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Prolog
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この、汚穢にまみれた新世界を握るのは何者か?
《理性》を選んだ《亡霊》か、
《本能》を選んだ《怪物》か、
それとも--。
***
おれには、家族と呼べるものがふたつあった。
ひとつは誰にでもいるであろう、法と秩序に悉く守られた実の両親だ。おれが新世界へと招かれた運命の転換点の日に、彼らとの繋がりはあってないようなものになってしまったが。
そして、もうひとつの家族と言うべき戦友と出逢ったのは、おれがこの世界へと来たおよそ三ヶ月前のことだった。
とある教会の寂れた礼拝堂。自ら選び取ったその場所で、彼女はおれを待っている。
彼女とおれの間に血の繋がりはまったくない。もっと言えば、世俗的に言われる家族という意味の繋がりはない。
だが、血よりも濃く何よりも硬い絆によって結ばれていた。そんなおれたちの関係を表せる言葉があるとすれば、それは母子。そのたった二文字で表せるのか、甚だ疑問ではあるが、その二文字以上でも、以下でも有り得なかった。
おれたちは言わば、仕事の先輩と後輩。師匠と弟子。王と従者。そして、あらゆる兇漢を、決して逃さず追い詰め、この不条理な世界の真理に喰らいつこうとした、義勇の相棒だった。
おれは、ときに彼女をボスと呼んだ。そう、誰よりも正義たらんとした、その女の名は--。
市堂 玲花。
そして、おれは--柊木悠真は、これから、そいつを殺す気でいる。
《理性》を選んだ《亡霊》か、
《本能》を選んだ《怪物》か、
それとも--。
***
おれには、家族と呼べるものがふたつあった。
ひとつは誰にでもいるであろう、法と秩序に悉く守られた実の両親だ。おれが新世界へと招かれた運命の転換点の日に、彼らとの繋がりはあってないようなものになってしまったが。
そして、もうひとつの家族と言うべき戦友と出逢ったのは、おれがこの世界へと来たおよそ三ヶ月前のことだった。
とある教会の寂れた礼拝堂。自ら選び取ったその場所で、彼女はおれを待っている。
彼女とおれの間に血の繋がりはまったくない。もっと言えば、世俗的に言われる家族という意味の繋がりはない。
だが、血よりも濃く何よりも硬い絆によって結ばれていた。そんなおれたちの関係を表せる言葉があるとすれば、それは母子。そのたった二文字で表せるのか、甚だ疑問ではあるが、その二文字以上でも、以下でも有り得なかった。
おれたちは言わば、仕事の先輩と後輩。師匠と弟子。王と従者。そして、あらゆる兇漢を、決して逃さず追い詰め、この不条理な世界の真理に喰らいつこうとした、義勇の相棒だった。
おれは、ときに彼女をボスと呼んだ。そう、誰よりも正義たらんとした、その女の名は--。
市堂 玲花。
そして、おれは--柊木悠真は、これから、そいつを殺す気でいる。
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