6 / 8
Spring and Start up
#05 剥がされたリユウ
しおりを挟む
「いたずらってことはやっぱないよね…」
「うん…となると生徒会あたりか…。何かいけない点があったのかも」
貼り付けたポスターが全て剥がされていた件について、教室にて遥と真剣討議中だ。
今は放課後だが、今日一日、今の今までずっとこの事が頭の中をかけまわっていた。
朝は少し動揺してしまったが、今は結構冷静でいられる反面、怒りもないと言えば嘘になる、そんな複雑な心境だ。
「私が学校に着いたのは7時50分頃かな。音里と同じ、昇降口のとこのポスターが無くなってたのはすぐ気付いた」
「昨日私たちが学校出たのっていつくらいかな」
「確か17時過ぎたあたりだったと思う…」
「そっか。じゃあきっとその後で剥がした人がいるんだね」
「放課後は人が沢山うろつくし、私たちが帰る時も、まだ校内に残ってた人はかなりの人数いただろうしね」
生徒会…
遥の言葉が頭に残る。
ポスターを掲示する事に問題があったのか、ポスターそのものに問題があったのか。
どちらにしろ、このままもう一度貼り直そうという選択肢はなさそうだ。
またすぐ剥がされてしまっては意味がない。
「生徒会のやった事ならさ、生徒会室にでも行って、何がいけなかったのか聞いてみる?」
「うーん…」
生徒会室かー。まさか入学早々お世話になるとは思ってなかったなぁ。
「まぁ、気は進まないだろうけどね」
そう言うと遥は嫌々そうに机に顔に伏せてしまった。
「でもどうせ私がやったことだってのは向こうには丸分かりなんだよね。クラスと名前書いてるから」
ならばいずれ生徒会に呼び出されるのかも。
それなら自分から行ったほうが誠意的だと思われるかもしれない。
「このポスター貼ることの何がいけないのかねー」
遥は机にぐったりしたまま、右手でポスターの端をもってひらひらして見せた。
新一年生はポスターを掲示してはいけないとか、はたまたポスターの掲示にはいちいち先生や生徒会への許可が必要なのか。
色々と考えられることはあるが、ここであれこれ悩んでいても仕方がない。
「よし、生徒会室に行ってみよ」
「そうだね」
私と遥は椅子から立ち上がると、ポスターをもって教室を後にした。
生徒会室は西棟に位置し、私たちの教室のある北棟からは結構近い。
東西南北に四つ、その真ん中に中央棟と呼ばれる建物が一つ、十字状に配置されており、更に北棟と西棟、北棟と東棟はそれぞれ直角型の渡り廊下で結ばれている。
そのため、中央棟を介さなくても直接渡り廊下を使って移動できるのだ。
しかし私たちは中央棟に入り、そこから西棟へ向かうことにした。
理由は職員室前にある大きな掲示板を少し見ておきたかったからだ。
私たちのポスターと何が違うのか…。
生徒会室に向かう前にそれを確認したい。
「もし、明らかに直さないといけないとこが見つかったらどうする?」
「その時も一応生徒会室に顔出しといたほうがいいかも。今後のためにもさ」
「そっか」
お互い少しため息。
でも今後の蟠りを少しでもなくすためだ、仕方ない。
「昨日よりも増えてるね、掲示物」
職員室前に着いた遥がふと口を開く。
今日は部活動説明会があり、ちょうど今頃は諸所部活動が体育館に集まってデモンストレーションを行っているはずだ。
そのためか人気がいつもより少なく感じるのに、掲示板の賑やかさだけは、まるでここが勧誘活動における一等地であるかのように、その存在感を発揮していた。
「じゃあ見ていこうか」
さてさてと私たちはポスターを見比べ始める。
ちょうど目の前にあった園芸部のポスターに目線を集めていたところ、私たちは後ろから不意に声をかけられた。
「それ、アウト」
振り向くと、いつの間にそこに居たのだろうか、黒髪で長身の女子生徒が立っていた。
切れ長でつり目をした彼女の視線の方向は、私たちの手元のポスターに向いている。
アウト…
一瞬なんの事を言っているのか分からなかったが、すぐにこのポスターの事を言ってるんだと理解した。
「部活動管理委員会…」
隣で遥がぽつりと呟く。
その女子生徒の左腕には、白字で『部活動管理委員会』と書かれた常磐色の腕章が付けられていた。
「うん…となると生徒会あたりか…。何かいけない点があったのかも」
貼り付けたポスターが全て剥がされていた件について、教室にて遥と真剣討議中だ。
今は放課後だが、今日一日、今の今までずっとこの事が頭の中をかけまわっていた。
朝は少し動揺してしまったが、今は結構冷静でいられる反面、怒りもないと言えば嘘になる、そんな複雑な心境だ。
「私が学校に着いたのは7時50分頃かな。音里と同じ、昇降口のとこのポスターが無くなってたのはすぐ気付いた」
「昨日私たちが学校出たのっていつくらいかな」
「確か17時過ぎたあたりだったと思う…」
「そっか。じゃあきっとその後で剥がした人がいるんだね」
「放課後は人が沢山うろつくし、私たちが帰る時も、まだ校内に残ってた人はかなりの人数いただろうしね」
生徒会…
遥の言葉が頭に残る。
ポスターを掲示する事に問題があったのか、ポスターそのものに問題があったのか。
どちらにしろ、このままもう一度貼り直そうという選択肢はなさそうだ。
またすぐ剥がされてしまっては意味がない。
「生徒会のやった事ならさ、生徒会室にでも行って、何がいけなかったのか聞いてみる?」
「うーん…」
生徒会室かー。まさか入学早々お世話になるとは思ってなかったなぁ。
「まぁ、気は進まないだろうけどね」
そう言うと遥は嫌々そうに机に顔に伏せてしまった。
「でもどうせ私がやったことだってのは向こうには丸分かりなんだよね。クラスと名前書いてるから」
ならばいずれ生徒会に呼び出されるのかも。
それなら自分から行ったほうが誠意的だと思われるかもしれない。
「このポスター貼ることの何がいけないのかねー」
遥は机にぐったりしたまま、右手でポスターの端をもってひらひらして見せた。
新一年生はポスターを掲示してはいけないとか、はたまたポスターの掲示にはいちいち先生や生徒会への許可が必要なのか。
色々と考えられることはあるが、ここであれこれ悩んでいても仕方がない。
「よし、生徒会室に行ってみよ」
「そうだね」
私と遥は椅子から立ち上がると、ポスターをもって教室を後にした。
生徒会室は西棟に位置し、私たちの教室のある北棟からは結構近い。
東西南北に四つ、その真ん中に中央棟と呼ばれる建物が一つ、十字状に配置されており、更に北棟と西棟、北棟と東棟はそれぞれ直角型の渡り廊下で結ばれている。
そのため、中央棟を介さなくても直接渡り廊下を使って移動できるのだ。
しかし私たちは中央棟に入り、そこから西棟へ向かうことにした。
理由は職員室前にある大きな掲示板を少し見ておきたかったからだ。
私たちのポスターと何が違うのか…。
生徒会室に向かう前にそれを確認したい。
「もし、明らかに直さないといけないとこが見つかったらどうする?」
「その時も一応生徒会室に顔出しといたほうがいいかも。今後のためにもさ」
「そっか」
お互い少しため息。
でも今後の蟠りを少しでもなくすためだ、仕方ない。
「昨日よりも増えてるね、掲示物」
職員室前に着いた遥がふと口を開く。
今日は部活動説明会があり、ちょうど今頃は諸所部活動が体育館に集まってデモンストレーションを行っているはずだ。
そのためか人気がいつもより少なく感じるのに、掲示板の賑やかさだけは、まるでここが勧誘活動における一等地であるかのように、その存在感を発揮していた。
「じゃあ見ていこうか」
さてさてと私たちはポスターを見比べ始める。
ちょうど目の前にあった園芸部のポスターに目線を集めていたところ、私たちは後ろから不意に声をかけられた。
「それ、アウト」
振り向くと、いつの間にそこに居たのだろうか、黒髪で長身の女子生徒が立っていた。
切れ長でつり目をした彼女の視線の方向は、私たちの手元のポスターに向いている。
アウト…
一瞬なんの事を言っているのか分からなかったが、すぐにこのポスターの事を言ってるんだと理解した。
「部活動管理委員会…」
隣で遥がぽつりと呟く。
その女子生徒の左腕には、白字で『部活動管理委員会』と書かれた常磐色の腕章が付けられていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
妻が通う邸の中に
月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる