まいらじ!

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Spring and Start up

#05 剥がされたリユウ

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「いたずらってことはやっぱないよね…」
「うん…となると生徒会あたりか…。何かいけない点があったのかも」
 貼り付けたポスターが全て剥がされていた件について、教室にて遥と真剣討議中だ。
 今は放課後だが、今日一日、今の今までずっとこの事が頭の中をかけまわっていた。
 朝は少し動揺してしまったが、今は結構冷静でいられる反面、怒りもないと言えば嘘になる、そんな複雑な心境だ。
「私が学校に着いたのは7時50分頃かな。音里と同じ、昇降口のとこのポスターが無くなってたのはすぐ気付いた」
「昨日私たちが学校出たのっていつくらいかな」
「確か17時過ぎたあたりだったと思う…」
「そっか。じゃあきっとその後で剥がした人がいるんだね」
「放課後は人が沢山うろつくし、私たちが帰る時も、まだ校内に残ってた人はかなりの人数いただろうしね」
 生徒会…
 遥の言葉が頭に残る。
 ポスターを掲示する事に問題があったのか、ポスターそのものに問題があったのか。
 どちらにしろ、このままもう一度貼り直そうという選択肢はなさそうだ。
 またすぐ剥がされてしまっては意味がない。
「生徒会のやった事ならさ、生徒会室にでも行って、何がいけなかったのか聞いてみる?」
「うーん…」
 生徒会室かー。まさか入学早々お世話になるとは思ってなかったなぁ。
「まぁ、気は進まないだろうけどね」
 そう言うと遥は嫌々そうに机に顔に伏せてしまった。
「でもどうせ私がやったことだってのは向こうには丸分かりなんだよね。クラスと名前書いてるから」
 ならばいずれ生徒会に呼び出されるのかも。
 それなら自分から行ったほうが誠意的だと思われるかもしれない。
「このポスター貼ることの何がいけないのかねー」
 遥は机にぐったりしたまま、右手でポスターの端をもってひらひらして見せた。
 新一年生はポスターを掲示してはいけないとか、はたまたポスターの掲示にはいちいち先生や生徒会への許可が必要なのか。
 色々と考えられることはあるが、ここであれこれ悩んでいても仕方がない。
「よし、生徒会室に行ってみよ」
「そうだね」
 私と遥は椅子から立ち上がると、ポスターをもって教室を後にした。

 生徒会室は西棟に位置し、私たちの教室のある北棟からは結構近い。
 東西南北に四つ、その真ん中に中央棟と呼ばれる建物が一つ、十字状に配置されており、更に北棟と西棟、北棟と東棟はそれぞれ直角型の渡り廊下で結ばれている。
 そのため、中央棟を介さなくても直接渡り廊下を使って移動できるのだ。
 しかし私たちは中央棟に入り、そこから西棟へ向かうことにした。
 理由は職員室前にある大きな掲示板を少し見ておきたかったからだ。
 私たちのポスターと何が違うのか…。
 生徒会室に向かう前にそれを確認したい。
「もし、明らかに直さないといけないとこが見つかったらどうする?」
「その時も一応生徒会室に顔出しといたほうがいいかも。今後のためにもさ」
「そっか」
 お互い少しため息。
 でも今後のわだかまりを少しでもなくすためだ、仕方ない。
「昨日よりも増えてるね、掲示物」
 職員室前に着いた遥がふと口を開く。
 今日は部活動説明会があり、ちょうど今頃は諸所部活動が体育館に集まってデモンストレーションを行っているはずだ。
 そのためか人気がいつもより少なく感じるのに、掲示板の賑やかさだけは、まるでここが勧誘活動における一等地であるかのように、その存在感を発揮していた。
「じゃあ見ていこうか」
 さてさてと私たちはポスターを見比べ始める。
 ちょうど目の前にあった園芸部のポスターに目線を集めていたところ、私たちは後ろから不意に声をかけられた。

「それ、アウト」

 振り向くと、いつの間にそこに居たのだろうか、黒髪で長身の女子生徒が立っていた。
 切れ長でつり目をした彼女の視線の方向は、私たちの手元のポスターに向いている。
 アウト…
 一瞬なんの事を言っているのか分からなかったが、すぐにこのポスターの事を言ってるんだと理解した。
「部活動管理委員会…」
 隣で遥がぽつりと呟く。
 その女子生徒の左腕には、白字で『部活動管理委員会』と書かれた常磐色の腕章が付けられていた。
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