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狂った賢者の失敗談
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思考実験、その中で「スワンプマン」というものを知っているだろうか。
とある男が散歩をし、たまたま沼の近くで雷に撃たれて死んでしまう。そしてその時、もう一つの雷が沼に落ちて、死んだ男と全く同質の存在が生まれる。
この存在をスワンプマンと呼ぶ。スワンプマンは死んだ男と原子レベルで同一であり、また同じ記憶も経験を持つ。
要は男は自分が死んだことに気が付かないで日常に戻るか、スワンプマンが死んだ男に成り代わったか。
早足で説明するとこんなものだ。私の今の状態を表現するのに非常に似通っている。
ただ違うのは、今の自分が亡くなり新たな自分が私の跡を継ぐこと、一度死ぬということを認識し、飲みこんだうえで理解しているところが違う。
人が入るくらいのガラスケースの中に生命維持に必要なパイプと培養液に浸された少女、それが今の私の体。
「やった!成功だ!これで研究は新たなフェイズへ突入する!!」
培養液の中でただただ漂う私は、横の装置に入れられている私の元の体を見てそう叫んだ。
この世界は魔力があり、生物はみな魔法が使える。個体によって差異はあれど全く使えないと言うことは無い。
だからこそ魔法を使えることに疑問を抱かないし、誰もなぜ魔法が使えるのか考えもしなかった。そう、私以外は。
私は別に魔法が扱えないと言うのでもなく、ただ魔法という物に異物感があった。「これ、物理法則や力学に真っ向から喧嘩売ってね?」っと。
原因は私がこの世界で異端な魂のズレた存在であること。
これを発見した時、私は心の歯車が噛み合う音がした。幼いころから非常識な知識や技術を持っていたこと、赤子にして成熟したいたこと、そう言った周りとのズレの答えをもらえた気がした。
して、答えは得たが原因は不明なので魂に関する魔法をより学んだ。
死霊術、魂縛術、魂霊術、精霊術、どれもこれも私に才能というものはなかったが、それなりの成果はだした。誰も彼もが天才だ神堂だの騒いでいたが無視した。
改めて私の魂はズレを見てみる。これはバグ?次元に穴が開いていてそこに魂が引っ掛かってる?おおよそ言葉では正しく表現できない。魂のある空間に次元の裂け目、自分でも理解不能である。
しばし私は考え、とりあえず見なかったことにした。
それから年月が経ち様々な魔法を学んだが、どれもこれも才能の壁は超えられず、時間の足りなさを感じた。
それでも努力をやめなかった結果、私は皆から賢者と呼ばれるようになった。優れた魔法使いではないが、魔法の探究者として、その称号はありがたかった。だがまだ足りない、圧倒的に時間が足りない。
だがこの世界には、野菜人のように一日が一年の部屋なんてないし、その中で齢をとっては意味がない。意味はないが、作る寿命はもう残ってない。
そこで話は冒頭に戻る。
私は今まで学んできた魔法を駆使し、スワンプマンではないが自分のクローンに魂を移し、一日と一年の部屋作成の為の延命を試みたのだ。
そして魂の移し替えは成功、新たな体は軽い若い寿命が長い良いこと尽くし!
私はやったんだーあはははは!!!
全能感と解放感で満ち足りているが、はて?謎の喪失感があるのはなんでだろうか?
「っで、私は誰だ」
どうやら失敗したらしい。スマホのバックアップをパソコンにしたら接続コードのひ被覆が破れててバックアップ(損傷)みたいな。
代償は記憶の一部喪失、まあ知識が残ってるだけまだいいか。
魂を覗くとやっぱりズレたままで別段おかしいことはない、つまり問題ない。
「名前不明、人間関係まっさら、うん。とりあえずなんか作るか」
目的は覚えている、そこへたどり着くための知識も時間もある。うん、改めて問題ない。あとはトライ&エラーの繰り返しだけ。
言葉にしても帰って来るのが静寂しかないが、この賢者ラボなら時間を掛ければなんだってできる。
そして私は、自分自身が納得すればそれでいいのだ。時間だけはある、何かを成すにはそれ相応の時間がいる、だから私は・・・・・・
はて、私は誰だったのだろうか?何のためにこの一瞬と5億年ボタンを作ったのだろか?ボタンを押したら5億年間どっかの時空で過ごし記憶も体験もそのまま、だが寿命だけ減らさず元の世界に戻すボタン。
とりあえず時の研究をしている中で6番目の私が時空の番犬に目をを付けられて死にかけ、その後は番犬の尻尾を踏まないように探究し大きなトラブル無く完成したが。これを造るために100万年かけた時間はかなり酷なものだった。おかげで私は12番目、私でなければ等に狂っている。
「オリジンはコレを作って何をしたかったんだろう?セカンドが記憶の欠損を認識できたが、その後すぐに研究を始めたから。多分その記憶の中に理由があるんだろうけど、まあ使ってみるか」
世の中には「ど忘れ」というものがある。直前まで自分が何をしていたか思い出せない、だがほんの些細な刺激で思い出されるアレである。
ポチ
つまり私はボタンを押したその瞬間、寿命を減らさずに研究する時間であることを思い出したのである。
さて、私は酷く能天気だ、直感で物事を進め、うっかりでラボを粉塵まみれにしたし、寝不足で大きな障害の残る怪我を負ったのも、好奇心で時の番犬に追い回されたことも全て自業自得だ。
非才で要領が悪い愚者である、そして自ら何かを作り出す才能ほど無い物はない。私はとても劣っている、だからこそ楽しい、楽しいから挑戦する。
だがコレは、多く色んな物を作ってきた私だが、このボタンだけは・・・・・・
「・・・・・・はーぁ、バッカじゃねえの!バッカ!バーカ!5億年とか気が狂うわ!そもそも研究道具持ち込めないんだから研究も何もできねぇだろバーカ!てか食事は?寝るところは?なんで虚無しかないんだよ!言いえて妙だけど!虚無!見渡す限り虚無!確かに私はニヒリストだけど虚無が好きってわけじゃないから!・・・・・・はぁ」
これから5億年間、どうしたものか。
とある男が散歩をし、たまたま沼の近くで雷に撃たれて死んでしまう。そしてその時、もう一つの雷が沼に落ちて、死んだ男と全く同質の存在が生まれる。
この存在をスワンプマンと呼ぶ。スワンプマンは死んだ男と原子レベルで同一であり、また同じ記憶も経験を持つ。
要は男は自分が死んだことに気が付かないで日常に戻るか、スワンプマンが死んだ男に成り代わったか。
早足で説明するとこんなものだ。私の今の状態を表現するのに非常に似通っている。
ただ違うのは、今の自分が亡くなり新たな自分が私の跡を継ぐこと、一度死ぬということを認識し、飲みこんだうえで理解しているところが違う。
人が入るくらいのガラスケースの中に生命維持に必要なパイプと培養液に浸された少女、それが今の私の体。
「やった!成功だ!これで研究は新たなフェイズへ突入する!!」
培養液の中でただただ漂う私は、横の装置に入れられている私の元の体を見てそう叫んだ。
この世界は魔力があり、生物はみな魔法が使える。個体によって差異はあれど全く使えないと言うことは無い。
だからこそ魔法を使えることに疑問を抱かないし、誰もなぜ魔法が使えるのか考えもしなかった。そう、私以外は。
私は別に魔法が扱えないと言うのでもなく、ただ魔法という物に異物感があった。「これ、物理法則や力学に真っ向から喧嘩売ってね?」っと。
原因は私がこの世界で異端な魂のズレた存在であること。
これを発見した時、私は心の歯車が噛み合う音がした。幼いころから非常識な知識や技術を持っていたこと、赤子にして成熟したいたこと、そう言った周りとのズレの答えをもらえた気がした。
して、答えは得たが原因は不明なので魂に関する魔法をより学んだ。
死霊術、魂縛術、魂霊術、精霊術、どれもこれも私に才能というものはなかったが、それなりの成果はだした。誰も彼もが天才だ神堂だの騒いでいたが無視した。
改めて私の魂はズレを見てみる。これはバグ?次元に穴が開いていてそこに魂が引っ掛かってる?おおよそ言葉では正しく表現できない。魂のある空間に次元の裂け目、自分でも理解不能である。
しばし私は考え、とりあえず見なかったことにした。
それから年月が経ち様々な魔法を学んだが、どれもこれも才能の壁は超えられず、時間の足りなさを感じた。
それでも努力をやめなかった結果、私は皆から賢者と呼ばれるようになった。優れた魔法使いではないが、魔法の探究者として、その称号はありがたかった。だがまだ足りない、圧倒的に時間が足りない。
だがこの世界には、野菜人のように一日が一年の部屋なんてないし、その中で齢をとっては意味がない。意味はないが、作る寿命はもう残ってない。
そこで話は冒頭に戻る。
私は今まで学んできた魔法を駆使し、スワンプマンではないが自分のクローンに魂を移し、一日と一年の部屋作成の為の延命を試みたのだ。
そして魂の移し替えは成功、新たな体は軽い若い寿命が長い良いこと尽くし!
私はやったんだーあはははは!!!
全能感と解放感で満ち足りているが、はて?謎の喪失感があるのはなんでだろうか?
「っで、私は誰だ」
どうやら失敗したらしい。スマホのバックアップをパソコンにしたら接続コードのひ被覆が破れててバックアップ(損傷)みたいな。
代償は記憶の一部喪失、まあ知識が残ってるだけまだいいか。
魂を覗くとやっぱりズレたままで別段おかしいことはない、つまり問題ない。
「名前不明、人間関係まっさら、うん。とりあえずなんか作るか」
目的は覚えている、そこへたどり着くための知識も時間もある。うん、改めて問題ない。あとはトライ&エラーの繰り返しだけ。
言葉にしても帰って来るのが静寂しかないが、この賢者ラボなら時間を掛ければなんだってできる。
そして私は、自分自身が納得すればそれでいいのだ。時間だけはある、何かを成すにはそれ相応の時間がいる、だから私は・・・・・・
はて、私は誰だったのだろうか?何のためにこの一瞬と5億年ボタンを作ったのだろか?ボタンを押したら5億年間どっかの時空で過ごし記憶も体験もそのまま、だが寿命だけ減らさず元の世界に戻すボタン。
とりあえず時の研究をしている中で6番目の私が時空の番犬に目をを付けられて死にかけ、その後は番犬の尻尾を踏まないように探究し大きなトラブル無く完成したが。これを造るために100万年かけた時間はかなり酷なものだった。おかげで私は12番目、私でなければ等に狂っている。
「オリジンはコレを作って何をしたかったんだろう?セカンドが記憶の欠損を認識できたが、その後すぐに研究を始めたから。多分その記憶の中に理由があるんだろうけど、まあ使ってみるか」
世の中には「ど忘れ」というものがある。直前まで自分が何をしていたか思い出せない、だがほんの些細な刺激で思い出されるアレである。
ポチ
つまり私はボタンを押したその瞬間、寿命を減らさずに研究する時間であることを思い出したのである。
さて、私は酷く能天気だ、直感で物事を進め、うっかりでラボを粉塵まみれにしたし、寝不足で大きな障害の残る怪我を負ったのも、好奇心で時の番犬に追い回されたことも全て自業自得だ。
非才で要領が悪い愚者である、そして自ら何かを作り出す才能ほど無い物はない。私はとても劣っている、だからこそ楽しい、楽しいから挑戦する。
だがコレは、多く色んな物を作ってきた私だが、このボタンだけは・・・・・・
「・・・・・・はーぁ、バッカじゃねえの!バッカ!バーカ!5億年とか気が狂うわ!そもそも研究道具持ち込めないんだから研究も何もできねぇだろバーカ!てか食事は?寝るところは?なんで虚無しかないんだよ!言いえて妙だけど!虚無!見渡す限り虚無!確かに私はニヒリストだけど虚無が好きってわけじゃないから!・・・・・・はぁ」
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