吸血鬼は今夜も宵闇に笑う

夜乃

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「誕生日プレゼントは檜風呂です!!」「!!!?」(前編)

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さて、お久しぶりです。
潤川(ウルウガワ)です。
明日、9月4日は羽鳥(ハドリ)の誕生日です。
なぜそんなに急な話なのかと言うと、私と奥乃(オウナイ)は3日前である昨日まで、羽鳥(ハドリ)が誕生日である事を知りませんでした。
夜野(ヨルノ)は知っていたらしく、昨日さもどうでもいい事のようにポツンと呟いた事により発覚し、私と奥乃(オウナイ)は大慌てになりました。
知っていたのなら、早めに言っておいて欲しかったのですが、夜野(ヨルノ)だから仕方ないですね。
と言うことで急いでお祝いの準備をしようと言うことで昼間ながら頑張って私達は集まります。
もちろん羽鳥(ハドリ)には内緒で。
9月になったとはいえまだまだ日差しが強い日は続きます。
吸血鬼としての位が私より高い夜野(ヨルノ)や奥乃(オウナイ)は本当に辛そうですね。
位が高ければ高いほど、能力は高いですが同時に弱点も大きくなってしまいます。
なので、集合場所となった私の家に来た時には二人ともフラフラで倒れる寸前でしたね。


「さて、全員集まった所で、誕生日プレゼントに何をあげるのか話し合いましょう!!」
「芋虫」
「ゴキブリ」


スパァンッッ!!
何を馬鹿な事を言ってるんでしょうね、この二人は。
誕生日にどうして虫を貰わなくちゃいけないんですか。
私だったら泣きますよ。
と、言うか羽鳥(ハドリ)は虫大丈夫なほうだっただろうか?
まぁ、大丈夫だったとしても誕生日プレゼントに虫はない。


「真面目に考えて!!!」
「「すまん。じゃあムカデで。」」


スパァンッッ!!
ダメですね。
気が遠くなり始めました。
この二人がまともに考えてくれるのでしょうか.....。
時計をチラッと見ると今は午前10時ジャスト。



羽鳥(ハドリ)の誕生日まで残り14時間______!!



さて、そろそろ真面目に考え始めないとな.........。
どうも、奥乃(オウナイ)です。
羽鳥(ハドリ)の誕生日プレゼントを考えてます。
暑いのは苦手です。
頭が回りません。
夜野(ヨルノ)と俺は日差しにとてつもなく弱い。
二人でひいひい言いながら歩いて来たんだ。
それなのに、ウルちゃんと来たら.........。
全く........。
そんなだから夜野(ヨルノ)にいつまでたっても気付いて貰えな______

やめておこう。
........絶対零度の視線が痛い。
これぐらい強引に押していったらいいのになぁ.....。
どうせ、夜野(ヨルノ)は気付いてないんだろうし。
押して押して押しまくらないと、夜野(ヨルノ)は気付かないぞ。
それでも気付かない可能性もあるが....。
さて、真面目に考えないと本気で怒られる。
しかし、欲しい物が何かわからない。
服とかだと、好き嫌い割られるだろうし。
アクセサリーの類にはたしか興味なかったよな、羽鳥(ハドリ)は。
誕生日に花なんてキザな真似はしたくないし.....。


「あいつ、温泉、入った?いや、入ります?」
「なんだ!?何言ってんの、大丈夫か!?」
「入り.........たいって....。」


バタン。
あ、え!?
えぇーーーーー!!?
た、倒れた!!?


「だっ、大丈夫かっ!!?おいっ!!」
「あ、暑い........。日差し強い、無理.....。」
「クーラーつけましょう!!」


とりあえず、カーテンを閉めて、クーラーをつけて部屋がキンキンに冷えると夜野(ヨルノ)は幾分か落ち着いたみたいだ。
しかし、ここまで日差しに弱いとは....。
それで、風呂がどうとかって何のことなんだ.....?


「ふぃー。やっぱり日差しはダメだわ。暑いのも得意じゃないけど。」
「お前、能力炎じゃなかったか!!?」
「ばっか、お前自分で出す炎が熱いわけないだろ。」
「まぁ、それは確かにそうかもしんないけどなぁ....。で?風呂が何なの??」


夜野(ヨルノ)のために氷やら保冷剤やらを取りに行っていたウルちゃんがここで部屋に合流。
話に参加することになる。
座って落ち着いたのを確認すると夜野(ヨルノ)は話し始めた。


「なんか、最近あいつ目覚める時間が早くなってるっぽいんだよ。別に悪い事じゃないんだけど、起きるとどうしても動くし汗もかくんだ。俺が起きると汗ダラダラになってたり、冷蔵庫開けっ放しにしたまま血を見て気を失って汗かきまくってる状態で俺が発見したりと、まぁ汗に困らされてるみたいなんだよ。」
「待って、冷蔵庫開けっ放しって何!!?あと、気を失ったのは羽鳥(ハドリ)の責任では!?」
「まぁ、そこは置いとけ。よく考えろ。羽鳥(ハドリ)だぞ?」
「あぁ、そう言えばそうだった。」
「まぁ、あの子だもんね。仕方ない。」


うん、それなら仕方ないって思わせる。
さすが羽鳥(ハドリ)。
ウルちゃんも苦笑いだ。
僕らの中での羽鳥(ハドリ)はどうなっているんだ。
少し可哀想になってきたよ....。


(クシュンッ!!)
羽鳥は寝たままクシャミをしたが、本人すらも気が付かなかった_______。


「話を戻そう。俺の家はマンションな訳で風呂なんて満足に入れねぇ。あるのは水しか出ない壊れかけのシャワーだけ。だから、あいつ最近お湯の湯船にゆっくり浸かりたいって言うんだよ。」
「なるほど。風呂、風呂かぁ....。銭湯貸切にする?それぐらいの金あるでしょ。夜野(ヨルノ)なら。」
「ん、ある事にはあるぞ。よし、そうするか。」


よし、決まっ______


「待って待って待って!!!!」


うぉっ!!?
珍しく声を張り上げるから驚いた。
ウルちゃんあんな声出たんだ....。
夜野(ヨルノ)も大分驚いてるな。


「な、何事!?」
「銭湯貸切なんて流石に馬鹿でしょ!!?しかも、そんなお金の余裕は無いでしょ!?夜野(ヨルノ)見栄張ってるでしょ!?」
「いや?あるぞ。金は。使う事がないから貯まっていく一方だぞ。」
「嘘ー!!?」


そうだ。
羽鳥(ハドリ)は洋服に、ウルちゃんは本にという具合で、女性陣二人は金を湯水のように使うね。
対して、俺と夜野(ヨルノ)は大して買いたいものなんてないのでお金は生活費だけが必要なだけで余る一方なんだ。
そもそも、俺達が襲う人は大体汚れているが金は沢山持っているような連中ばかりだ。
頻度は少ないが、入ってくる額は一般市民の収入と比べたならば桁が違う。


「そもそも、貸切じゃなかったらどうするのさ。人間と一緒には入りたくないよ?」
「人間の残り湯も勘弁だ。」


ウルちゃん困っちゃった。
頭抱えちゃってる。
ブツブツお金がどうとか言ってるけど、お風呂の話に戻ってきてね。
そんなにか。
そんなにショックだったか....。
今度、夜野(ヨルノ)にウルちゃんに本を買ってあげるように言っておこう.........。


一向に進展しない展開が続き、羽鳥(ハドリ)の誕生日まで残り10時間______!!!



うん。
話が進まん。
俺のせいか........?
俺のせいなんだろうな....。
どうも、夜野(ヨルノ)だ。
羽鳥(ハドリ)の誕生日プレゼントについて話し合っているんだが、話の大黒柱だったはずの潤川(ウルウガワ)の調子がおかしい。
なんでお金がないんだ.....?
お金なんて生活費以外使い道ないと思ってたんだが。
まぁ、でも貸し切る他に手なんてないし、潤川(ウルウガワ)もすぐ折れるだろ。


「あっ!!!」
「なんだ!?」
「なんか思い浮かんだの?ウルちゃん。」


急に声を出さないでくれよ。
びっくりするじゃないか。
まぁ、俺や奥乃(オウナイ)みたいな馬鹿みたいな意見は流石に言わないだろうけど、どこか不安が残るのはなぜだ........。


「シャワーがないのなら、湯船を作ればいいんだね!!」
「おい、その名言ちょっとおかしい!!!」
「急にどうした!!?」


焦るしかない。
急にどうしたんだ、ほんとに。
もう一度言うぞ。
急にどうした。
作るって、材料買ってくる時間に加工する時間とかその他もろもろ圧倒的に足りないだろ。


「作るったって手段と材料と時間の問題はどう解決するんだ?そもそも人の手で湯船は作れたとして、お湯なんてどっから引いてくるんだよ。」
「それは、大丈夫!!!」


うわぁ........。
この笑顔どっかで見た事あるぞ。
花火作った時の俺と奥乃(オウナイ)の笑顔にめちゃくちゃ似てる....。
だから、嫌な予感しかしないのか....。
果たして、羽鳥(ハドリ)は無事にプレゼントを受け取ることが出来るのだろうか....。



後編へ続く__________。
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