして日が落ちる。
夜に適当にご飯を食べ、自室で筋トレ。筋トレは前世からの癖で鍛えてないと落ち着かないから、疲れたらそのまま就寝。
このまま平和な日々が続いていけばいいと思う。
私の体質からそんなことはないと思えてしまうのは何なのだろう。今世は女性なのだからほっといてほしい、今更になって日常とは尊いものだと思えるようになったのだ。
私が15、成人を迎える年齢になった日、その平穏は崩れる。
村が賊に襲われ、私は他の女性や子供たちと一緒に教会に避難させられていた。音からして外壁は破られていないようだけれど、ぱっと見の戦力比ではこの村の兵数は劣っている。守る方が有利だが、できれば被害は減らしたい。
女だからと言って私は戦えないわけではないのだ。
「リナーシャさん外に出るつもりですか?」
バレずに抜け出したと思ったらシスターにバレていた。まあ止められたところで行くんですけど。
「ええシスター、戦える人は多い方がいいでしょう。それには私は今まで喧嘩に負けたことがないのですよ」
「それとこれとじゃ」
「わかっています、でも私には守りたいものがあるのです」
シスターに魔法をかける、魔法と言っても初級、素人でも使えるような疲労回復の魔法だが副作用の催眠効果を強めるとあっという間に寝てしまう優れもの。シスターをベンチに寝かせた後、門が破砕される音を聞いて飛び出した。
「門が開いたぞ!すすめ!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
門が破られて怯む村人たち。
「盾を持ってる人は前へ、槍を持ってる人は後ろで隙間から刺して、弓を持ってる人は中に入ってる人を優先で射貫きなさい!決して一人で戦ってはいけません。複数人で一人をやりなさい!」
風魔法で声を飛ばして指示を出す。村人は私が出てきたことに驚いたが、直ぐに指示道理に動き出す。
櫓にいる村人は休むことなく弓で射貫き、槍を持った村人たちも盾の隙間から槍を突き出す。剣を持た村人も一人が攻撃を受け止めて誰かが後ろから攻撃する。
そして私も転がっている剣を足で弾いて掴むと、賊を打ち取るべく指示を出した。
盗賊団ベアークローの団長、ロークン・ベアーは門を破った途端、雑兵だった村人たちが息を吹き返したことに疑問を持った。吹けば飛ぶような、開拓村にしては少々金があるような、その程度なはず、自分の団の人数なら問題なく略奪できる算段だった。
だが実態はどうだ、また一人また一人と倒れていき、被害は予想を大きく上回る。そしてよく目を凝らせば、長い茶髪の女が馬に乗って指揮を飛ばしているではないか。
「っち、あの女か。いくぞ」
「「へい!」」
あの女さえ殺せば勝てる。
ロークンは馬上からそんなイメージを描く。
騎兵と言えばイメージすると馬にまたがった兵士を浮かべるだろう、そして現代人の感覚からだと時代遅れなイメージがつく。だが火薬が発明される以前、騎兵は猛威をふるった。それは馬特有の機動力もさることながら、攻撃力は歩兵より優れ、対策をしなければ蹂躙される。対策を怠れば文字どうり一騎当千の活躍をする、だからこそロークンは今まで勝ち続けてきた。
「おらおらおら!!たかが小娘一人に気圧されやがって!」
道中の村人を蹴散らし一直線に向かう、狙うは着の身着のまま馬に乗る小娘。突撃は、最高のタイミング。だが突然現れた金属の飛翔物に頭を砕かれた。
「「ボス!」」
それは大の男の頭を砕いた勢いのまま、地面に突き刺さっていた。形状は盾、分類は馬上で使う大型のカイトシールドと呼ばれるもの。1メートルほどで旧王国の国章が描かれてオリハルコンで作られたそれらは、神聖な銀色に輝いている。
だがその盾は今まで受けてきた呪いによって変異し、神聖とは真逆に位置する禍々しさを放つ。
「あら、久しぶりね」
だが少女はその邪悪な物に意思が有るかのように話しかける。
「え?なんで封印したのかだって?自分で考えなさいな」
旧知の友人のように、あるいは苦楽を共にした戦友のように。
「ああもう、怒らないでよ。今度は最後まで使ってあげるから」
盾はやがてひとりでに動き出して、差し出された少女の右腕に納まり。
「重い・・・ん?鍛えろ?あなたがダイエットしなさい!」
嬉しそうに笑った。
私はかれこれ6度、転生している。最初の転生は勇者の幼馴染として盾を執り、勇者が魔王を封印する最中、勇者を庇って命尽きた。2度目は国の騎士として勇者パーティーに入りタンク役をこなしていたが、魔王の刃で盾ごと胴体をぶった切られた。3度目は前回の教訓を生かして盾を強化しまくった、ただその人生では魔王は居らず、邪竜をぶっ殺して寿命で死んだ。4度目はまた勇者パーティーでタンク役をやってたら、前世の盾がすっ飛んできて殺された、どうやら別の盾に浮気したのが原因らしい。5度目の転生ではもうすでに盾が目の前にいた、盾に呪われた子供として迫害されたが、邪竜と魔王を勇者と一緒に倒したら勇者の盾として英雄になった。
そして6度目、つまり今世。私は女として生を受けた。名前はリナーシャ・ビンセント、小さな開拓村のしがない村娘である。
「おはよー」
「おはようリーシャ」
私の一日は朝の挨拶から、自室からリビングへ行き適当にパンをかじって井戸へ、少し冷たいが我慢して体を洗い、目を覚ます。それから畑の様子を確認し牛と馬の世話をする、世話の仕方は必要だったから1回目で覚えた。
世話が終わったら森に入り薬草やらキノコやらを拾いに行くか、薬草で薬を作る。ただ混ぜるだけの簡単な作業だが、品種を間違えるとお金がゴミに変わるので気を付ける。
昼はご飯を食べた後にまた牛と馬の世話、暇ならまなら教会で子供たちと遊んだり字を教えたりして日が落ちる。
夜に適当にご飯を食べ、自室で筋トレ。筋トレは前世からの癖で鍛えてないと落ち着かないから、疲れたらそのまま就寝。
このまま平和な日々が続いていけばいいと思う。
私の体質からそんなことはないと思えてしまうのは何なのだろう。今世は女性なのだからほっといてほしい、今更になって日常とは尊いものだと思えるようになったのだ。
私が15、成人を迎える年齢になった日、その平穏は崩れる。
村が賊に襲われ、私は他の女性や子供たちと一緒に教会に避難させられていた。音からして外壁は破られていないようだけれど、ぱっと見の戦力比ではこの村の兵数は劣っている。守る方が有利だが、できれば被害は減らしたい。
女だからと言って私は戦えないわけではないのだ。
「リナーシャさん外に出るつもりですか?」
バレずに抜け出したと思ったらシスターにバレていた。まあ止められたところで行くんですけど。
「ええシスター、戦える人は多い方がいいでしょう。それには私は今まで喧嘩に負けたことがないのですよ」
「それとこれとじゃ」
「わかっています、でも私には守りたいものがあるのです」
シスターに魔法をかける、魔法と言っても初級、素人でも使えるような疲労回復の魔法だが副作用の催眠効果を強めるとあっという間に寝てしまう優れもの。シスターをベンチに寝かせた後、門が破砕される音を聞いて飛び出した。
「門が開いたぞ!すすめ!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
門が破られて怯む村人たち。
「盾を持ってる人は前へ、槍を持ってる人は後ろで隙間から刺して、弓を持ってる人は中に入ってる人を優先で射貫きなさい!決して一人で戦ってはいけません。複数人で一人をやりなさい!」
風魔法で声を飛ばして指示を出す。村人は私が出てきたことに驚いたが、直ぐに指示道理に動き出す。
櫓にいる村人は休むことなく弓で射貫き、槍を持った村人たちも盾の隙間から槍を突き出す。剣を持た村人も一人が攻撃を受け止めて誰かが後ろから攻撃する。
そして私も転がっている剣を足で弾いて掴むと、賊を打ち取るべく指示を出した。
盗賊団ベアークローの団長、ロークン・ベアーは門を破った途端、雑兵だった村人たちが息を吹き返したことに疑問を持った。吹けば飛ぶような、開拓村にしては少々金があるような、その程度なはず、自分の団の人数なら問題なく略奪できる算段だった。
だが実態はどうだ、また一人また一人と倒れていき、被害は予想を大きく上回る。そしてよく目を凝らせば、長い茶髪の女が馬に乗って指揮を飛ばしているではないか。
「っち、あの女か。いくぞ」
「「へい!」」
あの女さえ殺せば勝てる。
ロークンは馬上からそんなイメージを描く。
騎兵と言えばイメージすると馬にまたがった兵士を浮かべるだろう、そして現代人の感覚からだと時代遅れなイメージがつく。だが火薬が発明される以前、騎兵は猛威をふるった。それは馬特有の機動力もさることながら、攻撃力は歩兵より優れ、対策をしなければ蹂躙される。対策を怠れば文字どうり一騎当千の活躍をする、だからこそロークンは今まで勝ち続けてきた。
「おらおらおら!!たかが小娘一人に気圧されやがって!」
道中の村人を蹴散らし一直線に向かう、狙うは着の身着のまま馬に乗る小娘。突撃は、最高のタイミング。だが突然現れた金属の飛翔物に頭を砕かれた。
「「ボス!」」
それは大の男の頭を砕いた勢いのまま、地面に突き刺さっていた。形状は盾、分類は馬上で使う大型のカイトシールドと呼ばれるもの。1メートルほどで旧王国の国章が描かれてオリハルコンで作られたそれらは、神聖な銀色に輝いている。
だがその盾は今まで受けてきた呪いによって変異し、神聖とは真逆に位置する禍々しさを放つ。
「あら、久しぶりね」
だが少女はその邪悪な物に意思が有るかのように話しかける。
「え?なんで封印したのかだって?自分で考えなさいな」
旧知の友人のように、あるいは苦楽を共にした戦友のように。
「ああもう、怒らないでよ。今度は最後まで使ってあげるから」
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「重い・・・ん?鍛えろ?あなたがダイエットしなさい!」
嬉しそうに笑った。
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